JPS6120460B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はケーブルにキヤビンを連結する脱着自
在クランプを備えた少なくとも１個のキヤリジ
と、ケーブルの繰出し方向に関して連結点の上流
区域において前記キヤリジに摩擦係合し、このケ
ーブルと等速の切線速度で回転駆動される少なく
とも１個の等速化ホイールを備えた、ケーブルに
連結に先立つて前記キヤリジを加速し等速化する
装置と、ケーブルに連結された前記のキヤリジに
対して制動力または加速力を加える事のできる、
前記連結点の下流区域中において前記クランプの
締付け状態を検査する装置とを含む、空中ケーブ
ル式搬送装置、特にロープウエーに関するもので
ある。

前記の型の公知の装置は、クランプ式キヤリジ
の走行軌道上に配置されこのキヤリジに対して制
動または加速の拮抗力を加える事のできる当接シ
ステムを備えている。クランプがケーブル上に正
確に締付けられている時には、キヤリジはこの拮
抗力に打勝つて、ケーブル上を摺動する事なくそ
の走行を続ける。もし逆にクランプ締付けが不充
分であれば、この拮抗力がクランプをケーブルに
沿つて摺動させ、この摺動が適当な手段によつて
検出される。キヤリジに対して加えられる拮抗力
にはその装置の特性に応じた法則によつて定めら
れる。例えば式1.5×ｐ sinαによつて決定され
る。ここにｐはキヤビンと搬送される荷重の合計
重量であり、αは装置のラインに沿つたケーブル
の最大傾斜角度である。

前記の当接システムは、きわめて望ましくない
衝撃作用と、ケーブル及びキヤビンの揺動を生じ
る。またその検出装置は複雑であつて、しかも牽
引ケーブルの速度変動を考慮に入れる事ができな
い。

他の公知の装置は、拮抗検査応力を加える事の
できるキヤリジ推進または制動チエーンを備えて
いる。このチエーンを駆動する為に必要とされる
動的応力が振動と揺動とを生じ、これは測定装置
の良好な機能と両立しない。

本発明の目的はこの様な欠点を除き、特に簡単
で使用融通性に富む空中ケーブル式搬送装置を提
供するにある。

本発明による搬送装置においては、前記締付け
検査装置は、前記キヤリジと摩擦係合する事ので
きる少なくとも１個の検査ホイールと、前記キヤ
リジが前記検査ホイールと係合する以前において
前記検査ホイールをケーブルと等速で駆動し、ま
た係合中はこの検査ホイールに対してケーブル速
度と異なる速度を加える拮抗力を生じる為の検査
ホイール回転駆動手段と、前記検査ホイールと前
記ケーブルとの速度差検出器とを含む様に構成さ
れる。

前記のクランプ締付け検査装置は、標準型搬送
装置を全く変更しないでこれに応用する事がで
き、現在のロープウエーに付設する事ができる。
検査ホイールは、望ましくは、空気タイヤを備
え、通常の等速化ホイールにつづいて配置され、
また本発明の一実施例によれば、ケーブル上のク
ランプの摺動は、等速化ホールと検査ホイールと
の間の速度差の検出器によつて検出される。標準
型施設においては、等速化ホイールは、特に直線
的にケーブル運動をとる手段によつて、ケーブル
速度で駆動される。検査ホイールは原動機によつ
てケーブルと等速で駆動され、検査段階中、この
原動機はキヤリジに対して拮抗力を加える動力源
に変換される。この原動機は電気的、機械的、ま
たは空気的動力源とする事ができるが、電気的動
力源はケーブルの繰返し速度との等速化が容易で
ある。

本発明の実施例によれば、キヤリジに加えられ
る拮抗力は、電気的駆動方式の場合には、単にモ
ータの給電を切る事によつて得られる保持力であ
る。この保持力は徐々に加えられるので、ケーブ
ルまたはキヤビンの振動または揺動を生じる様な
激しい衝撃を伴なわない。

本発明によれば、等速化ホイールと検査ホイー
ルの速度差を検出する事により、特に荷重の変動
によるケーブル速度の変動の影響を受けないです
む。またこの速度差は、等速化ホイールに回転速
度検出ホイールを連結し、また検査ホイールに対
して第２の回転速度検出ホイールを連結し、これ
らの検出ホイールの信号を偏差検出ブロツクに伝
達する事によつて確認する事ができる。この検査
システムはきわめて簡単であつて、クランプ締付
け検査に先立つ段階中に駆動装置または検査装置
の機能を点検し、検査段階においてはクランプの
総ての摺動を検出する事が可能である。

