JPS6121391B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は誘導加熱装置に係り、特に誘導加熱、
ヒータ加熱で温度制御するものに採用され、継続
して加熱できることが要求されるものに好適な誘
導加熱装置に関する。

従来の誘導加熱、ヒータ加熱等で温度制御する
場合、被加熱体温度のみを検出、監視して制御し
ていたが、この方法では、温度検出器の断線、短
絡等の故障が発生した場合、被加熱体に過大な電
力が供給、もしくは過小な電力が供給されて被加
熱体を破損、もしくは、品質の低下をきたすと共
に、加熱電源の焼損を起すことになる。

本発明は上述の点に鑑み成されたもので、その
目的とするところは、温度検出器が故障した場合
でも、被加熱体の不良、破損等を防止し継続して
加熱できる誘導加熱装置を提供するにある。

本発明は被加熱体と、該被加熱体を加熱電源か
ら供給される電力により加熱する誘導加熱コイル
と、前記被加熱体の温度を検出する温度検出器
と、該温度検出器からの信号を処理しやすい温度
に比例した信号に変換する温度変換器と、該温度
変換器からの前記被加熱体の温度に比例した信号
とプログラム制御器からの温度指令とを比較し、
前記被加熱体の温度がプログラム制御器からの温
度指令と一致するように動作して電力指令値を出
力する温度制御回路と、前記被加熱体に供給され
る電力を演算して処理しやすい信号に変換する電
力変換器と、該電力変換器からの被加熱体に供給
する電力に比例した信号と前記プログラム制御器
からの電力指令とを比較し、被加熱体に供給する
電力をプログラム制御器の電力指令と一致するよ
うに動作して電力指令値を出力する電力制御回路
と、前記温度制御回路からの異常を検出すると同
時に、異常になつた時に、前記加熱電源への電力
指令を前記電力制御回路の出力に切換える弁別回
路とを備えていると共に、前記プログラム制御器
を、プログラム運転の時間、電力等の設定値を入
力する設定値入力回路と、設定値を記憶し必要に
応じ、設定時間を出力する時間制御回路、設定時
間幅で出力される電力設定値を電力指令値に変換
する変換回路、及び設定された関数を演算して出
力する関数演算回路にそれぞれ出力する記憶回路
と、前記変換回路、関数演算回路、及び時間制御
回路の出力で、設定値と設定値の間を設定された
関数で補間する補間演算回路と、該補間演算回路
からの出力を次の回路で処理しやすい信号に変換
する設定値出力回路とで形成することにより所期
の目的を達成するように成したものである。

以下、図面の実施例に基づいて本発明を詳細に
説明する。

第１図は本発明の誘導加熱装置の一実施例を示
すものである。該図において被加熱体１は、本実
施例の誘導加熱装置で加熱する対称物である。２
は誘導加熱コイルで加熱電源１２から供給される
電流で磁束を発生し、その磁束により被加熱体１
に渦電流損、ヒステリシス損等を発生させて加熱
させるものである。加熱電源１２は、外部からの
指令により被加熱体１に供給する電力を任意に変
えることが可能な電源、３は温度検出器で熱電
対、測温抵抗体等を使用して被加熱体１の温度を
検出する。６は温度変換器で温度検出器３からの
信号を、温度制御回路８で処理しやすい電圧、電
流等の温度に比例した信号に変換する部分、８は
温度制御回路でプログラム制御器７からの温度指
令と、温度変換器６からの被加熱体１の温度に比
例した信号を比較し、被加熱体１の温度がプログ
ラム制御器７からの温度指令と一致するように動
作し、電力指令値を出力する部分、４は計器用交
流器、５は計器用変圧器で、被加熱体１に供給す
る電圧、電流を検出する部分、１０は電力変換器
で、計器用交流器４と計器用変圧器５の信号から
被加熱体１に供給される電力を演算して、電力制
御回路９で処理しやすい信号、電圧、電流等に変
換する部分、電力制御回路９は、プログラム制御
器７からの電力指令と、電力変換器１０からの被
加熱体１に供給する電力に比例した信号を比較
し、被加熱体１に供給する電力をプログラム制御
器７の電力指令と一致するように動作し、電力指
令値を出力する部分、１１は弁別回路で温度制御
回路８の出力が過大あるいは過小等の異常を検出
すると同時に、異常になつた時、加熱電源１２へ
の電力指令を電力制御回路９の出力に切換える動
作する部分である。第２図は、その温度、電力の
動作例を示すものである。以下第１図と第２図に
より本実施例の動作を説明する。

