JPS6121736Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上に利用分野〕 本考案は、タイムレコーダに実施して好適な印
字リボンの２色転換装置に関する。

〔従来の技術〕

タイムレコーダでタイムカードに就業ータを印
字する場合、通常の出退勤務等は青色又は黒色で
印字を行ない、遅刻とか早退と云つたイレギユラ
ー勤務の場合は、赤色色で印字を行なつている
が、この印字リボンの２色転換を行なう従来の転
換装置、上下２色に形成した２色印字リボンを収
めた印字リボン装置の全体を、ソレノイドを用い
てドツトプリンターに対して上下に切換作動する
ことによつて、２色転換を行なつている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、２色印字リボンを収めた印字リボン装
置は、重量があつてこれを円滑に押上げて切換作
動するには可成りの力を要するため、印字リボン
装置の切換には専用の大型で高価なソレノイドを
必要とし、また、この大型ソレノイドによる転換
動作を印字リボン装置に伝えて上下作動する転換
機構も複雑で部品点数も多く、製造コストが高い
点で、構造の単純化と低価格化が強く叫ばれてい
る現況に大きく違背する問題があつた。

従つて、本考案の技術的課題は、印字リボン装
置の２色転換を、少ない力で且つ簡単な機構で行
なうことにある。

〔問題点を解決するための手段〕

上記の技術的課題を解決するため本考案に於い
て講じた手段は以下の通りである。

(1) ドツトプリンターが印字を行なつている間、
タイムカードをカード通路内にロツクするロツ
ク機構のロツクレバーに、常時上記の印字リボ
ン装置を押上げ、ロツクレバーがタイムカード
をロツクする位置に回動すると、上記の押上げ
を解いて印字リボン装置を下動せしめるリフタ
ーを連設すること。

(2) ２色転換を行なう印字リボン装置の下側部に
は、印字リボン装置を上記の押上げ位置に支持
できるトリガを備えた２色転換レバーを回動自
在に取付ること (3) ２色転換レバーを取付ける取付部の底面に
は、転換ソレノイドの励磁によつて突出する転
換突子の押圧を交互に受けて、上記のトリガー
を印字リボン装置を押上げ状態に支持する位置
と、この支持状態を解除する位置に切換作動す
る２つの転換溝を凹設すること。

但し、ここに於いてロツク機構とは、本出願人
による特願昭55−32472号（特開昭56−12992号）
の出願に示されているタイムレコーダー用カード
ロツク装置を意味する。

〔作用〕

上記の手段は以下の如く作用する。

上記(1)の要素は、タイムカードのロツクを行
なうロツクレバーに連動して、リフターが印字
リボン装置を押上げたり、或は、下動させたり
して、印字リボンの実質的な２色転換をロツク
レバーに行なわせる。

上記(2)の要素は、２色転換レバーのトリガー
が印字リボン装置の押上げ状態を支持している
時は、ロツクレバーがロツク回動して印字リボ
ン装置の押上げを解いても、印字リボン装置の
押上げ状態が維持され、ロツクレバーがロツク
回動し、且つ、トリガーが支持を解いた時だ
け、印字リボン装置が下動されるものであつ
て、従つて、２色転換レバー自体は印字リボン
装置を支持するだけであるから、その切換作動
は少ない力で円滑に行なえる。

上記(3)の要素は、２つの転換溝に対する転換
ソレノイドの突子の突出によつて２色転換レバ
ーを切換作動する極めて簡単な構成により、上
記のトリガーを印字リボン装置を支持する位置
と、この支持を解除する位置に切換作動するこ
とができる 以上の通りであるから、上記の手段によつて上
述した技術的課題を解決し、前記従来の技術の問
題点を解消できる。

〔実施例〕

以下に、上述した本考案の一実施例を添附した
図面を参照しながら詳細に説明する。

第１図本考案を実施したタイムレコーダーの全
体を示す部分断面図であつて、符号で１で全体的
に示したレコーダーの上面には、タイムカード
（図示せず）用のカードポケツト２が嵌込まれて
おり、このカードポケツト２はレコーダー１内に
横架したガイド軸３に沿つて横方向に移動自在な
構成に成つている。２′は上記カードポケツト２
の下端に連設したガイド通路で、カードポケツト
２に差込まれたタイムカードは、このガイド通路
２′に案内されてレコーダー１の内部に差込まれ
る。４はガイド通路２′上に突出したカード受け
レバーで、ガイド通路２′内に差込まれたタイム
カードがこのカード受けレバー４を押動すると、
マイクロスイツチ（図示せず）が働いてタイムカ
ードに対する印字が開始される。またこのカード
受けレバー４は段送り機構によつて１日１段ずつ
上方に移動し、タイムカードの差込み量を調節し
て印字段を決定することができる。

