JPS61219757A - 高靭性ジルコニア焼結体 - Google Patents

高靭性ジルコニア焼結体

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JPS61219757A
JPS61219757A JP60060503A JP6050385A JPS61219757A JP S61219757 A JPS61219757 A JP S61219757A JP 60060503 A JP60060503 A JP 60060503A JP 6050385 A JP6050385 A JP 6050385A JP S61219757 A JPS61219757 A JP S61219757A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、高靭性ジルコニア焼結体に関し、さらに詳し
くは、YtO,CeOtJgO,CaOから選ばれた1
種または2種以上を安定化剤として含む、主として正方
晶より成るジルコニアとMgO・A1.、O,(スピネ
ル)又は、ジルコニアとAl2O.及びMgO・Al2
O3(スピネル)とからなり、高強度で熱安定性、熱水
安定性及び化学的安定性に優れた高靭性ジルコニア焼結
体に関するものである。
〔従来の技術〕
ジルコニア焼結体は高温領域の立方晶から正方晶を経て
単斜晶に相移転をするがその際体積変化を伴い、特に正
方晶から単斜晶への相移転の体積変化が太き(、そのた
め焼結体がこの体積変化により破壊してしまうという欠
点がある。この欠点ヲ取す除くために、ZrO2にCa
O,MHO,Y2O3などを固溶させて、転移を起こさ
せないようにし、常温でも立方晶からなる安定化ジルコ
ニア、あるいは立方晶と単斜晶よりなる部分安定化ジル
コニアが数多く発表されている。また、準安定相である
正方晶を常温で焼結体内に存在させた部分安定化ジルコ
ニアが高強度を示すことが発表されている。これは一つ
には、準安定な正方晶が室温安定相である単斜晶へ変態
することにより、外部応力による破壊作用を緩和するた
めと考えられている。
このように常温において主として正方晶または立方晶か
らなる焼結体を得るための安定化剤としては従来上り主
としてY2O,が用いられ高靭性、高強度を発現してい
る。しかし、この主として正方晶からなる部分安定化ジ
ルコニアは、高温相を低温域までもたらした結果上ずる
準安定相であるため、その構造や性質が経時変化をし、
特に200℃ないし400℃ という比較的低温におけ
る加熱により単斜晶へ相松移を起こし強度の経時劣化が
極めで大きい。
このような部分安定化ジルコニア焼結体の経時変化が安
定化剤の組成や焼結体の組織あるいは結晶粒径に依存す
ることから、安定化剤としてのY2O311Lを特定し
、主として正方晶からなる焼結体を得、その焼結体のg
l造過程において結晶粒度を制御することにより、特定
温度域における経時劣化が少ない高強度、高靭性の焼結
体が報告されている(特開昭56−134564)。
特開昭56−41873ではZrO2−Y2O3系−Z
rOz  CaO系お上りZrO2−MHO系のジルコ
ニア焼結体の焼成に際して昇温および冷却の速度を制御
することによって熱履歴を加え、主として立方晶構造を
有するジルコニアに0.5〜4.5重量%の単斜晶構造
のジルコニアを含有せしめて、熱衝撃強度が強く、長時
間使用しても破損することがないジルコニア焼結体が得
られることが報告されている。
また、Zr0CI、とYCl、の混合物を共沈させ、そ
の粉末を仮焼してY2O,で安定化したZr0zの微粉
末を焼結すれば高強度のZr0z焼結体の得られること
が米国において発行された、セラミックプリティン19
76年55巻の717頁において発表されているが、さ
らに、Al2O.がZrO2に固溶・分散することによ
って正方晶のZrO□が単斜晶に転移する温度を下げZ
rO□の粒成長を抑制するとの知見に基づき、部分安定
化ジルコニアにAl2O.成分を加えることにより、強
度が改善されることが報告されている(特開昭58−3
2066 )。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら安定化剤としてY2O3を特定し、主とし
て正方晶からなる焼結体もZrO2Lo3系。
Zr0z−CaO系およびZr02−Hg0系のジルコ
ニアで、主として立方晶構造を有し0.5〜4.5重1
%の単斜晶を含有するジルコニア焼結体も、特定温度域
における経時劣化を生じない点あるいは耐熱衝撃性の点
では改善されたとはいえ熱水中では依然として劣化を生
じまた強度的に不十分である。また、Zr0tとYCl
3の混合物を共沈させて得た原料粉末を使用したジルコ
ニア焼結体も、同様の特性の点で必らずしも満足なもの
ではない。その上、Y−Otによって安定化された準安
定な正方晶は、空気中300〜400℃における時効に
よって、正方晶から単斜晶へ変態を生じ、材料強度、i
性が低下することが認められており、水蒸気、酸、アル
カリ等の水溶液中では正方晶の安定性が者しく低下し、
粒界破壊を生じる重大な欠点があり構造材としての用途
は限られたものとなっている。また、ZrO,−Y20
3系クルコニ7にAl2O.を固溶分散させたジルフェ
ア焼結体も、強度が改善されたとはいえ、元来、^1□
0.はジルコニアよりも化学的溶解に対する安定性が低
く、実際の使用に際して、結晶組織の劣化、強度の低下
という欠点がある。
本発明は従来の部分安定化ジルコニア焼結体のこのよう
な欠点を解決すべくなされたものであって、高強度で熱
安定性、熱水安定性及び化学的安定性に優れた高靭性ジ
ルコニア焼結体を提供し、ジルコニア焼結体としての利
用範囲を大いに拡大することを目的とするものである。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明の高靭性ジルコニア焼結体は、Y20s−Ce0
2−MgO*CaOの1種または2種以上を安定化剤と
してそれぞれ1−Omol%、7−15mol%、3.
