JPS6115350B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明は、外箱と内箱との間に発泡ウレタンを
介在させて構成するようにしたシヨーケース内箱
固定方法に関する。

〔発明の技術背景とその問題点〕

従来、シヨーケースでは、断熱効果を要求され
る場合断熱層で覆うようにし、断熱材としては発
泡ウレタンが用いられ、しかも断熱層の構成に際
し、外箱と内箱とで二重構造にしたその空間内に
発泡ウレタンを発泡充填してシヨーケース本体を
組み立てる方法がよく用いられている。

第１図は従来のシヨーケースを示したもので、
外箱１の下底に置いた成形ポリスチレン等のブロ
ツク３上に内箱を浮かせて載せ、内箱２上縁と外
箱１上部との間にはステー４を差し渡して両端を
ねじ５、５で固定することによつて両者の間隔を
保持させ、この間に発泡ウレタン液を注入発泡し
てウレタン断熱材６を成形充填する。この場合ウ
レタン液が漏れないように外箱１、内箱２の上端
に跨がつてポリエチレンシート７を被せる。この
被覆はシール性をよくするようにテープ８等で接
着する。しかし、これらの作業がなかなか厄介な
ものであつた。

本発明者らは上記問題点を解決するシヨーケー
ス内箱固定方法を開発した。第２図はこの固定方
法によるシヨーケースを示したもので、外箱１の
上部内面にブロツク９を定着する。このブロツク
９には、下端部内側面に突縁１０があつて、その
上面基部にスリツト状の溝１１を有している。内
箱２は上縁に外方へのフランジ部１２を有し、そ
の先端縁は下方へ屈折して係止縁１３となつてい
る。上記溝１１内にこの係止縁１３を咬み合わせ
て内箱２を吊る。

こうすることにより、外箱１と内箱２との間に
ブロツク９の厚さ分の間隔ができ、内箱２の浮き
によつて上下の間隔もできる。この凹字状の間隔
内に発泡ウレタン液を注入して発泡させる。

発泡凝個したウレタン断熱材６は、その断熱材
としての性能と内箱２の固定に機能し、同時にブ
ロツク９の厚さが内箱２の位置決めに役立つた
め、PEシートやステー等を用いることなく、内
箱を位置決め固定するものである。

なお、ブロツク９は外箱１に接着して定着する
が、スチレン材のために強度が不足する場合があ
る。これを補強するのに、第２図に示すように、
ブロツク９の接着面に下から溝１４を設けて置く
ことによつて、発泡ウレタンが溝１４内に侵入固
化して接着する方法を用いることができる。

しかし、上記方法の場合、発泡ウレタンの発泡
時に、ウレタン液が洩れることがあり、この洩れ
た発泡ウレタンを取除くための後作業や、取除き
やすくするため剥離剤をあらかじめ塗布する前作
業等が必要となりシヨーケースの製造作業が困難
となつてしまうという問題があつた。

〔発明の目的〕

本発明は上記した点に鑑みてなされたもので、
溢出したウレタン液を取除く後作業等を行なう必
要のないシヨーケースの内箱固定方法を提供する
ことを目的とするものである。

〔発明の概要〕

上記目的達成のため本発明に係るシヨーケース
の内箱固定方法は、シヨーケース外箱上部内面に
成形ポリスチレン等からなり、縦方向に貫通する
小孔とこの小孔の上端を拡大した溜りとを有する
ブロツクを取り付け、このブロツクの内面に設け
た溝と内箱上縁に設けた外方へのフランジ部とを
噛み合わせることによつて内箱を外箱内に浮かせ
て支持し、内箱と外箱との間に構成された空間内
に発泡ウレタン液を下部側から注入して発泡充填
させ、この発泡充填時に上記小孔からガス抜きを
行なうとともに溢出した発泡ウレタンを上記溜り
に溜めるようにしたことをその特徴とするもので
ある。

〔発明の実施例〕

以下、本発明の実施例を第３図および第４図を
参照して説明し、第１図および第２図と同一部分
には同一符号を付してその説明を省略する。

第３図および第４図は本発明の一実施例を示し
たもので、ブロツク９には縦方向の小孔１５、１
５が貫通して設けられ、さらに、小孔１５、１５
の上端を拡大した溜り１６、１６が形成されてお
り、外箱１の下面には発泡ウレタン液注入口１７
が設けられている。

そして、上記発泡ウレタン液注入口１７からウ
レタン液を注入し、このとき、外箱１と内箱２と
の間の空間内に溜められたガスは、上記小孔１
５、１５から外部へ放出され、注入により小孔１
５、１５から溢出した発泡ウレタンは上記溜り１
６、１６に溜められる。

したがつて、ブロツク９とフランジ部１２との
係合等不必要な部分からの発泡ウレタン液の溢出
を防止することができ、溢出した発泡ウレタンを
除去する後作業等が不要となる。

〔発明の効果〕

以上述べたように本発明に係るシヨーケースの
内箱固定方法は、外箱内周面に定着したブロツク
に内箱を咬み合わせて吊り、外箱と内箱との間に
できる凹字状空間に発泡ウレタンを発泡充填して
固化させ、このとき上記ブロツクに形成された小
孔からガス抜きを行なうようにし、この小孔を通
つて溢出したウレタン液をブロツクの溜りに溜め
るようにしたので、溢出したウレタン液を取除く
ための後作業や、取除き作業を容易にするため剥
離剤を塗布する前作業等が不要となり、シヨーケ
ースの製造を容易に行なうことができる等の効果
を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は従来のシヨーケース内箱
固定の方法を示す一部の縦断面図、第３図は本発
明シヨーケース内箱固定方法の一実施態様を示す
一部の縦断面図、第４図は第３図の一部を拡大し
た縦断面図である。 １……外箱、２……内箱、６……ウレタン断熱
材、９……ブロツク、１０……突縁、１１……
溝、１２……フランジ部、１５……小孔、１６…
…溜り、１７……注入口。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ シヨーケース外箱上部内面に成形ポリスチレ
   ン等からなり、縦方向に貫通する小孔とこの小孔
   の上端を拡大した溜りとを有するブロツクを取り
   付け、このブロツクの内面に設けた溝と内箱上縁
   に設けた外方へのフランジ部とを噛み合わせるこ
   とによつて内箱を外箱内に浮かせて支持し、内箱
   と外箱との間に構成された空間内に発泡ウレタン
   液を下部側から注入して発泡充填させ、この発泡
   充填時に上記小孔からガス抜きを行なうとともに
   溢出した発泡ウレタンを上記溜りに溜めるように
   したことを特徴とするシヨーケース内箱固定方
   法。