JPS6342596B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

本発明は芯や芯管の先端を紙面等にノツクする
ことで芯出しを行なう先端ノツク式シヤープペン
シルに関するものである。 本出願人は芯や芯管の先端を紙面等に押しつけ
ることで、芯管と一体のスライダーおよび芯を噛
んでいるチヤツク装置を、両者の対峙間隔を一定
に保つたまま、スライダーの戻し用弾撥部材、チ
ヤツク装置の戻し用弾撥部材のそれぞれを圧縮変
形して後退させ、且つスライダーについてはその
後退完了の時点で適宜手段により一時係止するこ
と、つぎに上記の押しつけをなくすことで、チヤ
ツク装置の戻し用弾撥部材の力でチヤツク装置だ
けを前進させ、上記の対峙間隔を零、換言すれば
その長さ分だけ芯出しを行なつたのち、チヤツク
装置の衝突によりスライダーの一時係止を解くと
共にスライダーの戻し用弾撥部材の力で始めの位
置に戻すという先端ノツク式シヤープペンシルに
ついて特許出願を行なつた。 かかるスライダー係止形のタイプでは、スライ
ダーの戻し用弾撥部材の力はスライダーの一時係
止手段による係止力に較べて弱くなければならな
い所から比較的微弱であり、従つてポケツト等に
差して携帯中にポケツトの布帛類に当つたり外れ
たりすることでもスライダーが容易に前後動し、
スライダーが前後動すると芯出が行なわれるか
ら、知らぬ間に芯がポケツト内で突出し、これに
よる汚れや芯折れ等の不都合をきたすことがあつ
た。 本発明はスライダーの戻り用弾撥部材の力を一
層強いものとして上記の欠点を払拭できるよう
に、スライダー係止形をチヤツク装置係止形に改
めた新規な先端ノツク式シヤープペンシルを提供
することをその目的としてなされたものである
が、図面に示す実施例によつて説明すると、つぎ
のとおりである。 軸筒１は、この実施例では、先端部１Ａ、前方
部１Ｂ、中間部１Ｃ、および後方部１Ｄの四部か
ら成り、先端部１Ａ内には、スライダー１０が前
後動自在に装着され、スライダー１０の前進停止
位置はスライダー１０の前方張出部１３と軸筒先
端部１Ａの段部５間に張設したスライダー用弾撥
部材１５により該前方張出部１３の前端面を軸筒
先端部１Ａの他の段部４に圧着することで決ま
り、スライダー１０の該弾撥部材１５に抗した後
退は所謂先端ノツク時の押圧によつて行なわれる
こと、またスライダー１０には先端に芯管１１、
内部に芯連行部材１２を有することでは、先に掲
げた発明と変りはない。しかし、スライダー１０
をその後退位置に一時係止できるようにはなつて
いない点、またスライダー１０の筒部は後方にの
び、その後端部に後述する働きを示す後部張出部
１４が形成されている点で相異している。 つぎに芯の挾持と解放を行なうチヤツク装置１
６は、チヤツク体１７、転動体１８、チヤツク作
動管１９、およびチヤツク体１７とチヤツク作動
管１９の間に張設したチヤツク用弾撥部材２０と
から成り、軸筒１の先端部１Ａおよび前方部１Ｂ
内に前後動自在に装着され、その前進停止位置は
チヤツク作動管１９の或る個所が軸筒１の或る個
所に内装弾撥部材により圧着することで決まり、
チヤツク装置１６の上記弾撥部材に抗した後退は
噛んだ芯が先端ノツク時後退することによつて行
なうことでは、先に掲げた発明と変りはない。し
かし、本実施例でいえば、軸筒１の中間部１Ｃの
前端に前方部１Ｂ内面とは適宜間隔を持たして外
方に変形可能とした張出管状部分３の内面に突出
したダボ２ａと、該ダボ２ａを乗り越えることに
