JPS6114532Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、既設扉にさらに別の扉や防虫扉等
の補助扉を取付けるための補助扉用丁番に関す
る。

従来の技術 従来開口部に丁番を介して取付けられた扉にさ
らに扉を取付けて二重扉あるいは多重扉にして断
熱防音扉としたりあるいは既設の扉に防虫扉を取
付けて二重扉とするには、(1)開口部に取付けられ
た既設の扉の丁番に並設して新しく丁番を取付け
この丁番に扉を取付けるかまたは(2)既設の扉の丁
番を外して二重扉あるいは多重扉用の丁番を取付
け、これに各扉を取付ける必要がある。

考案が解決しようとする問題点 ところが二重扉あるいは多重扉にする場合扉の
開閉を円滑に行なうために扉の回転軸を同一軸線
上に配する必要があるが、前者の丁番は後から丁
番を取付けるため他の丁番の軸線に合わせて丁番
を取付ける必要がありその取付けが非常に面倒な
ものであつつた。後者の丁番は、二重扉あるいは
多重扉用の丁番であるため上記欠点はないが新し
く丁番を取付けるとなると既設の扉を外すことと
なり扉への取付けが非常に面倒なものであつた。

この考案は前記従来の問題点を解決するために
考案されたものでその目的は、既設の扉をそのま
まにして新しく扉を取付けたい場合後付けが簡単
に行なえる丁番を提供することにある。

問題点を解決するための手段 この考案は、補助支持羽根を既設扉用丁番の支
持羽根の上側部に固定するとともにこの補助支持
羽根の一端に設けた縦長の軸挿入孔の下端を前記
既設扉用丁番のぎぼう等の突出部に係合せしめ、
かつ補助回動羽根を補助扉に固定するとともにこ
の補助回動羽根の一端に設けた縦長の軸部を前記
軸挿入孔の上端に回動自在に係合することによつ
て前記目的を達成するものである。

実施例 以下、この考案を図示する一実施例によつて説
明する。

補助扉用丁番１は補助扉Ａ（以下防虫扉とい
う）を開閉自在に吊す補助回動羽根２と補助回動
羽根２を回動自在に支持する補助支持羽根３とか
ら構成されている。

補助回動羽根２の先端部には扉取付部４が形成
されている。扉取付部４は補助回動羽根２の先端
部分を開口部Ｂの戸当りＣに沿つて略Ｌ字状に折
曲することにより形成されている。扉取付部４の
平坦部５には上下にビスホール６，６が複数個形
成され、防虫扉Ａはビスホール６，６によに固着
ビス７，７を防虫扉Ａに螺挿することによつて扉
取付部４に取付けられている。

補助回動羽根２の一側には上下方向に貫通する
堅孔８が形成され、堅孔８には芯金９が差し込ま
れている。堅孔８は補助回動羽根２の一側部分を
筒状に折り曲げて形成されている。また、芯金９
は鋼製のものあるいは補助回動羽根２がバネの力
によつて元へ戻るように鋼製の芯金にコイルバネ
を組込んだものやスプリングピン等からなり、そ
の上下両端部は芯金９が堅孔８より突出した軸部
１０，１０を形成している。

補助支持羽根３にはビスホール６が一個ないし
複数個形成され、補助支持羽根３はビスホール６
より固着ビス７を開口部Ｂの堅枠Ｄ部分に螺挿す
ることによつて軸部上下にぎぼし等の突出部１４
を有する丁番１１の支持羽根１２の上側に支持羽
根１２と突き合わせて固着されている。

このようにすれば、補助扉用丁番１の補助支持
羽根３が丁番１１の支持羽根１２に支持されてい
ることと、補助扉用丁番１の補助支持羽根３が堅
枠Ｄに取付けていることが相俟つて補助扉用丁番
１の補助回動羽根２に取付けた防虫扉Ａを開口部
Ｂに回動自在に支持されることになり、従つて補
助扉用丁番１は比較的小さいものに構成しても丁
番としての機能を十分に耐えることができる利点
があり、また、このように補助扉用丁番１が小さ
く構成することができることから、開口部の堅枠
に既設した丁番に簡単に並設することができる利
点がある。

