JP5541694B2 - 建築用シート巻き取り構造体およびこれに使用される帯状緩衝材 - Google Patents

建築用シート巻き取り構造体およびこれに使用される帯状緩衝材 Download PDF

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本発明は建築用シートを芯材に巻き取る際、巻き付け端部の段差により発生する巻き付け段差跡を建築用シート表面に付けない建築用シートの巻き取り構造体に関するものである。
一般に建築用シートは、紙管・プラスチック管等の芯材に巻き取られて円筒形状の巻物として保管、輸送され、施工等の際には巻き戻して使用される。このように建築用シートが巻き取られた構造体は図4に示すように、建築用シート4の巻き付け側の端部2−1(以下単に、巻き付け端部と記載する場合がある。)すなわち1周目の建築用シート4−1の端部とその上に巻かれる2周目の建築用シート4−2との間で、シートの厚み分の段差6が出来る。そのため、その段差6により建築用シートの2周目以降にも段差7が付いてしまい、建築用シートの巻物を巻き戻した際に、建築用シートの表面に段差の跡が残ってしまっていた。このような巻き付け段差跡は建築用シートの外観不良となるため、施工の際に現場で建築用シートを広げて養生し、巻き付け段差跡を軽減させてから施工が行われている。また、場合によっては巻き付け段差跡が付いた部分を破棄するなどしていた。
しかし、建築用シートが外気温度の高い夏季に施工される場合には、広げて養生することで巻き付け段差跡はなくなりやすいものの、外気温度が低い冬季の施工では建築用シートを広げて養生させるだけで巻き付け段差跡を完全になくすことは不可能であった。また、広げて養生することで段差跡を目立たなくすることができでも、建築用シートを養生するための場所の確保、その間の作業の中断による遅延、養生作業による手間という問題があった。
そこで、巻き付け端部を収納するため予め芯材の幅方向に建築用シート厚さに等しい高さを有する凹部分及び緩和部分を設けた巻芯が提案されている(特許文献1)。
しかしながら、この場合は、芯材に巻き付け端部を収納するための凹部分を設けるという特別な加工が必要である。さらに、その凹部分からずれることなく、巻き付け端部を収めながら巻き取ることが必要であるため、一般的な芯材とは異なり手間が掛かってしまうために、特別な設備や人員を必要とするものであった。
また、図3(イ)のように紙菅にシート床材を巻き取る際に、シート床材の切断端と緩衝材とが密着した状態で巻き付けられることで、シート床材と紙管との間に生じる間隙を緩衝材で埋める方法や、あらかじめ隙間を埋める緩衝材を断面略三角形とする方法が提案されている(特許文献2)。
さらに、図3(ロ)のように巻芯に位置する巻き付け側の端縁部2−2を表面から発泡体等の柔軟性シート10により覆い、巻き付けの際に生じる巻き付け端部2−1による段差を緩和する技術も提案されている(特許文献3)。これは、巻き付け側の端縁部2−2を表面から柔軟性シート10により覆い床シートを巻き取ることで、柔軟性シート10が一緒に巻き取られて、段差により生じる隙間に略三角形状の柔軟性シート10を詰めた状態とすることで、段差を解消し巻き付け段差跡を防止しようとするものである。
これらの方法はいずれも、発泡体などの柔軟性シートを上に巻かれるシートで巻き付けることや、最初からくさび状緩衝材を用いることで、図4に示した巻き付け端部2−1における芯材1とシート4により生じるくさび状の間隙5を埋めて、巻き付け端部2−1における段差6による段差跡を解消しようとするものである。
特開平11−263537号公報 特開平6−341214号公報 特開2004−217349号公報