0−100101%、Z〜8mo 1%の範囲内で、夫
々の混合比率において含む主として正方晶より成る部分
安定化ジルコニアに0.5〜70内部重量の範囲でMg
0tAl2O3(スピネル)又は^1□0.及びMEO
・Al2O3(スピネル)を含む焼結体で、平均結晶粒
子系が3μ以下で有ることを特徴とするものである。
また、本発明の部分安定化ジルコニアはZrO□のゾル
および/*たけ水溶性の塩を安定化剤の水溶性の塩と共
に溶液の状態で均一に混合した後、沈澱の形で分離して
得られた原料を用いることを特徴とするものである。
〔作用〕
本発明の高靭性ジルコニア焼結体は、従来の部分安定化
ジルコニア焼結体にMgO・Al2O3(スピネル)成
分を分散させることによって、Zr0aの粒成長を抑制
し、焼結助剤的効果により欠陥の除去に役立ち、正方晶
Zr0zの含有量を高めて、優れた強度を有すると共に
熱的に安定であり、従来より劣化の激しい水蒸気中+!
1アルカリの水溶液中においても高い安定性を示す。
マタ、Al2O3を含む高靭性ジルコニアに対しても、
MgO・^hO,(スピネル)成分の添加分散が焼結助
剤的効果によって、欠陥の除去に役立ち、粒成長を抑制
し、マイクロポアを含まず、高密度で高強度な焼結体を
与え、劣化の激しい水蒸気中、酸。
アルカリの水溶液中において高い安定性を示す。
ここで、MgO・Al2O3(スピネル)あるいは、^
1□0゜およびMgO・^IzOi(スピネル)の添加
量を限定した理由は次の通りである。添加量が0.5内
部重量%以下では添加効果が乏しいからであり、70内
部重量%以下では靭性あるZrO2の含有量を低め、強
度。
靭性等の機械的特性が急激に低下するからである。
本発明をより効果あるものとするためには、軸0・^1
zos(スピネル)あるいは^1□0.及びMgO・A
l2O3(スピネル)の添加量を3〜50内部重量%の
範囲に選択するとよい。
本発明におけるY2O,の添加量は、ジルコニアに対し
、1.0〜6.Omol%であり、より好ましくは1゜
5〜5゜Omo 1%である。又CeO2の添加量は、
ジルコニアに対し7.0〜15.Omol%であり、よ
り好ましくは8.0−14.Omol%である。又、M
gOノ添加量1i ジルコニアに対し3.0〜10.O
mol%であり、より好ましくは4.0〜9.0LIl
o 1%である。更にCaOの添加量は、ジルフェアに
対し、2.0〜8.0論01%であり、より好ましくは
2.5〜6.Omol%である。これらの二種以上を混
合使用する場合には、夫々の混合比率において、上記含
量範囲内とすればよい。
たとえば、Y2O,とCeO2とを等1使用する場合に
は、Y2O3使用量は(1,O〜B、OX 1/2)=
0.5−3.Omol%、CeO□使用量は(7,0〜
15.OX1/2)=3.5−7.5mol%の範囲に
すれば良い。
また、Y2O3の一部あるいは全部をLazOa*Er
zO3tyb2o、等の希土類金属酸化物で置換しても
同様の効果が得られるものである。
本発明において、安定化剤の添加量を限定した理由は次
の通りである。添加量が下限値を下回ると単斜晶系が増
加して高温下において、正方晶系への転移とこれに伴う
体積変化による崩壊を生じる傾向がある。また添加量が
上限値を上回ると山げ強度等の機械的特性が低下する傾
向が顕者となるからである。
本発明の組成を有するジルコニア焼結体は主として正方
品より成る部分安定化ジルコニアであるので、高強度、
高靭性を示す0本末、正方晶は準安定相であるため試料
表面の研削によって一部が単斜晶へ転移を生じ表面層の
残留圧縮応力により焼結体の強イビに寄与する。この強
化の程度は、研削による表面粗さと焼結体の粒径に依存
している。
このため、本発明による主として正方晶より成る部分安
定化ジルコニアとは、X@回折による結晶相の測定にお
いて、鏡面状態で正方晶系を少なくとも20%以上含む
ジルコニアをいう、正方晶系が20%以下では靭性が低
いため正方晶系は20%以上含まれることが必要である
本発明の焼結体は平均結晶粒子径が3μ以下であること
が必要である。平均結晶粒子径が3μを越えると正方品
系が単斜晶系に変り、靭性が低下本発明の部分安定化ノ
ルコニ7はZrO2のゾルおよび/または水溶性の塩を
安定化剤の水溶性の塩と共に溶液の状態で均一に混合し
た後沈澱の形で分離して得られた原料を用いるので、Z
rO□に安定化剤が均一に分散し、極めて微粒子かち成
る焼結性の粉体を原料とすることができる。この結果、
微粒、均一な組成を有し、マイクロポアのほとんどない
焼結体が得られ、強度、@性についても所期の値が得ら
れる。
また、本発明のノルコニ7焼結体のZ「02はその1部
以上全部迄HfO,によって置換しでも全く同様の特性
を示すものである。
〔実施例〕
以下に、実施例により本発明の詳細な説明する。
(実施例1) 25m”7gの比表面積を有する純度99%以上の単斜
晶系シルフェアに対し、安定化剤としてY2O,を2モ
ル%添加し、平均粒径0.3μ純度99.9%のMgO
・^LOz(スピネル)及び平均粒径0.3μ純度99
.9%のAl2O.をM1表及び第2表の摺合で加え、