なお、丁番１１は扉Ｅを開口部Ｂの堅枠Ｄに回
動自在に支持するための既設扉用のものである。

また、補助支持羽根３の一側には上下方向に貫
通する軸挿入孔１３が形成され、軸挿入孔１３の
上下両端部には補助回動羽根２の軸部１０および
丁番１１の突出部１４がそれぞれ軸挿入孔１３の
なかばまで差し込まれている。

軸挿入孔１３は補助支持羽根３の一側部分を筒
状に折り曲げて形成されている。なお、突出部１
４が軸部１０に作用する鉛直荷重に抵抗できるよ
うに軸部１０および突出部１４をその端面が当接
し合うようにするとよい。

補助回動羽根２と補助支持羽根３との間には補
助回動羽根２が滑らかに回動できるようにリング
１５が取付けられている。

補助丁番１の補助回動羽根２および補助支持羽
根３は従来の丁番と同じように鋼板、ステンレス
鋼板、アルミニウム合金形材に限らず青銅鋳物、
黄銅鋳物、黄銅板であつてもよい。また、芯金９
は強度および摩耗の点から軟鋼製がよい。

なお、上述の実施例において、補助回動羽根２
の上下両端部夫々突出した軸部１０，１０を設け
られているが、これは補助回動羽根２を上下転倒
することにより左右勝手違いの使用が可能とする
ようにしたものである。

効 果 この考案は以上の構成からなり次の効果が期待
できる。

扉を回動自在に取付けている既設扉用丁番のぎ
ぼし等の突出部を利用して補助扉用丁番が取付け
られる構造になつているため既設扉用丁番の軸と
補助扉用丁番の軸とは、その軸線が一致し取付け
が簡単である。また後付けができることから既設
の扉や開口部を無やみに傷めることもなく新しい
扉を簡単に取付けることができる。

さらに、補助扉用丁番は既設扉用丁番と同様、
支持羽根と回動羽根とから構成され、支持羽根を
既設扉用丁番の支持羽根の上側部にネジ止め等に
よつて固定することにより取付けられ、かつ回動
羽根に防虫網戸等の補助扉が取付けられている。

係る構成により、補助扉の荷重のすべては補助
扉用丁番の補助支持羽根によつて受け止められ、
既設扉用丁番の支持羽根には加わわらない。かく
して補助扉用丁番は既設扉用丁番に関係なく補助
扉を回動自在に支持し、また既設扉用丁番は補助
扉の荷重を加わることによつて起る変形が全くな
く、既設扉を回動自在に支持することになり、長
期の使用において補助扉と既設扉は互いに同様な
条件でがたつくことなく円滑に開閉していくこと
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は丁番の分解斜視図、第２図は丁番の取
付け状態を示す丁番の正面図、第３図および第４
図は扉の開閉状態を示す開口部の一部断面図、第
５図は同じく扉の開閉状態を示す開口部の斜視図
である。 １……補助扉用丁番、２……補助回動羽根、３
……補助支持羽根、４……扉取付部、５……平坦
部、６……ビスホール、７……固着ビス、８……
堅孔、９……芯金、１０……軸部、１１……丁
番、１２……支持羽根、１３……軸挿入孔、１４
……突出部、１５……リング、Ａ……防虫扉、Ｂ
……開口部、Ｃ……戸当り、Ｄ……堅枠、Ｅ……
扉。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 補助支持羽根３を既設扉用丁番１１の支持羽
   根１２の上側部に固定するとともにこの補助支
   持羽根３の一端に設けた縦長の軸挿入孔１３の
   下端を前記既設扉用丁番１１のぎぼうし等の突
   出部１４に係合せしめ、かつ補助回動羽根２を
   補助扉Ａに固定するとともにこの補助回動羽根
   ２の一端に設けた縦長の軸部１０を前記軸挿入
   孔１３に回動自在に係合してなることを特徴と
   する補助扉用丁番。 ２ 補助回動羽根２は上下にそれぞれ突出する軸
   部１０，１０を有していることも特徴とする実
   用新案登録請求の範囲第１項記載の補助扉用丁
   番。