しかし、従来から使用される柔軟性シート等はシートと共に巻き取られる際にずれたりよれたりすることがあり、柔軟性シート自体がしわになり巻き取られた建築用シートと緩衝材の間に隙間が生じてしまうことがあった。この様な場合、その隙間に空気を巻き込んだまま建築用シートがさらに巻き取られることで、空気が閉じ込められたまま巻き取られた部分は円形、楕円形状に膨らみ、建築用シート表面に巻き込んだ空気による膨らみの跡が残るという問題があった。(以後このような、空気を巻き込み円形、楕円形状の膨れにより生じた建築用シート表面の円形、楕円形の跡をエアー跡と記載する。)
また、柔軟性シート等の緩衝材自体により巻き付けられる建築用シートとの間で段差8(図3(ロ))を生じてしまう場合がある。これによって建築用シート表面に緩衝材自体の跡がついてしまう問題が発生していた。(以後、このような緩衝材シート自体と建築用シートの段差に起因して生じる跡を緩衝材自体の跡と記載する。)
本発明は上記の問題点を解消するためになされたものであり、建築用シートを芯材に巻き取る際に発生する巻き付け段差による跡が建築用シート表面に付くことを防止する新たな手段として、複雑な作業及び特別な設備が必要な特殊な巻芯を使用せずに、巻き付け段差跡を防止することができ、さらに緩衝材に起因するエアー跡や緩衝材自体の跡が建築用シート表面に付くことを防止することができる建築用シートの巻き付け構造体を提供することを目的とする。
即ち、本発明は上記問題を解決したものであり、請求項1では、円柱形状の巻き取り用芯材と、前記巻き取り用芯材の周側面に巻き取られた建築用シートと、巻き取られた前記建築用シートの巻き付け側の端縁部と前記巻き取り用芯材の周側面とを覆う引張弾性率が50〜1000MPaである帯状緩衝材とを備える建築用シートの巻き取り構造体である。請求項2では、前記建築用シートの巻き付け端部から前記巻き取り用芯材の周側面にわたり、前記帯状緩衝材により形成された斜面部と、前記斜面部、前記巻き取り用芯材の周側面に挟まれた隙間部と、前記斜面部の上に巻き取られた前記建築用シートの巻き取り1周目から2周目の切替り部とを備えた請求項1に記載の建築用シートの巻き取り構造体である。請求項3では、前記帯状緩衝材の厚みが0.05〜1.0mmであることを特徴とし、請求項4では前記帯状緩衝材が織布または不織布であることを特徴とする巻き取り構造体である。また、請求項5では、上記いずれか1項に記載された巻き取り構造体に用いられる帯状緩衝材である
本発明は、引張弾性率が50〜1000MPaの帯状緩衝材で建築用シート巻き付け端縁部と芯材の周側面を覆うことにより巻き付け段差跡を解消することができる。
さらに、この構造体によれば、複雑な作業及び特別な設備を必要とせずに、巻き付ける際エアーを巻き込むことで発生するエアー跡及び緩衝材自体の跡が付かない建築用シートの巻物構造体を提供できるという効果がある。
また、本発明で使用される帯状緩衝材3は建築用シート4の巻き付け側の端部2−1と芯材の周側面1−1にわたり斜面を形成することで、その上に巻き取られる建築用シートの巻き付け1周目4−1が2周目4−2に切り替わる切替り部分9が緩やかに2周目4−2が巻き取られることとなるために巻き付け端部2−1のシートの厚みによる段差6を緩和することができる。
さらに、帯状緩衝材を織布や不織布とすることで、巻き取られた構造体が輸送等によって連続的に振動を受けることにより巻きずれを生じることをより防ぐことが出来る。
さらに帯状緩衝材3の厚みを0.05mm〜1.0mmとすることで、より効果的に帯状緩衝材自体の跡が建築用シート表面に付かない建築用シートの巻物構造体を提供できるという効果がある。
本発明の巻物構造体の断面図である。 本発明の巻物構造体の巻き付け端部の拡大断面図である。 従来技術の建築用シートの巻物構造体の拡大断面図である。 緩衝材を使用しない巻物構造体の巻き付け端部の拡大断面図である。 本発明における建築用シートを巻き始める際の平面図(5(イ))、斜視図(5(ロ))であって、帯状緩衝材の一部を切り欠いている。 シートの中間に基材を積層した建築用シートの断面図である。 最下層に基材を積層した建築用シートの断面図である。
