JPS6235719Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は排水立管に接続する伸頂通気管に設け
た汚染空気溜構造に関するものである。

多層階建築物における各階の汚水や、雑排水は
排水横枝管にて集水し、これを排水立管にて建物
外に流下させ、排水に混在する空気は通気横枝管
にて通気立管に集めて屋上に排気していたが、近
時排水横枝管と排水立管とを接続する気水分離継
手の開発によつて、通気立管を省略して、上端に
伸頂通気管を継合した排水立管のみで汚水や、雑
排水を処理するようになつた。かかる場合に１階
の排水横枝管を排水立管に接続しておくと、下流
側の建物排水横主管が汚物にて閉塞すると容易に
排水横枝管より排水が溢水して不測の事故を生じ
る。そこで、１階の汚水や、雑排水は排水横枝管
を独立した排水立管、排水横管に接続して屋外汚
水桝に排水している。この場合においても、通気
管を設けないと騒音発生の原因となるので排水立
管に伸頂通気管を設け、伸頂通気管を屈曲させて
１階の側壁より排気口を突出させるか、２階以上
の排水系統の伸頂通気管に接続して排出してい
る。前者の場合は、汚染空気の臭気を附近にただ
よわせて環境を悪化させ又伸頂通気管の側壁貫通
部の雨仕舞に問題があり、後者の場合は、１階の
伸頂通気管を最上階まで立ち上げなければならな
いため、気水分離継手の使用によつて通気立管を
省略した効果を減殺する欠点があつた。

又、気水分離継手を使用した排水立管の最上部
に設ける伸頂通気管についても、集合住宅の場合
は、通常二戸に一の割合で排水立管を設けるた
め、屋上スラブ貫通部が多くなり、防水工事に多
額の費用と手間がかかる問題があつた。

本考案は、上記の事情に鑑みてなされたもので
あり、排水立管に接続して設けた伸頂通気管に汚
染空気溜を設けることによつて、従来の汚水や、
雑排水の排水系統の不具合の解消を計ることを目
的としている。

本考案に係る排水管の汚染空気溜構造の実施例
について図面に基いて説明する。

第１図は、多層階建築物の１階の排水管に本考
案を適用した第１実施例を示す。１ａは流し、１
ｂは便器、１ｃは洗面器、１ｄはバスユニツト、
１ｅは洗濯パンを示し、それぞれの排水管１a′，
１b′，１c′，１d′，１e′は排水横枝管２を経て排
水立管３に接続され、更に排水横管４から屋外汚
水桝５に接続されていることは従来例と異ならな
い。排水立管３に接続して伸頂通気管６を設け、
伸頂通気管６の先端に空気袋７の下端開口を接続
し、上端を２階のスラブ８に固定してある。空気
袋７の取付状態を第２図に基いて詳述する。空気
袋７に下端開口７ａを設け、該開口７ａ部にて伸
頂通気管６の先端部を包囲してバンド金具９にて
固定し、空気袋７の他端頂部７ｂに形成した耳の
通孔に紐１０の一端を固定し、紐１０の他端を２
階のスラブ８に固定した釣り具８ａに掛止して、
空気袋７は２階のスラブ８から垂下された状態に
支持してある。

空気袋７は、微小差圧での空気の流入、流出に
より容易に内容積を増減変更し得、しかも気密性
を有することが必要であり、合成樹脂フイルム又
はゴムフイルム或はゴム引き布等にて造られる。
又空気袋の他端頂部７ｂを上方位置に固定するの
は微小差圧にて汚染空気が流入し、汚染空気の流
出に際しては空気袋７の自重にて容易にすぼんで
容積を減少し、かつ温排水の蒸気が内部に結露し
た際の排水を容易とするためである。従つて空気
袋の他端頂部７ｂの固定位置は２階のスラブ８に
限定するものではない。

次に作用について説明する。汚水は、雑排水が
排水されると排水中に混在し、或は排水管中に存
在する汚染空気は、伸頂通気管６に分離されて空
気袋７に到つて空気袋７をふくらませて保留さ
れ、排水が終ると空気袋７中の汚染空気は、排水
に引かれて伸頂通気管６、排水立管３、排水横管
４を経て屋外汚水桝５に排出され、空気袋７は自
重にてすぼむ。

従つて、臭気の強い汚染空気を伸頂通気管開口
附近に排出して環境を悪化させることもなく、又
伸頂通気管は側壁貫通部或は屋上スラブ貫通部の
雨仕舞等の工事が省略され、かつ配管スペースも
減少される。

第３図には、多層階建築物の最上階の伸頂通気
管にも本考案を適用した第２実施例を示す。第１
図と同符号は同部分を示し、２は排水横枝管、３
は排水立管であるが、１階を除いて、排水横枝管
２は気水分離継手１１にて排水立管３に接続され
ている。４′は建物排水横主管であり、４は１階
の排水横管である。５は屋外汚水桝であり、８′
は各階のスラブである。排水立管３の先端に接続
する伸頂通気管６の先端に空気袋の下端開口部７
ａを取り付け、その他端頂部７ｂを上階のスラブ
８′に固定してある。この場合も第１実施例と同
様の作用効果を有する。

第４図は２階建物への本考案の適用例として第
３実施例を示す。２階建物にあつても騒音防止
上、汚水や、雑排水の排水系統に通気管を設ける
ことが好ましい。第１図と同符号は同部分を示
し、１ａは流し、１ｂは便器、１ｃは洗面器、１
ｄはバスユニツト、１ｅは洗濯パンであり、２は
排水横枝管、３は排水立管、４は排水横管、５は
屋外汚水桝であり、８′は各階のスラブである。
汚水と雑排水とは、それぞれ別個の排水立管３に
より排水する。それぞれの排水立管３の先端に伸
頂通気管６を、伸頂通気管６の先端に空気袋の下
端開口部７ａを接続し、それぞれの空気袋の他端
頂部７ｂを屋上スラブ８′にて支持してある。従
つて、第１実施例と同様の作用効果を有する。

本考案に係る排水管の汚染空気溜構造は、排水
立管に伸頂通気管を接続し、伸頂通気管の先端に
空気袋の下端開口部を接続固定し、他端頂部を該
空気袋の上方位置に固定してある。従つて、排水
中に混在し、或は排水管中に存在する臭気の強い
汚染空気を屋外にただよわせて環境を悪化させる
こともなく、又伸頂通気管の側壁貫通による雨仕
舞等の工事が省略され、かつ配管スペースも減少
できた。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る排水管の汚染空気溜構造
の第１実施例を示す配置図、第２図イ，ロは本考
案に係る空気袋の作用状態の説明図、第３図は本
考案に係る排水管の汚染空気溜構造の第２実施例
を示す配置図、第４図は同じく第３実施例を示す
配置図である。 １ａ：流し、１ｂ：便器、１ｃ：洗面器、１
ｄ：バスユニツト、１ｅ：洗濯パン、２：排水横
枝管、３：排水立管、４：排水横管、５：屋外汚
水桝、６：伸頂通気管、７：空気袋、７ａ：下端
開口、７ｂ：他端頂部、８，８′：スラブ、１
１：気水分離継手。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 排水立管に伸頂通気管を接続し、伸頂通気管の
   先端に空気袋の下端開口部を接続固定し、他端頂
   部を該空気袋の上方位置に固定したことを特徴と
   する排水管の汚染空気溜構造。