JPH0450269B2 - - Google Patents

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JPH0450269B2
JPH0450269B2 JP61083969A JP8396986A JPH0450269B2 JP H0450269 B2 JPH0450269 B2 JP H0450269B2 JP 61083969 A JP61083969 A JP 61083969A JP 8396986 A JP8396986 A JP 8396986A JP H0450269 B2 JPH0450269 B2 JP H0450269B2
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JP
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zro
mol
toughness
ynbo
ceramic
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JP61083969A
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Deeru Ketsuchamu Toomasu
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Corning Inc
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  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野) 本発明は高靭性を有するセラミツク合金に関す
るものである。 (従来の技術とその問題点) 2種またはそれ以上の金属または非金属の混合
物はそれぞれ金属合金または非金属合金と呼ばれ
ており、固溶体を生成する2種またはそれ以上の
金属酸化物の混合物はセラミツク合金と記述され
ることが多い。後者の例として安定化したあるい
は一部安定化したZrO2が良く知られている。 微小構造に関して、2種の基本タイプの一部安
定化した多結晶ZrO2体が従来技術において論じ
られてきた。第1のタイプは比較的大きなサイズ
(〜30−100ミクロン)の正方体ZrO2粒から成り、
慣例上ドーパントを含み、中に低含量のドーパン
トを有するサブミクロンサイズの正方晶構造をも
つZrO2の沈澱物を含み、ZrO2の沈澱物が正方晶
粒の粒界に沿つて大きさが約1〜10ミクロンの単
斜晶および/または正方晶構造を有し、これによ
つてZrO2と1種または2種以上の安定剤を有す
るセラミツク合金から成る微小構造を生成する。
安定剤としては通常MgOおよび/またはCaOお
よび/またはY2O3が使用される。第2のタイプ
の一部安定化した多結晶ZrO2体はZrO2と1種ま
たは2種以上のサブミクロン粒径の安定剤を有し
最も一般的に正方晶構造を有するセラミツク合金
から成る。この第2のタイプのセラミツク合金
は、CeO2が使用されてきたが、Y2O3とMgOおよ
び/またはCaOの組み合わせも使用できるが、
ZrO2とY2O3の組み合わせが多い。基本的には、
任意数の希土類金属酸化物も合金として使用され
る。 高靭性の値を示すZrO2含有セラミツク体は大
きい粒径の上記微小構造を生成するためのMgO
の安定化を包含していた。このようなセラミツク
体は短ビーム、シエブロンノツチビーム、および
シングルエツジノツチビームタイプのKICテスト
によつて測定する場合、10MPa√mの過剰な靭
性値を示した。反対に、実験室のテストでは、上
記の微細粒ZrO2セラミツク合金は実質的に低い
靭性値を示した。例えば、3モル%のY2O3を含
むZrO2の微細粒体は約6MPa√mのKICを示し、
2モル%のY2O3を用いて安定化した微細粒ZrO2
は10MPa√mよりも高くない値を示した。 破壊靭性におけるこの差は微細構造によつて説
明することができる。従つて、上述のように、大
きい粒径のセラミツク体は正方晶構造を有するサ
ブミクロンサイズの沈澱物を含むだけでなく、粒
界に沿つて正方晶および/または単斜晶構造を有
する大きなサイズ(〜1−10ミクロン)の沈澱物
を含む。大きい粒径の沈澱物の正方晶構造は、セ
ラミツク体の製造温度から冷却する間に単斜晶多
形体に変化することができ、あるいは伝播亀裂に
よつて生じる応力場に変化することができる。単
斜晶系構造に変化した立方体のZrO2の粒界に沿
つて、これらの比較的大きい寸法の沈澱物は、正
方体粒内の一層小さいサイズの正方晶構造の沈澱
物を単斜晶形状に変化させるように働くことがで
きる高応力の領域である。光学電子顕微鏡の検査
では、伝播亀裂の回りに(大きい粒子および小さ
い粒子の)変化した沈澱物の大きい、すなわち〜
100ミクロンの帯域の存在を示した。これが高靭
性への上昇を示す変化の大きい帯域である。 反対に、第2のタイプの一部安定化したZrO2
体のミクロ構造は、粒径が全く均一であり、点火
温度、焼結温度での時間、出発バツチの物資の粒
径および組成に依存し、約0.3−1ミクロンの間
で変化する。各正方晶粒子は単一の沈澱物として
働くので、微細粒子の沈澱物は生成しない。粒界
に沿つた大きいタイプの沈澱物の発生がない。そ
の結果、このタイプのセラミツク体において伝播
する亀裂の囲りの変化帯域は4ミクロンまたはそ