５と６は上記レコーダー１内に平行に横架した
ガイド軸で、７は両ガイド軸５，６間に移動自在
に架設したプリンター基台を示す。８はこのプリ
ンター基台７の上面に固定したワイヤー式ドツト
プリンターで、その印字ヘツド８ａは上記ガイド
通路２′に向けて突出しており、ガイド通路２′内
に差込んだタイムカードの所定欄に所定の勤務デ
ータ類を印字することができる。また、第２図に
於いて９と１０は上記プリンター基台７の底面に
左右適当な間隔をおけて垂設したローラ軸で、両
ローラ軸９と１０には夫々ガイドローラ１１と１
２が回転自在に取付けられている。１３は両ガイ
ドローラ１１と１２の間に介在したカム盤で、１
４はカム軸を示す。１５はブラケツト１７によつ
てレコーダー１の略中央部に固定されたモータ
で、１６はこのモータ１５の減速機であり、上記
カム軸１４はこれ等モータ１５と減速機１６によ
つて減速回転される。モータ１５は上記カード受
けレバー４が差込まれたタイムカードをキヤツチ
してマイクロスイツチがオンすると回転を開始
し、カム軸１４及びカム盤１３を回転する。カム
盤１３が回転するとガイドローラ１１及び１２が
押されてプリンター基台７がガイド軸５，６に沿
つて横移動し、ドツトプリンター８を横方向に印
字移動することができる。またドツトプリンター
８は上記印字移動の最中に制御部（図示せず）か
ら送られて来る印字信号に従つて印字ワイヤーを
励磁作動し、タイムカードの所定欄にドツトマト
リツクスパターンによる時刻印字を行なうことが
できる。

次に、第１図及び第２図に於いても、１８は上
記がガイド通路２′内に差込まれたタイムカード
を、ドツトプリンター８が印字を行なつている間
その位置に固定するロツクレバーであつて、全体
は上記一方のガイド軸６に回動自在に取付けられ
ており、図中１８ａは天板、１８ｂ，１８b′は天
板１８ａの左右両端に略直角に折曲げて連設した
脚板、１８ｃは天板１８ａの中央部下縁に突縁し
たロツク片を示す。また、１９は全体を略問型形
状に屈曲形成した制御杆で、この制御杆の両端１
９ａ，１９a′が上記脚板１８ｂ，１８b′の下端に
枢支され、更に該制御１９の中間部は偏平に潰ぶ
した被圧部１９ｂが形成されている。２０は前述
したカム軸１４に固定した制御カムで、上記制御
杆１９はこの制御カム２０を囲む様に前記脚板１
８ｂ，１８b′に取付けられており、制御カム２０
がカム軸１４によつて回転して上記被圧部１９ｂ
を押動すると、ロツクレバー１８の全体がガイド
軸６を支点にして第２図に示したバネ２１の弾性
に抗して回動し、上記ロツク片１８ｃを第１図に
示す如くガイド通路２′より後退させてロツクを
解くことができるが、上記被圧部１９ｂに対する
制御カム２０の押圧が解かれると、バネ２１の力
でロツクレバー１８の全体が第１図に於いて左方
向に回動し、ロツク片１８ｃとロツク受板２ａと
の間でガイド通路２内のタイムカードをロツク
し、タイムカードの抜き出しを防止する。尚、上
述したロツクレバー１８の構造は実施の一例であ
つて、ドツトプリンター８がタイムカードに対て
印字を行なつている間、該カードをガイド通路
２′内に固定できるものであれば、図示した構造
以外のものでも勿論かまわない。

本考案を実施するタイムレコーダーは、以上述
べた如くタイムカードをカードポケツト２よりガ
イド通路２′内に差込むと、モータ１５が回転し
てロツクレバー２８によるタイムカードのロツク
と、ドツトプリンター８による印字が行なわれる
仕組に成つており、ドツトプリンター８が印字を
行なつている最中はロツクレバー１８がタイムカ
ードの抜き出しを防止するため、タイムカードの
早期抜き出しによる印字ミスの発生を未然に防止
することができるのであるが、次に、上記ロツク
レバー１８を構成要素とする本考案の印字リボン
用２色転換装置を詳しく説明する。

