JPS6116066Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はトルグランプに関するものである。

第１図はこの種従来の手動トルグランプの説明
図で、同図に於いて、１はベースで、このベース
１の上縁には円弧形状の切欠４が設けられてい
る。５は先端が屈曲したサイドリンクで、その基
端はベース１の下端部にピン６にて枢着されてい
る。７は先端に把持部８を有するクランプアーム
で、その基端は上記ベース１の右側端部のピン９
にて枢着されている。１０はサイドリンク５の先
端に固設したハンドル、１１は上記把持部８とで
ワークａをクランプするための固定された把持部
材である。そうして、上記サイドリンク５とクラ
ンプアーム７の夫々の中間部分に連接リンク１２
の両端をピン１３及び１４により枢着して、サイ
ドリンク５の回動運動を連接リンク１２を介して
クランプアーム７に伝達し、そして、把持部８と
把持部材１１によるワークａのクランプ時、連接
リンク１２がベース１の切欠４に収容されてサイ
ドリンク５及び連接リンク１２が重合して起立
し、ピン６，１３及び１４が一直線上に並んだと
きに、クランプアーム７がデツドポイント位置に
位置し、当該クランプアーム７に最大クランプが
生じる様に構成されている。したがつて、クラン
プアーム７がデツドポイント位置にあるときに、
ワークａをクランプするのが最も望ましいのであ
るが、この位置では、ハンドル１０が不安定な状
態となり、僅かの外力で当該ハンドル１０がアン
クランプ方向に動くおそれがある。そこで、現在
では上記ハンドル１０の不安定さをなくすため、
ハンドル１０を、クランプ力の最大位置よりも僅
かにクランプ方向に行き過ぎた位置で止め、クラ
ンプアーム７のたわみによつてクランプ力を得る
様にしている。したがつて、従来のトルグランプ
では、最大クランプが生じた状態でワークａをク
ランプできなかつた。そして、クランプ各部の摩
耗などによつてゆるみがでてくると、ハンドル１
０の不安定さが露出し、僅かに振動、衝撃によつ
て該ハンドル１０がアンクランプ方向に開いてし
まうという欠点があつた。

本考案は、上記の欠点に鑑み、これを改良した
もので、最大クランプ力が生じた状態でワークを
クランプすることのできるトルグランプを提供せ
んとするものである。

以下本考案の構成を図面に示す実施例にしたが
つて説明すると次の通りである。

第２図及び第３図において、２１はベースで、
このベース２１の上縁には円弧形状の切欠２４が
設けられている。２５は先端が屈曲したサイドリ
ンクで、その基端はベース２１の下端部にピン２
６にて枢着されており、且つ先端にはクランプハ
ンドル２７が固設されている。２８は先端に把持
部２９を有するクランプアームで、その基端は上
記ベース２１の右側端縁にピン３０にて枢着さ
れ、サイドリンク２５と交差させて傾斜支持され
ている。３１は上記クランプアーム２８の先端部
２８′背面を外側方に屈曲形成したストツパ、３
２は、上記サイドリンク２５とクランプアーム２
８の夫々の中間部分にその両端をピン３３及び３
４により枢着した連接リンクで、この連接リンク
３２を介して、サイドリンク２５の回動運動をク
ランプアーム２８に伝達する。３５は上記把持部
２９とでワークａをクランプするための固定され
た把持部材である。そして、把持部２９と把持部
材３５によるワークａのクランプ時、ピン２６，
３３及び３４が一直線上に並んだ位置をデツドポ
イント位置とし、このときに、連接リンク３２が
ベース２１を切欠２４の収容され且つストツパ３
１に当接して、サイドリンク２５及び連接リンク
３２がクランプ方向への回動が規制されて重合起
立し、クランプアーム２８がそのデツドポイント
位置に位置し、等該クランプアーム２８に最大ク
ランプ力が生じる様に構成されている。３２はサ
イドリンク２５に所定のバネ力を作用させるため
のバネ部材、例えば板バネで、その一端はベース
２１の左上側部の所定位置の取付ピン３７に又他
端はサイドリンク２５の下端突出片２５′に突設
した取付ピン３８に夫々取付けられ、そして、サ
イドリンク２５のアンクランプ方向への回動途中
において上記ピン３７，３８と枢着ピン２６とが
一直線上に並んだ位置を上記バネ３６による附勢
方向が反転するターニングポイント位置、即ち、
サイドリンク２５のターニングポイント位置とな
る様に構成されている。

而して、把持部２９と把持部材３５によりワー
クａをクランプするときは、作業者がクランプハ
ンドル２７を持つて、枢着ピン２８を支点にサイ
ドリンク２５を図示Ａ矢印方向に回動させる。こ
の回動運動は連接リンク３２を介してクランプア
ーム２８に伝達され、該アーム２８はクランプ方
向に回動する。そして、連接リンク３２がベース
２１の切欠２４内に収容され、ストツパ３１に当
接すると、サイドリンク２５の枢着ピン２６及び
連接リンク３２の枢着ピン３３，３４の３つのピ
ンが一直線上に並び、クランプアーム２８はその
デツドポイント位置に位置し、最大クランプ力が
生じる。このとき、板バネ３６の他端を取り付け
たピン３８は、ピン３７，３８と２６とで形成さ
れるターニングポイント位置の直線より下方に位
置するので、当該板バネ３６のバネ力はサイドリ
ンク２５に作用し、これのＢ矢印方向即ちクラン
プ方向に附勢させる。したがつて、クランプハン
ドル２７がＢ矢印方向と反対方向即ちアンクラン
プ方向に開らく様なことはない。そして、上記附
勢力は連接リンク３２を介して先端に把持部２９
を有するクランプアーム２８に作用し、把持部２
９と把持部材３５により最大クランプ力が生じた
状態でワークａをクランプする。

