JPS6111384Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、マンシヨン等の集合住宅、オフイ
ス、病院、体育館及び教室等の多層コンクリート
建物の床下地装置に適用される床下地用器具に関
する。

近年、この種大型建物は、不燃等の理由により
金属製の床下地装置が使用されており、本出願人
は先に出願した特願昭55−6650号において、水平
でかつ平滑な床面を得、また丈が低くかつ簡単に
施工でき、更に床上への湿気の放散を少なくすべ
く、コンクリート床スラブ上に自己水平性プラス
ターを流し込み、該プラスター上に多数の根太材
を載置・固定し、更にこれら根太材上に床下板を
固定してなる床下地装置を提案したが、このもの
においては、根太材が水平なプラスター上に単に
防振用ベースを介して載置されるか、または防振
ゴムを介しコンクリート釘等で簡単に固定される
構造であつたため、長期に亘る湿気により床下板
が膨張すると、その膨張力により根太材がプラス
ター上から簡単に持上つたり、横方向へ移動した
りして、床下板上に載置されている表面材に凹凸
を生ずる虞れがあつた。

そこで、本考案は、水平かつ平滑に形成された
床面上に床下地用器具を介して根太材を固定する
ようにした床下地装置において、上記床下地用器
具を、根太材を抱持する根太クツシヨンと、床面
に強固に固定される固定部材を有し、該根太クツ
シヨン把持する根太クツシヨン固定金具とで構成
し、それにより根太材を強固に固定することによ
り上述した欠点を解消し、しかも施工が容易にで
きるようにした床下地用器具を得ることを目的と
するものである。

以下、図面に沿つて、本考案による実施例を説
明する。

床下地装置１は、第１図に示すように、コンク
リート床スラブ２上に流し込まれる自己水平性プ
ラスター３を有している。該プラスター３は流動
性に富み、スラプ２上に流し込むと自然に水平面
を保ち、所定時間後硬化して、精度の高い平滑な
床面が得られる。そして、この水平で平滑なプラ
スター３上には本考案の床下地用器具５を介して
断面ハツト状の鋼製の根太材６が固定され、根太
材６上には大型積層合板等よりなる床下板７がタ
ツプタイトネジ９等により固定され、更に床下板
７上にはカーペツト、ビニルタイル或いは畳等の
表面材１０が載置される。

床下地用器具５は、根太材６を抱持固定するゴ
ム等の弾性材からなる根太クツシヨン１１と、該
根太クツシヨン１１を把持固定する根太クツシヨ
ン固定金具１２とから構成されている。そして、
上記根太クツシヨン１１は、第２図に示すよう
に、半体部材１３ａと１３ｂとよりなる平面矩形
状の基体１３を有し、その上部両側に根太材６の
下部フランジ立上り部６ａを巾広く抱持固定する
ための内側に折曲して形成された根太抱持部１５
を備え、またその下部両側に後述する固定金具１
２の根太クツシヨン把持部２０によつて把持され
るフランジ部１６を有していて、更に上記半体部
材１３ａと１３ｂとは上部に円弧状に突出する薄
肉部１７によつて連結されるようになつている。
また、根太クツシヨン固定金具１２は、第３図及
び第４図に示すように、片板状の矩形基板１９を
備え、その両側部には上記根太クツシヨン１１の
両側下部に設けられたフランジ部１６を巾広く把
持するためのコ字状に屈曲された根太クツシヨン
把持部２０を有し、更に基板１９の中央部分に設
けられた孔から固定ボルト２１が挿通され、その
頭部２２が基板１９上面において溶接等によつて
固着されている。なお、根太クツシヨン１１のフ
ランジ部１６上部に第２図に示すように溝状部１
６ａを設け、そこに固定金具１２の把持部２０の
端縁を挿入するようにしても良い。