れ以下の程度であるに過ぎない。靭性のレベルは
直接、変化帯域のデイメンシヨンの平方根に比例
しなければならない。2つのタイプのセラミツク
体に関し上記の靭性の測定は安性的に前述の予測
を証明している。 (問題点を解決するための手段) YNb4,YTaO4,MNbO4、およびMTaO4(式
中のMは+3の原子価をもつ多数の希土類元素を
示す)で表される化合物は室温(R.T.)で単斜
晶構造を有し、高温で正方晶構造を有する化合物
である。 細かく粉砕した一部安定化したZrO2物体にお
いて単斜晶ZrO2の生長に対する容易な核発生が
欠けると、伝播亀裂の広力の場において変化でき
る粒子の数が制限され、順に達成され得る靭性の
レベルを制限することが考えられる。本発明は
YNbO4および/またはYTaO4および/または
MNbO4および/またはMTaO4を一部安定化し
たZrO2本体に導入することによつて、少ない第
2相または固溶体として、単斜晶ZrO2の核発生
を一層容易にすると共に、室温にて正方晶の結晶
構造を維持することを基礎としている。この容易
な核発生は以下に示す3種の仮定した機構の1種
または2種以上によつて、最終生成物の靭性を改
良することができる。 第1の機構では、得られた物質が2相から成
り、1相は高レベルのYNbO4および/または
YTaO4および/またはMNbO4および/または
MTaO4を含有し、冷却時または伝播亀裂の応力
部分において単斜晶シンメトリーに変化する。こ
の変化は、2相間の粒界に沿つた変化双晶の端部
からの転位および局部の高応力部分の発生によつ
て、または単純に全体の粒子と会合した応力部分
によつて、特に変化時の容量変化が負である場合
に、ZrO2に富んだ相の隣接粒子の変化を助長す
る。第1の二者間の選択では、YNbO4および/
またはYTaO4および/またはMNbO4および/ま
たはMTaO4の含量の高い各粒子は、立方体ZrO2
の粒界に沿つて大きい寸法の沈澱物と似た方法
で、ZrO2−MgO系における組成を有するセラミ
ツク合金の微細構造において見られたように挙動
する。 第2の機構では、得られた物質は単一相固溶体
から成り、YNbO4および/またはYTaO4およ
び/またはMNbO4および/またはMTaO4は単
斜晶相の生成に対する弾性エネルギーバリヤを低
くするように、固溶体の正方晶相および単斜晶相
の異方性熱膨張率および格子定数を調整し、ある
いはYNbO4および/またはYTaO4および/また
はMNbO4および/またはMTaO4は格子定数を
「低く」し、これによつて弾性定数およびペイエ
ルス応力バリヤを引下げ、従つて結局、亀裂の応
力部分における単斜晶系のZrO2の成長と満足す
べき核発生の可能性を増加すると共に、その結果
として靭性を高める。 第3の機構は、スピノダル分解または定められ
た方法によつて単一粒子内に2相を形成し、上述
の2種の機構間の中間に示されるようなセラミツ
ク合金の製造を含む。 走査電子顕微鏡および透過電子顕微鏡による本
発明の生成物の研究では、若干の物質の組成は2
相から成ることが示されたが、第2および第3の
仮定した機構も実施可能である。従つて、最終生
成物の改良された靭性を基礎とする最終機構は解
明されなかつた。 本発明の好適例は、0.9〜9モル%のYO3/2を用
いて一部安定化したZrO2に、次に示すそれぞれ
の範囲から誘導された全体で約0.5〜5モル%の
YNbO4および/またはYTaO4を添加するが、
YNbO4および/またはYTaO4は酸化物を基準と
した重量%で示され、0.5〜7.6%のNb2O5およ
び/または0.85〜12%のTa2O5から成る0.5〜12%
のNb2O5+Ta2O5および2.4〜12.9%のY2O3を含
み、Al2O3のような第3のマトリツクス物質中の
主な第2相、多数の希土類酸化物およびMgO,
CaOおよびSc2O3は同じ働きをするので、正方晶
系マトリツクスからの単斜晶ZrO2の核発生およ
びまたは正方晶ZrO2の核発生を改良する。従つ
て、これらの元素はモルを基礎としてYNbO4
よび/またはYTaO4においてイツトリウムを置
換することができる。実施可能な希土類酸化物は
La2O3,CeO2,Ce2O3,Pr2O3,Nb2O3,Sm2O3
Eu2O3,Gd2O3,Tb2O3,Dy2O3,Ho2O3,Er2
O3,Tm2O3,Yb2O3、およびLu2O3を含むと共
に、これらのカチオンは+3の原子価を示し、イ
ツトリウムカチオンの置換は1:1で行われ、+
2の原子価をもつこれらのカチオンに対し3個の
+2のカチオンを2個の+3のイツトリウムカチ
オンと置換する。 若干の組成物に対して、ニオベートおよび/ま
たはタンタレートは分離相の化学を支配すること
ができ、これは最終の焼結した生成物を電子顕微
鏡で検査することによつて確かめられ、また
ZrO2の部分的な安定化はY2O3,CeO2,MgOお
よびCaOのような既知の安定剤の存在によつて行
われることが理解されるであろう。 一層経済的に使用するために、MgOおよび/
またはCaOを使用してZrO2を安定化させること
ができる。同様に、過剰の上記希土類酸化物を安
定化を目的として使用することができるが、この
ようにするためのコストは非常に高くする。 本発明の最終生成物の電子顕微鏡、電子回折、
およびX線回折による研究では、正方晶ZrO2
方体ZrO2および単斜晶ZrO2、並びにニオベート
および/またはタンタレートによつて支配される
