JPS6116081Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 開示技術は、合板等の板材の側縁を円板状のカ
ツタで切断する装置の技術分野に属する。

〈要旨の概要〉 而して、この考案は、アングル等から形成され
たフレームに上下一対の送りロールが枢支され、
その搬出側に板材をガイドする受台がフレームに
架設されて受台の搬出側に近接し、駆動装置に連
係されたロータリカツタが板材の側縁に対して臨
まされている板材側縁切断装置に関する考案であ
り、特に、上記ロータリカツタの回転軸に、該ロ
ータリカツタによつて切断された側縁をチツプ状
にするチヨツパを軸方向に沿つて多数周設したロ
ータが、上記ロータリカツタに対して同芯一体的
に取付けられ、而して、上記チヨツパが板材の側
縁全域に亙る所定幅に形成されている板材側縁切
断装置に係る考案である。

〈従来技術〉 一般に、合板等の板材を定尺寸法に切断した
り、又、該板材の端縁部を切断するために、ロー
タリカツタを備えている切断装置が広く採用され
ており、特に、板材の側縁を切断するように、板
材の長手方向の切断を行なう場合には、板材の搬
送工程中に切断できるため、非常に効率が良いも
のである。

周知の如く、第１図に示す様に在来の板材側縁
切断装置１は、フレーム２に枢支された搬入側と
搬出側の各ロール３，３によつて図示しない前段
装置から供給された板材としての合板４の側縁
５，５を駆動装置としてのモータ６，６に接続さ
れたロータリカツタ７，７によつて切断し、合板
４を所定幅に成形するようにされている。

〈考案が解決しようとする問題点〉 さりながら、上述従来の板材側縁切断装置１に
あつては、合板４から切断された側縁５，５がフ
レーム２の側部に堆積してしまい作業空間を狭く
してしまうと共に作業環境を悪化させてしまうと
いう難点があつた。

これに対処するために、上記合板４から切断さ
れた側縁５，５の下方に図示する様に、上記合板
４と同期させたベルトコンベヤ８，８を取り付け
て、側縁５，５を回収するような態様が採用され
ているが、側縁５，５が例えば、装置に干渉した
場合には側縁５，５を介して合板４に偏つた力が
かかり、合板４に対する切断精度が低下するとい
う欠点があり、又、ロータリカツタ７に対して、
負荷をかけてしまい、切断がスムーズになされな
いという難点があり、コンベヤ８，８等の補助的
に装置にかかる費用が比較的大きいという不利点
があつた。

そして、例えば、特公昭46−29236号公報に示
される発明の如く、丸鋸に一体のスクラツパーが
設けられているものも開発されているが、チツプ
類を徒らに飛散する不具合があつた。

この考案の目的は、上述従来技術の問題点を解
決すべき技術的課題とし、合板の側縁に対するベ
ルトコンベヤを必要とせず、ロータリカツタを滑
らかに回転させ、負荷をかけずスムーズ、且つ、
精度良く合板側縁を切断処理できるようにして、
合板産業における板材切断技術利用分野に益する
優れた板材側縁切断装置を提供せんとするもので
ある。

〈問題点を解決するための手段・作用〉 上述目的に沿い、前述実用新案登録請求の範囲
を要旨とするこの考案の構成は、前述問題点を解
決するために、フレームに枢支された搬入側の送
りロールに前段装置から供給された板材が、該送
りロールから上記フレームに架設された板材受台
にガイドされて搬送され、板材受台の搬出側に設
けられた駆動装置によつて回転しているロータリ
カツタによりその側縁を所定に切断されてトリミ
ングされ、それと同時に、切断された板材の側縁
が、上記ロータリカツタの回転軸に同芯一体的に
取り付けられ、ロータリカツタと共に回転するロ
ータの外周の軸方向多数のチヨツパにより、チツ
プ状にされ、該チツプが上記ロータリカツタによ
つて板材を切断する際に排出される鋸屑と共にロ
ータ外周の羽根状のチヨツパのブロワー作用によ
り上方に吹き上げられ、ロータリカツタの搬出側
上方に臨まされている吸引ダクトによつてプツシ
ユプル裡に回収され、板材が所定幅に切断され、
順次供給される板材の側縁がベルトコンベヤ等を
必要とせず確実に回収され、ロータリカツタがチ
ヨツパに無駄な負荷がかからずロータリカツタが
剛性回転されるようにした技術的手段を講じたも
のである。

〈実施例−構成〉 次に、この考案の１実施例を第２図以下の図面
に基づいて説明すれば、以下の通りである。尚、
第１図における従来態様と同一部分については、
同一符号を付して説明するものとする。

第２図にその全体が示される様に、板材側縁切
断装置１′は、図示しない板材搬送装置に接続さ
れアングル材等から成るフレーム２によつて骨組
みされている。

上記フレーム２の搬入側には、フレーム２の長
手方向に直交して上下一対の送りロール３，３が
互いに所定間隔で枢支され、下側のロール３が図
示しないモータに接続されている。

又、上記送りロール３，３の搬出側には、板材
としての合板４の幅方向をガイドする受台９がフ
レーム２に架設されている。

そして、上記受台９の搬出側には、図示しない
ブラケツトを介して駆動装置としてのモータ６，
６が上記フレーム２の幅方向にスライド自在に取
り付られ、又、各モータ６の回転軸の先端には、
丸鋸状のロータリカツタ７が取り付けられ、該各
ロータリカツタ７は合板４の側縁５の所定量を切
断してトリミング作用が出来るように変位自在に
臨まされている。

