JPS5843655Y2 - 内燃機関の吸気絞り弁装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、内燃機関の吸気絞り弁装置に関するものであ
る。

吸気通路に設けた吸気絞り弁の上流に燃料供給装置を配
設した内燃機関、例えば気化器を備えた内燃機関では絞
り弁の開度が比較的小さい時には、吸気加熱手段により
吸気が加熱されようとされ１いと、吸気通路内閣仕出さ
れた燃料力紋り弁の上面に衝突して液化し絞り弁の上面
を下流側に流れてその周囲から吸入空気の流れにより一
部霧化れながら滴下する。

しかし、メインノズル等から吐出された液滴を含む燃料
が絞り弁の上面に衝突する位置が一定ではなく、吸入空
気量及び液滴粒径等によって変動するため、絞り弁の上
面を流れて吸気管内に入る燃料は必ずしも通路の中央に
滴下しない。

更に、吸気通路内では、吸入空気が旋回流として流れて
いるので、前記の如く偏心した位置に燃料が落下供給さ
れると、各気筒に対する燃料の供給量が変動して各気筒
の空燃比が第１図に示したように均一とならない。

このような各気筒間における空燃比のバラツキは、殊に
燃料の気化特注が悪い冷間時はど大きく、機関の安定性
及び燃焼の安定性に悪影響を及ぼしていた。

尚、このような各気筒間における空燃比のバラツキは、
絞り弁の上流に燃料を噴射する型式の機関においても発
生していた。

本考案は、上記欠点を解消すべくなされたものであって
、吸気絞り弁に、開弁時に下流端となる部位を少なくと
も含む部分を除いて燃料気化用のヒータを装着すること
により、絞り弁上面に到達した燃料の気化を促進させ、
以て絞り弁周囲から落下する燃料を極力少くすると共に
、気化しきれない燃料液滴は絞り弁のヒータが欠除して
いる特定箇所から落下させるようにし、ヒータをガイド
として構威し、気化にあずからなかった液状燃料を前記
ヒータ欠除部分から滴化させ、以て各気筒間の空燃比の
バラツキを少くして機関の安定性及び燃焼の安定性を向
上させることを目的とする。

以下、第２図ないし第１６図に示された実施例に基づい
て本考案を詳細に説明する。

第２図及び第３図において、機関の吸気通路１ｔ［或す
る気化器のスロットルチャンバ２に設けた絞り弁３の上
流には燃料供給装置としてのメインノズル４を設けるこ
とにより、ベンチュリ部の負圧、即ち、絞り弁３で制御
される吸入空気量に応じた量の燃料をメインノズル４か
ら吸気通路１内に吐出供給するように構成していること
は従来と同様である。

ここに、前記絞り弁３には、絞り弁軸５の中心線Ａと垂
直な中心線Ｂの下流側端部即ち、絞り弁３が開弁した時
に下流端となる部分（欠除部分）６を除いた周縁上面に
ヒータ７を装着することにより、絞り弁３の上面を液滴
、液膜流となって周囲から流れ出そうとする燃料をヒー
タ７で瞬時に気化させるようにしている。

尚、前記絞り弁３の下流側端部となる部分６にはヒータ
Ｔを装着しｉいのがよい。

これはこの欠除部分６から気化にはあずからなかった液
状の燃料が落下するのであるが、前記欠除部分６とボア
１８との隙間１９には絞り弁３の開度が小さい時でも吸
入空気流が集中するので、流下する燃料が霧化し易く、
かつ、前記部分６は一般に図示しない吸気マニホールド
の中心に真上に設けられると共に、この位置、即ち、液
滴燃料の滴下位置が常に一定であるので、吸入空気量の
変化によっても各気筒に燃料を均等に分配でき、空燃比
のバラツキを低減できるからである。

もし前記下流側端部となる欠除部分６にもヒータ７が設
けてあれば従来と同様に気化にあずからない液状の燃料
が絞り弁の不特定箇所から落下することになる。

ここにおいてヒータ７は液状燃料を欠除部分６に導くガ
イドとしての機能をも果たし、気化にあずからなかった
液状燃料がヒータに沿って流下する途中で一部はヒータ
と接触しつつ気化が促進される。

そして最後１で気化されなかった燃料が前記欠余部分６
から流下するのでその流下量も更に減少しより一層分配
特性が効果的に得られる。

第４図ないし第１３図はそれぞれヒータ取付態様の変形
＝ｆｌＪを示したものであって、これらの図に示すよう
に、絞り弁３の上流端となる部分８及び絞り弁３の回転
軸となる端部９にそれぞれヒータ７を設けなくともよい
。

要は絞り弁から液滴状になって滴下する燃料が一定位置
部ちヒータの備わっていない外周部から滴下するように
構成すれば空燃比変動を防止できるからである。

又、全面にヒータ７を装着し、あるいは絞り弁３の上面
縁に立上り縁１０を設け、絞り弁３の下流端となる部分
６のみの立上り縁を削除することにより、液滴燃料の滴
下位置を機械的に規制するようにしてもよい。

