JPS6123712Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は歯車支持軸の固定装置に関し、特に小
型モータの減速用歯車を支持する支持軸の両端部
を固定するものに使用して好適な歯車支持軸の固
定装置に関する。

従来、この種の歯車支持軸の固定装置は第１図
及び第２図に示すように減速機構１を収納するギ
ヤケース２の相対向する両側壁３，３の夫々の内
側面３ａ，３ａに該ギヤケース２の端縁３ｂに開
口する凹部４，４を形成し、この凹部４，４内に
ウオームホイール６とウオーム７を一体に形成し
た歯車５を回転自在に支持する歯車支持軸８の両
端部を配置するとともに、前記ギヤケース２を閉
塞する樹脂材からなるギヤカバー９の内面の前記
各凹部４，４に対向する位置に凸起１０′，１
０′を一体に設け、ギヤカバー９をギヤケース２
にねじ１１により固定した際に該支持軸８の両端
部が夫々凹部４と凸起１０′により挾持され歯車
支持軸８が固定されるようにしたものは公知であ
る。ところで上記のものにおいては、凹部４の深
さ寸法の精度及び凸起１０′の高さ寸法の精度が
要求されるが、特にギヤカバー９と凸起１０′と
を樹脂材から成形法により一体に成形する場合に
は凸起１０′の寸法誤差が大きく、凸起１０′の高
さ寸法が小さ過ぎた場合には歯車支持軸８を充分
挾持できなくなり、凸起１０′の高さ寸法が大き
過ぎた場合にはギヤカバー９を変形或いは破損さ
せる欠点があつた。また確実に歯車支持軸８を固
定するためには凸起１０′を追加工して寸法精度
を上げるとともに凹部４の深さ方向の寸法管理を
行う必要があつた。

本考案は上記した従来の欠点に鑑み案出したも
のであり、厳密な寸法管理を行なわずとも確実に
歯車支持軸を強固に固定できる歯車支持軸の固定
装置を提供することを目的とするものである。

上記目的を達成するため本考案に係る歯車支持
軸の固定装置は、減速機構を収納するギヤケース
の相対向する両側壁の夫々の内側面に該ギヤケー
スの端縁に開口する凹部を形成し、歯車を回転自
在に支持する歯車支持軸の両端部を該各凹部内に
配置するとともに、前記ギヤケースを閉塞する樹
脂材からなるギヤカバーの内面の前記各凹部に対
向する位置に夫々凸起を一体に設け、前記歯車支
持軸の両端部を夫々前記凹部と凸起により挟持し
て固定するものにおいて、前記各凸起に、その先
端から基部に向つて２分割する溝を設けて夫々１
対の弾性を持つた係止脚を形成するとともに、前
記各凹部を構成する相対向した両側面を、前記各
１対の係止脚が弾性変形した際に該係止脚の先端
部が夫々当接し当該各１対の係止脚の弾性変形量
を規制するストツパ面としたものである。

以下本考案の歯車支持軸の固定装置を図に示す
一実施例に基づいて説明する。

第３図は本考案の歯車支持軸の固定装置を示す
縦断面図、第４図は第３図のＢ−Ｂ断面図であ
り、第４図イ，ロは夫々組込前、組込後を示す。

尚第１図及び第２図に示す従来例と同一もしく
は均等部分については同一符号をつけ、その説明
を省略する。第３図及び第４図イにおいて、１
０，１０は樹脂材からなるギヤカバー９と一体に
成形法により形成した凸起であり、各凸起１０，
１０には、その先端から基部１０ａに向つて２分
割する溝１０ｂを成形時に同時に設けて１対の弾
性を持つた係止脚１０ｃ，１０ｃを形成する。減
速機構１を収納するギヤケース２の相対向する両
側壁３，３の夫々の両側面３ａ，３ａに該ギヤケ
ース２の端縁３ｂに開口する如く形成した凹部
４，４は、その底面に歯車支持軸８の外径寸法に
見合つた断面半円状の窪み４ａを設けてある。従
つて例えばウオームホイール６とウオーム７を一
体に形成した歯車５を歯車支持軸８に挿入し、前
記凹部４，４内にこの歯車支持軸８の両端部を配
置すれば前記半円状の窪み４ａ内に支持軸８が入
り込み該支持軸８の位置が規制される。各凸起１
０の高さ方向の寸法は１対の係止脚１０ｃ，１０
ｃの先端が歯車支持軸８の外周に当接したときギ
ヤカバー９とギヤケース２間の隙間が第４図イに
示ようにＤとなる如く決める。しかしてねじ１１
をねじ込むことにより歯車支持軸８の両端部の外
周に当接している夫々１対の係止脚１０ｃ，１０
ｃは弾性を有しているので互いに離れる方向に前
記隙間Ｄに見合つた量だけ弾性変形し、ギヤカバ
ー９は変形することなく第４図ロに示すごとくギ
ヤケース２に密着して固定される。従つて、たと
えば凸起１０の高さ寸法或いは凹部４の深さ寸法
に誤差があつても係止脚１０ｃ，１０ｃが互いに
離れる方向に弾性変形するので、この誤差を吸収
することができ、凸起１０及び凹部４の厳密な寸
法管理は不要となる。歯車支持軸８の両端部外周
の上部は夫々溝１０ｂ内に入り込み、各１対の係
止脚１０ｃ，１０ｃと前記断面半円状の窪み４ａ
とで歯車支持軸８の両端部の外周を抱くとにな
り、該支持軸８は各凸起１０の上方からの押圧力
と各１対の係止脚１０ｃ，１０ｃの溝１０ｂをせ
ばめる方向に働らく復元力により凹部４，４内で
固定される。

