JPS61261232A - 耐火・耐熱性ガラス - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （イ）産業上の利用分野 本発明は、高転移温度特性と低膨張特性に加え、優れた
耐失透性と溶融性を有する耐火・耐熱性ガラス、とくに
各種ディスプレイ、太陽電池およびフォトマスク等の基
板用ガラスとして好適な耐火・耐熱性ガラスに関する。

（ロ）従来技術 近年、ガラス等の透明基板上に半導体や金属等の薄膜を
形成し、これをディスプレイやオプトエレクトロニクス
等に利用することが広く行なわれているが、これらの分
野において使用される基板用ガラスは、薄膜形成工程に
おける厳しい要求に対応して以下に示す高度の特性が要
望されている。

（１）薄膜形成工程において、高温にさらされるので、
優れた耐火・耐熱性、すなわち、転移温度が７８０℃以
上、熱膨張係数が約３０〜４５Ｘ　１０’／”０の範囲
の特性を有すること。

（２）アルカリ成分を含有するとアルカリイオンが薄膜
中に拡散して特性を変えるので基本的にアルカリ成分を
含有しないこと。

（３）泡、脈理及びインクルージヨン等を含まない高度
の光学的均質性を有すること。

（４）種々の薬品による洗浄やエツチングに耐え得る化
学的耐久性を有すること。

ところで、上記の高転移温度特性と低膨張特性とを有す
るガラスとしては、比較的多量のＡｌ２Ｏ３成分を含有
させたアルミノ−珪酸塩ガラスが種々知られている。

例えば１重量％でＳｉＯ□６５％、Ａｌ２０３２５％、
ＭｇＯ１０％の組成からなるガラスが繊維用Ｓガラスと
して良く知られている。しかし、このガラスは、液相温
度が１４００℃以上と高く、耐失透性に劣るため、高度
の光学的均質性を得難い欠点がある。

また、上記Ｓガラスの耐失透性を改善する目的で、　　
Ｓ＋０２−　Ａｌ２Ｏ３−ＭｇＯ−Ｃａｎ系の繊維用ガ
ラスが特開昭５８−８４２４３号公報において知られて
いるが、その改善効果は不十分である。

さらに、５ｉ０２−　Ａｌ２Ｏ３−ＺｒＯ２−ＭｇＯ−
ＲＯ−Ｒム０３系（ただし、ＲはＣａ　、　Ｂａおよび
Ｓｒのうちの少なくとも１種、Ｒ′はＡｓおよびｓｂの
うちの少なくとも１種）からなる基板用ガラスが特開昭
８０−４２２４８号公報において知られている。しかし
、このガラスは、前記Ｓガラスと同様に、耐失透性に劣
るため光学的に均質な製品を得難い、一方、特開昭５７
−１９１２５１号公報において、耐失透性維持のためＡ
ｌ２Ｏ３成分を比較的少量に限定した５ｉ０２−Ａ１２
０３−Ｐ２Ｏ５−アルカリ土類金属酸化物系のガラスが
知られているが、このガラスは転移温度特性が不十分で
ある。

（ハ）解決しようとする問題点 本発明は、上述の状況に鑑みてなされたもので、その目
的とするところは、前記の諸要望を満たすとともに上記
従来のガラスにみられる欠点を解消し、液相温度が１３
００℃以下であって、耐失透性に一段と優れた耐火・耐
熱性ガラス、とくに広範囲にわたる基板用ガラスとして
好適な耐火・耐熱性ガラスを提供することにある。

（ニ）問題点を解決するための手段 上記目的を達成するため、本発明者らは、種々の試験研
究を重ねた結果、多量のＡｌ２Ｏ３成分を含有させた５
ｉ０２−　Ａ１２０３−　Ｐ２Ｏ６−ＭｇＯ−ＣａＯ系
ガラスに特定量の　ＳｒＯおよび／またはＢａＯ成分を
必須成分として含有させると、意外にも優れた高転移温
度特性と低膨張特性とを維持しつつ、液相温度を著しく
低下させることが可能であり、耐失透性に一段と優れた
ガラスが得られることをみいだし、本発明をなすに至っ
た。