以下、本発明の好適実施の態様について詳細に説明する。図1に本発明の巻物構造体の断面図、図2に本発明の巻物構造体の拡大断面図を示した。図1、図2によると、円柱形状の芯材として中空の芯材1に建築用シート4が巻き取られた構造であって、建築用シート4の巻き付け側の端縁部2−2と芯材1の周側面1−1の一部を帯状緩衝材3で覆いその帯状緩衝材3の上に建築用シート4が巻き取られた、建築用シートの巻き取り構造体である。また、図2のように帯状緩衝材3の一の側端縁部3−1は1周目の建築用シート4−1と2周目の建築用シート4−2の間に挟まれており、他の側端縁部3−3は芯材1の周側面1−1と1周目の建築用シート4−1に挟まれ、一の側端縁部3−1と他の側端縁部3−3をつなぐ斜面部3−2は、1周目の建築用シート4−1と2周目の建築用シート4−2により生じた隙間5の斜面を形成している。そして、1周目の建築用シート4−1と2周目の建築用シート4−2の切り替わり部9は、隙間5の斜面を形成する帯状緩衝材3の斜面部3−2に沿って巻きつけられ、緩やかに1周目の建築用シート4−1の上に2周目の建築用シート4−2が巻き取られる。
本発明で使用される帯状緩衝材3の引張弾性率は、50〜1000MPaであることを要する。帯状緩衝材3の引張弾性率が50MPaより低い場合には、帯状緩衝材3が柔らかいためによれたり、しわになりやすく、そのしわ等により建築用シート4を巻き付けた際に、エアーを巻き込んでしまい、建築用シート4の表面にエアー跡を付けてしまうために好ましくない。さらに、帯状緩衝材3の剛性が不足するために、帯状緩衝材4は緩やかな斜面部3−2を形成できず、巻き付け端部2−1の段差6を解消することはできない。
また、帯状緩衝材3の引張弾性率が1000MPaより高い場合には、帯状緩衝材3が硬いために、巻芯の外側面1−2に完全に追従せず巻き付け時により大きな力が必要となってしまう。さらに、帯状緩衝材3は巻き付け側の端縁部2−2において巻き付け1周目と2周目に挟まれるために、帯状緩衝材3の剛性が大きすぎると建築用シート4の表面には緩衝材自体の跡が付いてしまうため好ましくない。
さらに、巻き付け段差跡をより効果的に緩和し、且つエアー跡及び緩衝材自体の跡を付けないためには帯状緩衝材3の引張弾性率は50〜500MPaがより好ましい。
ここで、発泡シートは巻き付け段差跡を防止するためには用いることができるが、引張弾性率が50MPa以下である柔軟な発泡シートは、上記のとおり剛性が不足するために巻き付け側の端縁部2−2において緩やかな斜面部3−2を形成できない。したがって、建築用シートの厚みが0.5mm以上と厚い場合には、巻き付け端部2−2の隙間を埋めるように緩衝材である発泡シートの厚みを厚くすることが必要となり、巻き付け1周目と2周目に挟まれる部分の厚みも厚くなり、緩衝材自体の跡が付くために好ましくない。
本発明での引張弾性率の試験方法を以下に示す。
<引張弾性率の試験方法>
JIS K 7113に準じて以下の試験条件の通り、引張試験機で測定した。
・試験体 幅:25mm 長さ:120mm
・引張速度 1.0mm/min
・標線間距離 60mm
そして、帯状緩衝材としては引張弾性率が50〜1000MPaであれば任意のものを使用することができ、例えばシート、フィルム、織物、不織布、紙等が使用できる。
中でも織布、不織布が好ましく用いられる。織布、不織布は、繊維を二方向またはランダムに絡ませることにより、あらゆる角度からの荷重に強くかつ曲線や隙間に追従しやすいため、より効果的に巻き付け段差跡、エアー跡、緩衝材自体の跡を防止できるという点で好ましい。特に、建築用シートと帯状緩衝材が滑りにくいこと、且つある程度の剛性を有することで帯状緩衝材がしわになりにくく、その結果エアー跡の発生をより防止することができる。