このとき、第４図ロに示すように各１対の係止
脚１０ｃ，１０ｃの先端部は、前記凹部４を構成
する相対向した両端面４ｂ，４ｂに当接もしくは
微小間隔で非接触状態にある如くなしているの
で、歯車５を介して歯車支持軸８に過負荷もしく
は衝撃等が加わり、各１対の係止脚１０ｃ，１０
ｃを更に互いに離れる方向に弾性変形させる力が
作用しても該係止脚１０ｃの先端部は前記側面４
ｂに当接し、それ以上の弾性変形は阻止される。
つまり、各凹部４を構成する両側面４ｂ，４ｂは
各１対の係止脚１０ｃ，１０ｃの弾性変形量を規
制するストツパ面として機能し、歯車５に過負荷
もしくは衝撃等が加わつても確実に歯車支持軸８
を凹部４，４内で強固に固定することができ、従
つて歯車５を構成する例えばウオームホイール６
とウオーム７の噛合量は変化せず、それらの破損
は阻止される。

尚、歯車支持軸８の両端部外周の上部と当接す
る各１対の係止脚１０ｃ，１０ｃの相対向する内
側先端の角部は丸みを持たせても良いし、傾斜面
１０ｄ，１０ｄとしても良い。

以上の如く本考案に係る歯車支持軸の固定装置
は、ギヤカバーの内面に一体に設けた各凸起に
夫々１対の弾性を持つた係止脚を形成するととも
に、ギヤケースに形成した各凹部を構成する相対
向した両側面を、該各１対の係止脚の弾性変形量
を規制するストツパ面としたので、前記各凸起と
各凹部の厳密な寸法管理を行なわずとも確実に歯
車支持軸を該凹部内で強固に固定することができ
る効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の歯車支持軸の固定装置を示す縦
断面図、第２図は第１図のＡ−Ａ断面図、第３図
は本考案の歯車支持軸の固定装置の一実施例を示
す縦断面図、第４図は第３図のＢ−Ｂ断面であ
り、第４図イ及びロは夫々組込前、組込後を示
す。 １……減速機構、２……ギヤケース、３……側
壁、３ａ……側壁の内側面、３ｂ……ギヤケース
の端縁、４……凹部、４ｂ……凹部の側面、５…
…歯車、８……歯車支持軸、９……ギヤカバー、
１０……凸起、１０ａ……基部、１０ｂ……溝、
１０ｃ……係止脚。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 減速機構を収納するギヤケースの相対向する両
   側壁の夫々の内側面に該ギヤケースの端縁に開口
   する凹部を形成し、歯車を回転自在に支持する歯
   車支持軸の内端部を該各凹部内に配置するととも
   に、前記ギヤケースを閉塞する樹脂材からなるギ
   ヤカバーの内面の前記各凹部に対向する位置に
   夫々凸起を一体に設け、前記歯車支持軸の両端部
   を夫々前記凹部と凸起により挟持して固定するも
   のにおいて、前記各凸起に、その先端から基部に
   向つて２分割する溝を設けて夫々１対の弾性を持
   つた係止脚を形成するとともに、前記各凹部を構
   成する相対向した両側面を、前記各１対の係止脚
   が弾性変形した際に該係止脚の先端部が当接し当
   該各１対の係止脚の弾性変形量を規制するストツ
   パ面としたことを特徴とする歯車支持軸の固定装
   置。