JP4337048B2 - 巻き取り装置 - Google Patents
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前記巻き芯は、筒状の巻き芯本体と、前記巻き芯本体に取り付けられた薄膜状の押さえ部材とを有し、
前記押さえ部材の前記巻き芯本体に取り付けられる基端側の辺には複数の切欠きが前記巻き芯の軸芯方向に沿って互いに離間し、且つ、前記巻き芯の軸芯と平行に形成されると共に、当該切欠きの前記巻き芯の軸芯方向に平行な辺と前記押さえ部材の基端側の辺の当該切欠きが形成されていない部分とには当該押さえ部材を前記巻き芯本体の外周面上に接合する接合部が設けられており、前記押さえ部材と前記巻き芯本体の外周面との間に差し込まれた記録媒体の先端は前記切欠きに設けられた前記接合部により受け止められると共に、前記巻き芯本体の外周面と前記押さえ部材との間に挟着させるように構成されている点にある。
(記録媒体処理装置の全体構成)
図1に示す記録媒体処理装置1は、シート状の記録媒体Mに昇華性の染料を含むインクで画像形成を施すプリンタPと、プリンタPから排出される記録媒体Mを加熱することによって染料を定着する加熱定着ユニットFとからなる。
記録媒体Mは、所定の剛性を備えたシート状の基材と、基材の上面に接着剤層等を介して密着貼付されたインク受容層とからなる。基材は、PET等の合成樹脂材料などで形成されたベースシートと、ベースシートの上面に一体的に設けられた耐候性の高い程度の保護層とからなる。保護層は例えばフッ素樹脂などで形成されている。尚、保護層はプリンタPでの画像形成で使用する水性のインクとの親和性が低いが、インク受容層は、この水性のインクとの親和性が十分に高い。
記録媒体Mは、後述するように、プリンタPで昇華性の染料を含む水性のインクによってインク受容層上に画像を印字し、印字後に加熱定着ユニットで加熱処理することで昇華性の染料を記録媒体Mの内部に昇華させて定着することを前提に設計されている。
プリンタPでは、昇華性の染料を含む水性のインクが、記録媒体Mのインク受容層の表面付近に常温で載置される。プリンタPから排出された記録媒体Mを加熱定着ユニットFで適切な加熱条件で加熱すると、受容層の表面付近に位置するインクから昇華性の染料が昇華して、受容層の内部に移動し、さらに、保護層を通過し、ベースシートと保護層の界面、乃至は、ベースシートの表面近くの内部まで到達して、ここに定着される。定着が完了すると、任意の時点で基材からインク受容層をシート状のまま容易に引き剥がすことができる。インク受容層を引き剥がした状態では、記録媒体Mの基材内に定着された染料は、表面からは耐候性の保護層によって、裏面からはベースシートによって保護され、同時に、少なくとも基材の上面側からは透明性の高い保護層を介して良く透視できる形になる。
プリンタPは、ロール状に巻き取られた長尺の記録媒体Mを回転自在に支持する貯留部2を備えており、数組の搬送ローラ対からなる搬送機構3によって貯留部2から引き出されて、副走査方向に搬送される記録媒体Mに対して、前記副走査方向と直行する主走査方向に往復移動可能なインクジェット式のプリントヘッド4によって画像が形成される。また、プリントヘッド4には記録媒体Mを主走査方向に沿って切断するカッターCが設けられている。尚、プリンタPは最大1,240mm巾の記録媒体Mを処理可能に構成されている。