第2相の存在を示した。この相の組成は、実際
に、本発明生成物の全体の組成と粒径と共に変化
する相の組成および全相のレベルと共に、ZrO2
Y2O3およびNb2O5および/またはTa2O5の濃度
を変化する固溶体であることが理解されるであろ
う。 本発明のセラミツク合金は硬い耐火セラミツク
の靭性を高めるために極めて有用である。従つ
て、これら5容量%の少量の合金が実質的に靭性
を改善する。即ち、セラミツクマトリツクスは95
容量%までの生成物から成る。このようなセラミ
ツクマトリツクスの例はα−アルミナ、β−アル
ミナ、β″−アルミナ、Al2O3−Cr2O3固溶体、ム
ライト、シアロン、ナシコン、シリコンカーバイ
ド、窒化シリコンスピネル、チタニウムカーバイ
ド、ニホウ化チタン、ジルコン、およびジルコニ
ウムカーバイドを含む。 また本発明のセラミツク合金は耐火フアイバお
よび/またはホイスカを含有する強靱な複合体を
生成する際に有効である。一般に、フアイバおよ
びホイスカは生成物の約80容量%までを含む。
Al2O3、シリコンオキシカーバイド、ムライト、
スピネル、窒化シリコン、AlN、B4C,BN,
ZrO2、ジルコン、およびSiCは有用なフアイバお
よびホイスカの例である。 HfO2およびHfO2−ZrO2固溶体はCaO,MgO,
Y2O3および希土類酸化物で部分的に安定化する
ことができるが、これらの部分的に安定化した物
質、特に高いHfO2レベルをもつ物質において正
方晶相は室温で単斜晶相に変化する場合が多い。
これらの因子のため、HfO2およびHfO2−ZrO2
溶体をYNbO4および/またはYTaO4およびその
類似物を用いてZrO2に似た方法で強靱にすると
共に部分的に安定化することができ、高靭性の合
金を生成し、順に、セラミツクマトリツクスおよ
び/または耐火フアイバおよび/またはホイスカ
含有の物体に混入し、さらにその靭性を改良す
る。 従来技術と本発明の比較 米国特許第3522604号は、3〜10重量%のCaO
と2〜15重量%のNb2O5から成る5〜20重量%の
CaO−Nb2O5を用いて、1700°〜2100℃にてこの
ような組成物を焼成して安定化したZrO2を含有
する耐火体の製造を開示しているが、この焼成温
度は本発明で用いる焼結温度よりはるかに高い温
度である。最終生成物のX線回折分析は約10〜20
重量%の単斜晶ZrO2および残りの立方晶ZrO2
存在を同定した。反対に、本発明により得られた
焼結した生成物の電子顕微鏡、電子回析、および
X線回析の研究は、大部分の組成物において正方
晶相のかなりの分量のZrO2および本発明の範囲
に含まれた全組成物において少なくとも小さい濃
度の正方晶相の存在を示した。さらに、本発明生
成物の電子顕微鏡での研究は、大部分の組成物に
対しニオベートおよび/またはタンタレートに富
んだ相の存在を同定し、並びにZrO2に富んだ成
分が正方晶結晶構造を示し、これらの情況が本発
明生成物の変化する靭性に必要なミクロ構造を与
えることを同定した。 米国特許第4266979号は平均粒径が2〜10ミク
ロンの立方晶ZrO2粒子の集合体と平均粒径が0.2
〜1ミクロンの単斜晶ZrO2粒子を含むZrO2−Y2
O3の固体電解質から成る酸素センサセラミツク
の製造が開示されており、立方晶ZrO2の集合体
は互いに接触し、単斜晶ZrO2は立方晶ZrO2の集
合体の間の隙間に集合体として分散している。 Nb2O5およびTa2O5については、どこにも記述
されていない。 米国特許第4298385号は、高靭性の焼結セラミ
ツク製品の製造が記載されている。この製品は等
方性マトリツクス、例えばAl2O3、およびその中
に分散された少なくとも1相のセラミツク埋込物
質、例えば、0.3〜1.25ミクロンの平均径を有す
る粒子から成る粉末から形成されたZrO2から成
る。好適例において安定化していないZrO2は製
品中の微小亀裂の発生をもたらす埋込物質を含
む。 Nb2O5とTa2O5についてはどこにも記載がな
い。 米国特許第4316964号は構造中に正方晶ZrO2
準安定粒子を混入して強靱な強いAl2O3−ZrO2
結セラミツクの調製に関するものである。2ミク
ロン以下の直径をもつ正方晶ZrO2粒子5〜95容
量%から成り、Y2O3,CeO2,Er2O3およびLa2
O3の群から選ばれた希土類酸化物と残りのAl2O3
から成る。 Nb2O5およびTa2O5についてはどこにも記載が
ない。 米国特許第4322249号はマトリツクス、例えば
Al2O3,SiC、またはSi3N4、約0.1〜5ミクロン
の粒子の少なくとも1種のセラミツク埋込物質、
例えば安定化していないZrO2またはHfO2を全体
に分散して成る焼結したまたは熱圧したセラミツ
ク製品を製造することに関する。 Nb2O5およびTa2O5についてはどこにも記載が
ない。 米国特許第4343909号は切断道具のための挿入
物として有効なセラミツク組成物が開示されてい
る。この組成物は基本的には重量%で1〜15%の
ZrO2,5〜20%のTiB2,60〜90%のAl2O3,0
〜2%のMgO,および0〜10%のTiO2から成
る。 Nb2O5およびTa2O5についてはどこにも記載が
ない。 米国特許第4358516号はβ−Al2O3,β″−Al2
O3、およびNa1+XZr2SiXP3-XO12から成る固体の
電解液の製造に関し、物体の強度と靭性は2ミク
ロン以下の粒径をもつ5〜40容量%の正方晶