第１図及び第２図に於いて、２２は前記プリン
ター基台７の上部位置に架設した作動板で、この
作動板２２は後端部に設けた枢支部２２ａをレコ
ーダー１側の支持フレーム１ａに枢支した構造で
あつて、枢支部２２ａを支点にして前記ガイド通
路２′に向けて突出した先端部を上下に作動でき
る仕組みに成つている。また符号２３で全体的に
示したのはこの作動板２２上に固定した印字リボ
ン装置で、第５図はその１実施例を示す。第５図
に於いて、２４はリボンケースをし、２５は印字
が行なわれる度に間欠回転してピンチロール２６
との間で２色印字リボン２７の間欠送りを行なう
リボン送りローラを示す。２色印字リボン27は長
尺のエンドレスリボンであつて、第６図の如く長
手方向に沿つて上下２色に仕切つた構造を成し、
上段は例えば赤色に異色リボン２７ａと成つてお
り、下段は例えば青又は黒色の通常リボ２７ｂと
成つている。２８，２９，３０，３１，は該２色
印字リボン２７の案内ローラで、上記リボン送り
ローラ２５による間欠的な送りを受けた２色印字
リボン２７は、これ等各案内ローラ２８〜３１に
案内されて矢印方向に循環する。３２は上記の案
内ローラ２９と３０を取付けた略Ｌ字形状を成す
ガイドアームで、このガイドアーム３２とリボン
ケース２４とによつて造られる空間スペース３３
内に、上述したドツトプリンター８が移動自在に
配置されている。また上記案内ローラ３０と３１
の間に掛渡された２色印字リボン２７の中間部２
７′は、前記ドツトプリンター８の印字ヘツド８
ａとガイド通路２′内に差込まれたタイムカード
の印字面との間、即ち印字部位置３４を通過する
様に構成されている。上記の印字リボン装置２３
は作動板２２の上下作動に従つて上下に作動し、
第１図実線に示す如く上方位置に移動されている
時は、上記２色の印字リボン２７の下段通常リボ
ン２７ｂの部分を上記印字部位置３４に位置せし
め、一方、印字リボン装置２３が第１図仮想線に
示す如く水平状態に下動した時は、上段異色リボ
ン２７ａを印字部位置に位置させて、夫々異とな
る色の印字を行なえる仕組に成つている。

また、３５は上記ロツクレバー１８の少くとも
一方の脚板１８ｂ又は１８b′（第２図の実施例で
は両脚板）の上部背面に、斜め上方に向けて突設
したリフターで、このリフター３５は、ロツクレ
バー１８が前記制御杆１９と制御カム２０の働き
によつて第１図の如く否ロツク位置に回動されて
いる時に、前記作動板２２の底面を押して印字リ
ボン装置２３の全体を上方位置に押上げ、また、
ロツクレバー１８が前記バネ２１によつてタイム
カードをロツクする位置に回動した時は、該作動
板２２に対する押圧を解いて、印字リボン装置２
３の下動を可能にする。

更に、第１図乃至第４図に於いて、３６は前記
作動板２２の一側下方位置に支軸３６′を以つて
回動自在に取付けた２色転換レバーで、このレバ
ー３６の上面には、上記作動板２２の底面を支持
して印字リボン装置２３をリフター３５によつて
押上げられた上方位置に保持するこができるトリ
ガー３７が突設され、また、支軸３６を挿通した
軸承部の底面には、２つの転換溝３８ａと３８ｂ
が並べて凹設され、、加えて、下部斜め側方に
は、２色転換レバー３６の転換位置を検知するた
めのセンサー用マグネツト４０を取付けたアーム
３９が突設されている。

また、４１は上記２色転換レバー３６の下方位
置にブラケツト等（図示せず）を用いて支持した
小型の転換ソレノイドであつて、ソレノイドケー
ス上に突出した鉄心４２の上端部４２′には、転
換突子４３が回動自在に軸支４４され、この転換
突子４３と上記鉄心４２の上端部４２′の周囲に
は、コイルスブリング４５が緩目に巻装してあ
る。転換突子４３のヘツド４３′は上述した２色
レバー３６の底面に凹設した２つの転換溝３８ａ
及び３３ｂに向けて突出しており、ソレノイドの
励磁によつて鉄心４２が上方に突出すると、該転
換突子４３のヘツド４３′が上記いずれかの転換
溝３８ａ又は３８ｂに係合して、２色転換レバー
３６の全体を支軸３６′を中心に左右どちらかに
回動することができる。第４図転換突子４３のヘ
ツド４３′が一方の転換溝３８ａに係合して、２
色転換レバー３６を支軸３６′を中心に第３図の
状態から図面上反時計回転方向に回動した時の状
態を示し、この様に２色転換レバー３６が回動さ
れると上記トリガー３７は作動板２２に対する支
持を解いて、印字リボン装置２３の下動を可能に
する。この時、転換突子４３は軸支４４を支点に
図示の如く傾くが、ソレノイドが引かれて鉄心４
２が後退した時に、コイルスプリング４５がこの
傾むきを元に戻し、従つて、次回の作動時には該
ヘツド４３′は他方の転換溝３８ｂに係合して２
色転換レバー３６の全体を図面上時計回転方向に
回動し、トリガー３７を第３図に示した位置に戻
すことができる。

