JPS6123288Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、例えば耕耘作業機などの各種農作業
機を走行機体に昇降可能に装設する移動農機に関
する。

「従来の技術」 従来、特公昭38−159号公報に示す如く、走行
機体に各種農作業機を収納したものがあり、また
特公昭49−9168号公報に示す如く、走行機体に収
納した各種農作業機を、走行機体に設ける垂直回
転軸に回転自在に取付ける高さ調節機構に連結支
持させたものがあつた。

「考案が解決しようとする問題点」 前記従来技術は、昇降機構を垂直回転軸を中心
に回転させることにより、農作業機を外側に取出
すことができたが、その農作業機の取出し回転径
を走行機体の横幅より小さく形成し難く、例えば
狭小な倉庫内で農作業機の保守点検などを行う場
合、予め圃場など広いスペースで農作業機を外側
に取出した状態で、機体を走行させて倉庫内に搬
入して行う作業が必要となり、この後倉庫内にこ
れら走行機体並びに農作業機を保管する場合、走
行機体を一旦倉庫外に出して農作業機を収納した
後、再び倉庫内に搬入する作業が必要となる。従
つて、倉庫内での農作業機の取出し及び収納が行
えないため、保守点検を煩わしい作業にすると共
に、頻繁な農作業機の回転動作により昇降機構の
故障原因となる問題があつた。また垂直回転軸の
みによる農作業機の回転案内であるため、その回
転動作が不安定なものとなり、迅速な農作業機の
取出し及び収納が望めない問題があつた。要する
に走行機体に取付けた垂直回転軸を中心とする昇
降機構の回転による農作業機の取出し及び収納構
造に問題があつた。

「問題点を解決するための手段」 然るに本考案は、昇降可能に装設する各種農作
業機を収納する複数のボデイで走行機体を形成し
た構造において、前後の農作業機を前後移動自在
に支持するレールを前後のボデイに水平に敷設す
ると共に、中央の農作業機を上下移動自在に支持
するレールを中央のボデイに垂直に立設固定した
ものである。

「作 用」 従つて本考案によれば、走行機体の横巾内にあ
る水平及び垂直なレールにより前後の農作業機は
水平に前後移動させ、また中央の農作業機は垂直
に上下移動させて走行機体の横巾内での取出し及
び収納が可能となり、狭小な倉庫内での保守点検
並びに各種農作業機の着脱作業を従来に比べて簡
便に行い得、またレールにより各種農作業機を移
動案内するため、農作業機の取出し及び収納を安
定よく迅速に行い得ると共に、前後のレールと中
央のレールの張設方向を異ならせ、前後の農作業
機と中央の農作業機の取出し方向を異ならせるこ
とにより、前後及び中央の複数の農作業機を千渉
させることなく同時に取出し及び収納を行い得、
従来よりも構造を簡単にして作業能率の向上並び
に多機能化を容易に図り得るものである。

「実施例」 以下本考案の実施例を図面に基づいて詳述す
る。

第１図は全体の側面図、第２図は同平面図であ
り、前部ボデイ１及び中央部ボデイ２及び後部ボ
デイ３を一体的に連設して走行機体を構成し、前
後部ボデイ１，３の下方に前後走行輪４，５を装
設させる。前部ボデイ１の左側にエンジン６を搭
載すると共に、安全枠フレーム７で囲む運転台８
を前部ボデイ１の右側に取付け、作業者が座乗す
る運転席９並びに操向用のハンドル１０及び走行
変速レバー１１などを有する運転操作部１２を組
込む。前部ボデイ１の前部下端にヘツドライト１
３を、中央部ボデイ２の両側上端に方向指示ラン
プ１４，１４を夫々取付ける。

第３図は断面側面図であり、前記の各ボデイ
１，２，３をシヤーシ１５に搭載すると共に、前
記シヤーシ１５に固定させる車軸フレーム１６，
１６に、前後走行輪４，５並びにこれを駆動する
油圧モータ１７，１８を設ける。

また、前部ボデイ１の前面に折畳み式シヤツタ
１９を開閉自在に取付けると共に、該ボデイ１内
部のシヤーシ１５上面に前後方向にレール２０を
水平に敷設する。該レール２０に慴動自在に支持
台２１を嵌着させ、図示しないラツク及びピニオ
ンを介して支持台２１を前後に移動させるモータ
２２を該支持台２１に固定させると共に、肥料タ
ンク２３及び散布輪２４を有する農作業機である
施肥作業機２５の固定フレーム２６に、左右一対
のロワーリンク２７並びにトツプリンク２８を介
して支持台２１を連結させる。前記ロワーリンク
２７にピストンロツド２９を連結させる油圧シリ
ンダ３０を支持台２１に取付け、前記シリンダ３
０のピストンロツド２９を進退させて施肥作業機
２５を昇降させると共に、前記モータ２２を正逆
転駆動して支持台２１を前後に移動させ、前記施
肥作業機２５を持上げた状態で、前部ボデイ１か
らこの前方に取出し、且つ前部ボデイ１内部に格
納するように形成する。

さらに、中央部ボデイ２の下面にガイドレール
３１を介して折畳み式シヤツタ３２，３２を開閉
自在に取付けると共に、該ボデイ２内部の前後側
に昇降レール３３，３３を垂直に立設固定させ該
レール３３にリフトフレーム３４を昇降自在に嵌
着させ、該リフトフレーム３４を昇降させるため
のモータ３５及びチエーン３６などを前記レール
３３に取付けると共に、耕耘ロータリ３７並びに
これを駆動する油圧モータ３８を有する農作業機
である耕耘作業機３９のメインビーム４０に、前
記リフトフレーム３４に取付けた油圧シリンダ４
１，４２のピストンロツド４３，４４を連結さ
せ、該ピストンロツド４３，４４を進退させて前
記ロータリ３７の耕深調整などを行う一方、前記
モータ３５を正逆転させてリフトフレーム３４を
昇降させ、中央部ボデイ２下面からこの下方に耕
耘作業機３９を降下させ、且つ中央部ボデイ２内
部に前記作業機３９を格納するように形成する。

