JPS6113729Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はエアバルブ式気化器に関する。

１次側気化器と２次側気化器とを有するコンパ
ウンド型気化器として、気化器２次側スロツトル
弁上流に２次側メインノズルを配置すると共にこ
の２次側スロツトル弁上流に閉鎖方向にばね付勢
された自動開弁型エアバルブを配置し、このエア
バルブを２次側メインノズルに通ずるメイン燃料
通路の流路面積を制御するメタリングニードルに
連結してエアバルブが開弁するにつれてメイン燃
料通路面積を増大せしめるようにしたエアバルブ
式気化器が知られている。この種のエアバルブ式
気化器は通常その１次側気化器にチヨーク弁を具
えており、機関暖機運転時にはチヨーク弁を閉弁
させて過濃な混合気を１次側気化器から機関シリ
ンダ内に供給するようにしている。しかしながら
このようなエアバルブ式気化器を具えた車両が機
関暖機完了前に運転され、しかも２次側スロツト
ル弁が開弁するような高負荷運転が行なわれると
２次側気化器のエアバルブが開弁して２次側気化
器からも混合気が機関シリンダ内に供給される。
ところが通常２次側気化器は１次側気化器のチヨ
ーク弁のように混合気を過濃する装置を具備して
おらず、しかも２次側気化器から供給された燃料
の大部分は蒸発することなく液状のままで吸気マ
ニホルド内壁面上に付着するので機関シリンダ内
に供給される混合気は稀薄となり、斯くして機関
暖機運転時に良好な燃焼を確保することができな
いという問題がある。

本考案は機関暖機完了前に高負荷運転が行なわ
れたとしても機関シリンダ内に供給される混合気
が稀薄となることのないエアバルブ式気化器を提
供することにある。

以下、添附図面を参照して本考案を詳細に説明
する。

第１図を参照すると、その全体を符号１で示す
気化器は１次側気化器Ａと２次側気化器Ｂとを有
する。１次側気化器Ａはその１次側エアホーン２
内に１次側スロツトル弁３と、１次側メインノズ
ル４とを具備し、この１次側メインノズル４は図
示しないメイン燃料通路を介して気化器フロート
室５に連結される。一方、２次側気化器Ｂはその
２次側エアホーン６内に２次側スロツトル弁７
と、２次側スロツトル弁７の上流に配置された２
次側メインノズル８と、２次側メインノズル８の
上流に配置されたエアバルブ９とを具備する。２
次側スロツトル弁７は例えばリンク機構を介して
１次側スロツトル弁３に連結されており、１次側
スロツトル弁３が所定開度以上開弁したときに２
次側スロツトル弁７が開弁せしめられる。第１図
並びに第２図に示すように２次側メインノズル８
は中空円筒体１０からなり、この中空円筒体１０
は２次側エアホーン６の直径に沿つて直径全長に
亘つて延びる。更に、中空円筒体１０の両側壁面
上には吸入空気の流れ方向に対して直角方向に開
口する複数個のノズル口１１が所定の間隔を隔だ
てて形成される。中空円筒体１０の内部には燃料
通路１２が形成され、この燃料通路１２はメイン
燃料通路１３並びに燃料計量ジエツト１４を介し
てフロート室５内に連結される。

第１図並びに第３図に示されるようにエアバル
ブ９はその中心からずれた偏心位置においてエア
バルブシヤフト１５に固定され、このシヤフト１
５の気化器ハウジング外方に突出した突出外端部
にはカム１６が固着される。第１図に示されるよ
うにこのカム１６のカム面１７はシヤフト１５の
軸線からの距離が時計回りに増大するように形成
されている。更に、シヤフト１５周りにはコイル
ばね１８が挿着され、エアバルブ９を時計回りに
付勢するようにしている。第１図に示されるよう
にカム１６のカム面１７と常時接触するレバー１
９が気化器ハウジングに取付けられる。このレバ
ー１９の一端部はピボツトピン２０を介して気化
器ハウジングに枢着され、レバー１９の他端部に
はメタリングニードル２１が取付けられる。メタ
リングニードル２１はレバー１９に形成された孔
（図示せず）内に挿入され、レバー１９はメタリ
ングニードル２１上に固定配置のスプリングリテ
ーナ２２上に挿着された圧縮ばね２３によつてメ
タリングニードル２１の拡大頭部２４に圧接せし
められる。一方、メタリングニードル２１の下端
部２５はテーパが付けられており、このテーパ付
下端部２５が計量ジエツト１４内に嵌入して計量
ジエツト１４の流路断面を制御する。

