JPS639510Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自転車用ハンドルステムに関し、ハン
ドルステムの製作の容易化を図ることを目的とす
る。

第１図に示すように、従来の自転車用ハンドル
ステム１は、フロントホーク上部のステム部に引
上げボルト２により固定されるステム部３と、該
ステム部３上端部から一体に突設されたグリツプ
部４とからなり、グリツプ部４は先端部側が二叉
状とされて、該二叉部５の基部側がハンドルバー
６を抱込状とする側面視略Ｃ形状の抱込部７とさ
れ、二叉部５先端側を締結ボルト８及びナツト９
により締結することで、抱込部７によりハンドル
バー６を締付固定できるように構成されていた。
ところでハンドルステム１は最近では軽合金を鍛
造加工することにより製作されるのであるが、従
来のハンドルステム１は上記のように、筒状のス
テム部３と、二叉状のグリツプ部４が一体とされ
た複数な構造とされていたため、ハンドルステム
１の鍛造加工に多大の時間と手間がかかり、ハン
ドルステム１の製作を容易に行なえないという問
題があつた。

そこで、本考案は上記問題点を解決したもので
あつて、その特徴とするところは、ハンドルバー
１９を抱込状として締結ボルト２５により締付固
定するグリツプ部１７を備え、フロントホーク１
３に引上げボルト２８により固定される自転車用
ハンドルステム１５において、該ハンドルステム
１５が筒状ステム部１６とグリツプ部１７とから
なり、該グリツプ部１７は分割部２０を後方に有
する側面視略Ｃ形状の抱込部２１を前端部に備
え、抱込部２１の分割部２０両端より夫々対向し
て上下の締付部２２，２３が後方に延設されると
共に、下側の締付部２３がより後方に延設され、
かつその後端部下面側にステム部１６上端に圧入
嵌着される嵌着部２４が設けられ、両締付部２
２，２３を互いに近接させる方向に押圧解除自在
とすべく、締付ボルト２５が上側の締付部２２に
形成された挿通孔２６に挿通されると共に、下側
の締付部２３に形成された雌ネジ孔２７に進退自
在に螺合され、上側の締付部２２後端面にその前
端面が密着状として下側の締付部２３上面を覆う
樹脂キヤツプ３０が引上げボルト２８の頭部に該
頭部を覆つて着脱自在に嵌着保持され、かつ樹脂
キヤツプ３０の外周面が対応する各締付部２２，
２３の外周面と面一状に形成されてなる点にあ
る。

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
ると、第２図乃至第５図において、１１は自転車
のフレームであり、該フレーム１１のヘツドチユ
ーブ１２にはフロントホーク１３上部の筒状ステ
ム１４が回転自在に備えられている。１５はハン
ドルステムで、軽合金の鍛造加工により製作され
るものであつて、円筒状のステム部１６と該ステ
ム部１６上端に嵌着されるグリツプ部１７とから
なる。ステム部１６は、フロントホーク１３のス
テム部１４内に上方突出状として挿脱自在に挿入
されており、ステム部１６上端外周面は上方向に
径小となるテーパ部１８を備えている。前記グリ
ツプ部１７は第２図乃至第４図に示される如く、
その前端部にハンドルバー１９を抱込状とする側
面視略Ｃ形状で、その分割部２０を後方に有した
抱込部２１を備え、該抱込部２１の分割部２０上
下両端より夫々対向して締付部２２，２３が後方
に延設されている。そして両締付部２２，２３は
互いに適宜間隔を有しており、該間隔の拡縮を介
して、抱込部２１でハンドルバー１９を締付固定
及び解除自在に構成されている。また前記下側の
締付部２３は上側の締付部２２より肉厚に形成さ
れると共に、上側の締付部２２よりさらに後方に
延設され、その締付部２３の後端部には前記ステ
ム部１６のテーパ部１８に外嵌状に圧入を介して
嵌着される嵌着部２４が設けられている。２５は
締結ボルトで、上側の締付部２２に形成された挿
通孔２６挿通を介して、下側の締付部２３に形成
された雌ネジ孔２７に進退自在に螺合されてお
り、この締結ボルト２５の螺進螺退を介して、上
側の締付部２２を下側の締付部２３に近接させる
方向に押圧解除自在に構成されている。２８は引
上げボルトで、嵌着部２４及びステム部１６を挿
通して設けられ、下部のナツト２９に着脱自在に
螺結されることで、ステム部１６がステム部１４
に着脱自在に固定されている。３０は樹脂キヤツ
プで、上側の締付部２２後方で、かつ下側の締付
部２３上面を覆つて設けられており、引上げボル
ト２８の頭部に該頭部を覆つて着脱自在に嵌着保
持されている。また第２図、第３図及び第５図に
示される如く、樹脂キヤツプ３０の前端面は上側
の締付部２２後端面に密着状とされると共に、樹
脂キヤツプ３０の外周面は各締付部２２，２３の
対応する外周面と面一状となるよう形成されてい
る。

