JPH0116465Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ガラス扉を有する冷凍庫又は冷蔵庫
等のような貯蔵庫に係り、特にそのガラス扉の構
造に関する。

この種の貯蔵庫例えばリーチインタイプのシヨ
ーケースのガラス扉には開き勝手に関し様々な要
望がある。この要望は貯蔵庫の組み立て時ばかり
か、使用者に納入された後にも、例えば設置場所
を変更する際にそれに付随して発生する。しかし
従来はこのような要望に応える手段はとられてい
ない。即ち従来のこの種の貯蔵庫のガラス扉は、
開き勝手が予め定められており、それの変更はで
きない。したがつて上述の如き要望が生じたとき
には扉全体を新規なものに交換せざるを得ないた
め高価につくという欠点があつた。

それ故に本考案の目的は、ガラス扉の開き勝手
を簡単に変更できる貯蔵庫の提供にある。

本考案の他の目的は、自動閉扉機構および扉回
動制限機構を備えたものにおいて上記目的を達成
することにある。

本考案によれば、複層ガラス板とこれの周囲に
配設された上枠、下枠、左横枠および右横枠より
なる扉枠とを有し、該左横枠および右横枠のうち
一方の横枠の中空内に挿入されたトーシヨンバー
を含む自動閉扉機構によつて閉鎖力を与えられ、
かつ該扉枠に装着されたストツパーピンナツト板
を含む扉回動制限機構によつて開扉角を制限され
る貯蔵庫の扉において、上記扉左横枠およ扉右横
枠のうち、上記一方の横枠には上下対称の位置に
それぞれ穴を形成し、上記トーシヨンバーの挿入
端には角状部を設け、該角状部には固定用ブロツ
クを固定し、上記横枠の穴に挿通したねじによつ
て上記固定ブロツクを該横枠に固着し、他方の横
枠には上下方向の中央部に取手を取付け、かつ上
記上枠および下枠にはいずれも上記ストツパーピ
ンナツト板を設けてあることを特徴とする貯蔵庫
の扉が得られる。

以下図面を参照しながら、本考案の実施例を用
いて説明する。

第１図は本考案に係る貯蔵庫の一例として、リ
ーチインタイプの冷凍又は冷蔵シヨーケースを示
している。このシヨーケースは、断熱構造の筐体
１の開口面を左右一対の扉２，２によつて開閉さ
れ得るようになつている。一対の扉２はいずれも
透明な複層ガラス板３の周囲に扉枠４を有したも
のである。そして右側の扉は右端を中心として回
動可能に備えられ、また左側の扉は左端を中心と
して回動可能に備えられている。なお５は扉２を
開閉操作するための取手である。

さらに第２図を参照して、扉２の回動中心とな
る端部には扉枠４の上端および下端に夫々円筒状
軸受６，７が嵌合取り付けされている。上部の軸
受６には、上軸取付金具８に固定支持された上軸
９が回動可能に嵌合している。上軸取付金具８は
第１図に示した筐体１にビス１１にて固定される
ものである。一方、下部の軸受７には下軸１２が
回動可能に嵌合している。下軸１２は軸支え１３
の凹所１３ａに嵌合している。軸支え１３は下軸
取付金具１４にビス等で固定されている。下軸取
付金具１４も第１図に示した筐体１にビス１５に
て固定されるものである。かくして扉２は上軸９
および下軸１２を中心として回動させつつ開閉可
能に筐体１に組みつけられる。なお上軸９および
下軸１２はいずれも中心に貫通孔を有して筒形の
ものである。

扉枠４の回動中心となる端部の空胴部分にはば
ね鋼にて作られた細長いトーシヨンバー１６が挿
入配置されている。第２図および第３図を参照し
て、トーシヨンバー１６の上端の角状部１６ａに
は固定用ブロツク１７が嵌合しかつバインドねじ
１８によつてしつかりと固定されている。固定用
ブロツク１７は扉枠４にねじ１９によつて固定さ
れるものである。かくしてトーシヨンバー１６の
上端は扉２に回転方向で係止される。一方、トー
シヨンバー１６の下端の角状部１６ｂは下軸１２
の角穴１２ａに嵌合し、これにより相互回動を阻
止される。

上述したように組み合わせた後、下軸１２を上
方からみて時計回りに回動させ、トーシヨンバー
１６を捩る。このトーシヨンバー１６の捩りの反
力が扉２に閉じ力として作用することとなる。
今、所要の閉扉力が得られたならば、下軸１２の
側面の穴に回り止めピン２１を挿入し、このピン
２１が軸支え１３に係止されることにより、トー
シヨンバー１６の捩りの戻りを阻止する。かくし
て扉２は自動的に閉じるようになる。なお２２は
トーシヨンバー１６に被せられる防音チユーブを
示している。

