JPS6117733B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は合成樹脂のシート又はフイルムを巻
取る方法に係わるものである。

ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレ
ン、ポリ塩化ビニル、その他各種合成樹脂のシー
ト又はフイルム（以下、説明を簡素化するため、
シートでもつて代表して説明する）を連続生産す
る現場では、逐次生産されてくるシートを円筒状
の巻芯に巻取つている。巻取られたシートは更に
第２次加工を行なう場所に移され、ここで巻戻さ
れて各種の加工に付される。しかして最初のシー
ト巻取りに当つては、シートを緊密に巻きつける
ため、巻取り始めのシート端末を円筒状巻芯に片
面接着テープ、両面接着テープ等によつて接着
し、巻取りを行なつている。

このようにして巻取られたシートに第２次加工
を施すため巻戻すとき、最初の間は何等問題はな
いが、端末に至つて巻戻しをつづけると、シート
を巻芯に接合していた接着テープがシートと共に
第２次加工に付されることになる。もし巻芯とし
て紙製のものを使用しているときは、紙芯の表層
まで接着テープによつて引きはがされて一諸に加
工装置に導入される。例えば真空成形、圧空成形
等の第２次加工に付す場合には、巻戻されたシー
トは先ずヒーターによつて加熱されるが、その
際、接着テープ、引きはがされた紙片は熱焼し、
第２次加工装置に損傷を与えることにもなる。
かゝる不都合を回避するためには巻戻しが終りに
近づけば充分注意を払つて、シート端末に到達す
る直前に装置を停止し、端末部分を切断、分離し
なければならない。このような細心の注意を払わ
なければならぬことは作業管理上、好ましいこと
ではなく、また作業を中断することは能率の面か
らも好ましくない。

更に最近機械の発達とともに、成形加工機等に
連続自動継ぎ足し装置が設置されるようになつて
きたが、上記のような巻戻しシートの端末部に付
随する接着テープ、紙片による不都合を避けるた
め機械を一旦止めて端末部を切断する操作を付加
しておれば折角の連続自動継ぎ足し装置の価値は
半減することになる。

本発明は上述のような問題点を解消し、巻戻し
使用する際、極めて能率的に作業し得るシート巻
きものが得られる合成樹脂のシート巻取り方法を
提供することを目的とするものであつて、その要
旨とするところは合成樹脂のシート又はフイルム
からなる長さの短かい巻締め片を巻芯の円周に沿
わせ、その巻締め片の端部を巻芯に接合し、巻取
ろうとする合成樹脂のシートの端末を、上記巻締
め片を上からかぶせて巻締め片と巻芯との間に挾
みこんで、上記の巻取ろうとする合成樹脂のシー
トを巻芯に巻きつけることを特徴とする合成樹脂
シートの巻取方法に存する。

以下本発明方法を、添付図面の説明と併せて詳
細に説明する。

第１図は本発明方法で用いる巻芯の一例の斜視
図、第２〜４図は本発明の巻取り方法を説明する
ための説明図、第５図は第４図Ａ部の拡大図であ
る。図中１は巻芯、２は巻締め片、３は巻締め片
２を巻芯１に接合する接着テープ、４は巻取られ
るシートである。

本発明方法で用いられる巻芯は第１図に示すよ
うに、巻芯１に、比較的長さの短かいシート又は
フイルム状の巻締め片２がその一方の端末におい
て接着テープ３によつて接合されている。この接
合は両面接着テープ、片面接着テープ又は接着剤
自体による手段等如何なる方法によつてもよい。
このものの横断面が第２図に示す状態である。シ
ートの巻取りを行なうには巻取ろうとするシート
４の末端を第３図に示すように矢印Ａの方向に巻
芯１と巻締め片２との間に挿入する。しかる後、
巻芯１を第４図、矢印Ｂの方向に回すときは、シ
ート４は巻芯１と巻締め片２との間に挾まれたま
ま巻かれ、巻芯１が１回転してシート４が巻締め
片２の上に重なれば、その後はシート４が強い力
で引張られても巻芯１から離脱することはなく、
シート４は緊密に巻き上げられる。

このようにして巻きとられたものを巻戻す場
合、シート４が、その最終端末に到達するとき、
シート４自体は巻芯１に接合されていないので従
来のように、末端に接着テープや剥離紙片を付着
した状態で離れることはなく、さきに述べたよう
な従来法における不都合は全く起らない。従つて
例えば第２次加工のための成形装置に連続自動継
ぎ足し装置を設けても、継ぎ足し装置は、不都合
なく効果的に作動する。

本発明は巻締め片を付設した巻芯を使用するこ
とによつて従来の問題点を解決するものである
が、この巻締め片２は特別の素材からなる必要は
なく、即ち巻取りされるシートと同じものであつ
ても異なるものであつてもよい。特に巻取りされ
るシートがどのような種類の合成樹脂からなるも
のであつても、硬質塩化ビニル樹脂、軟質塩化ビ
ニル樹脂、粘着性のあるポリオレフインのように
粘着傾向を表わすものからなるシート又はフイル
ムは好ましい。また巻芯は紙管のみならず、他の
材料からなるもの、表面を樹脂加工したものでも
よい。また巻締め片２の長さは特に制限はない
が、長すぎることは無駄であり、一方短かすぎる
と巻締めが不十分になる恐れがあるので、一般的
には巻芯１の外周の長さと同じ長さ以下、1/3以
上が好ましく、一層好ましいのは外周の1/2〜2~
３程度である。また巻締め片の幅は、巻取られる
シートの幅と同じであるのがよいが、この幅より
幾分大き目又は小さ目であつてもよい。巻締め片
の厚さは一般的には50〜250μ程度でよい。

以上のようにして本発明方法によつて巻取られ
たシートは、次に加工するため巻戻して加工装置
に導入するに当り、シートの端末に接着テープ
（巻芯が紙製のときは更に接着テープに紙片を伴
つて）を付着したまま加工装置に送られることは
ないので、例えば熱焼して加工装置に損傷を与え
ることはなく、またかかる不都合を回避するため
作業中特別の配慮を払う必要はなく、また上記接
着テープ等の付随部分を除くため操作を中断する
必要もなく、従つて極めて能率的な作業を遂行す
ることができる。更に連続自動継ぎ足し装置を設
けたプラントにおいては、その装置の機能を十分
に発揮することができる。

以上説明し、又は図示したところは本発明の理
解を助けるため、代表的例を挙げたものであり、
本発明はこれらの例によつて制限を受けるもので
なく、発明の要旨内でその他の変更、変形例を採
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明方法を実施するに当り使用され
る巻芯の一例の斜視図、第２〜４図は本発明方法
を説明するための説明図、第５図は第４図Ａ部の
拡大図である。 図中、１は巻芯、２は巻芯に付設した巻締め
片、３は接着テープ、４は巻取られるシートであ
る。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 合成樹脂のシート又はフイルムからなる長さ
   の短かい巻締め片を、巻芯の円周に沿わせ、その
   巻締め片の端部を巻芯に接合し、巻取ろうとする
   合成樹脂のシート又はフイルムの端末を、上記巻
   締め片を上からかぶせて、巻締め片と巻芯との間
   に挾みこみ、上記の巻取ろうとする合成樹脂のシ
   ート又はフイルムを巻芯に巻きつけることを特徴
   とする合成樹脂のシート又はフイルムの巻取り方
   法。