本考案の実施例は以上のように構成されてお
り、ハンドルステム１５を製作する場合、例えば
ステム部１６においては円筒部材の一端にテーパ
部１８を形成すればよい。またグリツプ部１７に
おいては夫々所定の肉厚で略直線状に鍛造し、そ
の後端部に嵌着部２４を形成し、前端部を曲げ加
工して抱込部２１を形成すればよい。そしてグリ
ツプ部１７の嵌着部２４をステム部１６のテーパ
部１８に圧入して嵌着すればよい。このようにハ
ンドルステム１５をステム部１６とグリツプ部１
７とに分割した構成としているため、複雑な加工
部分がなく、夫々の製作に時間と手間がかから
ず、製作が簡単・容易に行なえ、生産能率の向上
が図れる。また自転車の機種によつてステム部１
６の長さの異なるハンドルステム１５が必要とさ
れる場合には、ステム部１６のみを各種長さに製
作すればよく、グリツプ部１７が兼用でき、各機
種やハンドルバー１９の最適位置への改造に容易
かつ安価に対応できる。さらに従来の如く、締付
ボルト８、ナツト９で締付けられる分割部分が前
端に設けられたものと比較して、グリツプ部１７
前端が側面視略円形とされているため、走行時に
おける空気抵抗が減少する利点がある。

また引上げボルト２８の頭部に樹脂キヤツプ３
０が嵌着されているため、引上げボルト２８が外
部に露出せず、従つて雨風や直射日光等にさらさ
れず、腐食等の損傷が防止でき、耐久性の向上が
図れる。さらに樹脂キヤツプ３０の前端面が締付
部２２の後端面と密着状とされているため、引上
げボルト２８の頭部に単に嵌着するだけで、頭部
回りの相対回動も生じず、良好に取付け保持でき
る。また引上げボルト２８の頭部を樹脂キヤツプ
３０で覆つているため、転倒時等において頭部の
角部でけがを起こすおそれもない。さらに各締付
部２２，２３外周面と面一な外周面を有する樹脂
キヤツプ３０を装着することによつて外観の向上
も図れる。

以上のように、本考案なハンドルステムが、ハ
ンドルバーを締付固定するグリツプ部と、フロン
トホークに固定されるステム部とに分割して構成
されているため、夫々の製作が簡単・容易とな
り、生産能率の向上が図れ、また自転車の機種に
よつてステム部の長さの異なるハンドルステムが
必要とされる場合には、ステム部のみを各種長さ
に製作すればよく、容易かつ安価に対応できる。
さらに抱込部の後方に締結ボルトが位置されるた
め、走行時における空気抵抗が減少するという利
点がある。また引上げボルトの頭部に樹脂キヤツ
プが嵌着されているため、引上げボルトが外部に
露出せず、従つて雨風や直射日光等にさらされ
ず、腐食等の損傷が防止でき、耐久性の向上が図
れる。さらに樹脂キヤツプの前端面が締付部の後
端面と密着状とされているため、引上げボルトの
頭部に単に嵌着するだけで、頭部回りの相対回動
も生じず、良好に取付け保持できる。また引上げ
ボルトの頭部を樹脂キヤツプで覆つているため、
転倒時等において頭部の角部でけがを起こすおそ
れもない。さらに各締付部外周面と面一な外周面
を有する樹脂キヤツプを装着することによつて外
観の向上も図れるという利点も奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例を示す要部側断面図、第２図は
本考案の実施例を示す一部断面側面図、第３図は
第２図−線矢視図、第４図は第２図−線
矢視図、第５図は第２図−線断面図である。 １３……フロントホーク、１５……ハンドルス
テム、１６……ステム部、１７……グリツプ部、
１９……ハンドルバー、２０……分割部、２１…
…抱込部、２２，２３……締付部、２４……嵌着
部、２５……締結ボルト、２６……挿通孔、２７
……雌ネジ孔、２８……引上げボルト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ハンドルバー１９を抱込状として締結ボルト２
   ５により締付固定するグリツプ部１７を備え、フ
   ロントホーク１３に引上げボルト２８により固定
   される自転車用ハンドルステム１５において、該
   ハンドルステム１５が筒状ステム部１６とグリツ
   プ部１７とからなり、該グリツプ部１７は分割部
   ２０を後方に有する側面視略Ｃ形状の抱込部２１
   を前端部に備え、抱込部２１の分割部２０両端よ
   り夫々対向して上下の締付部２２，２３が後方に
   延設されると共に、下側の締付部２３がより後方
   に延設され、かつその後端部下面側にステム部１
   ６上端に圧入嵌着される嵌着部２４が設けられ、
   両締付部２２，２３を互いに近接させる方向に押
   圧解除自在とすべく、締付ボルト２５が上側の締
   付部２２に形成された挿通孔２６に挿通されると
   共に、下側の締付部２３に形成された雌ネジ孔２
   ７に進退自在に螺合され、上側の締付部２２後端
   面にその前端面が密着状として下側の締付部２３
   上面を覆う樹脂キヤツプ３０が引上げボルト２８
   の頭部に該頭部を覆つて着脱自在に嵌着保持さ
   れ、かつ樹脂キヤツプ３０の外周面が対応する各
   締付部２２，２３の外周面と面一状に形成されて
   なることを特徴とする自転車用ハンドルステム。