JPS6126043Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はフオームボードに関し、詳しくは硬質
発泡体と圧縮回復性に優れた軟質発泡体を組み合
わせ、紙またはプラスチツクフイルムで覆い一体
化した断熱用フオームボードに関する。

硬質フオームボード、たとえばポリスチレンフ
オームボード、硬質ポリウレタンフオームボー
ド、フエノールフオームボードは屋根、天井、
壁、床断熱など木造住宅の断熱材として広く使用
されており、石油価格の上昇に伴い住宅の省エネ
ルギーが益々重視され、その需要は増大すること
が予想される。これらの断熱材を施工する方法と
して、たとえば壁断熱では断熱材を間柱の間には
めこんで外壁はサイデング張りまたはラスモルタ
ル仕上げし、内壁は内装材で仕上げ、床断熱では
断熱材を根太の間にはめこむのが一般である。

しかし、これらの断熱材の施工に際して壁では
通柱、柱、間柱の太さが異なるため、その間隔は
一定でなく、また床においても木材の性質上寸法
が一定でなく、そりなどもあつて寸法精度がよく
ない。そのため注意して工事しても断熱材をはめ
こむ間隔はまちまちである。これに一定規格寸法
の断熱材を適用しようとしても、その都度はめこ
みの間隔に応じて断熱ボードの大きさを切断加工
して調節しなければならず、手数がかかり非能率
となる。間隔のまちまちな柱、根太間に幅寸法の
やや大きい硬質フオームボードを無理に押し込む
破損を起こし、幅寸法が足りないときは間隙を生
じて断熱性を悪くする。また軟質発泡体だけでは
なく圧縮回復性があるため幅寸法を大きめにする
と押し込み施工ができ若干の寸法誤差の補正は可
能であるが施工時の保持性がわるく、わん曲、離
脱、たわみを生じてしまう。

本考案は、このような問題点を解決するもので
あり、硬質発泡体と軟質発泡体を組み合わせて、
施工作業性の向上したフオームボードを提供する
ものである。

すなわち、本考案は、硬質発泡体および圧縮回
復性に優れた軟質発泡体を組み合わせてなるフオ
ームボードであつて、硬質発泡体と軟質発泡体を
接触するように配し、軟質発泡体の占める部分が
硬質発泡体の占める部分より少なく、フオームボ
ードの少なくとも四面が紙またはプラスチツクフ
イルムで覆われて一体化され、しかも、該紙また
はプラスチツクフイルムでフオームボードの周辺
に耳部を設けてなる耳付フオームボードに関す
る。

本考案において軟質発泡体は、施工時の保持性
が充分保たれる程度に使用され、よつて、耳付フ
オームボードに占める割合は硬質発泡体より少な
い。軟質発泡体は横断面が円形、角形等であつ
て、柱状のものが好ましい。さらに、軟質発泡体
は、硬質発泡体の周辺にまたは中央部（特に硬質
発泡体を二分するように貫通して）配されるのが
好ましい。また、紙またはプラスチツクフイルム
はフオームボードの全面を覆う必要はなく、フオ
ームボードを一体化できる程度であればよい。耳
部も適宜必要なだけ設ければよい。また、本考案
においてプラスチツクフイルムには柔軟性のある
シート状のものも含まれる。

本考案を図面を用いて説明する。

第１図は、本考案の一例を示す耳付フオームボ
ードの正面図であり、第２図はそのａ−a′断面図
である。二枚の硬質発泡体ボード１および２には
さまれた横断面が角形柱状の軟質発泡体３を組み
合わせ、これを紙またはプラスチツクフイルム４
で覆い、紙またはプラスチツクフイルムを接着剤
により接着または溶着して耳部５が作成されてい
る。ここで、硬質発泡体ボード１および２と軟質
発泡体ボード３、さらに、これらと紙またはプラ
スチツクフイルム４は適宜接着剤により接着して
一体化される。なお、第１図に示す耳付フオーム
ボードは、上面および下面は、紙またはプラスチ
ツクフイルム４で覆われていない。第３図は、本
考案に系る他の実施例を示す上面図であり、硬質
発泡体ボード６の両側に中空貫通孔を有する円環
状軟質発泡体柱７および８を組み合わせ、紙また
はプラスチツクフイルム９で覆い一体化し、耳部
１０を有する耳付フオームボードである。

本考案に用いる硬化発泡体としては、発泡性ポ
リスチレン粒子より水蒸気を用いて発泡形成され
たポリスチレン発泡体、押出法によつて製造され
たポリスチレン発泡体、硬質ポリウレタン発泡
体、フエノール樹脂発泡体などがある。軟質発泡
体としては、軟質または半硬質ポリウレタン発泡
体、ポリエチレン発泡体などがある。紙として
は、クラフト紙、防水紙等があり、プラスチツク
フイルムとしては、ポリエチレンフイルム、ポリ
プロピレンフイルム、アルミ蒸着処理したプラス
チツクフイルム等がある。

本考案に係る耳付フオームボードは、施工作業
を容易にし、作業能率が大幅に向上する。すなわ
ち、硬質発泡体を押えながら軟質発泡体を押し込
むような複雑な作業でなく、圧縮回復性のある軟
質発泡体が組み合わされた一体品を根太間または
柱間に押込むだけで緊密な断熱層とすることがで
き、さらに耳部を釘打またはステーブルで根太ま
たは柱に容易に固定化でき、風等によるフオーボ
ードの脱落を防止することができる。

本考案に係る耳付フオームボードは、壁材、床
材、屋根材等に使用できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案に係る耳付フオームボードの
一例を示す正面図、第２図はそのａ−a′断面図お
よび第３図は本考案に係る耳付フオームボードの
他の例を示す上面図である。 符号の説明、１，２，６……硬質発泡体ボー
ド、３，７，８……軟質発泡体ボード、４，９…
…紙またはプラスチツクフイルム、５，１０……
耳部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 硬質発泡体および圧縮回復性に優れた軟質発
   泡体を組み合わせてなるフオームボードであつ
   て、硬質発泡体と軟質発泡体を接触するように
   配し、軟質発泡体の占める部分が硬質発泡体の
   占める部分より少なく、フオームボードの少な
   くとも四面が紙またはプラスチツクフイルムで
   覆われて一体化され、しかも、該紙またはプラ
   スチツクフイルムでフオームボードの周辺に耳
   部を設けてなる耳付フオームボード。 ２ 軟質発泡体が、その横断面の形状を円形また
   は角形とした柱状である実用新案登録請求の範
   囲第１項記載の耳付フオームボード。 ３ 軟質発泡体がボード全体の中央部または周辺
   部に配されてなる実用新案登録請求の範囲第１
   項または第２項記載の耳付フオームボード。