JPS6119278Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は有水ガスホルダーにおける雨水の自動
排水装置に関する。

従来、底部に水槽を有しその上方に複数段のガ
ス槽を互に封水でシールして昇降自在に装置した
有水ガスホルダーでは、最も平面面績の大きい最
上段のガス槽に降る雨水は最上段ガス槽の天井部
から周壁を流下して封水溝内に流入し、更に同封
水溝の溢流が下段のガス槽の封水溝に流入しこれ
を順次繰り返し、最後は水槽内に雨水が多量に流
入して外部に溢出させていた。そのため、 (イ) 水槽内に投入していた防蝕剤が雨水の流入と
溢出によつて流出して防蝕効果を失い、防蝕剤
の再投入を必要とする。

(ロ) ガス槽の天井部につもつたごみ、灰等が雨水
とともに流されて封水溝内に流入して封水溝内
に沈澱して封水溝を詰らせてしまいその除去清
掃作業が必要となる。

(ハ) ガス槽の外面塗装が雨水によつて変色する。

(ニ) 雨水のガス槽からの流下音、落下音が騒がし
い。

等の問題点があつた。又、タンクの天板の周縁に
縦樋を設けて縦樋に集水して地上に水を流す構造
のものが実開昭51−139418号公報に知られている
が、上下動するガスホルダーのタンクに取付けて
も地上まで縦樋を伸ばすことができず、地上より
高い位置から縦樋の水を吐出せねばならず、その
ため落流の騒音と、地上面の陥凹が問題となら
る。更に集水した水をパイプでタンク内部を通過
させることも考えられるが、これも構造が複雑と
なつて防水性、耐久性、確実作動性において問題
点が多く採用できにくいものであつた。

本考案はかかる欠点を解消した実用性に優れた
有水ガスホルダーを提供せんとするものである。

この考案は底部に水槽１を有し、その上方に複
数段のガス槽２，２′…を互に封水３でシールし
て昇降自在に装置した有水ガスホルダーに於い
て、最上部のガス槽２の天井部４周縁に環状の止
水堰板５を立設し、又同ガス槽に近接して立設し
たパイプ６に縦長の開口部７を設け、止水堰板５
から略水平に突設した排水管８を開口部７を介し
てパイプ６内部に導入し、更に同開口部外側に細
長の二つのゴム板等の可撓性板体９，９′を被覆
せしめ、又パイプ６の下部を排水管１０に接続し
て雨水排水路を形成したことを特徴とする有水ガ
スホルダーに係るものである。尚図中１１は排水
溝、１２は封水溝、１３は水槽溢出管、１４は基
柱、１５はガイドローラ、１６はガイド支柱であ
る。

この考案では有水ガスホルダーに降り注ぐ雨水
の大部分は直径30〜50ｍの最上段ガス槽２の天井
部４に降雨するがその雨水量はガス槽径が大きい
ため極めて大きなものとなる。この雨水は天井部
周縁に立設した環状の止水堰板５によつて天井部
４の周縁からガス槽周壁に沿つて流下しない様に
塞ぴ止められている。この天井部４の止水堰板５
内の水は排水管８からパイプ６の内部に流入し、
同パイプ６内を落下してその下部の排水管１０を
経て排水溝１１に排水される。この様に有水ガス
ホルダーに降り注ぐ雨水の大部分はガス槽２，
２′…の封水３に流入することなくパイプ６を経
て排水されるので天井部４に付着つもつた灰、塵
等が封水溝１２内に流入して沈澱することもな
い。又多量の雨水が水槽１内に流入することもな
いので水槽１内の防蝕剤、油等が外部に流出する
ことも抑えられる。又雨水は排水管８、可撓性板
体９，９′によつて開口部７を被覆したパイプ
６、排水管１０のいずれも略密閉された筒体内を
通つて落下するため、雨水の流過音、騒音は遮断
され外部に洩れることが大巾に抑えられる。又パ
イプ６の開口部７から雨水がはねかえり等のため
流出するのを可撓性板体９，９′によつて防ぎ、
しかもガス槽２，２′…の昇降に伴い排水管８が
開口部７を上下動するのを二枚の可撓性板体９，
９′は許容せしめている。即ち排水管８は二枚の
可撓性板体９，９′を一部分のみ押し拡げる様に
してパイプ６内に挿入されている。

以上の様に本考案によれば、かかる特徴的構成
とすることによつて (a) 雨水が水槽内に流入することを大巾に抑える
ことが出来、よつて水槽内に投入していた防蝕
剤、油等の流出がない。

(b) ガス槽の天井部につもつたごみ、灰等が雨水
とともに封水溝内に流入して封水溝に沈澱して
シール効果を失わせることがない。

(c) ガス槽に降り注ぐ多量の雨水による騒音は遮
断され抑えられる。

(d) ガス槽の昇降にかかわらず二枚の可撓性板体
によつて雨水がパイプ６の開口部から流出する
のを防いでいる。

(e) ガス槽の外面塗装の変色防止。

(f) 構造が簡単で何らの操作も必要なく自動排水
できる。

等の実用性に富んだ効果を得ることが出来た。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案有水ガスホルダーの実施例を示
す縦断面図、第２図は同要部を示す説明図、第３
図イ，ロはパイプを示す横断面図である。 １……水槽、２，２′……ガス槽、３……封
水、４……天井部、５……止水堰板、６……パイ
プ、７……開口部、８……排水管、９，９′……
可撓性板体、１０……排水管。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 底部に水槽１を有し、その上方に複数段のガス
   槽２，２′…を互に封水３でシールして昇降自在
   に装置した有水ガスホルダーに於いて、最上部の
   ガス槽２の天井部４周縁に環状の止水堰板５を立
   設し、又同ガス槽に近接して立設したパイプ６に
   縦長の開口部７を設け、止水堰板５から略水平に
   突設した排水管８を開口部７を介してパイプ６内
   部に導入し、時に同開口部外側に細長の二つのゴ
   ム板等の可撓性板体９，９′を被覆せしめ、又パ
   イプ６の下部を排水管１０に接続して雨水排水路
   を形成したことを特徴とする有水ガスホルダー。