JP3576593B2 - 外壁構造 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、外壁下地材の下地面に、サイディング材等の外装材を取付けるための桟材となる胴縁に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、住宅の構築についてはその工業化が進み、例えば壁や床、屋根といった構成要素を予め工場にてパネル化しておき、施工現場でこれらのパネルを組み立てることにより、住宅を構築するといったパネル工法が一部に採用されている。このようなパネル工法に用いられるパネルとして、例えば壁パネルとしては、図6に示すように縦芯材1a、1aと横芯材1b、1bとが矩形枠状に組み立てられるとともに、この矩形枠の内部に補強芯材2が縦横に組み込まれて枠体3とされ、さらにこの枠体3内にグラスウール等の断熱材(図示略)が充填された状態で枠体3の表裏両面に合板からなる面材4が貼着されたものが一般的である。
【0003】
また、このような木質の壁パネルを用いて外壁を形成するには、壁パネルを順次立てて連結し、外壁全体を構築した後、図7に示すように構築した外壁の下地面側に防水シート5を貼着する。そして、外壁下地面とサイディング材との間に通気路を確保するため、防水シート5上に四角柱状あるいは細板状の胴縁7…を釘打ちやビス止めによって取り付け、その後これら胴縁7…の上に軽量気泡コンクリートなどからなるサイディング材6を釘打ちやビス止めによって取り付け固定し、外壁を完成させている。
【0004】
ところで、前記サイディング材6…としては通常矩形板状のものが用いられ、これらは建物の外壁形状や全体の外観意匠に合わせて横貼りあるいは縦貼りされる。また、胴縁7…については、サイディング材6…の貼り方向と直交する方向、すなわちサイディング材貼り方向が縦なら胴縁貼り方向は横、サイディング材貼り方向が横なら胴縁貼り方向は縦となるように取付けられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の胴縁7は四角柱状あるいは細板状のものであるから、当然外壁下地面に当接する面とサイディング材6に当接する面とがともに平面であり、したがって胴縁7を横切って風が通り抜けることができない。ところが、サイディング材6…を縦貼りした場合には、前述したごとく胴縁7…については横貼りするが、その場合防水シート5とサイディング材6との間にて上下方向に風が通らず、このため防水シート5とサイディング材6との間に雨水等が入り込んだ際これが早く蒸発せず、これにより胴縁7等の腐食が早められてしまうといった不都合がある。
【0006】
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、特にサイディング材を縦貼りする場合においても、上下方向に確実に通気路を確保し得る胴縁を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明における請求項1記載の胴縁では、外壁下地面上に、防水シートが貼着されるとともに、この防水シート上から横方向に取付けられ、外装材が取付固定される角材状の胴縁において、
前記外壁下地面側に配置される面が凹凸を有する凹凸面に形成され、この凹凸面の凹部が上下方向の通気路として機能し、前記凹凸面と反対側の面は平面に形成され、この面に前記外装材が取付固定されることを前記課題の解決手段とした。
請求項2記載の胴縁では、凹凸面が側面視波状あるいは鋸歯状に形成されてなることを前記課題の解決手段とした。
請求項3記載の胴縁では、凹凸面における凸部の頂部がそれぞれ同一高さの平面に形成されてなることを前記課題の解決手段とした。
【0008】
【作用】
本発明における請求項1記載の胴縁によれば、外壁下地面側に配置される面が凹凸を有する凹凸面に形成されてなるので、該凹凸面のうちの凹部が胴縁を横切る通気路となる。
請求項2記載の胴縁によれば、前記凹凸面が平面視波状あるいは鋸歯状に形成されてなるので、これを製造するにあたり、一本の角材をその長さ方向に波状あるいは鋸歯状に切断すれば、胴縁が二本得られる。
請求項3記載の胴縁によれば、凹凸面における凸部の頂部がそれぞれ同一高さの平面に形成されてなるので、該凸部の頂部を下地面あるいは外装材(サイディング材)の裏面に当接させることにより、該下地面に安定して取付けられ、あるいは外装材(サイディング材)を安定して取付け得るものとなる。
【0009】
【実施例】
以下、本発明を詳しく説明する。
図1は本発明の胴縁の一実施例を示す図であり、この図において符号10は胴縁である。この胴縁10は、木材や樹脂等の釘を通す材料からなるものであり、図6に示した壁パネルPの横幅に略一致し、あるいはこれよりわずかに短い長さに形成されたものである。また、この胴縁10は、横断面矩形の角材からなるもので、一方の側面を凹凸面11とするものである。
【0010】
凹凸面11は側面視波状のものであり、凹部12の形状と凸部13の形状とが対応するよう形成されたものである。また、この凹凸面11は、その凹部12あるいは凸部13が適宜な間隔、例えば前記壁パネルPの横幅を4、6、8、10といった整数で割った長さに相当する間隔で交互に配列されて形成されたものであり、その凸部13…の頂部の高さがそれぞれ同一の高さとなるように形成されたものである。なお、この凹凸面11とその反対側の面との距離(厚み)については、該胴縁10が取付けられる下地面、あるいはその上に取付ける外装材(サイディング材)の材質や形状等によって適宜決定される。
【0011】
このような胴縁10を作製するには、図2に示すように横断面矩形の角材Wから、図2中Cで示す波線状の切断線に沿って該角材Wをその長さ方向に二分割する。このようにして角材Wを二分割すると、切断線Cに沿って切断された面がそれぞれ凹凸面11となり、一回の切断によって二本の胴縁10、10を得ることができる。
【0012】
