JPS6119996Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、上端にサドルが取付けられるシー
トポストを車体のシートチユーブに固定する際
に、シートチユーブの上端の切割りを設けた部分
を緊締し、シートポストをシートチユーブに固定
するための自転車のシートチユーブ緊締用クラン
プ金具の改良に関する。

自転車のサドルを上下位置を調節して車体に固
定するのに、サドルを円管状のシートポストの上
端部に取付け、このシートポストを車体のシート
チユーブ内に挿入し固定することが行なわれてい
る。シートチユーブの上端部には切割りが形成さ
れており、シートポストを挿入後上端部を縮径す
ればこのシートポストをシートチユーブに対して
固定できるものである。このように、シートチユ
ーブの上端部を縮径させるための構造としては、
従来は上記切割りを挾んでシートチユーブ上端部
に固設した１対の座部にボルトを挿通し、これに
ナツトを螺合して緊締することにより行なつてい
たが、近年シートチユーブ自体には切割りのみを
設け、別個のクランプ金具によりシートチユーブ
の上端部を緊締することが一部の自転車に行なわ
れるようになつて来た。即ち、第１〜２図に示す
クランプ金具９のように、シートチユーブの上端
部に外嵌できる円筒面１を有し、一部に切割り２
を形成し、この切割り２を挾んでそれぞれ大径部
３ａ，４ａと小径部３ｂ，４ｂとから成る貫通孔
３，４を穿設し、この貫通孔３，４に挿通したボ
ルト５にナツトを螺合させたものである。このよ
うなクランプ金具９を用いてシートチユーブの緊
締を行なう場合には、第３〜４図に示すように、
切割り６を形成したシートチユーブ７の上端部に
このクランプ金具９を外嵌し、シートポスト８を
シートチユーブ７内に挿入した後、ボルト５を緊
締すれば、クランプ金具９の円筒面１によりシー
トチユーブ７の外周面を押圧し、このシートチユ
ーブ７の上端部の径を締めてシートポスト８をシ
ートチユーブ７に対して固定することができる。

ところが、上述のように構成され作用する従来
のクランプ金具に於いては次に述べるような不都
合があつた。即ち、従来のクランプ金具９に於い
ては、シートチユーブ７の外周面と当接する円筒
面１が上から下まで一様に形成されていたため、
ボルト５を緊締するまでの間このクランプ金具が
ずり落ちないようにこの金具をシートチユーブの
切割りを設けた上端部に支えていなければならな
かつた。このため、クランプ金具９によりシート
ポスト８の固定を行なう場合には、このクランプ
金具９の位置決めに気を配らなければならず、し
かもクランプ金具が落下しないように手で抑えな
がら作業しなければならなかつた。また、クラン
プ金具が、少しずり落ちて、第３図に示すように
切割り６を設けたシートチユーブ７の上端部がク
ランプ金具９の上方に突出すると美観を損なうこ
ととなるため好ましくない。

本考案の自転車のシートチユーブ緊締用クラン
プ金具は、以上に述べたような従来品の有する不
都合を解消せんとするものである。

以下、実施例を示す図面により本考案を説明す
る。

第５〜７図は本考案のクランプ金具９ａの実施
例を示しており、第５図は斜視図、第６図は第５
図のＣ−Ｃ断面図、第７図は同Ｄ−Ｄ断面図であ
る。シートチユーブの上端部に外嵌できる円筒面
１を有し、一部に切割り２を形成し、この切割り
２を挾んでそれぞれ大径部と小径部とから成る貫
通孔を穿設し、この貫通孔に挿通したボルト５に
ナツトを螺合させる点は第１〜２図に示した従来
のクランプ金具９と同様である。本考案のクラン
プ金具９ａの特徴は、上記円筒面１の上端部に、
この円筒面１の内径よりも僅かに小さい内径を有
する段部１０を形成した点にある。この段部は、
図示の例のように切割り２の部分を除く全周に亘
つて形成しても良いが、一部にのみ形成しても良
い。また、この段部１０の内周面と円筒面１との
段差ｈ（第７図）は、シートチユーブ７の厚さｔ
（第９図）よりも小さく（ｈ＜ｔ）形成する。

本考案のクランプ金具９ａは、以上に述べた通
り構成されるので、このクランプ金具９ａを、段
部１０を上にしてシートチユーブ７の上端部に外
嵌すると、段部１０の下面がシートチユーブ７の
上端面と当接してクランプ金具９ａがそれ以上落
下するのを防止し、第８〜９図に示すように、こ
のクランプ金具９ａをシートチユーブ７の上端部
に係止する。このため、クランプ金具９ａの位置
決めは自動的に行なえて、そのために気をつかう
必要がなく、位置決めを容易かつ迅速に行なうこ
とができる。しかもボルト５を緊締する際に、ク
ランプ金具を手で抑えながら作業する必要がな
く、シートポスト８の固定作業を容易に行なうこ
とができる。また、シートチユーブ７の上端部が
クランプ金具９ａの上方に突出することがないか
ら、クランプ取付部分の美観が損なわれることも
ない。

【図面の簡単な説明】

第１〜４図は従来のクランプ金具を示してお
り、第１図は斜視図、第２図は第１図のＡ−Ａ断
面図、第３図はシートチユーブへの取付状態を示
す斜視図、第４図は更にシートポストを挿入した
状態を示す第３図のＢ−Ｂ断面図、第５〜９図は
本考案のクランプ金具の実施例を示しており、第
５図は斜視図、第６図は第５図のＣ−Ｃ断面図、
第７図は同Ｄ−Ｄ断面図、第８図はシートチユー
ブへの取付状態を示す斜視図、第９図は更にシー
トポストを挿入した状態を示す第８図のＥ−Ｅ断
面図である。 １：円筒面、２：切割り、３：貫通孔、３ａ：
大径部、３ｂ：小径部、４：貫通孔、４ａ：大径
部、４ｂ：小径部、５：ボルト、６：切割り、
７：シートチユーブ、８：シートポスト、９，９
ａ：クランプ金具、１０：段部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シートチユーブの上端部に外嵌できる円筒面１
   を有し、一部に切割り２を形成し、この切割り２
   を挾んで穿設した貫通孔に挿通したボルト５にナ
   ツトを螺合させて成るクランプ金具に於いて、上
   記円筒面１の上端部に内方に向けて段部１０を形
   成し、この段部１０の内周面と円筒面１との段差
   ｈはシートチユーブ７の厚さｔよりも小さくした
   ことを特徴とする自転車のシートチユーブ緊締用
   クランプ金具。