JPS6115808Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、上下に配置した二枚の布の一方ま
たは双方の布送り方向に沿う一側端を二つ折りに
折り返し、その一側端を重合して縫い合わせるた
めのミシンの布案内装置に関し、特にその布の折
り返し巾を変化し得るようにした装置に関するも
のである。

従来、たとえば第３図に示すように下方布Ａの
一端縁に上方布Ｂの一端縁を二つ折りにし、それ
らの布端を一致して折目線に沿つて縫い合わせる
ように上下の布を案内する装置等は知られている
が、その布の折り返し巾を変化するときにはその
折り返し巾に対応した別の装置と交換しなければ
ならず、交換作業が煩雑となり作業能率を低下す
ると共に、折り返し巾の異なる複数の装置を必要
として部品数を多くし、コストを高価にする等の
欠点があつた。

この考案は上記従来の欠点を除くことを目的と
する。

この考案の実施例を図面により説明すると、ミ
シン縫合部（図示しない）の布送り方向手前にお
いてミシン機枠に支持台１を固定し、その支持台
１に固定した下平面２は布送り方向先端部が縫合
部手前の針板（図示しない）上に接するように布
送り方向先方を下方へ傾斜させると共に、布送り
方向に沿つて一端をＵ字状に折曲し、その折曲部
３内方に下方布Ａを挿通して折曲部３の側壁によ
り下方布Ａの布端を案内するようにしてあり、折
曲部３の上端面４の端部には上面を平面状に且つ
折曲部３側の側面を円弧状に形成するように上方
へ突出する取付部５を設け、その取付部５上面に
二箇のねじ孔６ａ，６ｂを布送り方向に平行し且
つ離隔して設ける。また支持台１より上方へ直立
する保持部７に固定した上平面８は、布送り方向
に沿う一端をその布送り方向先方を第２図右方へ
傾斜させるようにＳ字状に下方へ折曲し、下方折
曲部９側壁の布送り方向先端が下平面２の折曲部
３側壁の上方に離隔して対向するように配置し、
上方折曲部１０の側部に布送り方向に沿い且つ布
送り方向先方へ開孔する溝１１を形成する。この
下平面２と上平面８とにより第１案内体を構成す
る。布送り方向に直交する方向を長手方向として
支持部１２に形成した長孔１３ａ，１３ｂを連通
する止めねじ１４により取付部５に固定した案内
体１５（第２案内体とする）は、その中間部にお
いて布送り方向先方が次第に横巾広になるように
Ｕ字形に折曲して誘導部１６を形成し、その下端
面１７の中間部を、下平面２の上端面４と上平面
８の下方折曲部９の下端面との間に挾持し、さら
にその下端面１７の先端をＵ字形に上方に折曲
し、その折曲先端縁の布送り方向後方を上平面８
の溝１１より出入可能とするように円弧状とした
案内部１８の布送り方向先方に突出形成した舌部
１９を誘導部１６の布送り方向先方の延長線上に
位置させるように配置する。また、誘導部１６の
布送り方向に沿う上端縁２０を斜め上方へ折曲し
て上方布Ｂを挿通し易くしてある。

この考案は以上のような構成であり、前記した
ように下方布Ａを下平面２上において折曲部３側
壁に沿つて案内すると共に、上方布Ｂを案内体１
５の上端縁２０と上平面８との間より挿通し、案
内体１５の案内部１８と誘導部１６の間において
次第に折曲してＵ字状となり、下方布Ｂ端縁は下
方折曲部９の側壁によつて案内され、舌部１９と
下方折曲部９の側壁との間隔に等しい折り返し巾
Ｌを有する二つ折り部が形成され、下方布Ａの布
端に重合してミシン縫合部に供給され縫い合わさ
れる。またこの折り返し巾を大きくする場合には
止めねじ１４をゆるめて案内体１５を長孔１３
ａ，１３ｂに沿つて第２図左方へ移動させ下方折
曲部９の側壁と舌部１９の間隔が所望の折り返し
巾と等しくなる位置において再び止めねじ１４を
締めて固定する。また、折り返し巾を小さくする
ときには、案内体１５を同様にして第２図右方へ
所要量を移動すればよい。この案内体１５を移動
しても下平面２の折曲部３側壁と上平面８の下方
折曲部９側壁とは上下方向に等しい位置にあつて
変化しない。

尚、本実施例においては案内体１５を下平面２
の取付部５に係止したが、上平面８に設けるよう
にしてもよい。また本実施例においては上下布の
折曲端縁を一致するように、下方折曲部９の側壁
と折曲部３の側壁とを上下に対向するように設け
たが、左右方向に離隔して上下に設けるようにし
てもよい。

以上のようにこの考案によれば、上下布のそれ
ぞれの一側端縁を案内する第一及び第二の側壁を
設けた第一案内体と、上下布の一方または双方の
前記一側端を布送り方向に沿つて二つ折りにする
ように折曲部外方を案内する外案内部及び内方を
案内する内案内部とを設けた第二案内体とをして
それらの案内体を布送り方向に直交する方向に移
動係止可能に設けたことにより、上下布をこれら
案内体を介してミシン縫合部に供給するだけで所
望の折り目形状の上下布を縫い合わせることがで
きると共に、その折り返し巾を簡単に調節するこ
とができるから作業能率を向上する等の効果があ
り、また各折り返し巾に対応する案内装置を必要
とせず部品数を少なくすることができるからコス
トを低減する等の効果がある。また、折り返し巾
を変化しても上下布端を常に一定の条件にするこ
とができるから画一の製品を得ることができ商品
の品質を向上する等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は布案内装置の分解斜視図、第２図は正
面図、第３図は布案内装置を介して縫い合わせた
上下布の斜視図である。 図において、３，２６は第一案内壁、９，２７
は第二案内壁、１６，２１，２３は外案内部、１
９，２２，２４は内案内部である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 下方の布Ａの一側端縁を案内するように布送り
   方向に沿い起立する案内壁３を設け案内壁に対し
   ミシン縫合部を通り布送り線を挾んで反対側に配
   置した下平面２と、布送り方向に沿い開孔する溝
   １１を形成した上方折曲部１０及び上方の布の一
   側端縁を案内するように案内壁に平行し且つ上方
   に離隔して対向する下方折曲部９とを形成するよ
   うに布送り方向に沿う一側縁を下方へ向けてＳ字
   状に折曲しミシン縫合部を通る布送り線を挾んで
   下平面に対し反対側に配置した上平面８とをも
   ち、ミシン縫合部に対し布送り方向手前に固定し
   た第一案内体と、第一案内体の溝に対し水平方向
   へ摺動可能に嵌合して上方折曲部外方へ突出し上
   方の布の折曲部内方を案内するように布送り方向
   に沿う案内部１８及び案内部に連続し第一案内体
   の案内壁と下方折曲部との間を水平方向へ摺動可
   能に配置した下端面１７及び下端面に連続し案内
   部に対向し上方の布の折曲部外方を案内するよう
   に円弧状に形成した誘導部１６とをもち第一案内
   体に対し布送り方向との直交方向へ移動係止可能
   とした第二案内体、 とを備えたミシンの布案内装置。