湿式混合後乾燥させた粉末を1.5ton/cai2の
圧力で等友釣に成形し、1400〜1650℃の温度で
大気中2時間焼成した。
得られた焼結体の平均結晶粒子径は全て3μ以下であっ
た。
得られた焼結体は3X4X40mmに切断研摩加工し、
密度結晶相、抗折強度、破壊靭性を測定した。なお、各
物性の測定方法として、抗折強度は、JIS規格に従い
、3X4X40+a+試料片を用い、スパン30mm、
クロスヘッド速度0.5mm/winの3点市げにより
10本の平均値を示した。破壊靭性は、マイクロ・イン
デンテーシヨンにより、荷重50Kgで圧痕を入れて測
定を行ない、KIC値は、新涼らの式を用いた。
結晶相の定量測定は、X線回折法により行なった。すな
わち、ダイヤモンドペーストにて鏡面研摩した試料片の
単斜晶の(111)面と(o■)面の積分強度INと正
方品の(111)面及び立方晶の(111)面の積分強
度IT、ICより単斜晶量は、 の式により決定した。次に焼結体を微粉砕し、X線回折
により同条件で単斜晶ZrO2と立方晶ZrO2の積分
強度IN、ICを求めた。すなわち、この粉砕の過程で
焼結体中に存在していた正方晶ZrO2は機械的応力に
よりすべて単斜晶Zr0zへ変態すると考えられる。よ
って、立方墨量は、 により決定し、これより次に正方晶量を決定した。
第1表の試料No1〜8では、2モルのY、0.を含む
部分安定化ジルコニアにMgO・^1□op(スピネル
)を0.1〜80重量%まで順次段階的に増やしながら
添加したものである。
第2表の試料No9〜16では、2モルのy、o、を含
む部分安定化ジルコニアに^1□0.とNgO・^1□
03(スピネル)を順次様々の重量%で添加したもので
ある。なお、結晶粒径はいずれも平均3μ以下であった
第1表、第2表より明らかなように、MgO・^1□G
3v MgO・Al2O3及びAl2O.の添加によっ
て粒成長が抑制され、正方晶がら単斜晶への転移が抑制
され、残留する正方晶が増加して強度および靭性が改善
されていることがわかる。
(実施例2) 純度99.9%のオキシ塩化ジルコニウムの加水分解に
よって得られたゾルコニアシル溶液に、純度99.9%
の塩化イツ) IJウムを加え、均一に混合した溶液を
凝結させ、沈澱とし、これを脱水乾燥し、850℃にて
仮焼して2モル%のY2O,を含む部分安定化ジルコニ
ア粉末を得た。
この粉末は35II+27gの比表面積を示す。この粉
末に平均粒径0.3μ純度99.9%のMgO・Al2
O3 (スピネル)及び平均粒径0.3μ純度99.9
%のAl2O.を第3表及び@4表の割合で加え、湿式
混合後乾燥させた粉末を1,5ton/am2の圧力で
等友釣に成形し、1400〜1650℃の温度で大気中
2時間焼成した。得られた焼結体の平均結晶粒子径は全
て3μ以下であった。
第3表の試料No17〜24では、2モル%のY2O,
を含む部分安定化ジルコニアに、MgO・Al2O3 
(スピネル)を0.1〜80重量%まで順次段−的に増
やしながら添加したものである。
fjIJ4表の試料No25−33では、2モル%のY
2O3を含む部分安定化ジルコニアに、Al2O.とM
gO・Al2O゜(スピネル)を順次種々の重量%で添
加したものである。なお、結晶粒子径は、いずれも平均
3μ以下であったが、焼成温度を第3表、第4表に示す
以上に高くすると3μ以上に大きく成長し、強度が低下
する。これより安定化剤の塩を溶液の状態で均一に混合
分散させ、沈澱の形で取り出したジルコニア原料を用い
たため高密度で高強度な焼結体が得られていることがわ
かる。
第3表より明らかなように、MgO・Al2O.の添加
によって正方晶から単斜晶への転移が抑制され、残留す
る正方晶量が増加して、強度及び靭性が改善されている
ことが判る。
また第4表より明らかなように、Al2O3及びMgO
・^I20.の添加によって粒成長が抑制され、正方晶
から単斜晶への転移が抑制され残留する正方晶量が増加
して、強度、靭性が改善されていることがわかる。
(実施例3) 得られる粉末の組成が#5表の割合になるように純度9
9.9%のオキシ塩化ジルコニウムの加水分解によって
得られたノルコニアシル溶液に安定化剤として純度99
.9%の塩化イツトリウム、塩化セリウム、塩化マグネ
シウム、塩化カルシウムを加え、均一に混合した溶液を
凝結させ、沈澱とし、これを脱水乾燥し、850℃にで
仮焼して、35+”/Hの比表面積を有する部分安定化
ジルコニア粉末を得た。この粉末に平均粒径0.3μ純
度99.9%の14trO・^lzO+(スピネル)及
び平均粒径0.3μ 純度99.9%のAl2O.を第
5表の割合で加え、湿式混合後乾燥させた粉末を1.5
ton/am”の圧力で等友釣に成形し、1400〜1
650℃の温度で大気中2時間焼成した。
得られた焼結体の平均結晶粒子径は全て3μ以下であっ
た。得られた焼結体は、実施例1と同様な測定を行なっ
た。
第5表は、添加するMgO・Al2O3(スピネル)及
びAl2O3量を一定にして、ジルコニア中に含まれる
安定化剤の種類、量を変化させたものである。これより
明らかな様に、安定化剤の種類および添加量のちがいに