さらに、織布、不織布は、安価で入手しやすく、建築用シートを芯材に巻き取る際に、建築用シート表面と帯状緩衝材が滑りにくいことで巻ズレの発生を防ぐことができる点で好ましい。ここで巻きずれとは、巻き付けの不良であって、建築用シート表面と帯状緩衝材が滑ることで輸送などの運搬時の細かい振動により巻き付けにズレが発生し、建築用シートの側面が平らに揃っていない状態のことをいう。
前記織布及び不織布を形成する素材としては、安価なポリエステル、アクリル、ポリオレフィン等の合成繊維を使用することができるが、寸法安定性に優れ温度変化に対して伸び縮みが少ないためにガラスがより好ましい。一方で、ガラス繊維は折れやすいために緩衝材として巻き付けられた場合にガラス繊維が折れて脱落し建築用シートに付着したり、作業者の手を傷つける場合がある。したがって、本発明の帯状緩衝材は建築用シートの組み合わせ等によって適宜最適な素材を選択することが出来る。
前記織布の打ち込み本数は、あらゆる角度からの荷重に強くかつ曲線や隙間に追従しやすく、より効果的に巻き付け段差跡、エアー跡、緩衝材自体の跡を防止するという点を考慮すると、タテ、ヨコ共に1インチ当たり60本以上が好ましい。さらに、より緩衝材自体の跡を緩和するためにタテ、ヨコ共に1インチ当たり60〜120本がより好ましい。
前記不織布の目付量については、より効果的に巻き付け段差跡の防止することを考慮すると50g/m以上が好ましい。さらに効果的に巻き付け段差跡を防止し、且つエアー跡及び緩衝材跡を建築用シート表面に付かないようにすることを考慮すると、目付量については50〜120g/mがより好ましい。
帯状緩衝材として紙を使用する場合には、建築用シートの巻き付け1周目と2週目が紙製の帯状緩衝材により滑りやすく、巻き取り作業の際に巻き付けるシートがずれやすくなることがある。
また、帯状緩衝材の厚さについては、巻き付け段差跡の防止だけではなく、帯状緩衝材に起因する緩衝材自体の跡を防止するという点に影響を与えるものである。つまり、巻き付け段差跡の防止には帯状緩衝材の厚みが厚い方が隙間5を埋め易く、段差を緩和する効果が得られやすいが、厚みが厚くなりすぎると緩衝材自体の跡が付きやすい傾向にある。したがって、より効果的に巻き付け端部の巻き段差を緩和し、緩衝材自体の跡が建築用シート表面に付かないようにすることを考慮すると、帯状緩衝材の厚さについては0.05〜1.00mmが好ましい。
本発明の帯状緩衝材は、図1、2、5のように建築用シートの巻き付け側の端縁部2−2と芯材1の周側面1−1を覆うように帯状緩衝材3を設置して使用される。したがって、帯状緩衝材3は少なくとも建築用シート4の巻き付け端部2−1において、当核巻き付け端部2−1と芯材1の周側面1−1の一部が被覆できる程度の幅3−5が必要である。
また、図5のように帯状緩衝材3は巻き付け端部2−1において、建築用シート4の幅方向に渡ってその巻き付け側の端縁部2−2を被覆するものであるから、帯状緩衝材3の長さ3−6は巻き付け端部を幅方向に渡り被覆できる長さが必要であり、建築用シート4の幅と略同一または、わずかに大きいことが好ましい。これより巻き付け側の端縁部2−2を建築用シート4の全幅に渡り、巻き付け段差跡を防止することができ、帯状緩衝材3が建築用シート4から大きくはみ出さないために、外観を損なわず、包装紙での梱包、保管及び輸送の妨げにならないような巻物の両端からはみ出さないという効果を得ることができる。
具体的に帯状緩衝材の幅3−5は、巻き付け端部2−1を十分にカバーできるよう巻き付け端部2−1を覆い、かつねじれてしまうことなく、巻物自体の大きさが大きくならないように芯材1の外周を0.15倍〜0.7倍するような幅が好ましく、0.45倍〜0.6倍がより好ましい。また、帯状緩衝材の長さ3−6(L)は、建築用シートの幅の長さ(l)に対して、l−30mm〜l+100mmの範囲にあることが好ましく、l+20mm〜l+80mmの範囲にあることがより好ましい。