ZrO2を混入することによつて改良され、その構
造においてY2O3,CeO2,Er2O3、およびLa2O3
から選ばれた希土類酸化物を含む。 Nb2O5およびTa2O5についてはどこにも記載が
ない。 米国特許第4366254号は切断道具として適して
いるセラミツク体の構造を記載しており、セラミ
ツク体は4〜20容量%のZrO2,60〜90容量%の
Al2O3および周期律表第B族および第VB族金
属のカーバイド、窒化物、およびカーボニトリド
および第B金属のカーバイドの群から選ばれた
3〜30容量%の耐火金属化合物から成る。 Nb2O5およびTa2O5についてはどこにも記載が
ない。 米国特許第4396724号はAl2O3,ZrO2および
WCから成る切断道具に有用なセラミツク体を記
載している。 Nb2O5およびTa2O5についてはどこにも記載が
ない。 米国特許第4360598号はY2O3:ZrO2のモル比
が約2:98〜7:93のZrO2およびY2O3を主成分
とする一部安定化したZrO2を与える。この物体
は正方晶ZrO2および立方晶ZrO2を主成分とする
混合相を有するか、または正方晶ZrO2から成る
相を有する結晶粒から成り、結晶粒子の平均径は
2ミクロンより大きくない。この特許は30モル%
までのY2O3をCaO,MgO、またはYb2O3,Sc2
O3,Nb2O3、およびSm2O3のような希土類酸化
物と任意に置換することに注目しており、唯一の
具体例ではYb2O3を含んだ希土類酸化物の置換を
行つている。従つて、本発明において定義した系
内の組成物を有する最終生成物の開示がない。 米国特許第4507394号は高い電気抵抗率と機械
的強度を示すジルコニアおよび/またはハフニア
含有セラミツクスが引用されており、これは
YO3/2,ScO3/2,SmO3/2,EuO3/2,GdO3/2
TbO3/2,DyO3/2,HoO3/2,ErO3/2,TmO3/2
YbO3/2,LuO3/2,CaOおよびMgOから成る群A
の少なくとも1成分を5〜30モル%,NbO5/2
よび/またはTaO5/2から成る群Bの少なくとも
1成分を5〜40モル%、およびZrO2およびHfO2
から成る群Cの少なくとも1成分を30〜90モル%
を主成分としており、前記セラミツクスは好まし
くは次式を満足する。 〓[4−(群Aの各成分のイオン原子価数)×
(群Aの各成分のモル数)](群Bの成分の全モ
ル数) また前記セラミツクスの結晶相は正方晶相を主
成分とすることが好ましい。 この特許ではどのセラミツクスも靭性が測定さ
れていない。この特許の発明者は高い強度をもつ
セラミツクスをクレームに記載しているが、これ
らの物質を測定して一番高い曲げ強度は47Kg/mm2
であつた。前述の米国特許第4360598号は主とし
て正方晶の結晶相のZrO2−Y2O3セラミツクスを
記載している。この特許に引用された最大曲げ強
さは112Kg/mm2であり、米国特許第4507394号に引
用された47Kg/mm2の曲げ強さよりも2倍高いフア
クタである。シユンゾー・マセは2つの特許の発
明者であるので、米国特許4507394号に記載され
たセラミツクが関連した組成および結晶構造の前
のセラミツクスよりも強度が劇的に劣ることに気
付いていたと思われるのは当然である。従つて米
国特許第4507394号に記載されたセラミツクスは
高い電気抵抗率とは別の観点で目立つたものは何
もない。このように、本発明による生成した高靭
性の物質は当業者が全く予想も期待もしていなか
つたものである。さらに、ZrO2−YO3/2
YNbO4およびAl2O3のようなマトリツクス物質
の組み合せから高靭性合金を生成することは全く
期待されておらず、米国特許第4507394号によつ
ても自明のものではない。 好適例の説明 YNbO4が好適例を構成するので、次の記載は
この物質に関するものである。同様に、ZrO2
たはY2O3によつて一部安定化したZrO2は好まし
いZrO2および/またはHfO2成分を含む。 2つの一般的方法はZrO2−Y2O3−YNbO4系に
おける所望の組成の細かに粉砕した焼結可能な粉
末を生成するために用いられた。第1の方法は共
沈技術を含むのに対し、第2の方法は単にY
(NO33・6H2Oの形のイツトリウムおよびNb
(OH)5およびNb2O5の形のニオブを付加して改変
したベース物質として市販のZrO2−3モル%Y2
O3粉末を使用した。次の実施例ではYNbO4の密
度をZrO2の密度と等しいと仮定し、YNbO4の容
量%をYNbO4の重量%と等しいとした。 共沈方法 NbCl5を水性HClに溶解し、0.3〜1ミクロンフ
イルターに通して過することができる。溶液を
生成した。溶液は空気にさらされるので、ニオブ
は極めて細かく分散した水酸化物の形にすること
ができる。ジルコニル硝酸塩およびY(NO33
6H2Oの濃い水性溶液をNbCl5/HCl溶液に添加
した。高濃度のニオブは水酸化ニオブの沈澱を妨
げるように追加のHClを必要とし、高濃度のイツ
トリウムは溶液中にイツトリウム塩を保持するよ
うに追加の水と少量のHNO3を必要とした。次の
水酸化物沈澱反応中に発生した大量の熱のため
に、溶液を100mlずつに分けた。NH4OHを一滴
ずつ添加し、過飽和度が高くなるように大過剰に
使用して、カチオンの擬離を避けるように迅速に
沈澱を行つた。対す過飽和度は、極めて細かく粉
砕し良く混合しゲルを生成する水酸化物粒子を与
