JPS6122244Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車用のタコグラフに関する。この
タコグラフはハウジングおよびこのハウジングに
施回可能に結合された蓋を備え、蓋の表側にほぼ
四角形の正面板が設けられており、蓋の施回軸線
が正面板の前面から比較的大きな間隔をおいて前
面の下端縁と平行に位置しており、タコグラフを
計器板内へ埋込式に組み付けた際にタコグラフを
包囲する正面側の計器板輪郭線もしくは計器前面
が前記施回軸線を通つてタコグラフ前面と平行に
延びる一平面よりも外側に位置するように構成さ
れている形式のものに関する。

トラツク等の商用車の計器板もしくは計器コン
ソールを個個の計器、計器グループもしくは操作
部材グループを視覚的に識別し易くするために例
えば四角形の区分に分割するという一般的傾向に
合わせるためにタコグラフの構造および配置につ
いても相応の考慮を払うことが必要となる。この
ような計器板構成の場合分割された各区分の前面
はほぼ同一平面内に位置し、相応に構成された計
器板自体によつてか又は計器に付属する閉鎖体も
しくは正面板によつて形成される。

このような計器板構成にタコグラフの前面の形
状を適合させることは比較的問題なく可能であ
る。というのは、タコグラフが丸型計器としての
通例の構造形式であつてもたんに適当な四角形の
正面板を付加的に備えれば済み、丸型の目盛板や
円形のカバーはそのままでよいからである。

しかし、従来型のタコグラフは、蓋の施回軸と
蓋の前面との間に比較的大きな間隔を有している
点、要するに蓋が比較的大きな厚みを呈している
点で、所期の計器板構成に合わせて組み付けるの
には適していない。周知の通り、チヤート紙は記
録内容の抜取り検査やチヤート紙自体の交換の際
に扱い易くするためにタコグラフの蓋内に支承部
材を介して配置されている。蓋内には車速用、走
行距離用の指示部材やチヤート紙駆動用の伝動部
材等の種種の機構も組み込まれている。このよう
にして蓋全体が比較的厚みの大きな構造体をなし
ている。この蓋の施回軸はタコグラフのハウジン
グと蓋との分割平面内に、要するに蓋自体の後縁
部又はハウジングの前縁部に設けるのが通例であ
る。このような蓋を有するタコグラフを計器板平
面もしくは正面側の計器板輪郭線とほぼ同列にな
るように深く埋め込めば厚みの大きな蓋の開放旋
回が不可能となる。従つて、チヤート紙を交換す
るのに必要な旋回角度にわたつてこの埋込式のタ
コグラフの蓋を開放できるようにするためには、
計器板に、従来ハウジング横断面積に相応してタ
コグラフを収容するのに必要としたよりも大きな
開口部を設けることが必要になる。この開口部は
蓋を閉ざした場合覆われず、タコグラフと蓋の施
回軸線に平行な開口部端縁との間に、蓋を開放時
に部分的に入り込ませるための空隙もしくはおう
所が残される。この空隙は例えば蓋の付加的な正
面板を相応に延長させた構成によつてブリツジ式
に閉鎖することができるが、その結果としてもは
やタコグラフの組付けに融通性を欠くことにな
り、要するに、計器板平面から比較的大きく突出
する張出し式の組付けができなくなり、種種の計
器板輪郭もしくは計器板開口部に適合させること
もできなくなる。

本考案の目的は、タコグラフにわずかな費用で
計器板における種種の組付条件にも適合できる大
きな融通性をあたえ、従つて計器板の構成が制約
を受けないようにすることである。

この目的を本考案は次のようにして達成した。
即ち、タコグラフに、その四角形の前面を一方向
へ拡張する１つの閉鎖体が付属されていて、この
閉鎖体はタコグラフの蓋に取はずし可能に結合さ
れているのである。

