JPS641404Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、建物の基礎を造る際に行うコンクリ
ートの養生に使用される基礎仮枠の養生キヤツプ
に関する。

（従来の技術） 従来から建物の最下部に存在する基礎は、適当
空間を隔てて左右に対設された基礎仮枠の間に生
コンクリートの状態で打設され、その後一定期間
ムシロや養生シートを被せた状態で養生して造ら
れるのが一般的である。

ところで、養生期間中、基礎の上面にムシロや
養生シートを被せるのは、基礎の上面が外部に露
出していることから夏期にあつてはこの上面に直
射日光が当たつて生コンクリート中の水分が蒸発
するのを防止するためであり、冬期にあつては養
生中にある生コンクリート中の水分が凍結するの
を防止するためである。

従つて、覆うのは基礎コンクリートの上部のみ
でよい。

（考案が解決しようとする問題点） ところが、従来から用いられているムシロや養
生シートは基礎仮枠の全体を被せるのであるから
大変な作業が必要な上、突風が吹いたりするとし
ばしば飛ばされることがあり、そのため夏期にあ
つては生コンクリート中の水分が蒸発し、冬期に
あつては水分が凍結して養生が不充分となり、基
礎の強度が弱かつたり、もろかつたりするという
欠点を生じていた。

また、基礎仮枠ごと全てをすつぽり覆つてしま
う必要はなく、このようにすると、資材を多く必
要となし、その着脱が容易でない等の問題があ
る。

そこで本考案は、ムシロや養生シートに代えて
基礎の上部を簡単な作業で覆うことができ、かつ
突風等によつては吹飛ばされにくい新規一手段を
提供しようとするものである。

（問題点を解決するための手段） 本考案の基礎仮枠の養生キヤツプは、基礎コン
クリートを間に打設した基礎仮枠の上部のみを被
覆する断熱材からなるキヤツプであり、基礎仮枠
の上端にまたがつて基礎の上面を覆う蓋部と、該
蓋部の両端から垂下され前記左右の基礎仮枠の上
端側外面に弾性被着する垂下部とから構成されて
なるものである。

（作用） 養生キヤツプが断熱材からなつて、基礎仮枠の
上端部のみで被覆するものであるため、夏期にお
ける基礎（生コンクリート）上面からの水分の蒸
発、および冬季における基礎上面の水分の凍結が
防止される。また、蓋部の両端から垂下された垂
下部により養生キヤツプ自体の基礎仮枠への確実
な被着が図られる。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を図面を参照して説明
する。

第１図は、生コンクリートの打設を完了した状
態の基礎を示し、図中の符号１はベースコンクリ
ート２ａ，２ｂ，３ａ，３ｂ…は基礎を打設する
ための空間Ａを隔ててベースコンクリート１上に
左右に対設された基礎仮枠で、これら対向する基
礎仮枠同士２ａと２ｂ、３ａと３ｂ、…は上下の
セパレート金具５…で連結され、隣合う基礎仮枠
同士２ａと３ａと…、２ｂと３ｂと…は適宜の連
結金具６…で連結されている。前記空間Ａには基
礎が生コンクリートの状態で打設され、その後一
定期間養生される。

図中の符号７は本考案に係る基礎仮枠の養生キ
ヤツプで、この養生キヤツプ７は発泡樹脂等の断
熱材からなり、第２図に示すように、空間Ａを隔
てて左右に対設された基礎仮枠２ａ，２ｂ，３
ａ，３ｂ…の上端にまたがつて基礎の上面を覆う
蓋部７ａと、該蓋部７ａの両端から垂下され、左
右の基礎仮枠２ａ，２ｂ，３ａ，３ｂ…の上端側
外面に弾性被着する垂下部７ｂ，７ｂとから構成
されている。つまり、基礎仮枠の上部のみを被覆
するように構成されている。このようになる養生
キヤツプ７の長手方向長さは、一枚の基礎仮枠２
ａ，２ｂ，３ａ，３ｂ…の長さ、或いはそれ以上
の長さを有していてもかまわない。垂下部７ｂ，
７ｂは基礎仮枠２ａ，２ｂ，３ａ，３ｂ…の上端
側外面に弾性被着させるために、左右垂下部７
ｂ，７ｂの対向幅Ｗを左右仮枠２ａ，２ｂ，３
ａ，３ｂ…の外面から外面までの長さｌと等しく
するか、或いは垂下部７ｂ，７ｂの下端側の対向
幅を上端側より幅狭にすればよい。

（考案の効果） 本考案に係る基礎仮枠の養生キヤツプは上記の
如く構成されたものであるから、次のような効果
を奏する。

養生キヤツプが基礎仮枠の上部のみを被覆す
ることができるように、蓋部と両垂下部とから
なるコンパクトな形体であるから、取扱いに便
利である。

基礎の養生期間中、この養生キヤツプを基礎
仮枠の上部にのみ被せておくことにより、夏
期、冬期を問わず良好な状態で基礎の上面を養
生することができる。特に、養生キヤツプ自体
が断熱材からなるため、夏期における基礎（生
コンクリート）上面からの水分の蒸発、および
冬季における基礎上面の水分の凍結がより効果
的に防止され、強度の高い基礎を得ることがで
きる。

基礎仮枠に養生キヤツプを被せる作業も、養
生キヤツプを仮枠上におき、上から押えるだけ
でよいため、従来のムシロや養生シートを被せ
る作業に比して非常に手際良く行なえる。

垂下部が基礎仮枠外面に弾性被着するので、
従来のムシロや養生シートを用いた場合のよう
に突風等によつて吹飛ばされることがない。従
つて、一旦養生キヤツプを被せておけば、以後
ムシロや養生シートのようにはがれていないか
どうかを点検しなくてもよく、良好な状態での
養生が保障される。

養生キヤツプを上方に持ち上げれば簡単に仮
枠から取り外すことができるし、使用中に損傷
することも少ないので、繰返し使用することが
できる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案に係る養生キヤツプの一実施例を示
し、第１図は生コンクリートの打設を完了した状
態の基礎上部に養生キヤツプを被着する状態を示
す斜視図、第２図は養生キヤツプを被着した状態
における部分断面図である。 ２ａ，２ｂ，３ａ，３ｂ……仮枠、７……養生
キヤツプ、７ａ……蓋部、７ｂ……垂下部、Ａ…
…空間。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 基礎コンクリートを間に打設した基礎仮枠の上
   部のみを被覆する断熱材からなるキヤツプであ
   り、基礎仮枠の上端にまたがつて基礎の上面を覆
   う蓋部と、該蓋部の両端から垂下され前記左右の
   基礎仮枠の上端側外面に弾性被着する垂下部とか
   ら構成されてなる基礎仮枠の養生キヤツプ。