上述した転換ソレノイド４１に対する励磁指令
は、ドツトプリンター８が印字作動を行なう前、
即ちロツクレバー１８がロツクを解除している位
置にある時に行なわれるため、作動板２２及び印
字リボン装置２３はロツクレバー１８に連設した
リフター３５によつて上方位置に押上げられてお
り、従つて、転換ソレノイド４１による２色転換
レバー３６の転換回動は、トリガー３７を作動板
２２及び印字リボン装置２３に当てることなく自
由に行なうことができる。

本考案は以上述べた如き構成であるから、ガイ
ド通路２′内に差込んだタイムカードをロツクレ
バー３８がロツクした時に、今迄リフター３５に
よつて上方位置に押上げられている印字リボン装
置２３を、トリガー３５がその位置に支持続ける
か彼かによつて印字の色を変換することができ
る。即ち、リスター３５がロツクレバー１８のロ
ツク回動によつて印字リボン装置２３に対する支
持を解いた時、トリガー３７が第３図に示す支持
位置にある時は、印字リボン装置２３は押上げら
れていた位置をそのまま保持し、ドツトプリンタ
ー８による印字は下段通常リボン２７ｂによつて
通常の青又は黒色で行なわれる。これに対し、ロ
ツク時に上記トリガー３７が第４図に示した否保
持位置に回動されている時は、印字リボン装置２
３は支持を失なつて水平位置迄降下するため、ド
ツトプリンター８による印字は上段異色リボン２
７ａによつて例えば赤色で行なわれる。

上述した印字色の転換はリフター３５が印字リ
ボン装置２３を押上げている時、即ち、否印字時
（具体的には印字作動の直前）に制御部より転換
信号を転換ソレノイド４１に発してこれを行な
う。通常、この転換信号はタイムカードにパンチ
ングしてある情報とか、予めプログラムした情報
等に基ずいて制御部が演算処理してこれを発する
ものであつて、時間内の出退勤務時刻は青又は黒
色でプリントアウトされ、遅刻、早退の様なイレ
ギユラー勤務時刻は、一目で区別できる様に赤色
でプリントアウトされる。

〔効果〕

本考案に係る２色転換装置は、以上述べた如く
転換ソレノイドに転換信号を送ることにより印字
リボンの２色転換を正確に行なうことができるも
のであつて本考案では特に、大きな力を必要とす
る印字リボン装置の押上げをタイムカード用のロ
ツクレバーがこれを併用して行なう構成にしたた
め、大型で価格の高い２色転換専用の転換ソレノ
イドが必要となり、出力が小さくて小型、低価格
のトリガー（２色転換レバー）用の転換ソレノイ
ドを使用するだけで用が足り、合せて、印字リボ
ン装置を上下動するための複雑で部品点数の多い
作動機構の設置も不要となるから、装置全体の構
成が大幅に簡略化され、強いてはタイムレコーダ
ー全体の構成も簡単にしてコストの低減を図るこ
とができ、更には、小型転換ソレノイドの使用に
よつて消費電力も大幅に節減できるといつた極め
て経済性の高い点を発揮できるものであつて、そ
の実用的価値は洵に高い。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示したものであつて、
第１図は本考案を実施したタイムレコーダーの部
分断面側面図、第２図は第１図Ａ視部分より見た
要部の断面図、第３図と第４図は２色転換レバー
及び転換ソレノイドの構造とその配置関係を示し
た部分断面側面図、第５図は印字リボン装置の一
例を示した平面図、第６図は２色印字リボンの一
部を拡大して示した斜視図である。 １……レコーダー、２……カードポケツト、
２′……ガイド通路、８……ドツトプリンター、
８ａ……印字ヘツド、１８……ロツクレバー、２
３……印字リボン装置、２７……２色印字リボ
ン、３４……印字部位置、３５……リフター、３
６……２色転換レバー、３７……トリガー、３８
ａ，３８ｂ……転換溝、４１……転換ソレノイ
ド、４３……転換突子。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ドツトプリンターが印字を行なつている間、ロ
   ツクレバーがタイムカードをカード通路内にロツ
   クするロツク機構と、上下に切換作動して２色転
   換を行なう上記ドツトプリンター用の２色印字リ
   ボン装置とを備えたタイムレコーダに於いて、上
   記のロツクレバーに、常時上記の印字リボン装置
   を押上げ、ロツクレバーがタイムカードをロツク
   する位置に回動すると、上記の押上げを解いて印
   字リボン装置を下動せしめるリフターを連設し、
   また、上記印字リボン装置の下側部には、印字リ
   ボン装置を上記の押上げ位置に支持できるトリガ
   を備えた２色転換レバーを回動自在に取付、この
   取付部の底面には、転ソレノイドの励磁によつて
   突出する転換突子の押圧を交互に受けて、上記の
   トリガーを印字リボン装置を押上げ状態に支持す
   る位置と、この支持状態を解除する位置に切換作
   動する２つ転換溝を凹設したことを特徴とするタ
   イムレコーダ用印字リボンの２色転換装置。