一実施態様によればこの閉鎖体が剛性的な部材
としてつくられている。

別の実施態様によれば蓋の前面と閉鎖体の前面
とが同一平面内に位置している。

蓋の前面と閉鎖体の前面とが同じ方向へ延びて
いなくてもよい。

本考案の利点は特に次の点にある。即ち、一面
において付属の閉鎖体を取りはずせば、タコグラ
フを張出し式に計器板に組み付けることができ、
他面においては閉鎖体を結合して埋込式に組み付
けることができる。この埋込式の場合最小の費用
で蓋の開放用の空隙が覆われることになる。閉鎖
体は例えば適当なねじ式又は差込式その他によつ
てタコグラフの蓋に結合する。

本考案の別の利点として閉鎖体はその外形およ
び表面形成に関して計器板の部分として構成する
ことができ、従つてタコグラフ周囲の計器板区分
の外形を自由に構成する余地が十分残される。

次に図面に示した実施例について本考案を説明
する： 第１図および第２図に示すように、薄板部分
１，２から成る計器板内にタコグラフ３が組み付
けられており、この場合タコグラフ３はその前面
４および計器板の正面側の下端部５がほぼ一平面
内に位置するように配置されている。同様にタコ
グラフ３に隣接する計器前面６，７もタコグラフ
３の前面４および計器板前面５と同列をなしてお
り、これによつて計器板構成に関して全体的に一
様な平らな前面が得られる。この場合タコグラフ
もしくはそのハウジング８にヒンジ結合されてい
る旋回式の蓋９は四角形の正面板を備えるか又は
正方形の部材として構成するとよく、これに対し
てハウジング８は通例のようにほぼ円筒体として
構成できる。これに関連して、タコグラフ３の取
付けも周知の形式でそのハウジング８を一方の計
器板部分１の適当な開口部内へ嵌め込み、この計
器板部分１に第２図中にその１つを示している適
当な固定部材１０を介して固定することによつて
行なう。なお補足するならば、タコグラフ３は、
純然たる記録装置としてだけではない構成の場合
その正面側に１つの窓１１を有していて、この窓
１１を通して走行速度や走行距離、さらには時刻
の個個の指示部材（詳述せず）が見えるように構
成される。作業時間記録の種類をセツトするため
の調節つまみ１２，１３並びに錠１４は周知の標
準装備に属する。この場合ハウジング８内に支承
されている調節軸、つまり調節つまみ１２，１３
が固定されている調節軸（図示せず）は蓋９を閉
ざした状態でこの蓋９の適当な穴（図示せず）か
ら突出している。この穴は蓋９の開閉に調節軸が
妨げにならぬように比較的大きく形成されてい
て、調節軸もしくは調節つまみ１２，１３に属し
て前面４の平面内に位置する閉鎖キヤツプ１５，
１６によつて閉ざされている。

特に第２図に示されているように、既に述べた
埋込み式のタコグラフ３の組付けの場合、タコグ
ラフ３並びにその施回軸線１８と平行な蓋９の端
縁とタコグラフ組付けにとつて必要な計器板開口
部の前記施回軸線１８と平行な端縁−第２図によ
れば端縁１７−との間に、施回軸線１８を中心と
した蓋９の開放旋回および前面４を通る一平面の
下への入り込みを可能にする幅ｓおよび深さｔの
空隙を設ける必要がある。この場合、幅ｓに関連
した施回角αは蓋９の内側に配置されているチヤ
ート紙の交換を容易にするために普通90度よりも
大きくする必要がある。

この空隙はもちろん蓋９を閉ざした状態では適
当な形式で覆いかくす必要がある。このため第２
図に示すように閉鎖体１９が設けられており、こ
の閉鎖体１９は蓋９に例えば鎖線２０で示すねじ
付けによつて結合できる。

第１図および第２図に示す実施例によればこの
閉鎖体１９の配置はその前面２１が蓋９、計器板
下端部５、タコグラフに隣接する計器区分６，７
等の前面と等しい平面内に位置するように設計さ
れている。