本発明にかかる耐火・耐熱性ガラスの特徴は、特許請求
の範囲に記載のとおり、重量％で、５１０２　４５〜８
８％、Ａｌ２０３２０〜３５％、ＺｒＯ２，（１ｗ　８
％、Ｙ２Ｏ３、Ｌａ２Ｏ３およびＧｄ２Ｏ３の１種また
は２種以上の合計量０〜７％、ただし、Ａｌ２Ｏ３＋　
ＺｒＯ２＋　Ｙ２Ｏ３＋Ｌａ２Ｏ３＋　Ｇｄ２Ｏ３２４
，５％以上、Ｐ２Ｏ５０，５〜１０％、Ｍｇ０　２〜１
２％、ＣａＯＯ，５〜１０％、ＳｒＯおよび／またはＢ
ａｎ　　Ｏ，５〜８％、Ｚｎ０　０〜５％、ｐｂ。

０〜５％、ＴｉＯ□　０〜５％、　Ｗｂ２０５および／
または　Ｔａ２０５　　Ｇ　〜５％、Ｂｉ２Ｏ３および
／または一０３０〜５％、Ａｓ２０３Ｑ〜１％およびＳ
ｂ２Ｏ３０〜３％を含有するところにある。

つぎに、上記のとおり各成分の組成範囲を限定した理由
について述べる。

５ｉ０２成分は、その量が４５％未満ではガラスの化学
的耐久性が不十分であり、また８８％を超えると溶融性
が悪化し、均質なガラスを得難くなる。

Ａｌ２Ｏ３成分は、本発明のガラスにおいて、多量に含
有させることにより、ガラスの転移温度を高め、熱膨張
係数を低下させるばかりでなく、溶融性を改善するに有
効であるため極めて重要な成分であるが、その量が２０
％未満では上記の効果が不十分であり、また３５％を超
えるとガラスの失透傾向が増大すると同時に熱膨張係数
が逆に大きくなる。

ＺｒＯ２成分は、ガラスの熱膨張係数を大きくすること
なく転移温度を高める効果があるので添加し得るが、そ
の量が８％を超えると失透を生じ易くなる。

Ｙ２Ｏ３、Ｌａ２Ｏ３およびＧｄ２Ｏ３め各成分は、ガ
ラスの転移温度を高め、熱膨張係数を小さくする効果が
あるので添加し得るが、これらの１種または２種以上の
合計量は、７％以下で十分である。

ただし、上記Ａｌ２Ｏ３、ＺｒＯ２、Ｙ２Ｏ３，Ｌａ２
Ｏ３およびＧｄ２Ｏ３成分の合計量が２４．５％未満で
は、所望の高転移温度特性を得難い。

Ｐ２Ｏ５成分は、ガラスの溶融性を改善し、熱膨張係数
を小さくするとともに、失透傾向を防止し、ガラスを安
定化する効果を有することがみいだされた重要な成分で
あるが、その量が０．５％未満ではそれらの効果が十分
でなく、また、１０％を超えるとガラスの転移温度が低
下し、さらに耐失透性も悪化する。

ＮｇＯ成分は、ガラスの熱膨張係数を大きくすることな
く、溶融性を改善する効果があるが、その量が２％未満
では、上記効果が十分でなく、また１２％を超えるとガ
ラスの失透傾向が増大する。

ＣａＯ成分は、少量でも所定量を超えればガラスの溶融
性を改善する効果がみられるが、多量に含有させると熱
膨張係数が過大になるとともに、下記ＳｒＯおよびＢａ
Ｏ成分の耐失透性向上効果が顕著でなくなるので、０．
５〜１０％の範囲にとどめる必要がある。

本発明のガラスにおいて、ＳｒＯおよび／またはＢａＯ
成分は、ガラスの転移温度を低下させたり熱膨張係数を
過大にしたりすることなく、失透化の傾向を防止し、ガ
ラスを安定化する効果が顕著であることがみいだされた
重要な成分であるが、これらの１種または２種の合計量
が０．５％未満では、上記効果が十分でなく、また８％
を超えるとガラスの溶融性及び耐失透性がともに悪化す
る。　ＳｒＯおよびＢａＯ成分の上記効果は、ＺｒＯ２
、Ｙ２Ｏ３、Ｌａ２Ｏ３およびＧｄ２Ｏ３成分の添加の
有無に拘らず、　　２４．５％以上のＡｌ２Ｏ３成分を
含有する組成域において。

