JPS627267Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、ミシンの布案内に関し、特に、布
の側端を二つ折にして布を縫合部へ案内する第一
の案内部により、布端を折曲して縫合する第一工
程と、縫合された折曲端部を第二の案内部により
布送り方向に送つてベルト等の他の布との縫合を
する第二工程とを行いうる布案内に関する。

従来、この種の布案内においては、布の一端を
二つ折にして案内する案内部と、その折曲端部を
案内する案内部は別体として設けられていたの
で、一つの工程が終了するごとにその都度次の工
程に応じた案内体と取り換えなければならず、そ
の取換作業に時間を要するという欠点があつた。

この考案はこのような欠点に着目してなされた
もので、二つの工程を一つの布案内で縫うことの
できるミシンの布案内を提供するにある。

この考案の実施例を図面により説明する。

１は、基台で前後端に直立する壁部１ａ，１ａ
をもつ箱型を形成している。２は上方布案内板
で、基台１の底部に一対して一定の間隔を保持す
るように基部２ａを基台１に固定し、中間部に左
右方向への長孔２Ｃを設けるとともに、第１図に
示すように自由端部２ｂは上方に反り上つてい
る。

３は、下方布案内板で、基部３ａは、上方布案
内板２と基台１の底部との間隙に左右方向に移動
可能に支持し、上方布案内板２の長孔２Ｃに遊嵌
したねじ４をねじ込み、上方布案内板２に対して
布送り方向に直交する方向に移動係止可能とし、
中間部３ｂには、針孔５の手前において（第１図
反Ａ方向）第２図の示すようなコ字型の断面形状
をもち、布Ｓの端部を折曲する長溝６と布Ｓの折
曲端に接触して布を案内する端面７とからなる第
一の案内部を布送り方向に沿つて設けるととも
に、上方布案内板２の下面と布Ｓが挿通する間隔
だけ離隔して水平に布送り方向に直交する方向へ
延出し、更に、Ｌ字型に折曲して、自由端部３Ｃ
を針孔５の側方において、針孔５の手前から先方
へ布送り方向（第１図Ａ方向）に沿つて針孔５の
先方に延展する。自由端部３Ｃの側端には、布Ｓ
の端縁に接触して布を案内するように上方に彎曲
した第二の案内部８を設ける。

９は、弾性板であり、基部を上方布案内板２の
上面に固定した支持台１０に支持し、中間部を上
方に折り曲げて水平方向から下方に延出するとと
もに、先端部には球状の押圧子１１を有し、常に
は、弾性力により押圧子１１が上方案内板２に開
口した小孔１２から下方布案内板３の上面に向つ
て突出するように作用する。

１３は調節ねじであり、支持台１０の下方から
弾性板９を貫通して上方に突出するねじ１４の上
端にねじこみ、調節ねじ１３を回わすことによ
り、その下面と弾性板９上面との間のばね１５の
圧力を変えて、弾性板９の弾性力を変化させて、
押圧子１１による布Ｓの下方布案内板３上面への
押圧力を調節する。１６は、ベルト芯地Ｔの送り
出し体であり、大きく開いた挿入口と、送り出し
口を有する平たい筒体からなり、上面に布送り方
向に沿う長窓１６ａとそれに直交する方向の長孔
１６ｂを設けるとともに、上方向に折曲した支持
板１７の上端部に布送り方向側に傾斜して固着
し、支持板１７の足部１７ａに形成した左右方向
の長孔１７ｂに遊嵌するねじ１８，１８により送
り出し体１６を布送り方向に直交する方向に移動
係出可能とする。

１９はベルト芯地Ｔの送り出し方向に沿つて設
けた調節板であり、送り出し体１６の長孔１６ｂ
に遊嵌するねじ２０を調節板１９の上面にねじ込
み、調節板１９を送り出し体１６に対して布送り
方向に直交する方向へ移動係止可能とし、調節板
１９のベルト芯地Ｔの端部に接触する端面と送り
出し体１６の彎曲部内側との距離を変えることに
より、ベルト芯地Ｔの巾に応じて位置変更ができ
るようになつている。

