JPS6311032Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自転車用ハンドルステムに関し、ハン
ドルステムの製作の容易化を図ることを目的とす
る。

第１図に示すように、従来の自転車用ハンドル
ステム１は、フロントホーク上部のステム部に引
上げボルト２により固定されるステム部３と、該
ステム部３上端部から一体に突設されたグリツプ
部４とからなり、グリツプ部４は先端部側が二叉
状とされて、該二叉部５の基部側がハンドルバー
６を抱込状とする側面視略ｃ形状の抱込部７とさ
れ、二叉部５先端側を締結ボルト８及びナツト９
により締結することで、抱込部７によりハンドル
バー６を締付固定できるように構成されていた。
ところでハンドルステム１は最近では軽合金を鍛
造加工することにより製作されるのであるが、従
来のハンドルステム１は上記のように、筒状のス
テム部３や二叉状のグリツプ部４を一体に備えた
複雑な構造とされていたため、ハンドルステム１
の鍛造加工に多大の時間と手間がかかり、ハンド
ルステム１の製作を容易に行なえないという問題
があつた。

そこで、本考案は上記問題点を解決したもので
あつて、その特徴とするところは、ハンドルバー
２０を抱込状として締結ボルト２２により締付固
定すると共に、フロントフオーク１３に引上げボ
ルト２６により固定される自転車用ハンドルステ
ム１５において、該ハンドルステム１５は円筒形
金属パイプ材を折曲形成してなり、上下方向にス
テム部１６と、該ステム部１６上端より前方に折
曲され偏平状として延設された下締付部１７と、
該下締付部１７前端より上方に前方膨出状で、か
つ側面視略Ｃ形状に折曲形成された抱込部１８
と、該抱込部１８後端より後方に折曲され前記下
締付部１７と間隔を有して後方に偏平状としてス
テム部１６上方まで延設された上締付部１９とを
備え、上締付部１９後端部及びステム部１６上部
に形成された各挿通孔２７，２８を挿通して引上
げボルト２６が装着され、上締付部１９と下締付
部１７間に拡縮量規制用スペーサー２１が介在さ
れ、両締付部１７，１９を互いに近接させる方向
に押圧解除自在とすべく、上締付部１９及びスペ
ーサー２１に形成された各挿通孔２３，２４を挿
通する締結ボルト２２が下締付部１７に形成され
た雌ネジ孔２５に螺合された点にある。

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
ると、第２図乃至第５図において、１１は自転車
のフレームであり、該フレーム１１のヘツドチユ
ーブ１２にはフロントフオーク１３上部の筒状ス
テム部１４が回転自在に備えられている。１５は
ハンドルステムで、アルミニウムや鉄等の適宜長
さの円筒形金属パイプ材を適宜折曲形成して構成
したものであり、下部に上下方向に延設されたス
テム部１６を備えている。そして該ステム部１６
上端より前方に折曲され、前方へ所定長さ延設さ
れた下締付部１７を備え、該下締付部１７前端よ
り上方に側面視略ｃ形状に折曲形成された抱込部
１８を備え、該抱込部１８後端より後方に折曲さ
れ、前記下締付部１７と適宜間隔を有してステム
部１６上方まで延設された上締付部１９を備えて
いる。また前記上締付部１９及び下締付部１７は
第２図に示される如く、偏平状に圧縮変形されて
おり、抱込部１８前部は第２図、第３図及び第５
図に示される如く、前方膨出状に圧縮変形されて
いる。そして前記上締付部１９と下締付部１７と
の間隔の拡縮を介して、抱込部１８でハンドルバ
ー２０を締付固定及び解除自在に構成されてい
る。また上締付部１９と下締付部１７との間には
第２図に示される如く、前記間隔の拡縮量を適宜
規制すべく、適宜厚みを有する可撓性樹脂等から
なるスペーサー２１が介在されている。２２は締
結ボルトで上締付部１９及びスペーサー２１に形
成された各挿通孔２３，２４挿通を介して、下締
付部１７に形成された雌ネジ孔２５に進退自在に
螺合されており、この締結ボルト２２の螺進螺退
を介して、両締付部１７，１９を互いに近接させ
る方向に押圧解除自在に構成されている。２６は
引上げボルトで、フロントフオーク１３のステム
部１４内に上方突出状として挿脱自在に挿入され
たステム部１６に、その上部に形成された挿通孔
２７及び上締付部１９後端部に形成された挿通孔
２８を介して挿通され、下部のナツト２９に着脱
自在に螺結されることで、ステム部１６がステム
部１４に着脱自在に固定されている。