搬送装置はケーブル上に締付けられたクランプ
の正確な姿勢の検査手段を備える事が望ましい。
この検査は、クランプの移動軌道上に配置されて
クランプの不正確な配置を検出する幾何学的ゲー
ジ手段によつて実施される。

以下本発明を図面に示す実施例により詳細に説
明する。

付図において、キヤリジ１０は、空中ケーブル
式搬送装置、特にロープウエイのターミナル駅の
レール１４の上を車輪１２によつて走行する。キ
ヤリジ１０は２駅間に配設された牽引／保持ケー
ブル１８に対する連結クランプ１６を担持してい
る。キヤビン（図示されず）は、キヤリジ１０に
枢着された懸垂部材２０によつて懸垂されてい
る。クランプ１６は、ターミナル駅においてキヤ
リジ１０をケーブル１８から離脱させ、乗降プラ
ツトフオームの前でキヤビンを低速で移動させま
たは停止させる事のできる脱着自在型である。駅
の出口において、キヤリジは、例えば傾斜レール
区間上を重力で走る事によつて加速され、またそ
の速度は、このキヤリジの上面に備えられた転動
面２８に係合した３個の等速化ホイール２２，２
４，２６によつて、ケーブル１８の速度と等速化
される。これらの等速化ホイール２２，２４，２
６は空気タイヤを備え、付図において矢印で示す
キヤリジ１０の進行方向に配列され、また専門家
には公知の様に、ケーブル１８上に備えられた伝
動装置（図示されず）によつて、ケーブル１８と
同一の線速で回転駆動される。等束化ホイール２
４の所に配置された制御装置（図示されず）がク
ランプ１６の閉鎖とケーブル１８に対するキヤリ
ジ１０の連結を生じ、ケーブルはキヤリジ１０の
位置において、クランプ１６はケーブル１８に対
して締付けられたばかりであり、またキヤリジ１
０はクランプ１０の締付け検査区間に係合してい
る。この締付け検査区間に沿つて、前記の等速化
ホイール２２，２４，２６と同形の４個のホイー
ル３０，３２，３４，３６が配列され、各ホイー
ルは前記の転動面２８と係合する空気タイヤを備
えている。これらの検査ホイール３０〜３６は、
自在継手３８と原動機４０から成る伝動装置によ
つて相互に連結されている。この原動機は液圧原
動機とする事もできるが、望ましくは直流モータ
とする事ができる。自在継手３８は、検査ホイー
ル３０〜３６の回転速度の完全な等速化を保証す
るものであつて、また前記の等速化ホイール２２
〜２６と検査ホイール３０〜３６全部は、キヤリ
ジ１０に対する平行性とこれらのホイールがキヤ
リジに伝達する圧力の均一性を保証する為にレー
ル１４に対して高さ調節可能のフレーム（図示さ
れず）上に載置されている。

等速化ホイール２６は回転速度検出ホイール４
２を駆動し、この検出ホイール４２の信号はモー
タ４０の給電制御ブロツク４４に加えられる。検
査ホイール３０は前記の検出ホイール４２と類似
の検出ホイール４６を駆動し、これらの検出ホイ
ール４２，４６によつて出された信号は検出ブロ
ツク４８に加えられ、このブロツク４８は検出ホ
イール４２，４６の速度差の信号を出す。給電制
御ブロツク４４は、制御区間において、キヤリジ
１０の転動面２８と供働するブツシヤ５２によつ
ては作動される接点５０の出すキヤリジ進入信号
を受ける。

検出ホイール４２は給電／制御ブロツク４４を
制御して、ケーブル１８の繰出し速度と完全に等
速の、制御ホイール３０〜３６の回転駆動速度を
モータ４０に加える。検査区間の入口には公知の
様に、ケーブル１８上の閉鎖締付け姿勢のクラン
プ１６のジヨーの正確な状態を検査する為の幾何
学的ゲージ手段が配置されている。

