JPS6114490Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は合成PC床版に関するものである。

本考案の目的は、合成PC床版の断熱保温効果
を高めることであり、他の目的は断熱保温の処理
を簡単かつ確実にすることであり、さらに他の目
的はPC床版の小口を確実にしかも容易に封止す
ることにある。

以下本考案の一実施例を図面を参照して説明す
る。

第１図において梁１および１ａ上にはPC床版
２……が架設してある。このPC床版２は第２図
示の例では逆Ｗ字形に形成してあり、下部に形成
されている二つの溝部２ａの内周面には断面コ字
状の断熱体３，３がそれぞれ接着してあり、各断
熱体は溝部内周面全面を覆つている。断熱体３の
形状はPC床版２の形状や製造コスト等を考慮し
て選択される。そしてこの断熱体３は、例えばポ
リスチレン発泡体、硬質ポリウレタン発泡体等の
独立気泡を有する合成樹脂発泡体が好適である
が、材質はPC床版２の断熱保温できるものであ
れば、上記のものに限定されない。

またPC床版２の溝部２ａの両端の小口４およ
び４ａの内周部には小口塞ぎ５，５を接着剤によ
り取り付けて、小口を封止している。そしてこの
小口塞ぎ５，５の取付け状態において、小口塞ぎ
の内面に断熱体３の端部が接している。なお小口
塞ぎ５は予め成形型により板体状に成形される。

そして小口塞ぎ５の材質としては、ポリスチレ
ン発泡体，硬質ポリウレタン発泡体等の合成樹脂
発泡体を用いる。なお合成樹脂発泡体としては、
コンクリート打設時に変形しない様な比較的硬質
のものが好ましい。実験例によれば、小口塞ぎと
してコンクリート製のものを用いた場合には、重
いので接着固定が難しく、はずれやすく、また硬
質なのでなじみが悪く、ひびや破れが生ずること
が多く、PC床版搬送時またはこの床版の付設時
にはずれることが多いという結果が出た。この
点、合成樹脂発泡体を用いた場合には上記のよう
な不都合がなく、弾性を有するために接着時に
PC床版へのなじみがよく、接着が確実となる。
２ｂはPC床版２のリブである。

さらにPC床版２の上部にコンクリート６を打
設して、合成PC床版を形成している。

次に合成PC床版の施工について説明する。ま
ず工場にて或いは現場にて、断熱体３をPC床版
２の溝部２ａの内周面に接着する。そして第２図
に示すように小口塞ぎ５の外周面に接着剤を塗布
してから、この小口塞ぎを矢印方向からPC床版
２の小口４，４に嵌め込む。そして第１図に示す
ようにPC床版２の両端の小口４，４ａの内周部
に小口塞ぎ５，５を取り付けた後、PC床版を梁
１，１ａ上に架設する。そしてコンクリート６を
打設する。こうすればコンクリート６は矢印方向
に流れ出ようとしても、小口塞ぎ５，５によりせ
き止められる。このとき、流れ出ようとするコン
クリート６の圧力が小口塞ぎ１にかかるが、断熱
体３の両端部で小口塞ぎの内面を受けているの
で、小口塞ぎは外れにくくなる。

なお小口塞ぎの高さを溝部の高さより大きく
（数mm程度）しておけば、PC床版設置時に小口塞
ぎがPC床版の自重にて高さ方向に圧縮されて、
小口の封止が一層確実となり、また打設コンクリ
ートの圧力にも十分耐えて外れにくくなる効果が
ある。

以上のとおり本考案によれば、溝部に断熱体を
固着し、この溝部の小口を合成樹脂発泡体の小口
塞ぎで封止してあるので、合成PC床版の断熱保
温効果を高めることができ、そして断熱保温処理
も簡単かつ確実にすることができる。さらにPC
床版への小口塞ぎの固着が容易で、PC床版への
なじみが良く、小口を確実に容易に封止すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は小口塞ぎを取付けたPC床版を梁に架設した状
態を示す断面図、第２図はPC床版の斜視図であ
る。 ２……PC床版、２ａ……溝部、３……断熱
体、４ａ……小口、５……小口塞ぎ、６……コン
クリート。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 PC床版と、 このPC床版の下部に形成されている溝部の内
   周面に合う外形形状を有し、この溝部内周面に固
   着してある断熱体と、 上記溝部両端の小口の内周に取り付け小口を封
   止する合成樹脂発泡体で構成した小口塞ぎと、 上記PC床版の上部に打設したコンクリート
   と、を具備する合成PC床版。