第１図，第４図並びに第５図を参照すると、１
次側メインノズル４上流の１次側エアホーン２内
にはチヨーク弁シヤフト２６に固定されたチヨー
ク弁２７が配置される。このチヨーク弁シヤフト
２６の気化器ハウジングから突出した外端部には
２本の腕２８，２９を有するアーム３０が固着さ
れ、これら腕２８，２９のうちの一方の腕２８に
は自動チヨーク弁装置（図示せず）のバイメタル
３１の外端部が連結される。機関が停止状態にあ
るときにはバイメタル３１は収縮状態にあり、こ
のとき第１図並びに第４図に示すようにチヨーク
弁２７は全閉位置にある。次いで機関が始動され
て自動チヨーク弁装置のヒーター加熱回路に電流
が供給されると自動チヨーク弁装置のヒーターが
加熱され、このヒーターの熱によつてバイメタル
３１が加熱されてバイメタル３１が伸長する。バ
イメタル３１が伸長すると第４図においてアーム
３０は時計回りに回動せしめられ、それによつて
チヨーク弁２７が開弁する。

更に、アーム３０内側のチヨーク弁シヤフト２
６上には一対の腕３２，３３を有するストツプレ
バー３４が回転可能に取付けられ、これら腕３
２，３３の一方の腕３２はアーム３０の腕２９と
係合可能な爪部３５を有する。更に、アーム３０
とストツプレバー３４間にはアーム３０の腕２９
とストツプレバー３４の爪部３５を互いに引寄せ
て通常時には腕２９と爪部３５とを互に当接せし
めるためのコイルばね３６が装着される。一方、
ストツプレバー３４の腕３３はその外周部にチヨ
ーク弁シヤフト２６から半径Ｒの円弧面３７を有
し、この円弧面３７は第４図からわかるように所
定の角度に亘つて延びる。一方、エアバルブ９の
シヤフト１５にはアーム３８が固着され、このア
ーム３８の先端部には円弧面３７と係合可能なピ
ン３９が取付けられる。これらのピン３９と円弧
面３７とは第４図からわかるようにエアバルブ９
が全閉状態にあり、かつチヨーク弁２７が所定開
度以下のときに互に当接する。即ち、チヨーク弁
２７が第４図に示す全閉位置からある程度開弁し
て円弧面３７とピン３９との係合が解除されるま
でアーム３８の回動運動は円弧面３７によつて阻
止される。従つてチヨーク弁２７の開度が小さな
暖機運転に高負荷運転が行なわれて２次側スロツ
トル弁７が開弁せしめられてもエアバルブ９は全
閉状態に保持される。斯くして２次側気化器Ｂか
ら機関シリンダ内に混合気が供給されることがな
いので機関シリンダ内に供給される混合気が稀薄
となるのを阻止することができる。なお、円弧面
３７とピン３９とが当接している暖機運転時に高
負荷運転が行なわれて２次側スロツトル弁７が開
弁するとエアバルブ９には開弁方向に力が加えら
れ、斯くしてピン３９が円弧面３７を強力に押圧
してレバー３４の回動運動を阻止する。しかしな
がらこのような高負荷運転時にはバイメタル３１
に抗してチヨーク弁２７が開弁し、それによつて
機関回転数が上昇するにつれて吸入空気量が増大
できることが必要とされる。従つて上述のように
ピン３９がレバー３４の回動運動を阻止したとし
てもチヨーク弁２７が開弁できるようにアーム３
０とストツプレバー３４間にはコイルばね３６が
装着されている。

一方、チヨーク弁２７が全開した機関暖機完了
後において１次側スロツトル弁３が所定開度以下
のときには２次側スロツトル弁７は全閉状態にあ
る。このとき、第１図に示すようにエアバルブ９
も全閉状態にあり、計量ジエツト１４の流路断面
は最小となつている。次いで１次側スロツトル弁
３が所定開度以上になると２次側スロツトル７が
開弁し、２次側エアホーン６からの空気吸入作用
が開始される。このときエアバルブ９はエアバル
ブ９の上流側と下流側の圧力差による時計回りの
回転力とコイルばね１８による反時計回りの回転
力が釣合う開度まで開弁する。このようにエアバ
ルブ９が開弁するとそれに伴つてカム１６も回動
するためにレバー１９は時計回りに回動せしめら
れ、その結果メタリングニードル２１が持ち上げ
られるために計量ジエツト１４の流路断面が増大
せしめられる。このようにエアバルブ９の開度に
応じて計量ジエツト１４の流路断面が制御され、
斯くしてエアバルブ９の開度に応じて２次側メイ
ンノズル８の各ノズル口１１から噴出する燃料量
が制御される。第１図並びに第２図に示されるよ
うに各ノズル口１１は吸入空気の流れ方向に対し
て直角方向に開口しているので各ノズル口１１か
ら噴出する燃料は吸入空気によつて剪断されて微
粒化せしめられる。従つて燃料の微粒化が極めて
良好となる。