次いで、上記後部ボデイ３の後側上面及び背面
に折畳み式シヤツタ４５を、また前記ボデイ３の
後方側面にドアプレート４６，４６を夫々開閉自
在に取付けると共に、前記ボデイ３内部のシヤー
シ１５上面に前後方向にレール４７を水平に敷設
する。該レール４７に慴動自在に支持台４８を嵌
着させ、図示しないラツク及びピニオンを介して
支持台４８を前後に移動させるモータ４９を該支
持台４８に固定させると共に、畦立ロータリ５０
及び畦整形板５１を有する農作業機である畦立作
業機５２のメインビーム５３に、マルチフイルム
５４及び鎮圧ローラ５５及びフイルム押え輪５６
及び覆土輪５７を有する農作業機であるマルチ作
業機５８を着脱自在に装着させる。前記畦立ロー
タリ５０を駆動する油圧モータ５９を畦立作業機
５２に取付けると共に、前記作業機５２の固定フ
レーム８０に、左右一対のロワーリンク６１及び
トツプリンク６２を介して支持台４８を連結させ
る。前記ロワーリンク６１にピストンロツド６３
を連結させる油圧シリンダ６４を支持台４８に取
付け、前記シリンダ６４のピストンロツド６３を
進退させて前記の各作業機５２，５８を昇降させ
ると共に、各作業機５２，５８を持上げた状態
で、前記モータ４９を正逆転駆動して支持台４８
を前後に移動させ、後部ボデイ３からこの後方に
各作業機５２，５８を取出し、且つ後部ボデイ３
内部に各作業機５２，５８を格納するように形成
するものである。

本考案は上記の如く構成しており、第１図及び
第２図に示す如く、走行機体に昇降可能に装設す
る上記の各農作業機２５，３９，５２，５８を、
前部及び中央部及び後部の各ボデイ１，２，３内
部に収納させ、作業場所への移動並びに作業場所
間の移動を行うもので、上記の各シヤツタ１９，
３２，４５及びドアプレート４６によつて閉鎖す
る各ボデイ１，２，３内部にレール２０，３３，
４７及びモータ２２，３５，４９を介して各作業
機２５，３９，５２，５８を安定良く格納するの
で、一般の自動車（トラツク）のように高速運転
で路上走行できるものである。また、第３図のよ
うに前記の各シヤツタ１９，３２，４５及びドア
プレート４６を開動させ、前部ボデイ１の前面か
らこの前部下方に施肥作業機２５を、中央部ボデ
イ２の下面からこの下方に耕耘作業機３９を、後
部ボデイ３の背面からこの後部下方に畦立作業機
５２及びマルチ作業機５８を必要に応じて夫々取
出し、施肥及び耕耘及び畦立の各農作業を行うも
のである。

なお、畦立作業機５２に代え、耕耘作業機３９
を支持台４８に取付け、後部ボデイ３に耕耘作業
機３９を格納することも容易に行えると共に、前
記の各作業機２５，３９，５２，５８に代え、必
要に応じて他の各種作業機を装設することも行え
るものである。

「考案の効果」 以上実施例からも明らかなように本考案は、昇
降可能に装設する各種農作業機２５，３９，５
２，５８を収納する複数のボデイ１，２，３で走
行機体を形成した構造において、前後の農作業機
２５，５２，５８を前後移動自在に支持するレー
ル２０，４７を前後のボデイ１，３に水平に敷設
すると共に、中央の農作業機３９を上下移動自在
に支持するレール３３を中央のボデイ２に垂直に
立設固定するもので、走行機体の横巾内にある水
平及び垂直なレール２０，４７及び３３により前
後の農作業機２５，５２，５８は水平に前後移動
させ、また中央の農作業機３９は垂直に上下移動
させて走行機体の横巾内での取出し及び収納が可
能となり、狭小な倉庫内での保守点検並びに各種
農作業機２５，３９，５２，５８の着脱作業を従
来に比べて簡便に行うことができ、またレール２
０，３３，４７により各種農作業機２５，３９，
５２，５８を移動案内するため、農作業機２５，
３９，５２，５８の取出し及び収納を安定よく迅
速に行うことができると共に、前後のレール２
０，４７と中央のレール３３の張設方向を異なら
せ、前後の農作業機２５，５２，５８と中央の農
作業機３９の取出し方向を異ならせることによ
り、前後及び中央の複数の農作業機２５，５２，
５８及び３９を千渉させることなく同時に取出し
及び収納を行うことができ、従来よりも構造を簡
単にして作業能率の向上並びに多機能化を容易に
図ることができる等の顕著な効果を奏するもので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す全体の側面
図、第２図は同平面図、第３図は断面側面図であ
る。 １……前部ボデイ、２……中央部ボデイ、３…
…後部ボデイ、２０，３３，４７……レール、２
５……施肥作業機、３９……耕耘作業機、５２…
…畦立作業機、５８……マルチ作業機。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 昇降可能に装設する各種農作業機２５，３９，
   ５２，５８を収納する複数のボデイ１，２，３で
   走行機体を形成した構造において、前後の農作業
   機２５，５２，５８を前後移動自在に支持するレ
   ール２０，４７を前後のボデイ１，３に水平に敷
   設すると共に、中央の農作業機３９を上下移動自
   在に支持するレール３３を中央のボデイ２に垂直
   に立設固定したことを特徴とする移動農機。