JPS6111100B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、従来の超音波診断装置に記憶装置を
備えることにより、前記超音波診断装置に具備さ
れたCRT上に表示される超音波ビームによる被
検体体内の断層像を静止させる機能を有する超音
波診断装置に関する。

近年、医学的診断のため、患者の体内組織の断
層像を超音波を利用して、CRTに画像情報とし
て映出させる超音波診断装置がかなり普及してい
る。すなわち、被検体内の断層像を得るために超
音波を利用する利点はその無侵襲性、及び低価格
の割に得られる情報量が多いことによるものであ
る。超音波診断装置による診断方法には、(1)被検
体内部に超音波ビームを送波し、体内の音響的イ
ンピーダンスの異なる組織境界面よりの反射エコ
ーを受波し、このエコーの強度を振幅として表示
するＡモードと、(2)被検体内部に超音波ビームを
送波し、(1)同様に音響インピーダンスの異なる境
界面よりの反射エコーを受波し、このエコー強度
でCRTなどに輝度変調をかけてエコーの位置を
表示し、次に送波位置を移動し、再度超音波ビー
ムを送波し、反射エコーを受波したら、その位置
をCRTの別の走査線上に表示するという操作を
繰り返し、最終的に断層像を表示するＢモード等
がある。

また、(2)のＢモードによる断層像をリアルタイ
ムで観察する目的で、機械的または電子的に高速
に超音波ビームの方向を変える方式が採用されて
いる。更に、このような断層像最影の場合に超音
波ビームを扇形状に走査するセクタ走査と、超音
波ビームを平行に等間隔で順次走査するリニア走
査等の走査方法もある。

従来、前述したリアルタイムで被検体内部の断
層像をCRT等の表示装置に映出する超音波診断
装置において、診断上表示された断層像上の任意
の走査線上の振幅情報をＡモードによつて断層像
とともに表示する機能を有した装置がある。しか
し、このようなCRT上の任意走査線上の振幅情
報をＡモードによつて表示する場合、例えば心臓
のように動きが早く、激しい観察対象部位だと、
Ａモード表示もリアルタイムで表示されるため、
時々刻々と変化して表示される。したがつて、観
察者である医師にとつては、被検体内部組織の相
対的位置確認及び心拍同期時の被検体内部の観察
対象部位の位置変化を確認する目的に対して、前
述のようにリアルタイム表示のＡモード像では非
常に見難いため、前記目的のための測定対象部位
間の距離測定が困難であるという欠点がある。

本発明は、上記欠点を解消するために、従来の
超音波診断装置に、画像情報を記憶するための記
憶装置を備えることにより、CRT上の任意走査
線上の静止したＡモード表示を可能とし、更に時
相設定回路を備え、任意設定時相の前述同様の静
止したＡモード表示を可能にした超音波診断装置
を提供するものである。

以下図面を参照しながら本発明の一実施例につ
いて説明する。

第１図において、１は超音波プローブ、２は送
受信信号制御回路、３は基準信号発生回路、４は
受信信号処理回路、５は走査位置制御回路、６は
偏向信号発生回路（以下Ｂモード用備向信号発生
回路という）、７は記憶装置、８はＢモード用TV
モニター、９は被検体、１０は心電増幅器、１１
は時相設定回路、１２は記憶タイミング信号発生
回路、１３はＡモード表示用ポジシヨンセレクタ
ー、１４はＡモード表示用Ｘ軸スイーブ信号発生
回路（以下、Ａモード用偏向信号発生回路とい
う）、１５はＡモード用TVモニターを示すもので
ある。