例えば建築用シートの幅が1200mm、紙管の幅が1210mm、紙管の外径が104mmの場合は、帯状緩衝材3の長さ3−6(L)は1170〜13000mm、帯状緩衝材の幅3−5は50〜250mmが好ましい。より好ましいのは、帯状緩衝材3の長さ3−6(L)が1220mm〜1280mm、帯状緩衝材の幅3−5が150〜200mmである。
本発明の建築用シートは、長尺状であって芯材に巻き付けて保管、輸送されるものであればよく、用途しては床材、防水材、壁紙等がある。
また、本発明の建築用シートとしては、合成樹脂製シートが挙げられ、ポリ塩化ビニルなどのポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂等のオレフィン系樹脂、ポリオレフィン系エラストマー、アクリル樹脂等が用いられる。中でも、ポリ塩化ビニル樹脂に可塑剤を添加した樹脂組成物を成型加工して得られる建築シートは、建築シートが柔軟性を有し巻き付け段差跡が付きやすいために、本発明の帯状緩衝材を使用することでこの様な不具合を効果的に防止することが出来る。
この様に建築シートの剛性によって巻き付け段差跡の付き方や目立ち具合には差が見られる。ここで、建築用シートの剛性が高く硬いシートであれば巻き付け段差跡は目立ちにくいが、建築用シートの引張弾性率が50MPa〜200MPaの比較的柔軟な場合には巻き付け段差跡が目立ちやすいために本発明の帯状緩衝材を使用することで効果的に巻き付け段差跡を防止でき好ましい実施態様である。
<引張弾性率の測定方法>
JIS K 7113に準じて以下の試験条件の通り、引張試験機で測定した。
・シート 幅:25mm 長さ:120mm
・引張速度 1.0mm/min
・標線間距離 60mm
建築用シートは合成樹脂による単層シートだけでなく、織布、不織布、紙等の基材が積層されていてもよい。さらに、合成樹脂層や基材が2層以上に積層されていてもよい。織布、不織布の材質としては、麻、綿等の天然繊維、ポリエステル、ポリオレフィン、アクリル等の合成繊維が用いられ、これらを混紡してなるものも使用できる。
建築用シートの表側、裏側ともに合成樹脂からなる層で構成されている場合(図6)、すなわち、上記の基材を積層しない又は、基材が合成樹脂層の間に積層されている場合には、建築用シートの一の面に基材が積層されている場合(図7)と比較して、建築用シートを巻き取って巻物とするときに、建築用シートの裏面とこれと接する表面との間での滑りがよくないために、緩衝材の部分において隙間を生じやすくなる。このためにエアー跡が付きやすくまた、そのエアー跡も大きくなりやすい。したがって、上記のように、建築用シートの表面、裏面ともに合成樹脂からなる層で構成されている場合には、本発明の帯状緩衝材を用いて巻物とすることで、エアー跡を効果的に防止できるという点で好ましい使用態様である。
建築用シートの厚みについては、建築用シートの巻き付け端部と芯材との段差により巻き付け段差跡が付くために、建築用シートの厚みが厚いほど巻き付け段差跡が付きやすい。概ね、厚みが0.3mm以上となると巻き付け段差跡が目立ちやすくなるため、本発明の帯状緩衝材は、建築用シートの厚みが0.3mm〜10mmである場合に用いることで巻き付け段差跡、エアー跡、緩衝材自体跡を効果的に防止することができる。
本発明の帯状緩衝材は、巻き付け作業の前にあらかじめ、所定の幅、長さにカットしたものを用意して、巻き付け作業時に用意した帯状緩衝材を使用することが出来る。また、巻き付け作業時に、帯状緩衝材の巻物を巻き出して所定の長さにカットした帯状緩衝材を使用することも出来る。ここで帯状緩衝材の巻物は、帯状緩衝材の長さ方向に巻き取ったものを巻き付け作業時に巻き出し、帯状緩衝材の所定幅にカットすることができまた、帯序緩衝材の幅方向に巻き取ったものを巻き付け作業時に巻き出して、帯状緩衝材の所定長さにカットすることも出来る。