加熱電源１２により被加熱体１の温度をプログ
ラム制御する場合、第２図に示すように、温度の
設定値Ａを設定すると共に、温度に見合つた電力
設定値Ｂを実線のように設定しておく、また、電
力設定値Ｃには、破線のように上限値を電力設定
値から計算して設定する。

温度制御運転は、加熱電源１２により加熱され
た被加熱体１の温度を温度検出器３で検出し、温
度変換器６で温度に比例した電力に変換される。
温度変換器６の出力Ｔ_Mは、プログラム制御器７
よりの温度設定値Ｔ_Sと比較され、温度制御回路
８で被加熱体１に合つたPID、またはPI制御等が
行なわれる。また、電力制御回路９は、被加熱体
１に供給する電力に比例した電圧Ｐ_Mが電力変換
器１０より出力され、その値がプログラム制御器
７よりの第２図に示す破線の上限、下限値内に入
つているか比較される。上限、下限値内に入つて
いれば、制御回路の出力は、弁別回路１１に入力
されないので、温度制御回路８の出力のみが弁別
回路１１に入り、弁別回路１１より温度制御に合
つた電力指令が加熱電源１２に出力され温度制御
運転が正常に行われる。一方、温度検出器３が断
線、短絡等の故障が発生すると、温度変換器６の
出力Ｔ_Mと、プログラム制御器７の出力Ｔ_Sに差が
出るため、加熱電源１２への電力指令は上昇、な
いし下降するが、その電力値がプログラム制御器
７の電力設定値Ｐ_Sの上限、ないし下限を越そう
とすると電力制御回路９が動作し、被加熱体１へ
供給される電力は、プログラム制御器７の電力設
定値Ｐ_Sの上限、ないし下限で継続運転される。
電力設定値Ｐ_Sの上限、下限値は電力制御運転中
でも温度が許容値内に入るように設定されるの
で、被加熱体１を破損、不良とならないように運
転が継続されることになる。

本実施例に採用されるプログラム制御器７は第
３図に示す構成になつている。即ち、２１は設定
値入力回路で、プログラム運転の時間、電力等の
設定値をキースイツチ等で入力する部分、２２は
記憶回路で、設定値を記憶し必要に応じ、設定値
を時間制御回路２３、変換回路２４、及び関数演
算回路２５に出力する部分、変換回路２４は記憶
回路２２から設定時間間幅で出力される電力設定
値を電力指令値に変換する部分、関数演算回路２
５は設定された関数を演算して出力する部分、時
間制御回路２３は設定時間を出力する部分であ
る。２６は補間演算回路で、変換回路２４、関数
演算回路２５、及び時間制御回路２３の出力で設
定値と設定値の間を、設定された関数で補間し設
定値出力回路に出力する部分、２７は設定値出力
回路で、補間演算回路２６からの出力を、次の回
路で処理しやすい信号、電圧、電流に変換する部
分である。

従来の誘導加熱装置は、加熱電源と温度、及び
電力の指令のみを得るプログラム制御器を組合せ
ていたため、設定値の入力点間を階段状に結ぶ温
度、電力指令しか出力できなかつたため、細かい
制御、複雑なプログラム制御が難しいものとなつ
ていたが、上述したプログラム制御器の構成とす
ることによりそれを可能とした。それを第３図、
及び第４図を用いて説明する。該図は電力の設定
法の一例についての説明である。電力の設定は、
第４図の○印に示す点のように電力値と時間の関
係で非連続的に入力される。設定値は、一旦記憶
回路２２に記憶され、次に運転に入ると電力設定
値出力Ｐ_Sは、従来のプログラム制御器では第４
図の破線のように出力される。実線のようにＴ_S
を出力するためには、非常に多くの設定値を入力
しなければならなかつたが、本実施例のプログラ
ム制御器７では、設定値を入力すると同時に、２
点間を結ぶ関数を入力することにより、２点間の
設定値を第４図のように連続的に出力することが
できる。その動作を第３図で説明する。設定値入
力回路２１より入力された時間、電力、及び関数
は、一旦記憶回路２２に記憶され、次に運転に入
ると、記憶回路２２に記憶された時間は時間制御
回路２３に、電力は変換回路２４に、関数は関数
演算回路２５に出力され、それぞれの回路の出力
は、補間演算回路２６に入力され、２点の設定値
間が設定された関数で補間され、連続的に電力設
定値Ｐ_Sが出力される。従つて、本実施例のプロ
グラム制御器によれば、被加熱体１の熱時定数、
数処理工程に合つた電力、温度制御が可能とな
る。