よって、ZrO2の結晶相が変化するが安定化剤の添加
量及び結晶系の割合が本発明の範囲外である比較例を除
いて、高い強度を示していることが判る。
(実施例4) 実施例2及v3の方法によりll製した焼結体を用い、
オートクレーブを使用して、145℃の水蒸気中におい
て、熱水劣化試験を行ない、焼結体試料表面の単斜晶量
を測定し第1図に示した。また、300℃の電気炉内に
所定時間保持し、熱劣化試験を行ない、同様に焼結体試
料表面の単斜晶量を測定し、第2図に示した。 No1
7は、特許請求範囲外の比較例である。その結果、本発
明のMgO・^1.0゜(スピネルLMgO・Al2O
3(スピネル)及びAl2O.成分を含む焼結体は熱及
び熱水中において者しく高い安定性を示すことが判った
(実施例5) 実施例2の方法により調製した焼結体No17.N。
21、No31を用い、30%の濃度の硫酸中において
、107℃で保持することにより、化学的安定性及び耐
腐食性試験を行ない、焼結体試料表面の単斜晶量を測定
し、第2図に示した。また500時間保持後の減量の結
果を第6図に示した。この結果、比較例であるNo17
が、劣化が激しく表面層の粒界脱落による減量が大きか
ったのに比較し、本発明のNo21及びNo31は高い
安定性を示した。
第6表 腐食減量 なお、以上に示した本発明の高靭性ジルコニア焼結体の
実施例はいずれも大気中で1400〜1650℃で数時
間焼成することにより所望の特性を得たものであるが、
真空中、N2.^r等の不活性ガス中。
水素中、酸素中等の雰囲気焼成、ホットプレス。
HIP等のセラミックスの焼成技術を用いることによっ
ても同様の結果が得られるものである。
〔発明の効果〕
本発明の高靭性ジルコニア焼結体は、Y2O3t(:e
021HgO* Cab、などを安定化剤として含む部
分安定化ジルコニアに14g0・Al2O3(スピネル
)成分又は、MgO・Al2O3(スピネル)及びへ1
.0.成分を新たに添加することにより、焼結助剤的効
果により、またZrOzの粒成長が抑制され、正方品の
含有量が高まることにより優れた強度を示す。また従来
上り不安定とされる200〜400℃における熱及び熱
水安定性、゛化学的安定性に優れる。
さらに本発明の高靭性ジルコニア焼結体はZrO□のゾ
ル及び/*たけ水溶性の塩を安定化剤の水溶性の塩と共
に均一に混合して沈澱の形で分離して得られる原料を用
いるので、マイクロポアを含まず、高密度で高強度の焼
結体を得ることができる。
このように、高強度、高靭性と共に熱、熱水安定性、化
学的安定性をも満足しうる本発明の高靭性ジルコニアは
、熱及び圧力を受ける真ちゅうロッドや鋼管シェル等の
熱間押出しダイス射出成形採用スクリュツや煮沸消毒を
くり返す医療用ハサミ。
メスに最適であり、坊削工兵、工業用カッター。
ダイス、内燃機関、ポンプ、人工骨1人工歯根。
精[!械工兵等への実用化とその性能向上に大きく寄与
するものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例4の熱水劣化試験の時間と単斜晶量との
関係を示した図である。 第2図は実施例4の熱劣化試験の時間と単斜晶量との関
係を示した図である。 第3図は実施例5の化学安定性試験の時間と単斜晶量と
の関係を示した図である。 特許出願人 株式会社ノリタケカンパニーリミテド手続
補正書(自発) 昭和60年 9月25日 昭和60年 特許願 第060503号2、発明の名称 高靭性ジルコニア焼結体 3、補正をする者 事件との関係   特許出願人 住 所  名古屋市西区則武新町三丁目1番36号氏 
名(名称)株式会社ノリタケカンパニーリミテド代表者
 取締役社長 倉 1)隆 文 4、代理人 住 所  名古屋市中区錦二丁目18番5号5、補正命
令の日付    自     発6、補正により増加す
る発明の数     07、補正の対象 明     細     書 1、発明の名称 高靭性ジルコニア焼結体 2、特許請求の範囲 (1) Y2O3,CeO7,MgO,CaOから選ば
れた1種または2種以上を安定化剤として含む主として
正方晶より成る部分安定化ジルコニアに0.5〜70内
部重量%の範囲でNgO・Al2O3(スピネル)又は
^1□0゜及びMgO・Al2O3(スピネル)を含む
焼結体で平均結晶粒子径が3μ以下であることを特徴と
する高靭性ジルコニア焼結体。 (2)部分安定化ジルコニアは、ZrO□のゾルおよび
/または水溶性の塩を安定化剤の水溶性の塩と共に溶液
の状態で均一に混合した後、沈澱の形で分離して得られ
た原料を用いることを特徴とする特許請求の範囲第1項
記載の高靭性ジルコニア焼結体。 (3)安定化剤の添加量が、ZrLに対し内部mol%
でそれぞれY2O,は1〜6mol%、CeO□は7〜
15mol%。 MgOは3.0〜10mol%、 CaOは2〜8I1
101%の範囲にあり、二種以上混合添加の場合は、夫
々の混合比率において、上記含量範囲内である特許請求
の範囲第1項記載の高靭性ジルコニア焼結体。 (4) ZrO2の一部または全部をnro2で置換し
た特許請求の範囲第1項記載の高靭性ジルコニア焼結体
