JPS6136704Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は立設した支柱に簡単に取り外しのでき
る支柱用係止具に関する。

一般に、断面形状が円形の金属製等の支柱を室
内外で垂直に立設し、それに横ポールを係止した
り腕木等を設けたりする場合が多々あるが、この
場合それらを支柱に止めるために何らかの係止具
を支柱に装着する必要がある。

従来、上記のような場合には係止具を支柱の所
定位置に溶着したり、或いは支柱にネジ孔を穿設
しネジにより係止具を固定したりしていた。

ところが、前者においては支柱を立設する前か
ら予め係止具を溶着しておかねばならず、また係
止具は溶着されているためにその位置を変えるこ
とができず使用上大変不便であつた。一方、後者
においてはネジによつて係止具を支柱に止めるも
のであるから前者のような欠点をもたないもの
の、支柱が金属製であればネジ孔から錆が発生す
るし、またネジ自体からも錆が発生し支柱全体の
美観を損ねていた。また、係止具の位置を任意に
変えれるよう支柱に多数のネジ孔を設けると、場
合によつてはこれもまた美観を損ねかねない。

本考案はかかる点に鑑み、支柱を立設した後で
あつても上記手段を使用することなく極めて容易
に支柱に装着することのできる支柱用係止具を提
供しようとするものである。

以下本考案の一実施例を図面に基づいて説明す
ると、図中１は係止部材で、環状体からなり、直
径線上で縦に２分割されている。そしてその外周
面２は図面において上方に漸縮状のテーパー部１
４となしそれへテーパー雄ねじ３を刻設してい
る。また内径ｄ１は、支柱４の外径ｄ２と略等し
くされている。図中５は内周面に全周に亘つて設
けた凹部で、ゴム等でできた滑り止めバンドを挿
入するためのものであるが、必ずしも設ける必要
はない。

図中６は上記係止部材１に外嵌する外嵌部材
で、その内周面７には係止部材１のテーパー部１
４と同じ傾斜で上方に漸縮状のテーパー部６１を
形成し、また該テーパー部６１に係止部材１のテ
ーパー雄ねじ３と螺合するテーパー雌ねじ８を刻
設している。この外嵌部材６も直径線上で２分割
されており、それぞれの分割部の外側部６２，６
２には嵌合部９ａ，９ｂが形成されている。尚、
この外嵌部材６の外周形状は図に示すような環状
に限らず、内周が係止部材１と合致する形状であ
れば外周形状はどのようであつてもよい。

尚、上記した係止部材１及び外嵌部材６は半円
体に２分割されている場合も説明したが、環状体
で一部を切断して開割可能となし支柱に嵌め込み
係止できるような形態となしてもよい。

次に上述の支柱用係止具の支柱への装着手順を
説明すると、先ず支柱４の所望位置に係止部材１
をテーパーの漸縮先端が上方にくるように両側か
らはめる。続いてこの係止部材１の上方で外嵌部
材６をこれもまたテーパーの漸縮先端が上方にく
るよう支柱に両側からはめ嵌合部９ａ，９ｂを嵌
合させて一体にする。そしてあとはこの外嵌部材
６を下方へ降ろし、係止部材１に螺合して装着が
完了する。つまり、係止部材１の外周面２のテー
パーと外嵌部材６内周面のテーパーとにより、外
嵌部材６の下向きの力が係止部材１を周りから締
め付ける力となるわけで、また外嵌部材６を係止
部材１へねじ込めばねじ込むほど締め付け力が増
し、より強固に支柱に装着されることになる。

尚、係止部材１の内周面に設けた凹部５にゴム
等のリングを挿入しておくと更に強固に装着でき
る。

本考案は上記の如くなしたため次の各効果を奏
する。

ａ 支柱を立設した後においても極めて容易に支
柱に装着することができる。

ｂ 支柱に強固に装着できる反面、支柱上を移動
させることも容易である。

ｃ 支柱には何ら加工を施す必要がないので支柱
の美観を損ねるようなことは全く無い。

ｄ 構造が簡単なため取り扱いが便利であり、ま
た安価に量産できる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示し、第１図ａは係止
部材の平面図、同図ｂは係止部材の片方をその内
側から見た正面図、同図ｃは外嵌部材の平面図、
同図ｄは外嵌部材の片方をその内側から見た正面
図、第２図ａは支柱の平面図、同図ｂは支柱の正
面図、第３図は支柱用係止具を支柱に装着した状
態の断面図、第４図は使用例を示す斜視図であ
る。 １……係止部材、２……外周面、３……テーパ
ー雄ねじ、４……支柱、６……外嵌部材、７……
内周面、８……テーパー雌ねじ、ｄ１……係止部
材の内径、ｄ２……支柱の外径。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 外径が上方に漸縮状のテーパー部となされ、外
   周面にテーパー雄ねじを刻設すると共に内径が支
   柱の外径と略等しくなされた環状体が、その周方
   向の少なくとも一箇所で、軸方向と略平行な面で
   開割可能となされてなる係止部材と、内周面に内
   径が上方に漸縮状のテーパー部となされ、且つ前
   記係止部材のテーパー雄ねじと螺合可能なテーパ
   ー雌ねじが刻設されると共に軸方向と略平行な面
   で開割され、各開割部の両外側部には夫々互いに
   嵌合可能な嵌合部が形成された外嵌部材とからな
   ることを特徴とする支柱用係止具。