前記の制御装置は下記の様に作動する。

ケーブル１８によて直接に駆動される等速化ホ
イール２２，２４，２６は常にケーブル１８と等
速の一定速度で回転する。この速度は検出ホイー
ル４２によつて表示され、制御／給電ブロツク４
４がモータ４０を制御して、検査区間内にキヤリ
ジ１０が存在しない期間中、検査ホイール３０〜
３６を同一速度で駆動する。キヤリジが存在しな
い期間は、接点５０の閉鎖によつて表示される。
ケーブルに対して連結されるキヤリジ１０は、重
力によつて加速されながら等速化ホイール２２，
２４，２６の下側に係合し、ホイール２４の所で
生じるクランプ１６の閉鎖の瞬間にケーブル１８
と同一速度で移動し始める。クランプのジヨーの
正確な閉鎖状態は幾何学的ゲージ手段（図示され
ず）によつて検査され、このゲージ手段はジヨー
の不正確な姿勢の場合に装置を停止させる。ジヨ
ーの正確の姿勢の場合、キヤリジ１０はその走行
を続け、検査ホイール２０〜３６の下側に係合す
る。これらの検査ホイールは同一速度で回転して
いる、キヤリジとこれらのホイール３０〜３６と
の係合により、接点５０が開き、モータ４０の給
電を中断する。この係合は全く衝撃なしで行なわ
れ、接点５０が開いたのち、モータ４０は、ホイ
ール３０〜３６によつて駆動されるブレーキとし
て作動する。この制動応力は漸進的であつて、電
気抵抗（図示されず）を挿入する事によつて増大
または調整する事ができる。ケーブル１８はキヤ
リジ１０をこの検査行程に沿つて、ホイール３０
〜３６の抵抗力に対抗しながら駆動し、その間モ
ータ４０は制動力の発生源として作用する。もし
クランプ１６が正確に締付けられていれば、キヤ
リジ１０はそのクランプの摺動を伴なわないで、
ケーブル１８と同一速度で走行しつづける。不正
確な締付けに際しては、キヤリジに対して検査ホ
イール３０〜３６の加える制動力はクランプ１６
をケーブル１８に沿つて摺動させ、従つてキヤリ
ジ１０の移動速度はケーブル１８の速度以下とな
る。

検出ブロツク４８は、等速化ホイール２２，２
４，２６と検査ホイール３０〜３６との間の速度
差を検出して、その信号を出す。検査段階中、検
査ホイール３０〜３６の速度はキヤリジ１０の速
度に多応するので、クランプ１６の摺動の場合に
は、この走行速度はケーブル１８の速度と相違
し、ケーブル速度は等速化ホイール２２〜２６速
度に対応するのであるから、クランプ１６の摺動
によるこの様なホイール間の速度差は検出ブロツ
ク４８によつて検出され、その信号によつて施設
の停止を生じる様にする事が望ましい。接点５０
は、キヤリジ１０が検査区間を通過したのちに閉
鎖する調時型のものとする事ができる。接点５０
が閉じるや否や、モータ４０は常時給電されて、
検査ホイール３０〜３６に対して、等しい速度を
加える。また検出ブロツク４８は総ての等速化欠
陥を検出する。即ち、モータ４０の制御装置の作
動不良を検出する。

この検査装置はケーブル１８の繰出し速度とは
無関係に作動する事は明白であり、ケーブル速度
の変動は自動的に等速化ホイール２２〜２６と検
査ホイール３０〜３６の速度に変換されて、検出
ブロツク４８の動作を伴なわない。ホイール２６
と３０の間の速度差を他の方法で検出できる事は
明白であり、特に機械的、音響的または光学的検
出器を使用する事ができ、また本発明の主旨の範
囲内において、等速化ホイールと検査ホイールの
数を変更する事ができ、また検査ホイール３０〜
３６と異なる駆動手段及び／または制動手段を使
用する事ができる。本発明の検査装置は各ターミ
ナル駅の出口に配置する事が望ましいが、場合に
よつては中間駅の出口に配置する事ができ、また
総てのキヤビンについて、荷重を受けていてもい
なくても、検査を実施する事ができる。また本発
明の検査装置は、等速化装置並びにケーブルに対
するキヤリジの連結装置と組合わせた好ましい実
施例について述べたのであるが、本発明の検査装
置は他の場所においても使用する事ができるのは
明白であり、その場合、等速化ホイールは単にケ
ーブル１８の移動速度の測定ホイールとして使用
される。またモータ４０に対して過給電してキヤ
リジ１０を加速する事によつて検査を実施する事
もできるが、制動による場合も加速による場合
も、検査応力は、衝撃または揺動を防止する様に
漸進的にまた完全に可制御的に加えられる。本発
明の検査装置は、標準型要素を使用する事がで
き、現存の施設に適用容易であり、或いは標準型
施設の大きな変更を伴なわないで使用者に引渡す
事ができる。