プリンタPの下方には、プリンタPから排出された印字済みの記録媒体Mを一旦、巻き芯T上にロール状に巻き取るための第1巻き取り装置R1が設けられている。図2に示すように、第1巻き取り装置R1は、巻き芯Tの両端を回転可能に支持するための一対の支持ブラケット6a,6bを有する。支持ブラケット6a,6bは、水平な案内ロッド5上に、巻き芯Tの軸芯方向に沿って摺動可能に支持されている。支持ブラケット6a,6bの内側には、巻き芯Tの内面に嵌着される円錐台状の支持コーン7a,7bが互いに対向する形で回転自在に支持されている。片方の支持コーン7bの背面からは駆動軸9が一体的に突出しており、駆動軸9の先端側は、トルクレリーサ10(回転駆動機構の一例)と連結ギヤ11とを介して、DC駆動モータ12(回転駆動機構の一例)の出力軸に連結されている。
押さえ部材14と接着テープ13とは透明な材質からなるので、記録媒体Mの先端を押さえ部材14と巻き芯本体Taとの接合部に突き当てる時、記録媒体Mの先端が押さえ部材14と巻き芯本体Taの境界部に正しく突き当たっていることを視覚的に確認できる。
図1に示すように、加熱定着ユニットFの内部には、外部から断熱層(不図示)によって熱的に遮断された加熱領域Qが設けられている。加熱定着ユニットFの内部には、後述する供給ユニットSから提供される記録媒体Mを、加熱領域Q内で搬送する搬送機構15が設けられている。搬送機構15は数組の耐熱性の搬送ローラ対16によって構成されている。搬送機構15によって搬送される記録媒体Mは、平坦な支持パネル18の平滑な上面を滑りつつ移動する。
加熱領域Q内には、加熱領域Q内の空気を所定の温度(ここでは約180℃)に加熱するための第1加熱機構が設けられている。第1加熱機構は、記録媒体Mの搬送面の上方で加熱領域Qの中央よりも上流寄りに配置された複数の棒状発熱体からなる発熱部20、及び、加熱領域Q内の温度分布を均一化するために加熱領域Qの中央よりも下流寄りに配置された攪拌用ファン21を有する。加熱領域Q内には、第1加熱機構とは別に、記録媒体Mを、主にその裏面側(ベースシート側)から、原則的に接触を介して昇華性インクを定着する第2加熱機構が設けられている。第2加熱機構は、支持パネル18を下方から加熱する面状ヒータ(不図示)によって構成されており、支持パネル18の上面は前記面状ヒータによって約180℃に保持される。
加熱定着ユニットFの下流側には、加熱定着ユニットFから排出される定着済みの記録媒体Mを巻き芯T′の外周上に巻き取るための第2巻き取り装置R2が配置されている。第2巻き取り装置R2は、第1巻き取り装置R1と同様に、巻き芯T′の両端を回転可能に支持するための一対の支持ブラケット38を有する。一対の支持ブラケット38は、巻き芯T′の軸芯方向に沿って摺動可能に支持されており、各支持ブラケット38の内側には、巻き芯T′の内面に嵌着される円錐台状の支持コーン39が互いに対向する形で回転自在に支持されている。片方の支持コーン39の背面からは駆動軸40が一体的に突出しており、駆動軸40の先端側は、トルクレリーサ50(回転駆動機構の一例)と連結ギヤ51とを介して、DC駆動モータ41(回転駆動機構の一例)の出力軸に連結されている。
尚、巻き芯T′は、巻き芯Tと全く同様に、紙筒で構成された円筒状の巻き芯本体Ta′と、その外周面の一箇所に透明な接着テープ13等で貼り付けられた透明な帯状の押さえ部材14とからなる。
<1>押さえ部材14は、接着テープ13以外の接合手段、例えば、押さえ部材14を貫通し、巻き芯本体に食い込む針部を備えたステープル、或いは、押さえ部材14と巻き芯本体との間に介装された接着剤、等によって巻き芯本体Ta(Ta′)の外周面に接合しても良い。