次に、この考案の作用を説明する。

ねじ４をゆるめて、下方布案内板３を左右方向
に移動し、下方布案内板３の端面７と針孔５との
間隔が所望の距離となつたところでねじ４を締め
る。

布Ｓの一端を二つ折りに折曲して、下方布案内
板３の長溝６、端面７及び下方布案内板３上面と
上方布案内板２の下面とによつて形成されるコ字
型の間隙に挿入した布Ｓは、押圧子１１により下
方布案内板３の上面に点圧接されているため、布
Ｓを布送り方向へ送ると、布Ｓの折曲端部を上方
布案内板２の端面７の方へ移動させる回転モーメ
ントが作用するため、縫合中は布Ｓの折曲端部が
上方布案内板２の端面７に接触して移動すること
により、確実に布Ｓの端部が第４図に示されるよ
うに折曲して、布Ｓの折曲端部から所望の距離を
隔てた個所に縫い目Ｍ１が形成される。

次に、折曲端部を縫合された布Ｓを第３図に示
すように反転するとともに、ねじ４をゆるめて、
下方案内板３を左右方向に移動し、下方布案内板
３の案内部８と針孔５との間隔が所望の距離とな
つたところで、ねじ４を締める。次に、ねじ２０
をゆるめ、調節板１９をベルト芯地Ｔの巾に応じ
て移動し、ねじを締めて、ベルト芯地Ｔをベルト
芯地の送り出し体１６の挿入口に挿入し、ベルト
送り出し体１６の長窓１６ａに細棒を挿込み、上
下に移動して、ベルト芯地Ｔをベルト芯地の送り
出し体１６の送り出し口へ送り出す。

ベルト芯地の送り出し体１６より引き出しにベ
ルト芯地Ｔを第３図に示すように、反転した布Ｓ
の上に載せ、布Ｓの折曲端部を下方布案内板３の
案内部８に当てゝ、布Ｓ及び芯地Ｔをミシン押え
（図示しない）で押え、ミシンを作動して布Ｓと
芯地Ｔを布送り方向（第１図Ａ方向）送ると、布
Ｓは、押圧子１１により下方布案内板３の上面に
点圧接され、布Ｓの折曲端部を下方布案内板３の
案内部８の方へ移動させる回転モーメントが作用
するため、布Ｓの折曲端部が下方布案内板３の案
内部８に接触して移動することにより、第３図に
示すように確実に布Ｓの折曲端部から所望の距離
を隔てた個所に縫い目M₂が形成され、ベルト芯
地Ｔを布Ｓに縫いつけることができる。

このとき、針Ｎの針落ち位置の側方にあつて、
針落ち位置の先方に下方布案内板３が伸びている
ので、縫合した布Ｓが布の自重で曲ろうとするの
を防止し、布Ｓの折曲端部に平行に縫い目M₂が
形成される。

尚、本実施例において、上方布案内板２を基台
１に対して移動係止を可能となるようにしてもよ
い。

以上に述べたように、この考案によれば、布Ｓ
の一方の側端を下方布案内板２の第１の案内部
６，７により、折曲した状態で案内して布Ｓの折
曲端部から所望の距離の位置に縫い目M₁を形成
する第一工程と、その折曲端部を下方布案内板２
の第二の案内部８により案内して布Ｓの折曲端部
から所望の距離の位置に、その折曲端部に平行に
縫い目M₂を形成する第二工程とを一つの案内板
３で行うことにより、各工程ごとに案内板を交換
する手間がはぶけ、作業能率の向上に大いに効果
がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の要部の布送り方向先方より見
た斜視図であり、第２図は第１図の一部を省略し
た−の断面図であり、第３図、第４図は作用
説明図である。 図中、２……上方布案内板、３……下方布案内
板、５……針孔、６，７……下方布案内板の第一
の案内部、８……下方布案内板の第二の案内部、
９……弾性板。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 基部をベツド上面に固定支持し、自由端部を布
   送り方向手前において、布送り方向に直交する方
   向にベツド上面に対して一定の距離を離隔して平
   行に延出した上方布案内板２と、 基部がベツド上面と上方布案内板の基部との間
   に位置し、布送り方向に直交する方向に移動係止
   可能に支持し、中間部には針孔よりも布送り方向
   手前において布の側端を折曲して布送り方向へ案
   内するように断面コ字型からなる第一の案内部
   ６，７を設けるとともに、上方布案内板下面と布
   Ｓが挿通する間隔だけ離隔して自由端部を上方布
   案内板２に平行して延出し、その自由端部の側端
   を上方に湾曲して第二の案内部８を形成した下方
   布案内板３と、 針孔よりも布送り方向手前において上方布案内
   板上に布送り方向に傾斜して設けるとともに上端
   に大きく開いた挿入口と下端に送り出し口を有す
   る平たい筒体１６と、を備えたミシンの布案内。