そして、第３〜７図に示す様に、各ロータリカ
ツタ７の回転軸１０には、該各ロータリカツタ７
と同芯一体的に合板４の外側に、円筒状のロータ
１１が取り付けられ、該ロータ１１の周面には軸
方向に沿つて複数枚のチヨツパ１２，１２…が回
転方向、及び、上記回転軸１０の軸方向に対して
所定角度傾斜して取り付けられて一種のブロワー
として機能するようにされ、その先端直径がロー
タリカツタ７よりも小さくされている。尚、上記
ロータ１１の厚さは、合板４の切断される側縁５
の巾よりも若干大きく形成されている。

そして、このようにして合板４に対して臨まさ
れたロータリカツタ７，７の搬出側には、フレー
ム２に送りロール３，３が枢支され、上方には、
図示しない真空ポンプに接続された吸引ダクト１
３が臨まされている。

〈実施例−作用〉 上述構成において、まず、前記モータ６，６を
合板４の側縁５，５に対して、その幅方向に位置
決めした後、駆動させて、ロータリカツタ７，７
を第３図に示す矢印方向に回転させる一方、吸引
ダクト１３の真空ポンプを作動させると共に、各
送りロール３を所定に回転させておく。

図示しない前段装置から供給された合板４は、
搬入側の送りロール３，３によつて搬送され、受
台９によつてガイドされる。

そして、該合板４が、更に搬送されてゆくと、
回転するロータリカツタ７，７により、その側縁
５，５が切断されてトリミングされ、それと同時
に、該側縁５，５は、該ロータリカツタ７，７と
其に回転するロータ１１のチヨツパ１２，１２…
によつてチツプ状にされ、該チヨツパ１２，１２
…によつて粉砕されて形成されたチツプ１４は、
回転し続けるチヨツパ１２，１２…のブロワー作
用によつて上方に吹き上げられ、上記ロータリカ
ツタ７，７によつて合板４から排出される鋸屑１
５と共に、スムーズに上記吸引ダクト１３から図
示しない処理装置にプツシユプル裡に排出され
る。

又、上記ロータ１１のチヨツパ１２，１２…が
回転方向に傾斜しているため、ロータ１１の回転
数を変えることによつてチツプ１４を所定の大き
さにすることができ、更に、該チヨツパ１２，１
２…が回転軸１０の軸方向に所定角度傾斜してい
るため、各チヨツパ１２が側縁５，５に対してス
ムーズな切削を行なうことができる。

このようにして、側縁５，５が切断され所定幅
にされた合板４が搬出側の送りロール３，３を経
て次段装置に供給され、順次搬送されてくる合板
４が側縁切断処理される。

尚、この考案の実施態様は、上述実施例に限る
ものでないことは勿論であり、例えば、吸引ダク
トの開口位置はロータリカツタの搬出側の側方で
も下方でもよく、又、チヨツパの端縁でロータリ
カツタを兼ねるようにして、チヨツパのみで、側
縁を切断するようにしてもよい等種々の態様が採
用可能である。

〈考案の効果〉 以上、この考案によれば、基本的に板材を搬送
しながら効率良く、板材の側縁を切断することが
できるという優れた効果がある。

又、ロータリカツタの回転軸に、板材の側縁に
対するチヨツパが複数個軸方向に周設されたロー
タが上記ロータリカツタに対して同芯一体的に取
り付けられていることにより、ロータリカツタに
よつて切断すると同時に板材の側縁をチツプ状に
切断できるため、ロータリカツタが側縁から偏つ
た力を受けることなく、更に、ロータがロータリ
カツタの補強材となり剛性高く切断がなされ、
又、ロータによりロータリカツタの運動量が増加
して、ロータリカツタがスムーズに回転でき、板
材の部分的に異なる硬度に対しても無理なく確実
に切断がなされ、製品精度を極めて高くすること
ができるという優れた効果が奏される。

更に又、チヨツパが板材の側縁全域に亙る所定
幅に形成されているため、板材の側縁部粉砕に際
して、ロータの回転に伴うブロワー作用の送風に
よつて、ロータリカツタによつて切削された鋸屑
と共にチヨツパによつて粉砕されたチツプが強制
的に上方に吹き上げられ、近設された吸引ダクト
からの排出をプツシユプル裡によりスムーズに、
しかも、確実にするという優れた効果が奏され
る。

加えて、側縁に対するベルトコンベヤも必要な
く、又、従来タイプの装置に対して容易に改造を
行なうことができるため装置の製造コストがほと
んど変らず、製品精度の向上による製品コストが
低減され、大幅なコストダウンが計れる利点があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の板材側縁切断装置の全体斜視
図、第２図以下はこの考案の実施例を示すもので
あり、第２図は板材側縁切断装置の全体斜視図、
第３図は第２図の部分拡大斜視図、第４，５図は
それぞれ第３図の部分側面図と部分正面図、第
６，７図はそれぞれ第２図の平面原理図と正面原
理図である。 ２……フレーム、３……送りロール、９……受
台、６……駆動装置、７……ロータリカツタ、
１′……板材側縁切断装置、１０……回転軸、５
……側縁、１２，１２……チヨツパ、１１……ロ
ータ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. フレームに枢支された送りロールの搬出側に板
   材の受台が架設され該板材受台の搬出側に駆動装
   置に連係されたロータリカツタが板材の側縁に対
   して臨まされて設けられている板材側縁切断装置
   において、上記ロータリカツタの回転軸に、上記
   板材の側縁に対するチヨツパが複数個軸方向に周
   設されたロータがロータリカツタに対して同芯一
   体的に取付けられ、而して上記チヨツパが板材の
   側縁全域に亙る所定幅に形成されていることを特
   徴とする板材側縁切断装置。