JPS6113506Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は迅速宜つ確実に取付け可能なカウンタ
ウエイト装置の構造に関する。

大型の移動式クレーンを運搬する場合は、関係
法規により車両の積載重量が制限されているた
め、ブームと機械本体とに分解し、さらに機械本
体からカウンタウエイトを取外し、これらを別個
に運搬しており、カウンタウエイトは度々着脱し
なければならない。

しかるに従来カウンタウエイトはボルト等の締
結具で取付けられているため、着脱に時間が掛る
問題があつた。

本考案は以上の問題を解決するためになしたも
ので、カウンタウエイト取付部上面の一側に、水
平方向の相対移動により係合、離脱を行い得るよ
うにしたピンとフツクからなる係止具の一方を固
設すると共に、他側に前記係止具から遠ざかる方
向に向けて下り勾配を有する斜面を形成し、カウ
ンタウエイト本体の底面に、前記係止具に係合す
る他方の係止具を固定すると共に、前記斜面に一
致する斜面を形成し、更に前記カウンタウエイト
本体の重心を前記斜面より反係止具側に位置せし
めたことを特徴とするものである。

以下本考案の実施例を図面により説明する。

第１図及び第２図は本考案の一例を示すもの
で、カウンタウエイト１はカウンタウエイト本体
２の底部３に、傾斜角θの斜面４を壁部の一つに
設けた凹部５を設け、該凹部５の底部にフツク６
を前記斜面４に口部７が向く状態で固定してお
り、前記斜面４はカウンタウエイト取付けフレー
ム８に設けた凸部１６の斜面９に当接でき、また
前記フツク６は前記取付けフレーム８に固定した
ピン１０付きブラケツト１１に係合できるように
なつている。なお、前記斜面４，９は、フツク６
及びピン１０からなる係止具から遠ざかる方向に
向けて下り勾配となるように形成されている。ま
たカウンタウエイト１の重心１２は前記斜面４を
基準にして反フツク側に位置している。

いま第１図の状態においてカウンタウエイトを
取外す場合は、クレーンにてカウンタウエイト１
を吊上げてピン１０を中心に図において時計方向
へ回転せしめ、第３図において仮想線で示すよう
にカウンタウエイト本体側の斜面４下端の位置が
カウンタウエイト取付けフレーム側の斜面９上端
の位置より上に出たところで、即ちカウンタウエ
イト１が1/2θに傾斜したところで、カウンタウ
エイト１の上昇を止め、こんどはカウンタウエイ
ト１を図中右方向に水平移動してフツク６とピン
１０との係合を解き、カウンタウエイト取付けフ
レーム８から取外す。

一方、カウンタウエイトを取付ける場合は、第
３図に示すようにカウンタウエイト１をカウンタ
ウエイト取付けフレーム８上に吊下げてフツク６
をピン１０に係合する。しかる後、カウンタウエ
イト１を徐々に降ろす。カウンタウエイト１はピ
ン１０を中心に図において反時計方向に回転し、
斜面４がカウンタウエイト１１の自重により取付
けフレーム側の斜面９に強く押圧し又凸部１６が
凹部５に嵌合してカウンタウエイト１はカウンタ
ウエイト取付けフレーム８に固定される。このと
き、カウンタウエイト１の重心１２が斜面４に対
して反係止具側にあるので、斜面４，９により、
カウンタウエイト１は後方（反係止具側）に引張
られるように作用され、従つて係止具６，１０の
係合が外れるようなことはない。

以上カウンタウエイトを取付けフレームに固定
する例を示したが、カウンタウエイト本体２の上
面に前記と同様に斜面９ａとピン付きブラケツト
１１ａを設けるようにすれば、カウンタウエイト
１を多段に設けることも可能である。またカウン
タウエイト１と取付けフレーム８との締結をより
強固にするため、カウンタウエイト本体２と取付
フレーム８の夫々にロツク用ブラケツト１３，１
４を設け、該ブラケツト１３，１４を締結ピン１
５により連結するようにしてもよい。

第４図は他の実施例を示すもので、第１図に示
した係止具とは反対にフツク６を取付けフレーム
８に固定し、ピン付きブラケツト１１をカウンタ
ウエイト本体２に固定している。

本考案は前記したような構成であり、カウンタ
ウエイトをボルト等の締結具によらずに取付られ
るので、迅速且つ確実なカウンタウエイト着脱作
業が可能となり、しかもカウンタウエイトの重心
が斜面よりも反係止具側に位置しているので、カ
ウンタウエイトの重量と斜面による相互作用によ
り、係止具の係合をより確実に保持させる方向に
カウンタウエイトを常に引張つておく力が作用
し、よつてカウンタウエイトの安定した支持が可
能となる、等の優れた効果を奏し得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一例を示す断面図、第２図は
本考案の要部を示す斜視図、第３図は本考案の作
動を説明する図、第４図は本考案の他の実施例を
示す説明図である。 １……カウンタウエイト、２……カウンタウエ
イト本体、４，９，９ａ……斜面、６……フツ
ク、８……取付けフレーム、１１，１１ａ……ピ
ン付きブラケツト、１２……重心。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. カウンタウエイト取付部上面の一側に、水平方
   向の相対移動により係合、離脱を行い得るように
   したピンとフツクからなる係止具の一方を固設す
   ると共に、他側に前記係止具から遠ざかる方向に
   向けて下り勾配を有する斜面を形成し、カウンタ
   ウエイト本体の底面に、前記係止具に係合する他
   方の係止具を固定すると共に、前記斜面に一致す
   る斜面を形成し、更に前記カウンタウエイト本体
   の重心を前記斜面より反係止具側に位置せしめた
   ことを特徴とするカウンタウエイト装置。