次に第２図を用いて、第１図の本発明の一実施
例の回路動作について説明する。

最初に超音波プローブ１は基準信号発生回路３
から第２図ａに示した基準信号を受け、前記超音
波プローブ１の被検体９との当接面に多数配列さ
れた振動子（図示せず）が送受信信号制御回路２
からの駆動信号により励起し、被検体９体内に向
つて超音波ビームを送波する。送波された超音波
ビームは被検体内部の音響インピーダンスの相異
する境界面により反射され、この反射エコーは再
び超音波プローブ１によつて受波され、受波され
た反射エコーは振動子によつて再度電気信号に変
更され、この受信信号は送受信信号制御回路２を
経由し、受信信号処理回路４に入力される。受信
信号処理回路４からの出力信号は第２図ｂ）に示
すような信号波形となり、この出力信号は走査制
御回路５からの走査位置信号により任意設定時相
時に記憶装置７に１フレーム相当量記憶される。
前記任意設定時相は被検体９の心電波形を心電増
幅器１０により得られる波形を参考とし、時相設
定回路１１により任意に所望時期を選択し決定す
ることにより、記憶すべき時相に対応したタイミ
ング信号が記憶タイミング信号発生回路１２より
記憶装置７に出力される。これにより前述のよう
に任意時相時の断層像表示のための１フレーム相
当量の情報が記憶装置７に記憶され、その後、記
憶装置７から読出しを行ない、同時に偏向信号発
生回路６よりＸ，Ｙ軸スイーブ信号をＢモード用
TVモニター８に出力することにより検査対象部
位の任意時相時の静止断層像がモニター８に表示
される。次に、モニター８上に表示された断層像
の任意の走査線上の振幅情報をＡモードとして表
示することを所望する場合、Ａモード表示用ポジ
シヨンセレクター１３を操作し、断層像表示画面
上のＡモード抽出線を移動することにより、同時
に記憶装置７に読出し位置信号（第２図ｃ）を出
力することにより、記憶装置７より所望の情報す
なわち１走査線相当の振幅情報（第２図ｄ）がＡ
モード表示用モニター１５に出力される。また、
前記Ａモード表示用ポジシヨンセレクター１３よ
りの位置信号はＡモード用偏向信号発生回路１４
より、Ｘ軸スイーブ信号（第２図ｅ）、ブランキ
ング信号（第２図ｆ）がモニター１５に出力され
ることにより、モニター１５には、第３図に示す
ように静止した断層像上の任意走査線上の振幅情
報がＡモード表示される。

以上述べたように、本発明の超音波診断装置に
よれば、被検体内部の超音波ビームの走査によつ
て得られる画像情報を、外部の例えば心電波形な
どによつて設定した時相時に一且記憶装置に記憶
した後、この記憶された情報を再度読み出すこと
によつて得られる静止画像を観察しながら、任意
走査線上の振幅情報をＡモード表示することを希
望する場合に、適宜走査線位置に対応した位置信
号を記憶装置に出力することによつて、所望箇所
の振幅情報が得られる。すべて、画像情報は記憶
装置に記憶された情報を使用するために、静止し
た像を得ることが可能となり、したがつて、心臓
のように動きの激しい検査対象部位の場合、所定
時相の超音波断層像を静止させて観察でき、更に
同一時相時の断層像内の反響物体間の安定した振
幅情報を得ることが可能となり、したがつて、正
確に断層像内の反響組織間の距離を測定すること
が容易となる。また、各設定時相時の検査対象部
位内の観察組織間の距離を相対的に比較すること
も可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の構成を示すブロツ
ク線図、第２図は第１図のブロツク線図の主要部
分のタイムチヤート図、第３図はＡモード表示用
TVモニター上に表示されるＡモード波形を示し
た図である。 １……超音波プローブ、２……送受信信号制御
回路、３……基準信号発生回路、４……受信信号
処理回路、５……走査位置制御回路、６……偏向
信号発生回路、７……記憶装置、８……Ｂモード
用TVモニター、１１……時相設定回路、１２…
…記憶タイミング信号発生回路、１３……Ａモー
ド表示用ポジシヨンセレクター、１４……Ａモー
ド表示用偏向信号発生回路、１５……Ａモード用
TVモニター。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 被検体内に超音波ビームを送受波する超音波
   プローブと、この超音波ビームを同一平面上で走
   査する超音波ビーム走査部と、この超音波ビーム
   の走査範囲に対応し、この走査部より供給される
   受波信号を走査に対応させて記憶する記憶部とこ
   の記憶部より読み出した受波信号を輝度変調して
   前記被検体内の断面像を静止させて表示する第１
   表示部と、第１表示部の断面像上で任意に指定し
   た線上の受波信号を前記記憶部から読み出し振幅
   変調して表示する第２の表示部とを設けたことを
   特徴とする超音波診断装置。