建築用シートの巻き付け作業は、紙管等の円柱形の芯材の周側面に巻き取るべき建築用シートを接し、その巻き付け端部と芯材の周側面を同時に覆うように本発明の帯状緩衝材を被覆させ、建築用シートを巻き取ることで建築用シートの巻物構造体を得ることが出来る。
このとき、建築用シートを芯材の周側面に接した後に巻き付け端部をテープ等を用いて仮止めすることもできる。また、本発明の帯状緩衝材を巻き付け端部を覆うように被覆させた後にテープ等で帯状緩衝材を止めることも出来る。これによって、帯状緩衝材がよれたりずれたりすることをより効果的に防止することが出来る。
建築用シートの巻物構造体は、これを保管・輸送する際に巻物構造体の上に他の巻物構造体を積み重ね、ピラミッド様に段積みする場合がある。この様な場合には、下側に位置する巻物構造体は上に積み重ねた巻物構造体からの荷重により段差跡が目立ちやすくなるが、本発明の巻物構造体によれば、段差跡が目立たず上記のように段積みでの保管等を行うことが出来る。
次に、具体的な実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
下記の建築用シート(A1)を外径104mm、長さ1210mmの紙管を芯材として、帯状緩衝材を建築用シートと紙管との巻き付け端部に建築用シートの幅方向に渡り被覆して、建築用シートを巻き付けて巻物構造体とした。帯状緩衝材の幅は185mm、長さは1270mmのものを使用した。この巻物構造体を床面に建築用シートが床面に接するように置き、一ヶ月経過後にその巻き物を巻き出して建築用シートの表面の状態を目視で確認した。
以下、同様に評価した結果を実施例と比較例として表1に示した。
<建築用シート>
建築用シートA1
規格:厚さ1.5mm、幅1200mm、長さ10m
樹脂:ポリ塩化ビニル製 引張弾性率 160MPa
構造:ポリ塩化ビニル樹脂製表層+基材+ポリ塩化ビニル樹脂裏層(図6)
基材:ガラス織布

建築用シートA2
規格:厚さ1.5mm、幅1200mm、長さ10m
樹脂:ポリ塩化ビニル製 引張弾性率 100MPa
構造:ポリ塩化ビニル樹脂製表層+基材+ポリ塩化ビニル樹脂裏層(図6)
基材:ガラス不織布

建築用シートA3
規格:厚さ2.0mm、幅1830mm、長さ9m
樹脂:ポリ塩化ビニル製 引張弾性率 50MPa
構造:ポリ塩化ビニル樹脂製表層+ポリ塩化ビニル樹脂裏層+基材(図7)
基材:ポリエステル織布
巻き付け段差跡、緩衝材自体の跡及びエアー跡の判断方法と評価基準を以下に示す。
<巻き付け段差跡>
予め巻物を広げる前に、巻物の状態で巻き付け端部の位置を建築用シート側面に印をつけ、その位置にある建築用シート幅方向に1本の直線の跡を巻き付け段差跡とし、その跡が建築用シート表面上で外観を損なうかを評価した。
<緩衝材自体の跡>
予め巻物を広げる前に、巻物の状態で緩衝材の位置を建築用シート側面に印をつけ、その位置にある建築用シート幅方向に緩衝材幅と同じ距離にある2本の直線を緩衝材自体の跡とし、その跡が建築用シート表面上で外観を損なうかを評価した。
<エアー跡>
建築用シートの長手方向に連続的にある楕円形状のふくれをエアー跡とし、その跡が建築用シート表面上で外観を損なうかを評価した。
<巻き付け段差跡、緩衝材自体の跡及びエアー跡の評価>
外観を損なわないもの・・・・◎
外観をほとんど損なわないもの・・・・○
外観を若干損なうが使用可能・・・・△
外観を損なうもの・・・・×
帯状緩衝材および建築用シートの引張弾性率は以下の測定方法で測定した。
<引張弾性率の測定方法>
JIS K 7113に準じて以下の試験条件の通り、引張試験機で測定した。
