JPS6113049B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、各種の軟弱地盤を造成する杭打機
等に吊設される伸縮撹拌軸を適宜伸縮自在として
深層地盤又は比較的に浅層地盤にも適宜順応せし
めて、安定材を注入混合して硬化層を造成するた
めの軟弱地盤に於ける安定材注入混合地盤改良工
法及びその装置に関する。

一般にこの種の軟弱地盤の造成に使用する安定
材注入用の撹拌軸は、一体的のロツドより構成さ
れたものが普通に使用されている現状である。然
し、この場合は、ヘドロや沼地等の作業が困難で
ある関係上、浚渫作業を小型化された装置を使用
しないと作業開始までに多くの設備、手間及び時
間、更には多大の費用を必要とするものである。
また、長い撹拌用ロツドを使用するものでは、そ
の運搬が面倒であつて、タワーの駆動装置に吊設
する作業もまた非常に大変である等の欠点があ
る。

この発明は、以上の点に鑑みて、軟弱地盤改良
に用いる杭打機等のタワーに吊設される伸縮撹拌
軸を外筒管と内挿管とで構成し、該外筒管と内挿
管とを伸縮自在に連結し、内部を通過注出する安
定材を下端の撹拌翼で噴出混合撹拌して均等な広
い範囲の造成柱を作るようにした方法と装置を提
供するものである。

次に、この発明の改良工法とする所は、タワー
に吊設された下端に撹拌翼を設けた伸縮撹拌翼に
連結された減速機を介した駆動装置により回転運
動させながら、伸縮撹拌軸を地盤内に於いて削
孔、安定材の注入、撹拌しながら途中の所定位置
まで掘削し、伸縮撹拌軸の上部位置における回定
ピンを取外し、外筒管より内挿管を上方に引延し
てから固定ピンで再度固定し、再度掘削、安定材
を注入しながら所定深さまで混合回転する。その
後外筒管及び内挿管を同時に回転しながら引揚
げ、所定位置まで上昇後に該固定ピンを取外して
内挿管を下降せしめて外筒管内に収縮収納し、固
定ピンで固定後に再度撹拌混合しながら伸縮撹拌
軸を引揚げて造成する事を特徴とする地盤改良工
法にある。

更に、この発明の装置とする要旨は、杭打機等
のタワーに吊設される駆動装置及び撹拌軸を有す
る地盤改良に於いて、駆動装置にジヨイントされ
る伸縮撹拌軸は、内部に安定材を圧送する注入管
を有する外筒管と内挿管とで構成されると共に、
該外筒管と内挿管は伸縮自在に形成され、該外筒
管の下端には嵌合部を形成せしめると共に、嵌合
部に撹拌翼の上部に設けた挿嵌部を着脱自在に嵌
着せしめ、且つ、該撹拌翼には所定位置に注出口
を形成せしめた事を特徴とする地盤改良装置にあ
る。

以上この発明に係る軟弱地盤に於ける安定材注
入混合地盤改良工法及び装置の一実施例を図面に
ついて具体的に説明する。Ａは自走式杭打機であ
つて、この杭打機Ａにはタワー２を立設せしめて
ある。このタワー２には、ロープを介して昇降す
るスイベル機構を有する駆動装置を吊設し、該駆
動装置３の下方に着脱自在にジヨイントされる伸
縮撹拌軸１は、内部が中空で安定材が圧送される
ようになつていて、外側の外筒管４と内側の内挿
管５とで構成されると共に、該外筒管と内挿管は
伸縮自在に形成されている。前記外筒管４の下端
には嵌合部７を装設すると共に、外周にカツター
１５，１５を取付けた撹拌翼６の上端に挿嵌部１
４を連結ピン１７によつて着脱自在に嵌着せしめ
るものである。