える高い核発生率を生じる。その後で沈澱したゲ
ルを、PHが10以上の水性NH4OH溶液を用いて少
なくとも3回洗浄し、所望により遠心分離容器に
ゲルを入れ数分間振とうし、次いでゲルを遠心分
離によつて洗浄水から分離した。洗浄はゲル中に
残つているNH4Cl塩を除くために必要である。
ゲル中にトラツプした水は過し次に凍結乾燥し
て除去した。 その後、物質を1000℃で2時間か焼し、か焼物
のイソプロピルアルコールスラリーは3日間ジル
コニアビーズを用いて振動粉砕した。スラリーを
スクリーンに通してビーズを抽出し、粉末を乾燥
させた。粉末をイソプロピルアルコールで僅かに
湿めらせ、直径1.27cm(0.5インチ)のピルを一
軸に低圧、すなわち約70.3から351.5Kg/cm2
(1000〜5000psi)で圧縮し、平衡に3163.5Kg/cm2
(45000psi)まで冷却した。 この方法の変更例として、市販のZrO2−3モ
ル%Y2O3の粉末をメタノール中に分散させ、適
当量のNbCl5をスラリー中に溶かした。スラリー
ははげしく振とうさせた後、NH4OHをその中に
混ぜ、再びスラリーをはげしく振とうさせ、
ZrO2−3モル%Y2O3プラス水酸化ニオブ[Nb
(OH)5]を沈澱物を遠心分離した。物質を数回
NH4OH含有メタノールで洗浄しPHを高レベルに
保持し、次に洗浄液から遠心分離によつて分離し
た。 その後、物質を700℃で2時間か焼した。適当
量のY(NO33・6H2Oをメタノール中に溶解し、
か焼粉末をメタノール溶液に混合させた。メタノ
ールをゆつくりと僅かに高温の状態で蒸発させ、
スラリーを時折かきまぜた。再度、得られた粉末
を700℃で2時間か焼し、か焼物を上記のような
方法でピルに圧縮した。表,、およびにリ
ストされている組成物を市販のZrO2−3モル%
Y2O3の分散と塩化ニオブからの水酸化ニオブの
沈澱によつて生成したが、このうち実施例11およ
び16のみ、2日間振動粉砕して組成の均一性を改
良した。 追加の方法 この技術では、ZrO2−2モル%Y2O3−4重量
%YNbO4を、粉末のZrO2−3モル%Y2O3から、
メタノールと粉末のZrO2−3モル%Y2O3から成
るスラリーに計算量の粉末試薬用Nb2O5を単に混
合し、2.5日間ZrO2ビーズを用いて振動粉砕して
調製した。スラリーをスクリーンに通してビーズ
を除去し、メタノールをスラリーからゆつくりと
蒸発させ、得られた粉末を2時間700℃にてか焼
した。約12.7mm(2インチ)の直径をもつピル
を、上記技術のか焼物から一軸に約70.3〜351.5
Kg/cm2(1000〜5000psi)で圧縮し、平衡に
3163.5Kg/cm2(45000psi)まで冷却した。ピルの
製造には分散剤も結合剤も使用しなかつた。 共沈方法または簡単な追加の技術によつて調製
したピルを、種々のスケジユールによつて焼結し
た。若干量を100℃/時の加熱冷却速度で空気中
2時間1000℃にて予備焼結加熱処理をした後、
800℃/時の加熱冷却速度で1300°〜1600℃の温度
で2時間真空炉中で焼成した。他の物を空気中で
1400℃または1450℃にて2時間焼成し、100℃/
時の加熱速度で1000℃まで、50℃/時の加熱速度
で1400℃または1450℃まで、100℃/時の冷却速
度であつた。 1成分を添加すると(ZrO2−2モル%Y2O3
4重量%YNbO4)、直径50.8mm(2インチ)およ
び厚さ9.525mm(3/8インチ)のデイスクの形状の
試験片寸法まで拡大した。3個の直径47.625mm
(17/8インチ)のデイスクを低圧、すなわち約
70.3Kg/cm2(1000psi)で圧縮し、平衡に3163.5
Kg/cm2(45000psi)まで冷却した。 圧縮した1個のデイスクを次の3つのスケジユ
ールの1つを用いて焼結した: (a) 室温(P.T.〜25℃)と150℃の間で50℃/時
にて空気中で加熱;100℃/時にて1000℃まで
加熱;50℃/時にて1420℃まで加熱;1420℃に
て2時間保持;室温まで100℃/時にて冷却; (b) 空気中における加熱および冷却速度は上記と
同じであるが、1420℃よりは1390℃にて2時間
保持;および (c) 800℃にて2時間空気中で加熱;室温まで冷
却し真空炉中に放置;400℃/時にて800℃まで
加熱;800℃/時にて1460℃まで加熱;1460℃
にて2時間保持;800℃/時にて、800℃まで冷
却;400℃/時にて室温まで冷却。 直径約12.7mm(2インチ)および断面約7.938
mm(5/16インチ)の追加タイプのZrO2−2モル
%Y2O3−4重量%YNbO4の1個のデイスクを、
2時間1450℃にて421.8Kg/cm2(6000psi)の圧力
で黒鉛型に真空熱圧縮した。加熱速度は約700
℃/時および冷却速度は約500℃/時であつた。
加熱中に600℃〜700℃で圧縮し、冷却中に約500
℃にてゆるめた。 表は上記研究過程において調製した若干の組
成物を示している。実験例3〜8および18は、共
沈プロセスによつて誘導された;実験例9〜16は
市販のZrO2−3モル%Y2O3とNbCl5を用いてNb
(OH)5とNH4OHを沈澱させて生成させた;実験
例17はNb2O5を市販のZrO2−3モル%Y2O3に添
加した。表は若干の実験例で行つた湿潤化学分
析を結果を示しており、酸化物を基礎とした重量
%で表した。HfO2含量はZrO2成分中の不純物を
