JPS6117584Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、テープカセツトよりテープを引き出
し、回転磁気ヘツドを内蔵すするテープガイドシ
リンダにヘリカル状に巻き付け、所定のテープパ
スを形成した後、前記回転磁気ヘツドにより信号
を記録或は再生する所謂ヘリカルスキヤン型磁気
記録再生装置において、テープパスを形成するポ
スト類の数量を削減し、かつテープパスの小型化
を図り、ひいては装置自体の小型化を図ることを
目的とする。

第１図は従来ヘリカルスキヤン型磁気記録再生
装置のテープ走行系の１つを示すもので、カセツ
ト２内に供給リール３より出たテープ１はカセツ
ト内ポスト５、テンシヨンポスト７、回転ポスト
８を経て、傾斜ポスト９に巻きついている。傾斜
ポスト９はテープ巾方向に対して所定角度傾斜さ
せてあるため、テープ１の走行面がこの傾斜ポス
ト９の前後で変る。傾斜ポスト９を過ぎたテープ
は回転ポスト１０、消去ヘツド１１、回転ポスト
１２、リミツタポスト１３を経てテープガイドシ
リンダ１４に巻きつく。傾斜ポスト９を出るとこ
ろから前記テープガイドシリンダ１４への巻付開
始点２０までのテープ１の走行する面は、経過す
るポスト類がすべてテープ巾方向に直角に配して
あるため同一平面内にあるが、この面は傾斜ポス
ト９以前のテープ走行面とは異る面になつてい
る。回転ヘツド（図示せず）を内蔵したテープガ
イドシリンダ１４に対しテープ１はらせん状に巻
きつけてあるため、シリンダ１４の巻付終了点２
１以降のテープ１の走行面はシリンダ１４への進
入前とは再び異り、本例では傾斜ポスト９への進
入前のテープ１の走行面と同一になるように設計
されており、以降リミツタポスト１５，１７、
Ａ／Ｃヘツド１６、キヤプスタン１８、ピンチロ
ーラ１９、カセツト内ポスト６を通過して巻取リ
ール４に巻取られる。

さて上述のようにシリンダ１４の両側でテープ
１の走行面は異なる２つの平面を持つ。１つはカ
セツト２内に巻かれたテープ１の存在する平面と
同一平面で、もう１つは傾斜ポスト９を出たのち
シリンダ１４への巻付開始点２０になるわけだ
が、この２つの平面の交線は２２に示す如くにな
る。そしてこの交線２２のもつ意味は大きい。異
なる２平面内を走行するテープを安定した走行を
保ちながら連続させるためには傾斜ポストがどう
しても必要だが、その傾斜ポストは常に２平面の
交線近傍に配置しなければならない。何故なら、
傾斜ポストに巻き付くことによつて、テープはそ
の捩れを解消されるが、テープの走行高さは走行
面によつて決定されるためである。従つてカセツ
ト２内に巻かれた平面の高さにシリンダ１４の両
側のテープを、共にもどすためにはどうしても交
線２２の近傍に傾斜ポスト９を配さねばならない
のである。このことはテープパスの平面的大きさ
を決める一つの大きな要因である。しかも、交線
２２はシリンダ１４の傾きやテープ１のシリンダ
１４に対する巻付角によつて一義的に決まるため
同条件下においてはこの交線２２の位置を変える
ことができないのである。

今、第１図に示す如く、交線２２はシリンダ１
４から遠くはなれており、従つて傾斜ポスト９も
シリンダ１４から遠ざかりテープパスは平面的に
かなり大きなものとなつてしまつている。このこ
とはローデイング機構の小型化の障害となり、結
局VTR装置全体の小型化を図る上での問題点と
なるものであつた。

第２図は第１図と同じ条件のもとで、テープパ
スの平面的大きさを小さくするために、傾斜ポス
ト９と回転ポスト１０の間に傾斜ポスト２３を追
加したものである。この傾斜ポスト２３の両側で
もテープ１の走行面は異なるので、テープ１の走
行面は全部で３つとなり、傾斜ポスト９，２３間
の走行面が新しい走行面となるわけである。この
新しい走行面とカセツト側の面との交線が２４で
あり、従つて傾斜ポスト９の位置は第１図の場合
よりもずつとシリンダ１４に近寄り、テープパス
の平面的大きさは小さくなつている。すなわちシ
リンダ１４に関する条件が同じでありながら傾斜
ポスト２３を１本追加することによつて、テープ
１の走行面を変えてやり、交線２２を２４の位置
にまでずらすことが可能なのである。この方法
は、テープパスの平面的大きさを小さくすること
ができて有利に思えるが、傾斜ポスト２３が１本
増えることによつて イ 傾斜ポストに対するテープの総巻付角が増
え、摩擦力によつて巻取トルクが増大したり、
テープ張力が大きくなつてテープ１に悪影響を
及ぼす恐れがある。