次に、該外筒管４には、上部に該内挿管５を収
縮又は伸長している時に固定ピン１３を挿入して
連繋する連結部１２を装設せしめている。

また、下方には水を入れて掃除する取外し自在
のドレンプラグ８を装設せしめてある。９は外筒
管４の内部に縦設されている安定材が通過する注
入管であ。次に、内挿管５には上端に連結部１０
を形成せしめると共に、下端には外筒管４を係止
するストツパー１１を装設せしめてある。１６は
撹拌翼６の所定位置に必要数穿設した安定材の注
出口である。尚、図中１８は撹拌用油圧ユニツ
ト、１９はベースマシンで、２０は安定材混合装
置２１に連通する安定材圧送管である。２２は各
種の軟弱地盤を示し、２３は硬化された造成柱を
示すものである。

この発明は以上のように構成したので、伸縮撹
拌軸１を回転して上下に昇降する駆動装置３に連
結させた伸縮撹拌軸１を軟弱地盤に対して、第２
図イ図に示す如く収縮した状態で減速機を介した
駆動装置３により、回転運動させながら伸縮撹拌
軸１を地盤２２内に向つて第２図ロの如く、下端
の撹拌翼６で削孔、注出口１６より排出する安定
材を注入し軟弱土とを混合撹拌をしながら撹拌軸
１が収縮した状態で所定位置の途中まで混合掘削
する。次に、第２図ハ図の如く、伸縮撹拌軸１の
上部位置の固定ピン１３を取外して、外筒管４よ
り内挿管５を駆動装置３と共に上方に引延して固
定ピン１３で固定する。その後、再度撹拌翼６で
削孔すると同時に注出口１６よりの安定材とを混
合撹拌して安定層第２図ニ図の如く構成する。次
に、削孔、注入、撹拌が完了したら第２図ニ図の
位置から、伸縮撹拌軸１を回転撹拌しながら途中
の第２図ホ図の所要位置まで上昇せしめ、固定ピ
ン１３を取外して外筒管４内に内挿管５を第２図
ヘ図の如く下降収縮せしめ、再度固定ピン１３を
以て固定し、撹拌作業を実施しながら収縮した状
態で伸縮撹拌軸１を引揚げて、一回の工程作業が
完成するものである。この様に改良された硬化層
は円柱状の造成柱２３の様に構成され、この造成
柱２３を隣接したり、所要間隔を設けて造成する
ものある。

なお、この伸縮撹拌軸１は作業終了時には必ら
ず内部に水を通じて十分に洗浄するものである。

以上の様にこの発明の地盤改良工法及び装置に
よれば、下端に注出口１６を設けた撹拌翼６を伸
縮撹拌軸１に回転自在に連結し、最初に撹拌軸１
を収縮した短い状態で途中まで注入撹拌し、その
後撹拌軸１を引延して混合撹拌させ安定層まで造
成するものであるから、施工操作は非常に簡単で
あると共に、自走式杭打機及びタワー等を極力小
型できという優れた効果と、軟弱地盤が深層、浅
層であつても撹拌軸の簡単な伸縮自在な調整操作
によつて地盤改良が充分達成できる実利的な効果
がある。更に、所定深さまで達成した伸長された
撹拌軸の外筒管及び内挿管とを同時に撹拌しなが
ら引揚げるので、安定材は充分混合撹拌されて強
度の大なる均等な造成柱を造成するものである。
そして、所定位置まで上昇した後に内挿管を下降
せしめて外筒管内に収縮収納し、これを固定して
再度撹拌混合して伸縮撹拌軸を引揚げるものであ
るから、駆動装置の昇降範囲が非常に少なくなり
全体を著しく小型化できると共に、作業能率が非
常に良好となる優れた効果がある。そして、動力
源を著しく節約できる優れた効果と、撹拌軸を著
しく短い長さに収納できると言う従来にない施工
上の優れた特性を有するものである。

