JPS6124119Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車用座席に係り、特に乗員の腰部
の疲労除去と着座安定性が得られる自動車用座席
に関する。

一般に、乗車中に体が疲れると、座席の背凭れ
を後方に倒して休息をとるが、この場合、いわゆ
る腰枕的なものが座席に設けられていると、疲れ
も取れ便利である（実開昭48−30107号公報参
照）。

ところが、この腰枕もその硬度が常に一定であ
れば、背凭れを起こした状態の通常走行中は違和
感があり、個人差、体および姿勢の状態を考慮し
ても場合によつては好ましくないことがある。

本考案は、このような点に鑑み、着座時の疲労
除去と、着座安定性が得られるようにした自動車
用座席を提供することを目的としてなされたもの
である。

上記目的を達成するために、本考案は、背凭れ
部の下方に左右に延在し、かつ前記背凭れ部に形
成した凹所内に着脱自在に嵌挿された腰当具を有
する自動車用座席において、前記腰当具は、腰当
接面が前記背凭れ部の表面とほぼ同一平面となる
ように構成した断面コ字状のカバー部材とこのカ
バー部材の開放端側に取付けられた後部フレーム
と、前記カバー部材の腰当接面側内側に詰納され
た弾性体と、前記後部フレームに回動可能に取付
けたハンドルにねじ軸を設け、このねじ軸に螺合
された押圧板を前記ハンドル部材の回動に伴つて
進退させ、前記カバー部材と押圧板との間で狭持
した前記弾性体の硬度を変化させる硬度調節装置
とを有し、前記後部フレーム若しくはハンドルが
当接する前記凹所の底壁は所定量以上変化しない
ように構成したことを特徴とするものである。

そしてこのような手段を採用すると、ハンドル
を回動すると押圧板が進退し、弾性体の硬度が調
整でき、最も好ましい硬度の腰当具にできるの
で、通常走行中あるいは背凭れ部を倒した状態如
何に拘ず着座時に腰を刺激して疲労をとることが
でき、また通常走行中は柔らかくすれば座席全体
で乗員の体をホールドする着座安定性が得られる
ことになる。

以下、本考案を図面に示す実施例により説明す
る。

自動車用座席１は、着座部２と、この着座部２
にデバイス３を介して後方に倒れるように接続さ
れている背凭れ部４とを有し、これらの着座部２
および背凭れ部４はいずれも内蔵された弾性体に
より座りごこち良く形成されている。

この背凭れ部４は、第２図に示すように表皮１
５、ウオーデイング１６、パツテング１７、パツ
ドサボート１８、スプリング１９等を有している
が、本実施例では、人の背中の当接する内側の下
方に、左右に延在する凹所５が形成され、この凹
所５内には、腰当具６が着脱自在に嵌合されるよ
うになつている。ただし、この腰当具６を装着し
た状態でも座席の形状は人が着座したときの形状
に沿うようにしてあり、凹凸が生じないようにし
ている。

この腰当具６は、幅および高さが前記凹所５と
ほぼ等しく、また、奥行きも前記凹所５とほぼ同
程度であり（第３図参照）、背凭れ部４の表面と
腰当面がほぼ同一平面となるように構成している
が、ただこの奥行きは方向に関しては後述の硬度
調整装置１０により多少変化し得るようになつて
いる。

さらにこの腰当具６を詳述すると、第２図に示
すように、この腰当具６は前記凹所５とほぼ同形
をした皮、ビニール等ある程度は伸縮する材料に
より構成され軸直角断面がほぼコ字状をしたカバ
ー部材１４と、このカバー部材１４の開放側端部
が貼着された後部フレーム７と、前記カバー部材
１４の腰当接面側内側に詰納されたポリウレタン
ゴム等からなる弾性体１１と、この弾性体１１の
硬度を調節する硬度調整装置１０とを有してい
る。

