JPS6114461Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は先端ノツク式シヤープペンシルのスラ
イダー一時係止装置に関するものである。

本考案で先端ノツク式シヤープペンシルとは、
スライダー先端の芯管や芯管先端から突出する芯
を紙面等に押しつけてノツクすることにより芯出
しを可能とするものをいう。先端ノツク式シヤー
プペンシルたらしめるには、軸筒内に前後自在に
設けたスライダーとチヤツク装置とを、先端ノツ
クによる押込み時にはそれぞれの弾撥部材の力に
抗して後退可能となし、また後退したスライダー
をその後退位置に一時係止する手段を設けること
によつて、上記押込みを解除してもスライダーは
静止しチヤツク装置だけが元の位置に戻るように
前進運動を行なわせ、その戻りの過程での衝突で
スライダーの一時係止を解除する状態を惹起せし
め、こうして芯出しを可能とすることができる。
この場合、上記のスライダー一時係止手段はスラ
イダー外面にＯリングを装着し、軸筒側内面に該
Ｏリングを押込嵌合可能な溝を形成することによ
り構成可能である。しかし、かかるＯリングは使
用される環境条件、例えば盛夏と厳冬ではゴム硬
度が変り、そのため一時係止さすに要するノツク
力に変動を生じさせ易かつた。またＯリングとス
ライダー用の弾撥部材とを別々に用意しなければ
ならなかつた。

本考案の目的は、上記した不都合や不便を改善
することにあるが、第１図と第２図に示す実施例
によつて説明すると、つぎのとおりである。嵌合
溝２の後方に後部筒管３を形成したスライダー１
は、誘導傾斜面４により嵌合溝２と後部筒管３と
を連絡していて、後部筒管３の外周に配設した圧
縮バネ５の一方の端部は該誘導傾斜面４をせり上
ることで拡径して嵌合溝２へと誘導され、該嵌合
溝２に係合保持されている。圧縮バネ５の他方の
端部は軸筒６を構成する先端部材６ａの内側に固
着したバネ受部材７の後端環状張出部８の前端面
で受承され、そのバネ受部材７の内面には、スラ
イダー１が後退時に、上記嵌合溝２に係合保持さ
せた圧縮バネ５部分を漸次縮径させる案内傾斜面
９と連続して該圧縮バネ５部分を係合係止する環
状溝よりなる係止部１０とを形成している。また
スライダー１の先端に芯管１１を、内側に芯連行
部材１２を設けているが、これは通常の場合と変
りない。

第２図に、圧縮バネ５の力に抗して後退させた
スライダー１の一時係止状態を示す。普通バネ受
部材７は剛性の材料で作り、圧縮バネ５は押圧力
を加えてもＯリングのように扁平に変形させ難い
ものである。それにも拘らず、嵌合溝２に係合保
持せしめた圧縮バネ５部分が案内傾斜面９を乗り
越えて係止部１０と係合係止することができるた
めには、嵌合溝２の深さをやや深くして、圧縮バ
ネ５部分が案内傾斜面９との当接時の押圧で内方
向に押し込めるように、符号１３で示すような遊
びの隙間を設けておくとよい。一時係止の解除
は、既述の如く、スライダー１の後部筒管３後端
面をチヤツク装置が叩くことにより行なう。

そこで本考案の要旨外の事項であるが、チヤツ
ク装置関係の概略説明を再び第１図に戻つて、つ
ぎに行なう。チヤツク装置１４はチヤツク体１５
とチヤツク作動管１６との間に張設したバネ１７
の力で転動子１８を介して芯の挾持と開放を可能
としたものであつて、第１図に示す定常静止位置
を占めるとき、スライダー１の後部筒管３後端面
とチヤツク作動管１６の先端部に取付けた押板１
９との対峙間隔は一回の芯出長さｌに等しくす
る。チヤツク作動管１６にはバネ座体２０を摺動
自在に嵌合した、そのバネ座体２０はチヤツク作
動管１６の係止部２１および軸筒段部２２に当接
可能とする。またチヤツク作動管１６とは摺動摩
擦連結手段２３で連結される芯貯蔵管２４には後
方に位置する軸筒段部２６と当接可能とした突起
部２５を設け、上記バネ座体２０と突起部２５と
の間にノツク用バネ２７を張設し、こうしてチヤ
ツク作動管１６は通常は上記した定常静止位置に
とどまるほか、第２図に示すように、ノツク用バ
ネ２７に抗して後退することも、また反対に定常
静止位置より更に前進させること（図示せず）も
可能としている。一方、前記摺動摩擦連結手段２
３によりチヤツク作動管１６とは伸縮可能に連結
されている芯貯蔵管２４には、芯貯蔵管２４がチ
ヤツク作動管１６に対する相対位置を変えて前進
或いは後退するときチヤツク体１５と当接或いは
離脱する押圧端面２８を形成し、こうして後端ノ
ツクによつても芯出し可能としている。

以上の説明から明らかなように、本考案になる
先端ノツク式シヤープペンシルのスライダー一時
係止装置は、嵌合溝２と後部筒管３とを有するス
ライダー１の該後部筒管３の外周に圧縮バネ５を
配置し、圧縮バネ５の一方の端部を嵌合溝２に係
合保持せしめたから、嵌合溝２に嵌まる圧縮バネ
５部分がＯリングの役割を果たすことになつて、
部品点数を一つへらすことができる。またその圧
縮バネ５の他端を受承するバネ受部材７の内面に
はスライダー１が後退時に上記嵌合溝２に係合保
持させた圧縮バネ５部分を係合係止する係止部１
０を形成したから、Ｏリングの如き扁平な変形が
でき難い圧縮バネ５であつても、つつがなくスラ
イダー１を一時係止できることは勿論、使用され
る環境条件が変つても、先端ノツクの力は常にほ
ぼ一定であり、またＯリングに比較して耐用寿命
も長からしめることができる。尚、本実施例で係
止部１０については環状溝として示したが２個以
上の突起とする等の変更が可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案になるスライダー一時係止装置
を備えた先端ノツク式シヤープペンシルの断面
図、第２図は一時係止の状態を示す拡大断面図で
ある。 １……スライダー、２……嵌合溝、３……後部
筒管、４……誘導傾斜面、５……圧縮バネ、７…
…バネ受部材、９……案内傾斜面、１０……係止
部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 嵌合溝２と後部筒管３とを有するスライダー１
   の該後部筒管３外周に圧縮バネ５を配置し、該圧
   縮バネ５の一方の端部を嵌合溝２に係合保持せし
   め、その圧縮バネ５の他端を受承するバネ受部材
   ７の内面にはスライダー１が後退時に上記嵌合溝
   ２に係合保持させた圧縮バネ５部分を係合係止す
   る係止部１０を形成してなる先端ノツク式シヤー
   プペンシルのスライダー一時係止装置。