ワークａのクランプを解除する場合は、作業者
がクランプハンドル２７を持つて、ピン２６を支
点にサイドリンク２５をＡ矢印方向と反対方向即
ちアンクランプ方向に板バネ３６の附勢力に抗し
て回動させる。この回動運動は連接リンク３２を
介してクランプアーム２８に伝達されて、該アー
ム２８はアンクランプ方向に回動し、ワークａの
クランプを解除する。そして、更に、クランプア
ーム２８をアンクランプ方向に回動させ、板バネ
３６の取付けピン３８が、第３図の如く、取付ピ
ン３７，３８と枢着ピン２６とで形成される直線
上即ちサイドリンク２５のターニングポイント位
置若しくは該位置を僅かに越えた位置に到ると、
上記サイドリンク２５にＡ矢印方向と反対方向の
ｃ矢印方向即ちアンクランプ方向に板バネ３６の
附勢力が作用し、アンクランプの状態を保持す
る。

第４図は本考案の他の実施例を示したもので、
上記実施例と同一部分は同一符号で示す。本実施
例は、バネ部材として板バネ３６を廃止し、その
かわりに、引張スプリンタ３９の両端を、ベース
２１に左下側部に突設した取付ピン４０及び枢着
ピン２６の上方の位置でサイドリンク２５に突設
した取付ピン４１に取付けて、枢着ピン２６と取
付ピン４０，４０が一直線となるターニングポイ
ント位置をサイドリンク２５に形成したものであ
る。したがつて、サイドリンク２５をクランプ方
向に回動させた場合は、上記引張スプリング３９
の引張力により、最大クランプ力が生じるデツド
ポイント位置に位置するクランプアーム２８にク
ランプ方向への附勢力が作用する。また、サイド
リンク２５をアンクランプ方向に回動させ、取付
ピン４１が、取付ピン４０と枢着ピン２５とで形
成される直線上即ちサイドリンク２５のターニン
グポイント位置若しくは該位置を越えた位置に到
ると、上記サイドリンク２５にアンクランプ方向
にスプリング３９の附勢力が作用し、アンクラン
プの状態を保持する。

尚、ベース２１とサイドリンク２５間に張設す
るバネ部材は、上記実施例のものに限定されるわ
けではなく、種々のバネを取付けることができ
る。

以上説明した様に、本考案は、上端にクランプ
ハンドルを有するサイドリンクの下端をベースの
中央下部に枢着し、先端に把持部を有するクラン
プアームの後端をサイドリンクの枢着点より上部
でかつアンクランプ操作方向側に偏倚した位置で
ベースに枢着し、サイドリンクの中間部分とクラ
ンプアームの中間部とを連接リンクでピン連結し
て四つ棒リンク機構を構成し、各リンク間寸法
を、サイドリンクのベースに対する直立位置と倒
伏位置とで連接リンクが上下反転する如き関係寸
法とし、かつ、サイドリンクの直立位置で連接リ
ンクの両端のピン連結点がサイドリンクのベース
枢着点と一直線上に、並んでデツドポイントを形
成し、この位置でクランプを行わせるようにした
トルグランプにおいて、上記クランプアームのデ
ツドポイント位置でサイドリンクのクランプ方向
への回動を規制するストツパ手段をサイドリンク
とクランプアームとの間に設け、かつ、サイドリ
ンクの上記デツドポイント位置でサイドリンクを
クランプ方向に附勢するバネ部材を、その附勢方
向が反転するターニングポイントがサイドリンク
の回動途中に位置するようにベースとサイドリン
クとの間に張設したから最大クランプ力が生じた
状態でワークをクランプすることができると共
に、クランプ時クランプハンドルがアンクランプ
方向に開らく様なことはない。またアンクランプ
時にはクランプハンドルがアンクランプ状態に保
持され、クランプ方向に回動することはない。そ
して振動、衝撃等によつてクランプハンドルが開
閉することはなく、その取扱いが容易になると共
に作業上の安全性を確保することができる。

【図面の簡単な説明】

第１は従来のトルグランプの説明図である。第
２図は本考案のトルグランプの説明図、第３図は
その動作説明図、第４図は他の実施例を示した説
明図である。 ２１……ベース、２５……クランプアーム、２
７……クランプハンドル、２８……サイドリン
ク、２９……把持部、３６，３９……バネ部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上端にクランプハンドルを有するサイドリンク
   の下端をベースの中央下部に枢着し、先端に把持
   部を有するクランプアームの後端をサイドリンク
   の枢着点より上部でかつアンクランンプ操作方向
   側に偏倚した位置でベースに枢着し、サイドリン
   クの中間部分のクランプアームの中間部分とを連
   接リンクでピン連結して四つ棒リンク機構を構成
   し、各リンク間寸法を、サイドリンクのベースに
   対する直立位置と倒伏位置とで連接リンクが上下
   反転する如き関係寸法とし、かつ、サイドリンク
   の直立位置で連接リンクの両端のピン連結点がサ
   イドリンクのベース枢着点と一直線上の並んでデ
   ツドポイントを形成し、この位置でクランプを行
   わせるようにしたトグルクランプにおいて、上記
   クランプアームのデツドポイント位置でサイドリ
   ンクのクランプ方向への回動を規制するストツパ
   手段をサイドリンクとクランプアームとの間に設
   け、かつ、サイドリンクの上記デツドポイント位
   置でサイドリンクをクランプ方向に附勢するバネ
   部材を、その附勢方向が反転するターニングポイ
   ントがサイドリンクの回動途中に位置するように
   ベースをサイドリンクとの間に張設したことを特
   徴とするトルグランプ。