以上説明した本発明の誘導加熱装置によれば、
被加熱体と、該被加熱体を加熱電源から供給され
る電力により加熱する誘導加熱コイルと、前記被
加熱体の温度を検出する温度検出器と、該温度検
出器からの信号を処理しやすい温度に比例した信
号に変換する温度変換器と、該温度変換器からの
前記被加熱体の温度に比例した信号とプログラム
制御器からの温度指令とを比較し、前記被加熱体
の温度がプログラム制御器からの温度指令と一致
するように動作して電力指令値を出力する温度制
御回路と、前記被加熱体に供給される電力を演算
して処理しやすい信号に変換する電力変換器と、
該電力変換器からの被加熱体に供給する電力に比
例した信号と前記プログラム制御器からの電力指
令とを比較し、被加熱体に供給する電力をプログ
ラム制御器の電力指令と一致するように動作して
電力指令値を出力する電力制御回路と、前記温度
制御回路からの異常を検出すると同時に、異常に
なつた時に、前記加熱電源への電力指令を前記電
力制御回路の出力に切換える弁別回路とを備えて
いると共に、前記プログラム制御器を、プログラ
ム運転の時間、電力等の設定値を入力する設定値
入力回路と、設定値を記憶し必要に応じ、設定時
間を出力する時間制御回路、設定時間幅で出力さ
れる電力設定値を電力指令値に変換する変換回
路、及び設定された関数を演算して出力する関数
演算回路のそれぞれ出力する記憶回路と、前記変
換回路、関数演算回路、及び時間制御回路の出力
で、設定値と設定値の間を設定された関数で補間
する補間演算回路と、該補間演算回路からの出力
を次の回路で処理しやすい信号に変換する設定値
出力回路とで形成したものであるから、被加熱体
に異常がない場合には、弁別回路により温度制御
に合つた電力指令が加熱電源に出力され、温度制
御運転が正常に行なわれ、一方、被加熱体に異常
が生じた場合には、温度変換器の出力とプログラ
ム制御器の出力とに差が出るため、加熱電源への
電力指令値が、プログラム制御器の電力設定値を
越そうとすると電力制御回路が動作し、被加熱体
へ供給される電力は、プログラム制御器の電力設
定値の範囲内で継続運転されることになり、被加
熱体が破損、不良となることはなく此種誘導加熱
装置に採用する場合には非常に有効である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の誘導加熱装置の一実施例を示
す図、第２図はそれの時間と温度、及び電力との
関係を示す特性図、第３図はプログラム制御器の
構成を示す図、第４図はそれの時間と電力の関係
を示す特性図である。 １…被加熱体、２…誘導加熱コイル、３…温度
検出器、４…計器用交流器、５…計器用変圧器、
６…温度変換器、７…プログラム制御器、８…温
度制御回路、９…電力制御回路、１０…電力変換
器、１１…弁別回路、１２…加熱電源、２１…設
定値入力回路、２２…記憶回路、２３…時間制御
回路、２４…変換回路、２５…関数演算回路、２
６…補間演算回路、２７…設定値出力回路。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 被加熱体と、該被加熱体を加熱電源から供給
   される電力により加熱する誘導加熱コイルと、前
   記被加熱体の温度を検出する温度検出器と、該温
   度検出器からの信号を処理しやすい温度に比例し
   た信号に変換する温度変換器と、該温度変換器か
   らの前記被加熱体の温度に比例した信号とプログ
   ラム制御器からの温度指令とを比較し、前記被加
   熱体の温度がプログラム制御器からの温度指令と
   一致するように動作して電力指令値を出力する温
   度制御回路と、前記被加熱体に供給される電力を
   演算して処理しやすい信号に変換する電力変換器
   と、該電力変換器からの被加熱体に供給する電力
   に比例した信号と前記プログラム制御器からの電
   力指令とを比較し、被加熱体に供給する電力をプ
   ログラム制御器の電力指令と一致するように動作
   して電力指令値を出力する電力制御回路と、前記
   温度制御回路からの異常を検出すると同時に、異
   常になつた時に、前記加熱電源への電力指令を前
   記電力制御回路の出力に切換える弁別回路とを備
   えていると共に、前記プログラム制御器は、プロ
   グラム運転の時間、電力等の設定値を入力する設
   定値入力回路と、設定値を記憶し必要に応じ、設
   定時間を出力する時間制御回路、設定時間幅で出
   力される電力設定値を電力指令値に変換する変換
   回路、及び設定された関数を演算して出力する関
   数演算回路にそれぞれ出力する記憶回路と、前記
   変換回路、関数演算回路、及び時間制御回路の出
   力で、設定値と設定値の間を設定された関数で補
   間する補間演算回路と、該補間演算回路からの出
   力を次の回路で処理しやすい信号に変換する設定
   値出力回路とから成ることを特徴とする誘導加熱
   装置。