示す。なお、実験例1,2,3,5,6,7,
18,19は比較例である。
【表】
【表】
【表】
【表】 表は、表の組成物を2時間焼結した温度、
焼結した試料の示したビツカースの硬度測定値
(GPa)およびMPa√mで表された下記の式から
計算した破壊靭性(KIC)値をまとめて示してい
る。200GPaのヤング率を計算で推測した。 KIC=0.016(E1/2P1/2dc-1.5) 式中のE=200GPa;P=5,10,30、または
50Kgの荷重;d=インデントダイアゴナル;c=
インデント効果の中心からのクラツク長さを示
す。 H=硬度; H=1.854P/d2 焼結した試料を粉砕し磨いて、5,10,30、お
よび50Kg荷重を用いて微小硬度試験を行つた。表
での測定はすべて10Kg荷重を用いて行つたが、
1個の星印の試料には30Kg荷重を用い、2個の星
印の試料には50Kg荷重を用い、YNbO4には5Kg
荷重を用いた。
【表】
【表】
【表】
【表】 試料はすべて孔が閉塞するまで焼結し、光学顕
微鏡によつて試験した場合、理論値の約97%以上
の密度をもつていることが明らかとなつた。大抵
のサンプルでは一層大きい面積は理論値の100%
の密度をもつと現われたが、多くの場合、孔の密
集が一層大きくなつた。粒径は0.5ミクロン以下
から2ミクロンを超えるまでの範囲であつた。共
沈プロセスによつて調製し、市販のZrO2−3モ
ル%Y2O3とNH4OHを沈澱させ、さらにか焼後、
粉砕した微小構造は全体の組成物および粒径にお
いて均一であることが明らかになつた。 実験例1および16の比較は特に興味あるもので
ある。実験例1(ZrO2−2モル%Y2O3)の靭性
は、刻み目の荷重が増加するにつれて減少してい
る。反対に実験例16(ZrO2−2モル%Y2O3+4
重量%のYNbO4)の測定した靭性は、刻み目の
荷重が増加することにつれて基本的に一定のまま
である。このような挙動はYNbO4の添加によつ
て実質的にZrO2−Y2O3組成物の靭性を改善でき
ることを見出した証拠であると考えられる。 実験例2と実験例3〜5,9および10の比較
は、YNbO4が含まれるとベースのZrO2−3モル
%Y2O3体に与えられる靭性がかなり増加するこ
とを示している。しかし、実験例6および7は、
靭性を改善するためにはYNbO4の添加が20重量
%以下に保持されなければならないことを示して
いる。 実験例18は極めて低いY2O3レベルでは、
YNbO4を添加しても、正方晶相は焼結温度から
冷却する際に単斜晶相に変化し、その結果微小亀
裂体になることを示している。 1400℃,1460℃または1600℃にて2時間焼結し
た実験例3,7および8、および1400℃および
1600℃にて2時間焼結した実験例4および5の例
ではNH4F・HF中で磨きエツチングし、次に走
査電子顕微鏡で試験した。主結晶相および小数結
晶相が観察され、後者は主結晶相よりも容易にエ
ツチングされ大きい粒径を有していた。この第2
の相の明らかな面積割合はYNbO4とY2O3の濃度
の増加と共に増加し、焼結温度の増加と共に増加
した。二フツ化アンモニウムがZrO2の立方晶相
をエツチングし、この相は安定剤(Y2O3)の含
量がZrO2の正方晶相よりも一層速く、後者の相
が一層低い含量の安定剤を含有するので、ZrO2
−Y2O3−YNbO4の粒径が一層大きいこの相はY2
O3の濃度が高いが、粒径が一層細かい相では正
方晶である。 上記実験データから幾つかの結果が引き出され
る。第1に、ZrO2−3モル%Y2O3の焼結体は
6MPa√mより若干大きい破壊靭性を示し、焼結
YNbO4体は2MPa√m付近の破壊靭性を示すが、
これら成分の組み合せから成る焼結体は12.5MPa
√mを超過する破壊靭性レベルを示すことができ
る。一層低レベルのY2O3を含む組成、すなわち
ZrO2−2モル%Y2O3とYNbOの添加レベルまた
はこれ以下で、破壊靭性値は15MPa√mを超え
ることができる。第2は、0.5重量%のYNbO4
ZrO2−3モル%Y2O3に添加した量に等しい量の
YNbO4を含ませることは、焼結したZrO2−Y2O3
体によつて示される性質に対し何ら明らかな効果
を与えるに十分でないことである。第3は、
ZrO2−3モル%Y2O3に対し25重量%を添加した
量に等しい量のYNbO4を混入すると、ZrO2−Y2
O3の焼結体によつて示される靭性に対し極めて
有害に影響する。 表は上記研究過程で調製された別のグループ
の組成物を示している。この組成物はYNbO4
添加した、および添加していないZrO2−Y2O3
含む。各サンプルは上記の水酸化アンモニウム沈
澱方法を用いて調製したが、実験例20を除いて、
ZrO2,ZrO2−2モル%Y2O3,ZrO2−2.5モル%
Y2O3,ZrO2−3モル%Y2O3、またはZrO2−6
モル%Y2O3の市販品として入手できる粉末を用
いた。これらの沈澱物全部を2日間振動粉砕し
た。実験例20では、Nb2O5を市販のZrO2粉末に
添加して2日間振動粉砕した。実験例21のZrO2
−2.5モル%Y2O3は市販品である。なお、実験例
20〜24,26,27,29〜42,45,46は比較例であ
る。
【表】
【表】 約12.7mm(0.5インチ)の直径をもつピルを上
述の方法で圧縮し焼結した。各サンプルは800
℃/時の加熱冷却加速度を用いて、第表に記し
た温度にて真空中2時間焼結した。ビツカース硬