。 3、発明の詳細な説明 〔産業上の利用分野〕 本発明は、高靭性ジルコニア焼結体に関し、さらに詳し
くは、Y2O3,CeO,、MgO,CaOから選ばれ
た1種または2種以上を安定化剤として含む、主として
正方晶より成るジルコニアとMgO・Al2O3 (ス
ピネル)又は、ジルコニアとAl2O.及びNgO・A
l2O゜(スピネル)とからなり、高強度で熱安定性、
熱水安定性及び化学的安定性に優れた高靭性ジルコニア
焼結体に関するものである。 〔従来の技術〕 ジルコニア焼結体は高温領域の立方晶から正方晶を経て
単斜晶に相移転をするがその際体積変化を伴い、特に正
方晶から単斜晶への相移転の体積変化が大きく、そのた
め焼結体がこの体積変化により破壊してしまうという欠
点がある。この欠点を取り除くために、z「02にCa
O,MgO,Yz03などを固溶させて、転移を起こさ
せないようにし、常温でも立方晶からなる安定化ジルコ
ニア、あるいは立方晶と単斜晶よりなる部分安定化ジル
コニアが数多く発表されている。また、準安定相である
正方晶を常温で焼結体内に存在させた部分安定化ジルコ
ニアが高強度を示すことが発表されている。これは一つ
には、準安定な正方晶が室温安定相である単斜晶へ変態
することにより、外部応力による破壊作用を緩和するた
めと考えられている。 このように常温において主として正方晶または立方晶か
らなる焼結体を得るための安定化剤としては従来より主
としてY2O,が用いられ高靭性、高強度を発現してい
る。しかし、この主として正方晶からなる部分安定化ジ
ルコニアは、高温相を低温域までもたらした結果生ずる
準安定相であるため、その構造や性質が経時変化をし、
特に200℃ないし400℃という比較的低温における
加熱により単斜晶へ相転移を起こし強度の経時劣化が極
めて大きい。 このような部分安定化ジルコニア焼結体の経時変化が安
定化剤の組成や焼結体の組織あるいは結晶粒径に依存す
ることから、安定化剤としてのY2O,ffiを特定し
、主として正方晶からなる焼結体を得、その焼結体の製
造過程において結晶粒度を制御することにより、特定温
度域における経時劣化が少ない高強度、高靭性の焼結体
が報告されている(特開昭56−134564)。 特開昭56−41873ではZrL  Y2O3系、Z
rO2−CaO系およびZrO□−MgO系のジルコニ
ア焼結体の焼成に際して昇温および冷却の速度を制御す
ることによって熱履歴を加え、主として立方晶構造を有
するジルコニアに0.5〜4.5重量%の単斜晶構造の
ジルコニアを含有せしめて、熱衝撃強度が強く、長時間
使用しても破損することがないジルコニア焼結体が得ら
れることが報告されている。 また、Zr0Cl 2とYCl、の混合物を共沈させ、
その粉末を仮焼してY2O,で安定化したz「02の微
粉末を焼結すれば高強度のZrO2焼結体の得られるこ
とが米国において発行された、セラミックブリティン1
976年55巻の717頁において発表されているが、
さらに、^1□0.がZrO2に固溶・分散することに
よって正方品のZrO□が単斜晶に転移する温度を下げ
ZrO□の粒成長を抑制するとの知見に基づき、部分安
定化ジルコニアにAl2O.成分を加えることにより、
強度が改善されることが報告されている (特開昭58
−32066)。 〔発明が解決しようとする問題点〕 しかしながら安定化剤としてY2O,を特定し、主とし
て正方晶からなる焼結体もZrO□−Y2O,系。 Zr0t−CaO系およびZrO2−MgO系のジルコ
ニアで、主として立方晶構造を有し0.5〜4.5重量
%の単斜晶を含有するジルコニア焼結体も、特定温度域
における経時劣化を生じない点あるいは耐熱衝撃性の点
では改善されたとはいえ熱水中では依然として劣化を生
じまた強度的に不十分である。また、ZrO2とYCl
、の混合物を共沈させて得た原料粉末を使用したジルコ
ニア焼結体も、同様の特性の点で必らずしも満足なもの
ではない。その上、Y2O,によって安定化された準安
定な正方晶は、空気中300〜400℃における時効に
よって、正方晶から単斜晶へ変態を生じ、材料強度、靭
性が低下することが認められており、水蒸気、酸、アル
カリ等の水溶液中では正方晶の安定性が著しく低下し、
粒界破壊を生じる重大な欠点があり構造材としての用途
は限られたものとなっている。また、ZrO□−Y2O
,系ジルコニアに^1□0.を固溶分散させたジルコニ
ア焼結体も、強度が改善されたとはいえ、元来、Al2
O.はジルコニアよりも化学的溶解に対する安定性が低
く、実際の使用に際して、結晶組織の劣化、強度の低下
という欠点がある。 本発明は従来の部分安定化ジルコニア焼結体のこのよう
な欠点を解決すべくなされたものであって、高強度で熱
安定性、熱水安定性及び化学的安定性に優れた高靭性ジ
ルコニア焼結体を提供し、ジルコニア焼結体としての利
用範囲を大いに拡大することを目的とするものである。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明の高靭性ジルコニア焼結体は、Y1201.Ce
O2。 )4gO,CaOの1種または2種以上を安定化剤とし