よつて一時係止作用を呈するチヤツク作動管１９
のダボ２ｂがこれに相当する、チヤツク装置１６
をその後退位置に一時係止する手段２が軸筒１と
チヤツク作動管１９に設けられる点、スライダー
１０とチヤツク作動管１９とが共に前進停止位置
にあるとき、チヤツク作動管１９の先端にある端
板２２後端面とスライダー１０の後方張出部１４
前端面との間隙は長さｌであるが、前進停止位置
以外では間隔の長さｌを零とする密着もでき、そ
のときには端板２２と後方張出部１４とは互いに
係合する該端板２２を設けている点、また弾撥部
材はチヤツク作動管１９の後端面２３と軸筒中間
部１Ｃの前端面７間に張設した先端ノツク用弾撥
部材２５とし、チヤツク作動管１９の段部２１が
軸筒前方部１Ｂの段部６に圧着することで、チヤ
ツク装置の前進停止位置を決めている点で相異し
ている。 また芯貯蔵管２６は軸筒１の前方部１Ｂ、中間
部１Ｃおよび後方部１Ｄ内に前後動自在に装着さ
れ、その定常停止位置は芯貯蔵管２６の或る個所
が軸筒１の或る個所に内装弾撥部材により圧着す
ることで決まり、芯貯蔵管２６の上記弾撥部材に
抗した前進は所謂後端ノツクにより行なわれ、チ
ヤツク体１７と芯貯蔵管２６とは、本実施例にあ
つてはチヤツク作動管１９の内孔面２７ａと、該
内孔面２７ａに摺動摩擦で嵌合可能とした芯貯蔵
管２６のダボ２７ｂがこれに相当する摺動摩擦連
結手段２７を有すること、上記摺動摩擦運動の途
中からチヤツク体１７の後端面２４に芯貯蔵管２
６の前端面２８が当接してチヤツク用弾撥部材２
０に抗してチヤツク体１７を前進させチヤツクの
口を開くことでは、先に掲げた発明と変りない。
しかし、上記弾撥部材は軸筒中間部１Ｃの後端面
８と芯貯蔵管２６に形成した突部２９前端面の間
に張設した後端ノツク用弾撥部材３０とし、該突
部２９後端面が後方部１Ｄの突起９前端面に圧着
することで、その定常停止位置に当る後退停止位
置を決めている点で相異している。 弾撥部材１５，２５と一時係止手段との力関係
は以下のようになす。 スライダー用弾撥部材１５＋先端ノツク用弾撥
部材＞一時係止手段 また、例えば、弾撥部材１５，２０，２５，３
０と一時係止手段２および摺動摩擦連結手段２７
との力関係を以下のようになす。 スライダー用弾撥部材１５＞後端ノツク用弾撥
部３０＞摺動摩擦連結手段２７＞先端ノツク用弾
撥部材２５＞チヤツク用弾撥部材２０ つぎに本発明の作動説明に移る。 先端ノツク時の作動説明： 先端ノツクしてスライダー１０をスライダー用
弾撥部材１５の力に抗して押し込むことにより、
チヤツキングしている芯を介してチヤツク装置１
６も先端ノツク用弾撥部材２５を圧縮して後退
し、やがて第２図の如くチヤツク装置の一時係止
手段２を働かすに至るが、この間、スライダー１
０とチヤツク装置１６の相互位置関係は一定で、
端板２２後端面と後方張出部１４前端面との間隙
は長さｌのままである。つぎに先端ノツクを離す
と、上記のとおりスライダー用弾撥部材１５＋先
端ノツク用弾撥部材２５＞一時係止手段２という
力関係にあるから、チヤツク装置１６は一時係止
を続け、スライダー１０およびスライダー１０の
芯連行部材１２によつて把持された芯だけが前進
する。芯が前進しようとすると、その芯を噛んで
いるチヤツク体１７をチヤツク用弾撥部材２０に
抗して引張り出し、チヤツクの口を開かすから、
芯連行部材１２によつて把持された芯とスライダ
ー１０とはズレを生ずることなく一縮に前進す
る。こうしてスライダー１０の後方張出部１４が
チヤツク作動管１９の端面に衝突する第３図の状