ロ テープループの内側にポストが１本追加され
るので、ローデイング機構が複雑になり、部品
点数が増え、またカセツト２の開口部が大きく
なるなど、小型化にとつて障害が生じる等の問
題がある。

本考案は以上のような問題を発生させることな
くテープパスの平面的大きさを小さくし得るもの
であり、第３図、第４図に示す実施例によつて構
成を説明する。

本考案では第４図のように消去ヘツド１１のテ
ープ摺動接触面である円筒外周曲面の仮想中心軸
方向を、テープ幅方向に対して所定角傾斜させて
ある。２６はテープが摺動接触する円筒外周曲面
を延長した仮想円筒を示す。このため消去ヘツド
１１はテープ走行に対して前述の傾斜ポストと同
等の働きをする。すなわち、第３図において、消
去ヘツドのテープ接触開始以前のテープ走行面は
シリンダ１４への巻付開始点２０におけるテープ
走行面とは異る新らしい面となり、この面とカセ
ツト内におけるテープの存在する面との交線は２
５に示す如くになる。したがつて傾斜ポスト９を
この交線の近傍に配置することによつてテープパ
スは完成する。一方カセツト内からテープを引き
出して所定のープパスを形成する前の状態（アン
ローデイング状態）のポスト類の位置を８′，
９′，１０′，１２′に示す。また１′はそのときの
テープの架張位置であり、カセツトにはこの状態
におけるポスト類を収納するための開口部２３が
設けられている。

以上のように本考案によれば新たな傾斜ポスト
を追加することなく前述の交線２２をシリンダ１
４の近くに移動させることができるため、 (イ) ポストの配置がシリンダ近傍に集められるの
で装置の小型化がはかれる。

(ロ) 消去のため不可欠な消去ヘツドを利用するこ
とによつてテープの全体的な走行摩擦を増大す
ることなく小型化がはかれる。

(ハ) 部品点数を増さず、テープをカセツト内から
引き出し所定のテープパスを形成するためのロ
ーデイング機構も複雑にならず小型化がはかれ
る。

(ニ) 新たなポストが不必要なためテープを引き出
す前にカセツト内に納めるポスト本数が少な
く、そのためカセツト２のポスト収納のための
開口部２３が小さくてすむ。したがつてカセツ
トの小型化がはかれる。

等の種々の利点があり、小型化に対する効果が大
きい。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図はそれぞれ従来のVTRのテー
プパスを示す平面図、第３図は本考案の一実施例
のテープパスを示す平面図、第４図ａ，ｂは本考
案による消去ヘツドとテープの相対位置状態を示
す平面図および側面図である。 １……テープ、２……カセツト、８……回転ポ
スト、９……傾斜ポスト、１０……回転ポスト、
１１……消去ヘツド、１２……回転ポスト、１４
……シリンダ、１７……Ａ／Ｃヘツド、１８……
キヤプスタン、１９……ピンチローラ、２３……
開口部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. テープカセツトよりテープを引き出し、回転ヘ
   ツドを内蔵するテープガイドシリンダにヘリカル
   状に巻き付け、所定のテープパスを形成した後前
   記回転ヘツドにより信号を記録或は再生するヘリ
   カルスキヤン型磁気記録再生装置であつて、前記
   テープカセツトの供給リールから前記テープガイ
   ドシリンダに至る供給リールテープパス中に、そ
   れぞれの中心軸が前記テープの幅方向に対してそ
   れぞれ所定角度傾斜した傾斜ポストと消去ヘツド
   を設け、前記供給リールテープパスが前記テープ
   ガイドシリンダから前記消去ヘツドに至る第１の
   テープ走行平面と、前記消去ヘツドから前記傾斜
   ポストに至る第２のテープ走行平面と、前記傾斜
   ポストから前記供給リールに至る第３のテープ走
   行平面の３つの異るテープ走行平面を形成する事
   を特徴とするヘリカルスキヤン型磁気記録再生装
   置。