次に、本床下地用器具を用いた工法について説
明する。まず、第１図に示すように、水平かつ平
滑に形成されたプラスター３上の複数個の所定位
置にドリル等により下層のスラブ２に達する孔２
３をあけ、そこにエポキシ系接着剤２５を注入
し、固定金具１２のボルト２１を挿入し、強固に
固着される。次で、固定金具１２のコ字状の巾広
い根太クツシヨン把持部２０内に根太クツシヨン
１１のフランジ部１６を嵌合把持させる。その
際、根太クツシヨン１１は薄肉部１７の存在によ
つて容易に撓み、上記嵌合作業は極めて円滑とな
る。次で根太クツシヨン１１の根太材抱持部１５
を手等で拡開するようにして根太材６のフランジ
立上り部６ａを抱持し、順次根太材６を配設して
いく。なお、予め根太材６、根太クツシヨン１１
そして固定金具１２を一体に組立てたものを用
い、その固定金具１２のボルト２１を上述のよう
に孔２３に接着剤２５で固定してもよい。こうし
て、鋼製根太材６が、第５図に示すように、多数
平行に設置される。ついで、床下板７を根太材６
上にタツプタイトネジ９等により張り、該床下板
９上に表面材１０を配設して、床工事が完了す
る。

なお、上述実施例は、固定ボルト２１を接着剤
２５により固定したが、スラブ２にアンカープラ
グを植設し、該プラグに固定ボルト２１を螺合・
固定するようにしても良く、また、床面に自己水
平プラスター３を用いなくても、金ゴテ仕上げで
コンクリート表面を水平に保ち、該表面に床下地
用器具５を固定しても良いことは勿論である。更
に、湿気等が少なく、表面材に凹凸を生ずる虞れ
がない場合、固定金具１２を外して、根太クツシ
ヨン１１を直接プラスター３表面に接着し、根太
クツシヨン５のみで用いることもできる。

以上説明したように、本考案によれば、床下地
用器具５の根太クツシヨン固定金具１２の固定部
材２１が、水平かつ平滑な床面に強固に固定さ
れ、その固定金具１２の把持部２０により根太ク
ツシヨン１１が巾広く把持され、更に根太クツシ
ヨン１１の抱持部１５で根太材６が巾広く抱持さ
れ得るので、長期に亘る湿気の影響により床下板
７が膨張しても、根太材６が根太クツシヨン１１
から離脱しにくく、また根太クツシヨン１１が固
定金具１２から離脱しにくく、更に固定金具１２
が床面から離脱しにくいので、根太材６に持ち上
り或いは横方向への変位が何ら生ぜず、従つて、
表面材１０に凹凸を生ずることがなくなる。ま
た、床下地用器具５の根太クツシヨン１１はその
基体１３が薄肉部１７を有していることにり、施
工時この薄肉部１７の屈曲作用により組立てが容
易となり、そのため工期の短縮が図れ、施工後は
逆に屈曲しにくい形態に組込まれるので、特別な
結合装置等を用いていないにも拘らず各部の結合
が強固となり、更に、根太クツシヨン１１と固定
金具１２との固定は、接着剤及び焼付けによらな
いので、安価に製造することができる。また、根
太クツシヨン１１はゴム等の弾性体より製作され
ており、かつ床面側に固定される根太クツシヨン
固定金具１２と床下板側に固定される根太材６と
の縁が、所定厚さからなる根太クツシヨン１１に
より完全に断たれるので、床の振動及び騒音を遮
断して静粛な環境を維持することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による床下地用器具を適用した
床下地装置の正面断面図、第２図は実施例の床下
地用器具の一部品である根太クツシヨンの正断面
図、第３図及び第４図は本考案の床下地用器具の
もう一つの部品である根太クツシヨン固定金具を
示し、第３図はその平面図、第４図はその正面
図、そして第５図は本考案の床下地用器具を用い
た施工例を示す平面図である。 １……床下地装置、２……コンクリート床スラ
ブ、３……床面（プラスター）、５……床下地用
器具、６……根太材、１１……根太クツシヨン、
１２……根太クツシヨン固定金具、１３……基
体、１３ａ，１３ｂ……半体部分、１５……根太
材抱持部、１６……フランジ部、１７……薄肉
部、１９……基板、２０……根太クツシヨン把持
部、２１……固定部材（ボルト）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 薄肉部で連結される２つの半体部材により形成
   される平面矩形状の基体と該基体の上部両側に内
   側に折曲して形成された根太材抱持部と該基本の
   下部両側に設けられたフランジ部とを有するゴム
   等より成る根太クツシヨン、及び矩形状基板と該
   基板の両側に設けられた上記根太クツシヨンのフ
   ランジ部を把持するコ字状の把持部と施工床面に
   固定される固定部材とを有する根太クツシヨン固
   定金具とで構成した床下地用器具。