更に、この発明における地盤改良装置は、駆動
装置にジヨイントされる伸縮撹拌軸は、外筒管と
内挿管とで構成されると共に、該外筒管と内挿管
は伸縮自在に形成してあるので、撹拌軸を著しく
強固且つ小型化できると共に、施工時の移動及び
運搬等に大変便利であると言う経済的な特長があ
る。更に、外筒管の下端に嵌合部を形成し、該嵌
合部に撹拌翼の上部に設けた挿嵌部を着脱自在に
嵌着せしめたので、着脱の便利さと、各種のカツ
ターを設けた撹拌翼を地盤に応じて取換選択して
極めて容易に使用できると言う優れた実利的な効
果がある。

【図面の簡単な説明】

図面はこの発明の一実施例を示すもので、第１
図は軟弱地盤に安定材混合地盤改良工法及び装置
の全体作動状態の側面図、第２図イ，ロ，ハ，
ニ，ホ，ヘ，トはこの発明の工法の順序を示す造
成された地中の縦断側面図、第３図は同じく撹拌
軸が収縮された一部欠除した縦断側面図、第４図
は同じく伸長した一部欠除した縦断側面図、第５
図は撹拌翼の一部欠除した側面図、第６図は同じ
く平面図である。 符号、１は伸縮撹拌軸、２はタワー、４は外筒
管、５は内挿管、６は撹拌翼、７は嵌合部、９は
注入管、１０は連結部、１１はストツパー、１２
は連結部、１３は固定ピン、１４は挿嵌部、１５
はカツター、１６は注出口、２２は軟弱地盤、２
３は造成柱である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ タワーに吊設される駆動装置には、下端に撹
   拌翼を設けた伸縮撹拌軸を連結し、該伸縮撹拌軸
   は内部に安定材が圧送される注入管を縦設した外
   筒管と内挿管とで構成され、且つ該外筒管と内挿
   管とを固定ピンの着脱によつて伸縮自在に構成し
   た軟弱地盤に於ける安定材注入混合地盤改良装置
   を使用する地盤改良工法に於いて、前記駆動装置
   により回転運動する該伸縮撹拌軸の下端の撹拌翼
   によつて地盤中を掘削し、該撹拌翼に穿設した注
   出口より排出する安定剤と軟弱土とを混合撹拌を
   して所定位置まで掘削し、該伸縮撹拌軸の上部位
   置における固定ピンを取外し、外筒管より内挿管
   を駆動装置と共に上方に引延した後固定ピンで内
   挿管の下端と外筒管の上端とを定着し、再度撹拌
   翼のカツターで掘削すると同時に注出口より排出
   する安定材と軟弱土とを混合撹拌して所定深さま
   で混合撹拌し、その後外筒管及び内挿管を同時に
   回転しながら引揚げ、所定位置まで上昇後に固定
   ピンを取外して内挿管を下降せしめて外筒管内に
   収縮収納し、固定ピンで固定後に再度安定材と軟
   弱土とを撹拌混合しながら伸縮撹拌軸を引揚げて
   造成柱を構成する事を特徴とする軟弱地盤に於け
   る安定材注入混合地盤改良工法。 ２ 杭打機等のタワーに吊設される駆動装置及び
   撹拌軸を有する地盤改良装置に於いて、該駆動装
   置にジヨイントされる伸縮撹拌軸は、内部に安定
   材が圧送される注入管を縦設した外筒管と内挿管
   とで構成されると共に、該外筒管と内挿管とは固
   定ピンの着脱によつて伸縮自在に形成され、該外
   筒管の下端には嵌合部を形成せしめると共に、嵌
   合部に撹拌翼の上端に設けた挿嵌部を連結ピン等
   を以て着脱自在に嵌挿せしめ、且つ該撹拌翼の所
   定位置には内部より安定材を注出する注出口を穿
   設すると共に、外周には数個のカツターを形成せ
   しめた事を特徴とする軟弱地盤に於ける安定材注
   入混合地盤改良装置。