【図面の簡単な説明】

付図は本発明による空中ケーブル式搬送装置の
クランプ締付検査機構を示す略示的側面図であ
る。 １０……キヤリジ、１２……車輪、１４……レ
ール、１６……クランプ、１８……ケーブル、２
０……キヤビン懸垂部材、２２，２４，２６……
等速化ホイール、２８……転動面、３０，３２，
３４，３６……クランプ締付け検査ホイール、３
８……自在継手、４０……モータ、４２，４６…
…検出ホイール、４４……制御ブロツク、４８…
…検出ブロツク、５０……接点、５２……プツシ
ヤ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ キヤビンをケーブルに対して連結する脱着自
   在クランプを備えた少なくとも１個のキヤリジ
   と、ケーブルの繰出し方向において連結点上流区
   域で前記キヤリジに摩擦係合しケーブルと等速の
   切線速度で回転駆動される少なくとも１個の等速
   化ホイールを備えた、ケーブル連結以前における
   キヤリジ加速／等速化装置と、前記ケーブル連結
   点より下流区域においてケーブルに連結された前
   記キヤリジに対して制動力または加速力を加える
   事のできるクランプ締付け検査装置とを含む空中
   ケーブル式搬送装置、特にロープウエーにおい
   て、前記締付け検査装置は、前記キヤリジに摩擦
   係合する事のできる少なくとも１個の検査ホイー
   ルと、キヤリジが前記検査ホイールと係合する以
   前においてこの検査ホイールをケーブルと等速で
   駆動し、またその係合中はケーブルと異なる速度
   を前記検査ホイールに対して加える拮抗力を生じ
   る検査ホイール駆動手段と、前記検査ホイールと
   前記ケーブルとの速度差検出器とを含む事を特徴
   とする空中ケーブル式搬送装置。 ２ 前記同期化ホイールと前記検査ホイールはそ
   れぞれ空気タイヤを備え、この空気タイヤのトレ
   ツドがキヤリジ上に設けられた転動面と共働する
   事を特許請求の範囲第１項に記載の搬送装置。 ３ 上記連結点のそれぞれ上流と下流において、
   前記キヤリジ走行軌道に沿つて配列された複数の
   同期化ホイール及び検査ホイールを有する事を特
   徴とする特許請求の範囲第１項または第２項に記
   載の搬送装置。 ４ 前記複数の検査ホイールは、相互に、また原
   動機関に対して、靫帯運動的に連結されている事
   を特徴とする特許請求の範囲第３項に記載の搬送
   装置。 ５ 前記検出器は、前記等速化ホイールと検査ホ
   イールとの速度査を検出する様に構成されている
   事を特徴とする特許請求の範囲第１項、第２項、
   第３項のいずれかに記載の搬送装置。 ６ 同期化ホイールに連結された第１回転速度検
   出器と、検査ホイールに連結された第２回転速度
   検出器とを備え、前記速度差検出器はこれらの回
   転速度検出器の発生する信号の差を検出する事を
   特徴とする特許請求の範囲第５項記載の搬送装
   置。 ７ 前記等速化ホイールの回転運動は前記ケーブ
   ルの運動から誘導され、前記検査ホイールは原動
   機によつてケーブルと等速で駆動される事を特徴
   とする特許請求の範囲第１項乃至第６項のいずれ
   かに記載の搬送装置。 ８ クランプ締付け検査段階において制動力を加
   える様に成された前記検査ホイール駆動モータを
   有する事を特徴とする特許請求の範囲第７項に記
   載の搬送装置。 ９ ケーブル締付け姿勢にあるクランプジヨーの
   正確な配置状態を点検する為にクランプの移動軌
   道上に配置された幾何学的ゲージ手段を特徴とす
   る特許請求の範囲第１項乃至第８項のいずれかに
   記載の搬送装置。