また下軸取付金具１４には扉ストツパー２３が
ピン２４およびＥ形止め輪２５を用いて回動可能
に取り付けられている。扉ストツパー２３は長手
方向にのびたスロツト２３ａを有したものであ
る。一方、扉枠４の下端の内面にはストツパーピ
ンナツト板２６がビス２７等を用いて固着されて
いる。そして扉ストツパー２３のスロツト２３ａ
に挿入したストツパーピン２８をストツパーピン
ナツト板２６に座金２９を介して止める。この結
果、扉２の開閉時にストツパーピン２８が、扉ス
トツパー２３を回動させつつそのスロツト２３ａ
に沿つて移動し、かつスロツト２３ａの端部に係
合することで扉２の開放角を制限する。

第４図は本考案による扉の一実施例を示してい
る。この扉の扉枠４は、上枠３１、下枠３２、左
横枠３３および右横枠３４よりなるものである。
まず上枠３１および下枠３２にそれぞれストツパ
ーピンナツト板２６を固着するための複数の穴を
設け、これらの穴に通したねじ３５によつて、上
枠３１および下枠３２の内面にそれぞれストツパ
ーピンナツト板２６を装着させる。さらに右横枠
３４の上下方向中央部に位置するところの表面側
に、第５図に示す如く、取手５をねじ３６によつ
て取り付ける。また左横枠３３には上下対称の位
置に、第６図に示す如く、固定用ブロツク１７を
固着するための穴３７，３８を設けておく。なお
扉枠４の裏面側、即ち貯蔵庫の筐体に対向する
面、には全体にわたつてマグネツトパツキン３９
が装着されている。

いま第４図の扉は左横枠３３を中心として回動
するものとして示されている。即ち左横枠３３に
トーシヨンバー１６が下端から挿入され、かつそ
のトーシヨンバー１６の上端の固定用ブロツク１
７を、上部の穴３７に挿通させたねじ１９によつ
て止めている。

扉左右の組み替え作業の必要性が生じた場合に
は、先ず筐体１から扉２を取外した上で、左横枠
３３を取り外し、ねじ１９を外して固定用ブロツ
ク１７を自由にする。さらにトーシヨンバー１６
および固定用ブロツク１７を引き抜いて、その左
横枠３３に上方から挿入し、ねじ１９を下部の穴
３７に挿通させて固定用ブロツク１７を止める。
このように上下逆に組み替えしてから、その左横
枠３３をもとの取付位置に装着させる。こうして
得られた扉は上下を逆にして貯蔵庫の筐体に組み
つけられ、これにより開き勝手が反対の扉とな
る。

このように本考案によれば、製造時及び販売後
に部品交換なしの非常に簡単な作業で開き勝手を
変更できる扉を備えた貯蔵庫が得られ、したがつ
てサービス性の向上及びコストダウンを計ること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る貯蔵庫の一例の外観斜視
図、第２図は扉の組みつけ部の拡大断面図、第３
図は自動閉扉機構の分解斜視図、第４図は本考案
による貯蔵庫の扉の一実施例の背面図、第５図は
−線断面図、第６図は−線断面図であ
る。 １……筐体、２……扉、３……複層ガラス板、
４……扉枠、５……取手、６，７……軸受、９…
…上軸、１２……下軸、１６……トーシヨンバ
ー、１７……固定用ブロツク、２６……ストツパ
ーピンナツト板、３１……上枠、３２……下枠、
３３……左横枠、３４……右横枠、３５，３６…
…ねじ、３７，３８……穴。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 複層ガラス板とこれの周囲に配設された上枠、
   下枠、左横枠および右横枠よりなる扉枠とを有
   し、該左横枠および右横枠のうち一方の横枠の中
   空内に挿入されたトーシヨンバーを含む自動閉扉
   機構によつて閉鎖力を与えられ、かつ該扉枠に装
   着されたストツパーピンナツト板を含む扉回動制
   限機構によつて開扉角を制限される貯蔵庫の扉に
   おいて、上記扉左横枠および扉右横枠のうち、上
   記一方の横枠には上下対称な位置にそれぞれ穴を
   形成し、上記トーシヨンバーの挿入端には角状部
   を設け、該角状部には固定用ブロツクを固定し、
   上記横枠の穴に挿通したねじによつて上記固定ブ
   ロツクを該横枠に固着し、他方の横枠には上下方
   向の中央部に取手を取付け、かつ上記上枠および
   下枠にはいずれも上記ストツパーピンナツト板を
   設けてあることを特徴とする貯蔵庫の扉。