この硬度調整装置１０は前記後部フレーム７に
回動可能に取付けたハンドル８にねじ軸９を取付
け、このねじ軸９に押圧板１２のスリーブ１３を
螺合したもので、前記ハンドル８を回動すること
により押圧板１２を進退させ前記カバー部材１４
と押圧板１２との間に狭持した弾性体１１の硬度
を変化させるようにしたものである。

また、前記凹所５の底壁５ａは所定量以上変化
しないように構成しておく必要があり、本実施例
ではスプリング１９に表皮１５の一部が当接する
ように構成し、前記後部フレーム７等が不必要に
後退しないようにしている。

次に作用を説明する。

まず、腰の疲労をとるために腰当具６を用いる
場合には、この腰当具６を凹所５から外し、ハン
ドル８を回転する。この回転によりねじ軸９に螺
合しているスリーブ１３のねじ軸９に対する螺合
範囲が変化し、押圧板１２とカバー部材１４との
間の巾ｌが変化するしたがつてハンドル８を左回
転して押圧板１２を前進（第２図上左行）させる
と、カバー部材１４との間の巾ｌが小さくなり、
これに伴い弾性体１１が縮少してカバー部材１４
を加圧したときの弾性が減少し、硬い腰当具６と
なる。

したがつてこの腰当具６を凹所５内に嵌挿する
と、腰が当る部分が硬く、着座時に乗員の腰部分
は刺激を加えられ、腰部分の疲労がとれるように
なる。

また前記同様に腰当具６を凹所５から外し、ハ
ンドル８を右回転して押圧板１２を後退（図上右
行）させると、カバー部材１４との間の巾ｌが大
きくなり、前述の場合とは逆に弾性体１１が膨張
し、柔らかい腰当具６となる。

したがつて、この腰当具６を凹所５内に嵌挿す
ると、他の部分に比して腰が当る部分が柔らかく
なり、この腰部分が乗員の腰全体をホールドする
ことになり、着座安定性が向上することになる。

このように、ハンドル８を回転させるだけで弾
性体１１の硬度が変化し、カバー１４に当接した
ときの弾力性が変化することになるが、いずれの
場合も腰当具６は背凭れ部４とほぼ同一平面上に
あるので、乗員の体形に合致する座席となつてい
る。

以上説明したように、本考案に係る自動車用座
席は、背凭れ部の内側の下方に左右に延在するよ
うに形成された凹所内に着脱自在に嵌合した腰当
具の弾性を調整可能にし、この腰当具の一部が前
記凹所より突出するように前記凹所内に嵌合した
ので、通常走行中あるいは背凭れ部を倒した状態
如何に拘ず腰の疲労をとることができ、しかも座
つた際の安定性も得られるという優れた効果を奏
する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る自動車用座席の実施例を
示す斜視図、第２図は第１図の当接具の縦断面斜
視図、第３図は腰当具装着状態を示す概略断面図
である。 １……自動車用座席、２……本体、４……背凭
れ部、５……凹所、６……当接具、７，１２……
フレーム、８……ハンドル、９……ねじ軸、１０
……硬度調整装置、１１……弾性体、１４……カ
バー部材、１９……スプリング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 背凭れ部の下方に左右に延在し、かつ前記背凭
   れ部に形成し凹所内に着脱自在に嵌挿された腰当
   具を有する自動車用座席において、前記腰当具
   は、腰当接面が前記背凭れ部の表面とほぼ同一平
   面となるように構成した断面コ字状のカバー部材
   と、このカバー部材の開放端側に取付けられた後
   部フレームと、前記カバー部材の腰当接面側内側
   に詰納された弾性体と、前記後部フレームに回動
   可能に取付けたハンドルにねじ軸を設け、このね
   じ軸に螺合された押圧板を前記ハンドル部材の回
   動に伴なつて進根させ、前記カバー部材と押圧板
   との間で狭持した前記弾性体の硬度を変化させる
   硬度調節装置とを有し、前記後部フレーム若しく
   はハンドルが当接する前記凹所の底壁は所定量以
   上変化しないように構成してなる自動車用座席。