一段と優れている。末尾に掲げた第１図は、５ｉ０２５
６．７％、Ａｌ２０３２８％、２２０５５％、Ｍｇ０　
８．５％、Ｃａ０３．５％およびＡｓ２Ｏ３０，３％の
基礎組成にＳｒＯおよびＢａＯ成分をそれぞれ添加し、
後述の実施例のガラスと同様にして得たガラスにつき、
ＳｒＯおよびＢａＯの添加量とガラスの液相温度との関
係を表わしたものであり、　ＳｒＯおよびＢａＯの特定
量を添加すると極めて顕著な液相温度の低下がみられ、
耐失透性が著しく向上することを示している。

なお、ガラスの耐失透性向上効果を一層得るためには、
上記ＣａＯ１ＳｒＯおよびＢａＯ成分の合計量を２％以
上にすることが望ましい。

下記の成分は、本発明のガラスに不可欠ではないが、ガ
ラスの溶融性及び化学的耐久性等の改善又は熱膨張特性
の調整のため必要に応じ添加することができる。

すなわち、ＺｎＯ成分は、ガラスの溶融性および化学的
耐久性を向上させるのに有効であるが、その量が５％を
超えるとガラスの失透傾向が増大する。　　ｐｂｏ成分
は、ガラスの溶融性及び耐失透性を改善するのに有効で
あるが、その量が５％を超えるとガラスの転移温度を低
下させるａ　ＴｉＯ□成分は、ガラスの溶融性を改善す
るのに有効であるが、その量が５％を超えるとガラスの
失透傾向が増大すると同時に着色性が増す、Ｈｂ２Ｏ５
および〒ａ２０５の各成分は、ガラスの熱膨張係数を小
さくする効果があるが、これらの１種または２種の合計
量が５％を超えるとガラスの失透傾向が増大する。

８４２０３および一０□の各成分は、熔融性及び耐失透
性を改善する効果があるが、これらの１種または２種の
合計量が５％を超えるとガラスに着色を与える。　Ａｓ
２Ｏ３成分は、清澄剤として用いられるが、その量は　
１％以下で十分である。Ｓｂ２Ｏ３成分は、脱泡を促進
し、溶融性を改善すると同時に、熱膨張係数を低めるの
に有効であるがその量が３％を超えるとガラスの失透傾
向が増大する。

さらに、本発明のガラスに、上記緒特性を損わない範囲
で、必要に応じ、Ｌｉ２Ｏ、Ｎａ２Ｏおよびに２０の１
種または２種以上の合計量を２％程度以下、８２０３．
　ＧｅＯ２および５ｎ０２等を５％程度以下および上記
金属酸化物成分の金属の弗化物及び硫化物等を２％程度
以下の範囲で、それぞれ、含有させることができる。

（ホ）実施例 次に１本発明の耐火Φ耐熱性ガラスにかかる好適な実施
組成例（Ｎｏ、１〜Ｎｏ、　ｉｓ）と前記従来のＳ＋０
２−　　Ａｌ２Ｏ３−ＭｇＯ−ＣａＯ系、５ｉ０７−　
　Ａｌ２Ｏ３−ＺｒＯ２−ＭｇＯ−ＲＯ−Ｒ２Ｏ３系お
よび５ｉ０２−　Ａ１２０３−Ｒ２Ｏ５−アルカリ土類
金属酸化物系の比較組成例（？ｋ１．Ａ−Ｎｏ、Ｃ）を
これらのガラスの転移温度、熱膨張係数および液相温度
についての測定試験結果とともに表−１に示す。

液相温度は、約１１腸の大きさのガラス粒を温度傾斜炉
で３０分間保温し、失透が析出した上限温度を測定する
ことにより求めたものである。

本発明の上記実施例のガラスは、いずれも、酸化駒、燐
酸塩、炭酸塩および硝酸塩等の原料を混合し、これを白
金るつぼ等の溶融装置を用いて約１４００〜１５３０℃
の温度で溶融し、攪拌均質化した後。