てそれぞれ1〜6n+o I%17〜15mol%、3
.0〜10mol%、2〜8mo 1%の範囲内で、夫
々の混合比率において含む主として正方晶より成る部分
安定化ジルコニアに0.5〜70内部重量%の範囲でM
、O・Al2O3(スピネル)又は^l、0.及びMg
O・^l 203 (スピネル)を含む焼結体で、平均
結晶粒子径が3μ以下で有ることを特徴とするものであ
る。 また、本発明の部分安定化ジルコニアはZrO□のゾル
および/または水溶性の塩を安定化剤の水溶性の塩と共
に溶液の状態で均一に混合した後、沈澱の形で分離して
得られた原料を用いることを特徴とするものである。 〔作用〕 本発明の高靭性ジルコニア焼結体は、従来の部分安定化
ジルコニア焼結体にM、0・Al2O3(スピネル)成
分を分散させることによって、ZrO2の粒成長を抑制
し、焼結助剤的効果により欠陥の除去に役立ち、正方晶
ZrO2の含有量を高めて、優れた強度を有すると共に
熱的に安定であり、従来より劣化の激しい水蒸気中、酸
、アルカリの水溶液中においても高い安定性を示す。 また、八1□0.を含む高靭性ジルコニアに対しても、
MgO・Al2O3(スピネル)成分の添加分散が焼結
助剤的効果によって、欠陥の除去に役立ち、粒成長を抑
制し、マイクロポアを含まず、高密度で高強度な焼結体
を与え、劣化の激しい水蒸気中、酸。 アルカリの水溶液中において高い安定性を示す。 ここで、MgO・八1toi(スピネル)あるいは、^
1□0コおよびMgO・Al2O3(スピネル)の添加
量を限定した理由は次の通りである。添加量が0.5内
部重量%以下では添加効果が乏しいからであり、70内
部重量%以上では靭性あるZrO2の含有量を低め、強
度。 靭性等の機械的特性が急激に低下するからである。 本発明をより効果あるものとするためには、HgO・^
1Ji(スピネル)あるいは^I20.及びHgO・^
1□03(スピネル)の添加量を3〜50内部重量%の
範囲に選択するとよい。 本発明におけるY2O,の添加量は、ジルコニアに対し
、1.0〜6.0mol%であり、より好ましくは1.
5〜5.0mo I%である。又CeO2の添加量は、
ジルコニアに対し7.0〜15.Omol%であり、よ
り好ましくは8.(1−14,0+no1%である。又
、MgOの添加量はジルコニアに対し3,0〜10.O
mol%であり、より好ましくは4.0〜9.0mol
%である。更にCaOの添加量は、ジルコニアに対し、
2.0〜8.0+so1%であり、より好ましくは2.
5〜6.0mol%である。これらの二種以上を混合使
用する場合には、夫々の混合比率において、上記含量範
囲内とすればよい。 たとえば、Y2O,とCeO□とを等1使用する場合に
は、Y2O,使用量は(1,0〜6.Ox 1/2) 
= 0.5〜3.0no1%、Ce0z使用量は(7,
0−15,OX 1/2) = 3.5〜7.5no1
%の範囲にすれば良い。 また、Y2O,の一部あるいは全部をLa20= 、E
r20* 。 yb2o、等の希土類金属酸化物で置換しても同様の効
果が得られるものである。 本発明において、安定化剤の添加量を限定した理由は次
の通りである。添加量が下限値を下回ると単斜晶系が増
加して高温下において、正方晶系への転移とこれに伴う
体積変化による崩壊を生じる傾向がある。また添加量が
上限値を上回ると曲げ強度等の機械的特性が低下する傾
向が顕著となるからである。 本発明の組成を有するジルコニア焼結体は主として正方
晶より成る部分安定化ジルコニアであるので、高強度、
高靭性を示す0本来、正方晶は準安定相であるため試料
表面の研削によって一部が単斜晶へ転移を生じ表面層の
残留圧縮応力により焼結体の強化に寄与する。この強化
の程度は、研削による表面粗さと焼結体の粒径に依存し
ている。 このため、本発明による主として正方晶より成る部分安
定化ジルコニアとは、X線回折による結晶相の測定にお
いて、鏡面状態で正方晶系を少なくとも20%以上含む
ジルコニアをいう。正方晶系が20%以下では靭性が低
いため正方品系は20%以上含まれることが必要である
。 本発明の焼結体は平均結晶粒子径が3μ以下であること
が必要である。平均結晶粒子径が3μを越えると正方晶
系が単斜晶系に変り、靭性が低下する。 本発明の部分安定化ジルコニアはZrO□のゾルおよび
/または水溶性の塩を安定化剤の水溶性の塩と共に溶液
の状態で均一に混合した後沈澱の形で分離して得られた
原料を用いるので、ZrO2に安定化剤が均一に分散し
、極めて微粒子から成る易焼結性の粉体を原料とするこ
とができる。この結果、微粒、均一な組成を有し、マイ
クロポアのほとんどない焼結体が得られ、強度、靭性に
ついても所期の値が得られる。 また、本発明のジルコニア焼結体のZrO□はその1部
以上全部迄II f O2によって置換しても全く同様
の特性を示すものである。 〔実施例〕 以下に、実施例により本発明の詳細な説明する。 (実施例1) 25m2/gの比表面積を有する純度99%以上の単斜
晶系ジルコニアに対し、安定化剤としてY2O,を2モ
ル%添加し、平均粒径0,3μ純度99.9%のMgO