・試験体 幅:25mm 長さ:120mm
・引張速度 1.0mm/min
・標線間距離 60mm
実施例においては、一ヶ月間経過した巻物を解反しても、巻き付け端部に起因する巻段跡、緩衝材自体の跡及びエアー跡は長尺シート表面上で目立たず、外観を損なわなかった。
比較例1、2、3においては、帯状緩衝材を使用していないために、一ヶ月間経過した巻物を解反すると巻き付け段差跡が目立ち、外観を損なっていた。また、建築シートA1とA2を比較すると引張弾性率が低く柔らかい建築シートA1の方が巻き付け段差跡が目立っていた。これに対して、本発明の帯状緩衝材を用いた実施例1、2では、建築シートA1の巻き付け段差跡も防止することが出来ていた。
比較例4では、巻き付け段差跡を防止することが出来ても発泡性ウレタンシートB1の厚みが3.00mmと厚いために、発泡性ウレタンシートB1自体の跡が目立っていた。
比較例5では、厚み2.0mm、引張弾性率が0.08MPaの柔軟な発泡性ウレタンシートB1を緩衝材に用いたが、巻き付け段差跡を防止することが出来ても発泡性ウレタンシートB1が巻き付け時にしわとなりエアー跡が目立っていた。
比較例6、7では、引張弾性率が2265MPaのPETフィルムを使用したが、PETフィルムが硬いために緩衝材自体の跡が目立っていた。
比較例8では、比較例4と同様の材質で厚みが0.8mmの発泡性ウレタンシートB3を使用した場合には、巻き付け段差跡が目立ち、エアー跡も目立っていた。


















Figure 0005541694
本発明による効果は、建築用シートを円柱状の芯材に巻き取る構造全般においてに広く使用することができる。
1 芯材
1−1 芯材の周側面
2−1 建築用シートの巻き付け側の端部(巻き付け端部)
2−2 建築用シートの巻き付け側の端縁部
3 帯状緩衝材
3−1 帯状緩衝材の一の側の端部
3−2 帯状緩衝材の斜面部
3−3 帯状緩衝材の他の側の端部
3−5 帯状緩衝材の幅
3−6 帯状緩衝材の長さ
4 建築用シート
4−1 巻き付け1周目シート
4−2 巻き付け2周目シート
5 1周目シートと2周目シートの隙間
6 巻き付け端部での段差部分
7 建築用シートの2周目以降の段差
8 緩衝材による段差
9 建築用シートの1周目と2周目の切替り部
10 従来技術の発泡シート
11 建築用シートの表層
12 建築用シートの基材層
13 建築用シートの裏層

Claims (5)

  1. 円柱形状の巻き取り用芯材と、
    前記巻き取り用芯材の周側面に巻き取られた建築用シートと、
    巻き取られた前記建築用シートの巻き付け側の端縁部と前記巻き取り用芯材の周側面とを覆う引張弾性率が50〜1000MPaである帯状緩衝材とを備える
    建築用シートの巻き取り構造体。
  2. 前記建築用シートの巻き付け端部から前記巻き取り用芯材の周側面にわたり、前記帯状緩衝材により形成された斜面部と、
    前記斜面部、前記巻き取り用芯材の周側面に挟まれた隙間部と、
    前記斜面部の上に巻き取られた前記建築用シートの巻き取り1周目から2周目の切替り部とを備えた
    請求項1に記載の建築用シートの巻き取り構造体。
  3. 前記帯状緩衝材の厚みが0.05〜1.0mmであることを特徴とする請求項1または2に記載の建築用シートの巻き取り構造体。
  4. 前記帯状緩衝材が織布または不織布であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の建築用シートの巻き取り構造体。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の建築用シートの巻き取り構造体に用いられる帯状緩衝材。
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