度測定値(GPa)およびMPa√mで計算した破
壊靭性値(KIC)を、5Kg荷重を用いた星印のサ
ンプルを除いて、10Kg荷重を用いて導いた。
【表】
【表】
【表】 上記データを探査することによつて幾つかの結
論を引出すことができる。 まず、実験例32〜41はYNbO4の追加量が10重
量%に等しいかまたはこれ以下である場合、微小
亀裂から全くフリーである物体を形成するには若
干過剰(1モル%より大きい)Y2O3が必要であ
ることを明らかにしている。実験例24,42および
46は、大量の(約12重量%またはこれ以上の)
YNbO4をZrO2−1モル%Y2O3に添加する場合、
全く微小亀裂を生じていない物体が得られる。こ
れは焼結温度から冷却中に微小亀裂が生じること
を避けるため、約2モル%のY2O3を必要とする
二成分系ZrO2−Y2O3と対称的である。従つて、
当該分野に知られているZrO2−Y2O3組成物(〜
2−7モル%Y2O3)を強靱にする靭性変化を高
める他に、少量のYNbO4を含ませると、部分的
安定化効果を与える。この現象は、所望により同
じ働きを行うための若干過剰のY2O3を必要とし
ない。 第2に、Y2O3含量が約5モル%以下である
ZrO2−Y2O3組成物にYNbO4を添加するとその靭
性を一層高レベルのY2O3、すなわち、約7.5モル
%Y2O3にて改良することができるが、このよう
な添加は靭性を促進するとは思われない。後者の
状況は組成物が基本的に立方晶構造を生成する事
実に困るものと思われる。すなわち生成物中に正
方晶ZrO2が欠けているためである。この状態は
10重量%のYNbO4をZrO2−7.5モル%Y2O3に添
加した実験例31に明らかである。 第3に、Nb2O5のみをドープしていないZrO2
(実験例30)に添加すると、基本的に単斜晶構造
の非常に微小亀裂を生じた物体を生成することで
ある。従つてNb2O5のみをZrO2に添加しても靭
性を高めない。 第1図は組成物を前記温度範囲で焼結後、生成
した微小亀裂体または全く完全な物体を試験した
組成範囲を示す。第1図は特定の組成に対し測定
した最高の靭性を示す。8.5MPa√m以上の最高
の靭性の物質は、0.25モル%以上のYNbO4(0.5重
量%)の添加物および約8モル%以下のYNbO4
(約15重量%以下)の添加物を有する。高い靭性
はYNbO4の添加を無視すると約9モル%以下の
YO3/2(4.7モル%以下のY2O3)でのみ起こる。こ
の最後の現象は立方晶相の量がかなり多く、単斜
晶に変化する正方晶の量が少なすぎるためである
と思われる。 表〜および第1図に示したデータから、
0.5モル%(1重量%)をZrO2−2.2〜9モル%
YO3/2(約1.1〜4.7モル%Y2O3)に含ませた量に等
しい最小量のYNbO4は、得られる生成物の靭性
をかなり高めるために必要であると思われ、また
約8モル%以下(約15重量%)をZrO2−約0.8〜
8モル%YO3/2(約0.4〜4.5モル%Y2O3)に混入さ
せた量に等しいYNbO4は好ましい最大量を含む
と思われた。特にYNbO4の量が増加し過剰の
YO3/2を減らすことができる。好ましい方法は、
約3〜10重量%のYNbO4(約1.5〜5モル%)を
ZrO2−約1〜3モル%Y2O3(約2〜6モル%
YO3/2に添加した量に等しい量のYNbO4を使用す
ると、かなり靭性を高めると考えられる。 マセらは米国特許第4507394号に、ジルコニア、
ニオビア(タンタラ)およびイツトリア(希土類
酸化物)組成物は高い電気抵抗を示すことを記載
している。彼らが試験した4組成物は表に示
す。本発明者また、米国特許第4507394号のコラ
ム5,6,7,8および10に与えられた記述によ
つてこれらの組成物を試験した。
【表】 注:ダツシユ(′)の符号はマセらの組成物を
(マセらの米国特許第4507394号と容易に比較する
ため)示すために使用するが、この仕事で試験さ
れた多数の組成物から上記4種の組成物を区別し
た。 前記サンプルに使用したY2O3を添加していな
い同じ市販のZrO2粉末もここでは使用した。市
販のTa2O5,Nb2O5,Al2O3,Y(NO33−6H2
およびEu(NO33−6H2Oを使用した。ZrO2
Nb2o5またはTa2O5、およびY(NO33−6H2Oま
たはEu(NO33−6H2Oを湿潤プロセスによつて
混合し、混合物を完全に乾燥させた。混合物を
800℃にか焼した。例えばサンプル番号2′では、
Al2O3焼結促進剤を添加した。4組成物を次に、
0.5重量%のポリエチレングリコールを用いて20
〜200時間乾燥粉砕させた。得られた粉末を圧縮
成型し、次に1325℃で空気中2時間焼成した。他
のサンプルを圧縮成型し。1000℃にて空気中で予
備焼成し、次に真空中で1325℃にて2時間焼成し
た。 サンプルを光学顕微鏡によつて試験し、微小亀
裂を生じなかつた1組成物を磨き、表〜の前
述のサンプルに対して使用した方法と同じ方法で
破壊靭性を測定した。表はその結果を示したも
のである。
【表】 表はこれら4種の組成物のうち1種のみが、
マセらが記述した時には微小亀裂がなかつたこと
を示している。組成物1′,2′および22′の微小亀裂
は表〜に示したイツトリアを少量または過剰
にならずに(0〜0.5モル%YO3/2含有する組成物
に生じている。微小亀裂のない組成物3′は例外的
な靭性は示さず8.1MPa√mであり硬度は7.3GPa
であり、これは実験例19のYNbO4を除いて、微