・^1.0.(スピネル)及び平均粒径0.3μ純度9
9.9%のAl2O.を第1表及び第2表の割合で加え
、湿式混合後乾燥させた粉末を1.5ton/am2の
圧力で等友釣に成形し、1400〜1650℃の温度で
大気中2時間焼成した。 得られた焼結体の平均結晶粒子径は全て3μ以下であっ
た。 得られた焼結体は3X4X40mmに切断研摩加工し、
密度結晶相、抗折強度、破壊靭性を測定した。なお、各
物性の測定方法として、抗折強度は、JIS規格に従い
、3X4X40輪「自試料片を用い、スパン30I、ク
ロスヘッド速度0.5mm/sinの3点曲げにより1
0本の平均値を示した。破壊靭性は、マイクロ・インデ
ンテーションにより、荷重50Kgで圧痕を入れて測定
を行ない、KIC値は、新涼らの式を用いた。 結晶相の定量測定は、X線回折法により行なった。すな
わち、ダイヤモンドペーストにて鏡面研摩した試料片の
単斜晶の(111)面と(111)面の積分強度INと
正方晶の(111)面及び立方晶の(111)面の積分
強度1.、I。より単斜晶量は、 の式により決定した。次に焼結体を微粉砕し、X線回折
により同条件で単斜晶Z「02と立方晶ZrO2の積分
強度I=、I:を求めた。すなわち、この粉砕の過程で
焼結体中に存在していた正方晶Z「02は機械的応力に
よりすべて単斜晶ZrO2へ変態すると考えられる。よ
って、立方晶量は、 により決定し、これより次に正方晶量を決定した。 第1表の試料No1〜8では、2モルのY2O,を含む
部分安定化ジルコニアにMgO・ALL(スピネル)を
0.1〜80重量%まで順次段階的に増やしながら添加
したものである。 第2表の試料No9〜16では、2モルのY2O,Iを
含む部分安定化ジルコニアにAl2O.とMgO・^1
103(スピネル)を順次種々の重量%で添加したもの
である。なお、結晶粒径はいずれも平均3μ以下であっ
た。 第1表、第2表より明らかなように、M、0・Al2O
1. MgO・^1□0.及び^1□0.の添加によっ
て粒成長が抑制され、正方品から単斜晶への転移が抑制
され、残留する正方晶が増加して強度および靭性が改善
されていることがわかる。 (実施例2) 純度99.9%のオキシ塩化ジルコニウムの加水分解に
よって得られたジルコニアゾル溶液に、純度99.9%
の塩化イツトリウムを加え、均一に混合した溶液を凝結
させ、沈澱とし、これを脱水乾燥し、850℃にて仮焼
して2モル%のY2O,を含む部分安定化ジルコニア粉
末を得た。 この粉末は35m27Hの比表面積を示す。この粉末に
平均粒径0.3μ純度99.9%のMgO・Al2O.
 (スピネル)及び平均粒径0.3μ純度99.9%の
Al2O.を第3表及び第4表の割合で加え、湿式混合
後乾燥させた粉末を1.5ton/cm2の圧力で等友
釣に成形し、1400〜1650℃の温度で大気中2時
間焼成した。得られた焼結体の平均結晶粒子径は全て3
μ以下であった。得られた焼結体は実施例と同様な測定
を行った。 第3表の試料No17〜24では、2モル%のY2O3
を含む部分安定化ジルコニアに、MgO・Al2O3(
スピネル)を0.1〜80重量%まで順次段階的に増や
しながら添加したものである。 第4表の試料No25〜33では、2モル%のY2O,
を含む部分安定化ジルコニアに、Al2O.とMgO・
Al2O゜(スピネル)を順次種々の重量%で添加した
ものである。なお、結晶粒子径は、いずれも平均3μ以
下であったが、焼成温度を第3表、第4表に示す以上に
高くすると3μ以上に大きく成長し、強度が低下する。 これより安定化剤の塩を溶液の状態で均一に混合分散さ
せ、沈澱の形で取り出したジルコニア原料を用いたため
高密度で高強度な焼結体が得られていることがわかる。 第3表より明らかなように、MgO・八IzO*の添加
によって正方晶から単斜晶への転移が抑制され、残留す
る正方晶量が増加して1強度及び靭性が改善されている
ことが判る。 また第4表より明らかなように、Al2O.及びMgO
・Al2O.の添加によって粒成長が抑制され、正方品
から単斜晶への転移が抑制され残留する正方品量が増加
して、強度、靭性が改善されていることがわかる。 (実施例3) 得られる粉末の組成が第5表の割合になるように純度9
9.9%のオキシ塩化ジルコニウムの加水分解によって
得られたジルコニアゾル溶液に安定化剤として純度99
.9%の塩化イツトリウム、塩化セリウム、塩化マグネ
シウム、塩化カルシウムを加え、均一に混合した溶液を
凝結させ、沈澱とし、これを脱水乾燥し、850℃にて
仮焼して、35n+27Hの比表面績を有する部分安定
化ジルコニア粉末を得た。この粉末に平均粒径0.3μ
純度99.9%の8゜0・^l 20. (スピネル)
及び平均粒径Q、3μ純度99.9%の^1□0.を第
5表の割合で加え、湿式混合後乾燥させた粉末を1.5
ton/cm2の圧力で等友釣に成形し、1400〜1
650℃の温度で大気中2時間焼成した。 得られた焼結体の平均結晶粒子径は全て3μ以下であっ
た。得られた焼結体は、実施例1と同様な測定を行なっ
た。 第5表は、添加するMgO・Al2O,(スピネル)及