押さえ部材44の遊端側を巻き芯本体Tから引き離して、押さえ部材44の裏側に記録媒体Mの先端を差し込んで行くと、記録媒体Mの先端は、互いに軸芯方向に離間した2つの接合部(切欠き44aと巻き芯本体Tの境界に相当する)に突き当たり、そこで受け止められる。2つの接合部は、巻き芯の軸芯と平行に並置されているので、記録媒体Mの先端が記録媒体Mの側辺に対して正確に垂直をなしている場合には、記録媒体Mの先端は、自然に、押さえ部材44の基端側の辺が一本の直線で構成されている場合よりも正確に、巻き芯Tの軸芯と平行に位置決めされるので、記録媒体Mの側部が良く揃った綺麗なロール状に巻き取られる。
押さえ部材54の遊端側を巻き芯本体Tから引き離して、押さえ部材54の下方に記録媒体Mの先端を差し込んで行くと、記録媒体Mの先端は、単一の接合部(切欠き54aと巻き芯本体Tの境界に相当する)に突き当たり、そこで受け止められる。単一の接合部の軸芯方向の長さは比較的短く、しかも、記録媒体Mの基端側に向かって突出した湾曲状を呈しているので、記録媒体Mの先端が記録媒体Mの側辺に対して正確に垂直をなしていない場合でも、記録媒体Mの先端を巻き芯本体Tの外周面上に押さえた状態を維持したまま、記録媒体Mの先端部の角度姿勢を自由に調整でき、記録媒体Mの先端を巻き芯Tの軸芯と平行に位置決めすることができるため、記録媒体Mの側部が良く揃った綺麗なロール状に巻き取られる。
P プリンタ
F 加熱定着ユニット
T 巻き芯
Ta 巻き芯本体
7 支持コーン
9 駆動軸
10 トルクレリーサ(回転駆動機構)
12 DC駆動モータ(回転駆動機構)
13 接着テープ
14 押さえ部材
Claims (3)
- 記録媒体をロール状に巻き取るために回転可能に支持された巻き芯と、前記巻き芯を回転操作するための回転駆動機構とを備えた巻き取り装置であって、
前記巻き芯は、筒状の巻き芯本体と、前記巻き芯本体に取り付けられた薄膜状の押さえ部材とを有し、
前記押さえ部材の前記巻き芯本体に取り付けられる基端側の辺には複数の切欠きが前記巻き芯の軸芯方向に沿って互いに離間し、且つ、前記巻き芯の軸芯と平行に形成されると共に、当該切欠きの前記巻き芯の軸芯方向に平行な辺と前記押さえ部材の基端側の辺の当該切欠きが形成されていない部分とには当該押さえ部材を前記巻き芯本体の外周面上に接合する接合部が設けられており、
前記押さえ部材と前記巻き芯本体の外周面との間に差し込まれた記録媒体の先端は前記切欠きに設けられた前記接合部により受け止められると共に、前記巻き芯本体の外周面と前記押さえ部材との間に挟着させるように構成されている巻き取り装置。 - 記録媒体をロール状に巻き取るために回転可能に支持された巻き芯と、前記巻き芯を回転操作するための回転駆動機構とを備えた巻き取り装置であって、
前記巻き芯は、筒状の巻き芯本体と、前記巻き芯本体に取り付けられた薄膜状の押さえ部材とを有し、
前記押さえ部材の前記巻き芯本体に取り付けられる基端側の辺には単一の切欠きが前記巻き芯の軸芯方向に関する中央部付近に形成されると共に、当該切欠きの前記巻き芯の軸芯方向に平行な辺と前記押さえ部材の基端側の辺の当該切欠きが形成されていない部分とには当該押さえ部材を前記巻き芯本体の外周面上に接合する接合部が設けられており、
前記押さえ部材と前記巻き芯本体の外周面との間に差し込まれた記録媒体の先端は前記切欠きに設けられた前記接合部により受け止められると共に、前記巻き芯本体の外周面と前記押さえ部材との間に挟着させるように構成されている巻き取り装置。 - 前記押さえ部材は透明な樹脂シートからなる請求項1または2に記載の巻き取り装置。
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