第６図に別の実施例を示す。この実施例ではス
トツプレバー３４の腕３３の外周部に形成された
円弧面４０はチヨーク弁シヤフト２６の軸端から
の距離が反時計回りに徐々に小さくなるように形
成されている。従つてチヨーク弁２７が開弁する
につれてエアバルブ９は徐々に開弁することにな
る。即ち、機関温度が徐々に上昇してチヨーク弁
２７が徐々に開弁すると吸気マニホルドの温度も
徐々に上昇するために燃料の気化が良好となり、
斯くしてチヨーク弁２７が開弁するにつれてエア
バルブ９を開弁せしめて２次側気化器Ｂから混合
気を供給しても機関シリンダ内に供給される混合
気が稀薄となることがない。

以上述べたように本考案によれば機関暖機運転
時に２次側スロツトル弁が開弁するような高負荷
運転が行なわれたとしてもエアバルブが閉鎖状態
に保持されるので機関シリンダ内に供給される混
合気が稀薄になるのを阻止することができ、しか
もこのときチヨーク弁が機関回転数の増大に伴な
つて開弁せしめられるので機関暖機完了前に高負
荷運転を行なつても安定した燃焼を確保できると
共に高出力を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る気化器の側面断面図、第
２図は第１図の−線に沿つてみた断面図、第
３図は第１図のカムとレバーのみを取出して示し
た側面図、第４図はチヨーク弁のストツプレバー
とエアバルブのアームのみを取出して示した側面
図、第５図は第４図の平面図、第６図は第４図と
同様に示した別の実施例の側面図である。 ７……２次側スロツトル弁、８……２次側メイ
ンノズル、９……エアバルブ、１０……中空円筒
体、１１……ノズル口、１４……計量ジエツト、
２１……メタリングニードル、２７……チヨーク
弁、３０，３８……アーム、３４……ストツプレ
バー、３７，４０……円弧面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 気化器２次側スロツトル弁上流に２次側メイン
   ノズルを配置し、該２次側メインノズル上流に閉
   鎖方向へばね付勢された自動開弁型エアバルブを
   配置し、該エアバルブを２次側メインノズルに通
   ずるメイン燃料通路の流路面積を制御するメタリ
   ングニードルに連結して該エアバルブが開弁する
   につれてメイン燃料流路面積を増大せしめるよう
   にしたエアバルブ式気化器において、上記エアバ
   ルブのシヤフトにアームを固着し、１次側気化器
   に配置されたチヨーク弁のシヤフトに別個のアー
   ムを固着すると共に該チヨーク弁シヤフトのアー
   ムを自動チヨーク弁装置のバイメタルに連結し、
   チヨーク弁シヤフトにストツプレバーを回動可能
   に取付け、ストツプレバーに形成した爪部をチヨ
   ーク弁シヤフトのアームに形成した腕に圧接せし
   めるためのばねをチヨーク弁シヤフトのアームと
   ストツプレバー間に挿入し、チヨーク弁開度が所
   定開度以下のときにエアバルブシヤフトのアーム
   と係合してエアバルブを閉鎖状態に保持しかつチ
   ヨーク弁開度が所定開度以上のときにエアバルブ
   シヤフトのアームとの係合が解除されてエアバル
   ブを開弁可能にする円弧面をストツプレバーに形
   成し、チヨーク弁開度が所定開度以下のときには
   エアバルブの開弁方向の回転力によつてエアバル
   ブのアームが上記円弧面上に圧接され、エアバル
   ブのアームと該円弧面との係合が解除されている
   ときにはチヨーク弁シヤフトのアームとストツプ
   レバー間に挿入されたばねのばね力によつてチヨ
   ーク弁シヤフトのアームとストツプレバーとが一
   緒に回転すると共にエアバルブのアームと上記円
   弧面とが係合しているときには該円弧面に対する
   エアバルブシヤフトのアームの圧接力によりスト
   ツプレバーの回動運動が阻止されてチヨーク弁が
   チヨーク弁シヤフトのアームとストツプレバー間
   に挿入されたばねのばね力に抗して回動可能であ
   るエアバルブ式気化器。