びAl2O3ffiを一定にして、ジルコニア中に含ま
れる安定化剤の種類、量を変化させたものである。これ
より明らかな様に、安定化剤の種類および添加量のちが
いによって、ZrO2の結晶相が変化するが安定化剤の
添加量及び結晶系の割合が本発明の範囲外である比較例
を除いて、高い強度を示していることが判る。 (実施例4) 実施例2及び3の方法により調製した焼結体を用い、オ
ートクレーブを使用して、145℃の水蒸気中において
、熱水劣化試験を行ない、焼結体試料表面の単斜晶量を
測定し第1図に示した。また、300℃の電気炉内に所
定時間保持し、熱劣化試験を行ない、同様に焼結体試料
表面の単斜晶量を測定し、第2図に示した。No17は
、特許請求範囲外の比較例である。その結果、本発明の
MgO・^1□0゜(スピネル)、MgO・Al2O3
(スピネル)及びへ120.成分を含む焼結体は熱及び
熱水中において著し・く高い安定性を示すことが判った
。 (実施例5) 実施例2の方法により調製した焼結体No17.N。 21、No31を用い、30%の濃度の硫酸中において
、107℃で保持することにより、化学的安定性及び耐
腐食性試験を行ない、焼結体試料表面の単斜晶量を測定
し、第2図に示した。また500時間保持後の減量の結
果を第6表に示した。この結果、比較例であるNo17
が、劣化が激しく表面層の粒界脱落による減量が大きか
ったのに比較し、本発明のN021及びNo31は高い
安定性を示した。 第6表 腐食減量 なお、以上に示した本発明の高靭性ジルコニア焼結体の
実施例はいずれも大気中で1400〜1650°Cで数
時間焼成することにより所望の特性を得たものであるが
、真空中、N2.^「等の不活性ガス中、炭素雰囲気中
、水素中、酸素中等の雰囲気中での焼成、ホットプレス
、 HIP等のセラミックスの焼成技術を用いることに
よっても同様の結果が得られるものである。 〔発明の効果〕 本発明の高靭性ジルコニア焼結体は、Y2O1,CeO
2゜MgO,Cab、などを安定化剤として含む部分安
定化ジルコニアにMgO・Al2Ot(スピネル)成分
又は、MgO・^I 20* (スピネル)及び^!2
0.成分を新たに添加することにより、焼結助剤的効果
により、またZr02の粒成長が抑制され、正方品の含
有量が高まることにより優れた強度を示す。また従来よ
り不安定とされる200〜400℃における熱及び熱水
安定性。 化学的安定性に優れる。 さらに本発明の高靭性ジルコニア焼結体はZrO2のゾ
ル及び/または水溶性の塩を安定化剤の水溶性の塩と共
に均一に混合して沈澱の形で分離して得られる原料を用
いるので、マイクロポアを含まず、高密度で高強度の焼
結体を得ることができる。 このように、高強度、高靭性と共に熱、熱水安定性、化
学的安定性をも満足しうる本発明の高靭性ジルコニアは
、熱及び圧力を受ける真ちゅうロッドや鋼管シェル等の
熱間押出しダイス射出成形機用スクリュウや煮沸消毒を
くり返す医療用ハサミ。 メスに最適であり、切削工具、工業用カッター。 ダイス、内燃機関、ポンプ、人工骨1人工歯、人工歯根
、鋳造セラミックによる人工歯のブリッジ芯材料、精密
機械工具等への実用化とその性能向上に大きく寄与する
ものである。 4、図面の簡単な説明 第1図は実施例4の熱水劣1ヒ試験の時間と単斜晶量と
の関係を示した図である。 第2図は実施例4の熱劣化試験の時間と単斜晶量との関
係を示した図である。 第3図は実施例5の1ヒ学安定性試験の時間と単斜晶量
との関係を示した図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)Y_2O_3、CeO_2、MgO、CaOから
    選ばれた1種または2種以上を安定化剤として含む主と
    して正方晶より成る部分安定化ジルコニアに0.5〜7
    0内部重量%の範囲でMgO・Al_2O_3(スピネ
    ル)又はAl_2O_3及びMgO・Al_2O_3(
    スピネル)を含む焼結体で平均結晶粒子径が3μ以下で
    あることを特徴とする高靭性ジルコニア焼結体。
  2. (2)部分安定化ジルコニアは、ZrO_2のゾルおよ
    び/または水溶性の塩を安定化剤の水溶性の塩と共に溶
    液の状態で均一に混合した後、沈澱の形で分離して得ら
    れた原料を用いることを特徴とする特許請求の範囲第1
    項記載の高靭性ジルコニア焼結体。
  3. (3)安定化剤の添加量が、ZrO_2に対し内部mo
    l%でそれぞれY_2O_3は1〜6mol%、CeO
    _2は7〜15mol%、MgOは3.0〜10mol
    %、CaOは2〜8mol%の範囲にあり、二種以上混
    合添加の場合は、夫々の混合比率において、上記含量範
    囲内である特許請求の範囲第1項記載の高靭性ジルコニ
    ア焼結体。
  4. (4)ZrO_2の一部または全部をHfO_2で置換
    した特許請求の範囲第1項記載の高靭性ジルコニア焼結
    体。
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