第１４図は燃料供給装置として絞り弁３の上流に燃料噴
射弁１１を設けたものであるが、この場合にも噴射弁１
１から噴射されて絞り弁３の上面に衝突した燃料は、該
絞り弁３に装着したヒータ７の加熱作用を受けて気化さ
れ、あるいは、液滴燃料の滴下位置が特定されるので各
気筒間にかける空燃比のバラツキを少くできることは詳
述する昔でもない。

即ち、絞り弁３の上流で吸気通路１内に吐出された燃料
は、絞り弁３の上面に達した時点でヒータ７にて加熱さ
れ、気化されると共に、気化されなかった液滴燃料はヒ
ータのガイド作用を受けて気化されつつ絞り弁３の特定
位置（ヒータ欠除部分）のみから滴下するので、各気筒
に供給される混合気の空燃比特性は第１５図に示したよ
うに略均−化されるため、機関の安定性及び燃焼の安定
性が向上するのである。

第１６図はヒータ７の配線図例を示したものであって、
ヒータ７とバッテリ１２とＱ司を、冷機時に閉成する温
度スイッチ１３と、オルタネータ１４の作動時、即ち機
関の運転時に閉成するリレー１５とイグニッションスイ
ッチ１６とヲ介シて接続することにより、吸気通路１に
吐出された燃料が気化し難い昧即ち、冷機状態での運転
時にのみヒータ７を通電加熱して燃料の気化を促進させ
るようにしている。

しかし機関の運転全域でヒーータ７を通電加熱するよう
にしてもよいことはもちろんである。

またアイドリンク時に絞り弁３の下流のみから燃料を供
給するようにした場合は、アイドリンク時におけるヒー
タ７の通電加熱を中断してもよい。

更に、ヒータ７としては正特性サーミスタからなる面状
ヒータであることが好１しく、例えば、結晶性樹脂と炭
素粉末とを主材料とした自己温度制御型のものを利用す
れば、ヒータ７自身による温度制御作用を行わせ得ると
共に、絞り弁３に対する特殊印刷が可能であるので、ヒ
ータ７を任意のパターンとして性能本位に設計できる。

また、ヒータ部を第１３図に示すように絞り弁上面部よ
り幾分突出させて設ければ、気化にあずからなかった液
状燃料に対するヒータのガイド機能を完全にヒータ部に
沿って流下するので向上させ同時に気化の促進をも助長
する。

以上述べたように、本考案によれば絞り弁上流で吐出さ
れた燃料が絞り弁に到達すればヒータによる加熱作用を
受けて効率よく気化する。

また気化にあずからない液状０２料は、開弁時に少なく
とも下流端となる絞り弁の部位にヒータがないため、と
のヒータ欠除部位にヒータにより導かれて該部位より特
定位置に向けて滴下するから従来の如く絞り弁の不特定
位置から滴下するようなことがない。

またヒータによる上記燃料ガイド時にも気化の促進が助
長される。

従って吸入空気量が変化しようとも燃料の分配が安定し
て均一化され、気筒間における空燃比のバラツキを少〈
できるため、機関の安定性及び燃暁の安定性が向上し、
運転性及び排気特性が改善されるものである。

又燃料の気化性能が向上した分だけ燃料の有効利用がは
かられその結果空燃比を希薄化できるから燃費が一段と
向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例による気筒間の空燃比特性図、第２図は
本考案の位置実施例を示す要部の縦断面図、第３図は同
上絞り弁の平面図、第４図ないし第１２図はそれぞれ絞
り弁に設けたヒータのパターン例を示す平面図、第１３
図は第１２図の正面図、第１４図は本考案の他の実施例
を示す要部の縦断面図、第１５図は本考案による気筒間
の空燃比特性図、第１６図はヒータの電気的接続例の一
例を示す回路図である。 １・・・吸気通路、３・・・吸気絞り弁、４・・・メイ
ンノズル（燃料供給装置）、５・・・絞り弁軸、６・・
・絞り弁の開弁時に下流端となるヒータ欠除部分、７・
・・ヒータ、８・・−＝Ｖ、＋（ヒータ欠除部分）、９
・・・端部（ヒータ欠除部分）、１１・・・燃料噴射弁
。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）吸気通路に設けた吸気絞シ弁の上流に燃料供給装
   置を装着した内燃機関において、前記吸気絞り弁の上面
   に、開弁時に下流端となる部位を少なくとも含む部分を
   除いて燃料気化用のヒータを装着するとともへ該ヒータ
   を、気化にあずからなかった液状燃料を前記ヒータ欠除
   部分に導いてここから滴下させるガイドとして構成した
   ことを特徴とする内燃機関の吸気絞り弁装置。
2. （２）吸気絞り弁は上面周囲特定部に立ち上がり縁を有
   してなる実用新案登録請求の範囲第１項に記載の内燃機
   関の吸勿絞り弁装置。