小亀裂しなかつた表〜に記載した全部のセラ
ミツクよりも劣つている。特に興味あるものは表
およびの実験例46の組成物である。この組成
物はTa2O5をNb2O5で置換した表およびの
3′のものと同じである。実験例46は単に8.1MPa
√mの最大靭性を示すだけであり、この仕事で試
験したZrO2−Y2O3セラミツクに少量のYNbO4
添加した種々の組成物において見られる11.7MPa
√m〜18.5MPa√mの靭性と比較する場合、これ
は例外的ではない。 マセらの試験した組成物全部を表〜のデー
タと比較すると、組成物3′を除いて、物質は極め
て低い約5MPa√m以下の靭性を示し、微小亀裂
している。前述のように、組成物3′によつて達せ
られる8.1MPa√mの靭性およびニオビア類似の
実験例46の靭性は小量のYNbO4をZrO2−Y2O3
ラミツク合金に添加した組成物によつて達せられ
る靭性の関係において顕著でない。 イツトリウムニオベートに対する類似物 ジルコニア含有体のの靭性を高めるために
YNbO4以外の化合物の使用を調べるため、表
に示した幾つかの組成物を(容量%およびモル%
において)式で表した。組成物には、イツトリウ
ムをイツトリウムの原子価を示す元素と一部また
は全部置換したもの、およびニオブをニオブの原
子価を示す元素と一部または全部置換したものを
含む。得られた化合物はYNbO4に似た構造と耐
火性を示した。[これらの実験のためこれら希土
類ニオベートおよび/またはタンタレートのモル
容量をZrO2のモル容量の2倍とした。従つて、
例えば、ZrO2において5容量%のLaNbO4
ZrO2において2.5モル%のLaNbO4に等しい。] 各サンプルは前記概略の水酸化アンモニウム沈
澱技術を用いて調製した。直径が約12.7mm(0.5
インチ)のピル標本を上記方法で圧縮し焼結し
た。各サンプルを2時間表に示した温度で焼結
した。ビツカール硬度測定値(GPa)および
MPa√mで計算した破壊靭性値KICを10Kg荷重を
用いて導いた。
【表】
【表】 表の研究から明らかなように、種々の希土類
元素をイツトリウムと置換することができ、タン
タルはニオブと置換することができ、イツトリウ
ムをドープしたジルコニア含有体の靭性の改良す
ることができる際に有害な作用を示さない。従つ
てYNbO4は最も好ましい強化剤を構成するが、
YTaO4およびYNbO4とYTaO4の混合物は取扱
うことができ、また希土類ニオベート
(MNbO4)、希土類タンタレート(MTaO4)、お
よびYNbO4および/またはYTaO4とMNbO4
よび/またはMTaO4の混合物も同様である。 さらに、実験例54は希土類酸化物は両方の
YNbO4においてイツトリアを完全に置換できる
ことを示しており、ジルコニアにおける「一部安
定化」したドーパントと同様である。これら合金
の可能な相間のカチオンの正確な分布は知られて
いないので、実験例51,52および53はイツトリア
全量の1/3以上がLa2O3,Nd2O3またはYbGdO3
によつて置換できることを証明している。CeO2
Pr2O3,La2O3、およびNd2O3を含む種々の希土
類酸化物ならびに希土類酸化物の混合物は、これ
らの組成物において完全にイツトリアを置換でき
ると仮定したことは理由がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は焼結体の微小亀裂が無きずの完全な物
体を生成する場合に重大な問題となる領域を区別
するために、本発明において研究された組成物の
例を示すグラフである。靭性値はMPa√mの式
で表現されており、各そのままの試料で測定した
ものを記録している。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 YNbO4および/またはYTaO4および/また
    はMNbO4および/またはMTaO4(式中のMは
    Mg+2,Ca+2,Sc+3、および/またはLa+3
    Ce+4,Ce+3,Pr+3,Nd+3,Sm+3,Eu+3,Gd+3
    Tb+3,Dy+3,Ho+3,Er+3,Tm+3,Yb+3、およ
    びLu+3から成る群から選ばれる希土類金属を示
    し、MはY+3に対し置換されるものであつて、1
    個の+3カチオンは1個のY+3に対し置換され、
    3個の+2カチオンは2個のY+3カチオンに対し
    置換され、3個の+4カチオンは4個のY+3カチ
    オンに対し置換される。)の群から選ばれる強靱
    剤を酸化物を基準として0.5〜5モル%含有する
    ことによつて、高靭性を示す一部安定化した
    ZrO2、一部安定化したZrO2−HfO2固溶体および
    一部安定化したHfO2の群のうち少なくとも1種
    を主成分とするセラミツク合金であつて、該一部
    安定化は、前記強靱剤の量が0.5〜4.4モル%の間
    にある場合には少なくとも1.1モル%の安定剤の
    含有によつて生じ、前記強靱剤の量が4.4〜5モ
    ル%の間にある場合には少なくとも0.6モル%の
    安定剤の含有によつて生じたものであり、該合金
    のミクロ構造は主として正方晶構造を有する結晶
    からなることを特徴とするセラミツク合金。
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