第３図の実施例によればやはりタコグラフ３の
前面４によつて規定される平面内に計器前面もし
くは計器カバーが位置しているが、この平面自体
１つの計器板枠２２よりも後退している。蓋９に
特に取はずし式に結合可能な閉鎖体２３が特別な
形状をなしていることによつてこの実施例におい
ても空隙が閉鎖され、計器板枠２２の端縁２４と
蓋９の前面との間の位置のずれが補償される。

同様の実施例が第４図に示されており、この場
合閉鎖体２５によつて計器板枠２６とこの計器板
枠２６より突出しているタコグラフ３の前面４の
平面とのずれが補償される。この実施例の場合計
器板枠２６の前面２７および閉鎖体２５の前面２
８は一平面内に位置するが、タコグラフ３の蓋９
の前面４と同じ方向には延びていない。前面２
７，２８の延長平面内に例えば操作部材又は表示
部材を配置してもよい。

第５図に示す実施例によれば、閉鎖体２９によ
つて空隙ｓの閉鎖面もしくは閉鎖体２９の前面３
０が計器板前面３１に相当する平面内に位置す
る。タコグラフ３の蓋９は計器板前面３１から部
分的に突出している。符号３５は計器保持体もし
くは本来の計器板であつて、符号３２は計器板に
付属して外観的にも機能的にも１つの閉鎖部分を
なすパツド入りの条片もしくは１つのパツド入り
の枠である。

第６図の実施例によつて判るように、本考案の
閉鎖体３３は計器板もしくは計器板枠と平行に位
置する１つの屈折部３６が形成されるように構成
することができ、この場合閉鎖体３３によつて蓋
９と計器板もしくは計器板枠の開口部端縁３４と
の間の空隙の閉鎖のみならずその拡大も可能にな
る。

本考案のタコグラフは図示のいずれの実施例も
埋込み式でないいわゆる張出し式の組付けにも適
用できる。

【図面の簡単な説明】

第１図はタコグラフを組付け状態で示した正面
図、第２図は第１図中の断面線に沿つて示した断
面図、第３図、第４図、第５図、第６図はいずれ
もタコグラフの蓋の施回用の空隙を覆う閉鎖体の
実施例を示す側面図である。 ３……タコグラフ、４……前面、５……計器板
下端部、６，７……計器前面、８……ハウジン
グ、９……蓋、１２，１３……調節つまみ、１４
……錠、１５，１６……キヤツプ、１９，２３，
２５，２９，３３……閉鎖体。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 自動車用のタコグラフであつて、ハウジング
   およびハウジングに施回可能に結合された蓋を
   備え、この蓋の表側にほぼ四角形の正面板が設
   けられており、蓋の施回軸線が正面板の前面か
   ら比較的大きな間隔をおいてこの前面の下端縁
   と平行に延びており、タコグラフを計器板内へ
   埋込式に組み付けた際にタコグラフを包囲する
   正面側の計器板輪郭線もしくは計器前面が、前
   記施回軸線を通つてタコグラフ前面と平行に延
   びる一平面よりも外側に位置するように構成さ
   れている形式のものにおいて、タコグラフにそ
   の四角形の前面４を一方向へ拡張する１つの閉
   鎖体１９が付属されており、この閉鎖体１９は
   タコグラフ３の蓋９に取はずし可能に結合され
   ていることを特徴とする、タコグラフ。 ２ 閉鎖体１９が剛性的な部材としてつくられて
   いる実用新案登録請求の範囲第１項記載のタコ
   グラフ。 ３ 蓋９の前面４と閉鎖体１９の前面２１とが同
   一平面内に位置している実用新案登録請求の範
   囲第２項記載のタコグラフ。 ４ 蓋９の前面４と閉鎖体２３，２５の前面とが
   同じ方向に延びていない実用新案登録請求の範
   囲第２項記載のタコグラフ。