また、このような胴縁10…を用いて下地面にサイディング材を縦貼りするには、例えば図3に示すように従来と同様にして壁パネルPの下地面に防水シート5を貼着し、さらにその上に胴縁10…を釘打ちによって横方向に取付ける。ここで胴縁10の取付については、この例ではその凹凸面11を防水シート5側に向けて取付ける。そして、このように胴縁10…をそれぞれ上下方向に適宜間隔をおいて釘打ち固定した後、これら胴縁10…上にサイディング材Sを釘打ちあるいはビス止め等によって取付固定する。
【0013】
このようにして得られた外壁構造にあっては、胴縁10…が横方向(水平方向)に取付けられているものの、胴縁10…がそれぞれ凹凸面11を有しており、これら凹凸面11…がそれぞれ防水シート5に面していることから、該防水シート5と凹凸面の11の凹部12…との間に通気路が確保され、これによって雨水等が防水シート5とサイディング材Sとの間に入り込んでも、防水シート5とサイディング材Sとの間に生じる上昇気流によってその蒸発が早められる。
【0014】
図4は本発明の胴縁の変形例を示す図であり、この図において符号20は胴縁である。この胴縁20が図1に示した胴縁10と異なるところは、その凹凸面21が側面視波状でなく鋸歯状に形成されている点である。このような形状の凹凸面21を有する胴縁20にあっても、凹凸面21の凹部22…が通気路となることから、例えばこれらを横方向(水平方向)に取付けても、上下方向への通気を遮ることがなくなる。
【0015】
図5は本発明の胴縁の他の実施例を示す図であり、この図において符号30は胴縁である。この胴縁30が図1に示した胴縁10と異なるところは、その凹凸面31が側面視波状でなく、側面視コ字状の凹部32と側面視コ字状の凸部33とを交互に有して形成された点である。また、この凹凸面31では、その凸部33…の頂部を形成する平面が全て同一高さに形成されており、これによって該凹凸面31を壁パネルPの下地面に当接させることにより、下地面に貼着された防水シート5上に安定して取付けられるものとなっている。
【0017】
【発明の効果】
以上説明したように本発明における請求項1記載の胴縁は、外壁下地面側に配置される面が凹凸を有する凹凸面に形成されてなるものであるから、該凹凸面のうちの凹部が胴縁を横切る通気路となり、したがって雨水等が下地面と外装材(サイディング材)との間に入り込んでも、通気路を確保していることによってその蒸発を早めることができ、これにより水が溜まることに起因する胴縁等の腐食を防止することができる。
請求項2記載の胴縁は、前記凹凸面が平面視波状あるいは鋸歯状に形成されてなるものであるから、これを製造するにあたり、一本の角材をその長さ方向に波状あるいは鋸歯状に切断することによって該胴縁を二本得ることができ、したがってその生産性が高いものとなる。
請求項3記載の胴縁は、凹凸面における凸部の頂部がそれぞれ同一高さの平面に形成されてなるものであるから、該凸部の頂部を下地面あるいは外装材(サイディング材)の裏面に当接させることにより、該下地面に安定して取付けられ、あるいは外装材を安定して取付け得るものとなり、したがって下地面上に外装材を安定して取付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の胴縁の一実施例を示す斜視図。
【図2】図1に示した胴縁の製造方法を説明するための平面図。
【図3】図1に示した胴縁の使用例を示す平断面図。
【図4】図1に示した胴縁の変形例を示す斜視図。
【図5】本発明の胴縁の他の実施例を示す斜視図。
【図6】従来の壁パネルの一例を示す斜視図。
【図7】従来のサイディング材貼りの施工法を説明するための一部切欠斜視図。
【符号の説明】
10、20、30 胴縁
11、21、31 凹凸面
12、22、32 凹部
13 凸部
P 壁パネル
S サイデイング材
Claims (3)
- 外壁下地面上に、防水シートが貼着されるとともに、この防水シート上から横方向に取付けられ、外装材が取付固定される角材状の胴縁において、
前記外壁下地面側に配置される面が凹凸を有する凹凸面に形成され、この凹凸面の凹部が上下方向の通気路として機能し、前記凹凸面と反対側の面は平面に形成され、この面に前記外装材が取付固定されることを特徴とする胴縁。 - 請求項1記載の胴縁において、前記凹凸面が側面視波状あるいは鋸歯状に形成されてなることを特徴とする胴縁。
- 請求項1記載の胴縁において、前記凹凸面における凸部の頂部がそれぞれ同一高さの平面に形成されてなることを特徴とする胴縁。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1994101270A JP3576593B6 (ja) | 1994-05-16 | 外壁構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1994101270A JP3576593B6 (ja) | 1994-05-16 | 外壁構造 |
Publications (3)
Publication Number | Publication Date |
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JPH07305479A JPH07305479A (ja) | 1995-11-21 |
JP3576593B2 true JP3576593B2 (ja) | 2004-10-13 |
JP3576593B6 JP3576593B6 (ja) | 2007-06-13 |
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Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPH07305479A (ja) | 1995-11-21 |
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