所望形状に成形し、冷却することにより容易に畳表−１ （単位二重量％） 表−１にみられるとおり、比較例Ｎｏ、　ＡおよびＣの
ガラスは、転移温度が、それぞれ、　７５９℃および７
８３℃と低く、また、比較例Ｎｏ、Ｈのガラスは、液相
温度が１４００℃以上と高く、耐失透性に劣り高い光学
的均質性を有するガラスを得ることが困難である。これ
に対し、本発明の実施例のガラスは、いずれも、約７８
０℃以上の転移温度と約３０〜４５Ｘ　１Ｇ’／”Ｏの
範囲の熱膨張係数とを有し、しかも、液相温度が１３０
０℃以下であり、耐失透性に一段と優れていることがわ
かる。

なお、上記実施例のガラスは、いずれも、溶融性に優れ
、また良好な化学的耐久性を有するものである。

（へ）発明の効果 上述のとおり、本発明の耐火・耐熱性ガラスは。

高含有量のＡｌ２Ｏ３と特定範囲量の即０および／また
はＢａＯを含有させた５ｉ０２−　Ａｌ２Ｏ３−Ｐ２Ｏ
５−ＭｇＯ−ＣａＯ−ＳｒＯおよび／またはＢａＯ系ガ
ラスであるから、優れた高転移温度特性、低膨張特性及
び溶融性を維持しつつ、耐失透性を大幅に改善すること
ができる。また、本発明のガラスは、基本的にアルカリ
成分を含有していないうえに、化学的耐久性にも優れて
いる。従って、本発明のガラスは、前記各種用途の基板
として用いる場合には、高温度での薄膜形成工程や苛酷
な各種の化学処理工程に十分耐えることができるので、
特性の優れた薄膜を形成し得る。また、ガラスの製造に
際しては、基板用ガラスに要求される高度の光学的均質
性を有するガラスを高い歩留で安定して製造することが
できる。

さらに、本発明のガラスは、上記基板用ガラスとして好
適であるばかりでなく、厳しい耐火・耐熱性が要求され
る理化学用ガラス、電球用ガラスおよび繊維用ガラス等
その他の分野のガラスとしても役立ち得る。

従って、本発明のガラスは、産業上極めて有用である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、５ｊ０２−　Ａｌ２Ｏ３−Ｐ２Ｏ５−ＭｇＯ
−ＣａＯ系基礎ガラスにおけるＳｒＯおよびＢａＯの添
加量とガラスの液相温度との関係を示す図である。 特許出願人　　株式会社　オ　ハ　ラ 図　面 図−工

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. （１）重量％で、ＳｉＯ＿２４５〜８８％、Ａｌ＿２Ｏ
   ＿３２０〜３５％、ＺｒＯ＿２０〜８％、Ｙ＿２Ｏ＿３
   、Ｌａ＿２Ｏ＿３およびＧｄ＿２Ｏ＿３の１種または２
   種以上の合計量０〜７％、ただし、Ａｌ＿２Ｏ＿３＋Ｚ
   ｒＯ＿２＋Ｙ＿２Ｏ＿３＋Ｌａ＿２Ｏ＿３＋Ｇｄ＿２Ｏ
   ＿３２４．５％以上、Ｐ＿２Ｏ＿５０．５〜１０％、Ｍ
   ｇＯ２〜１２％、ＣａＯ０．５〜１０％、ＳｒＯおよび
   ／またはＢａＯ０．５〜８％、ＺｎＯ０〜５％、ＰｂＯ
   ０〜５％、ＴｉＯ＿２０〜５％、Ｈｂ＿２Ｏ＿５および
   ／またはＴａ＿２Ｏ＿５０〜５％、Ｂｉ＿２Ｏ＿３およ
   び／またはＷＯ＿３０〜５％、Ａｓ＿２Ｏ＿３０〜１％
   およびＳｂ＿２Ｏ＿３０〜３％を含有することを特徴と
   する耐火・耐熱性ガラス。
2. （２）Ａｌ＿２Ｏ＿３が２４．５％以上、ＣａＯ、Ｓｒ
   ＯおよびＢａＯの２種以上の合計量が２％以上である特
   許請求の範囲第１項記載の耐火・耐熱性ガラス。
3. （３）基板として用いる特許請求の範囲第１項および第
   ２項記載の耐火・耐熱性ガラス。