態に至り、一時係止手段２による係止を解くこと
になる。従つてスライダー１０はその前方張出部
１３が軸筒先端部１Ａの段部４に当つて止まり、
またチヤツク装置１６も先端ノツク式弾撥部材２
５の復元力でチヤツク作動管１９の段部２１が軸
筒前方部１Ｂの段部に当つて止まる第１図の状態
に戻る。即ち、間隔ｌ相当長だけ芯出しが行なわ
れたことになる。 後端ノツク時の作動説明： 後端ノツクして芯貯蔵管２６を後端ノツク用弾
撥部材３０の力に抗して押し進めることにより、
摺動摩擦連結手段２７を働かせ、更にチヤツク用
弾撥部材２０を押圧してチヤツク体１７の口を開
かす（第４図参照）。つぎに後端ノツクを離すと、
チヤツク体１７は口を開いたまま、またチヤツク
作動管１９と芯貯蔵管２６は摺動摩擦連結手段２
７によつて結合したまま、チヤツク作動管１９の
端板２２がスライダー１０の後方張出部１４に当
る（第５図参照）まで、後端ノツク用弾撥部材３
０の復帰力で後退するが、その後は、スライダー
用弾撥部材１５の方が後端ノツク用弾撥部材３０
の力よりも強いため、チヤツク作動管１９はスラ
イダー１０と共に静止し、芯貯蔵管２６だけが先
端ノツク用弾撥部材２５を圧縮しつつ後退するこ
とになり、チヤツク体１７の後端面２４から芯貯
蔵管２６の前端面２８が離れると同時にチヤツク
用弾撥部材２０の働きでチヤツク体１７は芯を把
持する（第６図参照）。やがて摺動摩擦連結手段
２７が外れるに至るが、そのとき先端ノツク式弾
撥部材２５の復帰力が働いて、芯を把持したチヤ
ツク装置１６は前進し、第１図の如くチヤツク作
動管１９の段部２１が軸筒前方部１Ｂの段部６に
圧着することで止まる。即ち、間隔ｌ相当長だけ
芯出しが行なわれたことになる。 以上の説明から、例えスライダー１０を戻すた
めの弾撥部材１５の力を他のどれよりも一番強く
しても何等支障なく、先端ノツク或いは後端ノツ
クで芯出し可能であることが明らかである。従つ
て本発明ではポケツト等に差して携帯中にスライ
ダー１０が容易には前後動しない程度の強さを持
たせることが可能で、携帯中の不測の芯出を防止
できる点で優れている。

【図面の簡単な説明】

第１図から第３図までは本発明のシヤープペン
シルを用い先端ノツクで芯出しする際の動作順に
示した断面図、第４図から第６図までは後端ノツ
クで芯出しする際の動作順に示した断面図であ
る。 １……軸筒、２……一時係止手段、１０……ス
ライダー、１４……後方張出部、１５，２５……
弾撥部材、１６……チヤツク装置、１９……チヤ
ツク作動管。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 先端ノツクによる押し込み時には一定の間隔
   ｌをもつて後退可能としたスライダー１０とチヤ
   ツク装置１６およびチヤツク装置１６を後退位置
   に一時止めおく一時係止手段２とを有し、上記押
   込みの解除によつてスライダー１０とチヤツク装
   置１６のそれぞれが元の位置に戻る際、上記間隔
   ｌ相当長だけ芯出しを行なう先端ノツク式シヤー
   プペンシルにおいて、該間隔ｌは互いに前後の位
   置関係に配設して係合可能としたチヤツク作動管
   １９先端の端板２２とスライダー１０の後方張出
   部１４間で規制し、該一時係止手段２は軸筒１と
   チヤツク作動管１９との間に設け、上記一時係止
   手段２の係止力はスライダー１０を戻す為の弾撥
   部材１５およびチヤツク装置１６を戻す為の弾撥
   部材２５の力の和よりも弱くしたことを特徴とす
   る先端ノツク式シヤープペンシル。