本考案の実施例は以上のように構成されてお
り、このハンドルステム１５を製作する場合に
は、例えば、所定長さの直線状金属パイプ材の所
定部分を圧縮加工し、次に所定部分に曲げ加工を
施し、最後に挿通孔２３，２７，２８や雌ネジ孔
２５を形成すればよい。このように、金属パイプ
材を圧縮加工した後、曲げ加工を施すことによつ
て簡単・容易に製作でき複雑な加工がなく、時間
や手間がかからず、生産能率の向上が図れる。ま
た自転車の機種によつてステム部１６の長さの異
なるハンドルステム１５が必要とされる場合に
は、長さの異なる金属パイプ材を同様に圧縮加工
し、曲げ加工を施せばよい。この際、同一の装置
を利用して製作でき、各機種やハンドルバー２０
の最適位置への改造に容易かつ安価に対応でき
る。さらに従来の如く、締結ボルト８・ナツト９
で締付けられる分割部分が前端に設けられたもの
と比較して、抱込部１８前端が側面視略ｃ形状
で、かつ第２図及び第５図に示される如く、側面
視偏平状でなく、特に前方膨出状とされているた
め、走行時における空気抵抗が減少する利点があ
る。またスペーサー２１によつて両締付部１７，
１９の締付け過ぎによる変形も防止している。

また、上締付部１９と下締付部１７とが締結ボ
ルト２２で締結されると共に、上締付部１９の後
端部と下締付部１７の後端側に位置するステム部
１６とが引上げボルト２６により締結されるた
め、上締付部１９と下締付部１７とのねじれも有
効に防止できる。

以上のように、本考案は円筒形金属パイプ材を
折曲形成してハンドルステムを構成したものであ
るため、製作が簡単・容易となり、生産能率の向
上が図れ、また自転車の機種によつてステム部の
長さの異なるハンドルステムが必要とされる場合
には、製作初期の金属パイプ材の長さを適宜変更
すれば、同一の装置によつて製作でき、容易かつ
安価に対応できる。さらに抱込部の後方に締付ボ
ルトが位置されるため、走行時における空気抵抗
が減少するという利点がある。また抱込部が側面
視略Ｃ形状で、かつ前方膨出状に形成されている
ため、この点からも走行時における空気抵抗が減
少するという利点がある。さらに偏平状とされた
両締付部の締付け過ぎによる変形もスペーサーに
よつて有効に防止できる。また上締付部と下締付
部とが締結ボルトで締結されると共に、上締付部
の後端部と下締付部の後端側に位置するステム部
とが引上げボルトにより締結されるため、上締付
部と下締付部とのねじれも有効に防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例を示す要部側断面図、第２図は
本考案の実施例を示す一部断面側面図、第３図は
第２図−線矢視図、第４図は第２図−線
矢視半断面図、第５図は第２図−線断面図で
ある。 １３……フロントホーク、１５……ハンドルス
テム、１６……ステム部、１７……下締付部、１
８……抱込部、１９……上締付部、２０……ハン
ドルバー、２２……締結ボルト、２６……引上げ
ボルト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ハンドルバー２０を抱込状として締結ボルト２
   ２により締付固定すると共に、フロントホーク１
   ３に引上げボルト２６により固定される自転車用
   ハンドルステム１５において、該ハンドルステム
   １５は円筒形金属パイプ材を折曲形成してなり、
   上下方向にステム部１６と、該ステム部１６上端
   より前方に折曲され偏平状として延設された下締
   付部１７と、該下締付部１７前端より上方に前方
   膨出状で、かつ側面視略Ｃ形状に折曲形成された
   抱込部１８と、該抱込部１８後端より後方に折曲
   され前記下締付部１７と間隔を有して後方に偏平
   状としてステム部１６上方まで延設された上締付
   部１９とを備え、上締付部１９後端部及びステム
   部１６上部に形成された各挿通孔２７，２８を挿
   通して引上げボルト２６が装着され、上締付部１
   ９と下締付部１７間に拡縮量規制用スペーサー２
   １が介在され、両締付部１７，１９を互いに近接
   させる方向に押圧解除自在とすべく、上締付部１
   ９及びスペーサー２１に形成された各挿通孔２
   ３，２４を挿通する締結ボルト２２が下締付部１
   ７に形成された雌ネジ孔２５に螺合されたことを
   特徴とする自転車用ハンドルステム。