JPS6093637A - 磁気記録媒体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明ｄ高密度記録に優れた強磁性金属薄膜型の磁気記
録媒体に関するものである。

従来例の構成とその問題点 真空蒸着、スパッタリング、イオンブレーティングなど
の方法によって形成される強磁性金属薄膜は、高密度記
録用磁気記録媒体として検討されており、オーディオ用
磁気テープとしてはすでに実用化されている。さらにま
た、これをビデオ用磁気テープとして展開すべく開発研
究が急がれている。

この強磁性金属薄膜型のビデオ用磁気テープ（以下、磁
気テープと称す）は高域ビデオ信号（１ＱＯＫＨｚ〜１
ｏＭＨｚ）における高出力化を図るため、その表面は高
低差５００Å以下の平坦面となる様に形成される。した
がって、磁気テープは磁性層表面の動摩擦係数がかなり
高く、これをビデオデツキのような回転シリンダおよび
磁気ヘッドとの高速相対運動が生じる過酷な条件下で長
時間走行を繰り返した場合、磁性層の摩耗が発生し、出
力の低下や摩耗粉によるノイズが生じる。このため、磁
性層表面には保護層を設ける必要があるが、これも高域
感度を良好に保つため、３００Å以下、好ましくは１０
０Å以下の超薄膜として形成しなければならない。この
ような超薄膜層で磁性層を保護するためには、この保護
層は次の条件を満す必要がある。すなわち、１゜磁性層
表面との結合力が強く、そのため保護層の削れ、消耗が
なく、２、磁性層表面の動摩擦係数を低下させる作用が
大きく、そのため磁性層の摩耗を防ぎ、３．磁性層表面
を疎水性としその臨界表面張力を低下させる作用が大き
く、そのため磁性層の吸水を防ぐなどの磁気テープの走
行性に犬きく寄与する条件を満すことが必要である。

磁気テープの走行性は動摩擦試験機（以下、μテスタと
称す）を用いて、その動摩擦係数を測定することにより
調べられる。この走行性は、特に、高温高湿下で問題が
あり、保護層のない磁気テープでは１ｏ回以内の走行で
、テープ走行の乱れ。

テープの鳴きが発生ずる。。

従来、磁気テープの通常環境（２０℃、６０係ＲＨ）下
での走行性を改善する手段として、パーフルオロアルキ
ルカルボン酸を強磁性金属薄膜表面に塗布する方法が提
案されている。

しかしながら、高温高湿下の走行性に関しては十分な結
果が得られていない。すなわち、磁性層表面と反応しな
い未反応のパーフルオロアルキルカルボン酸が強い親水
性を有するため高温高湿下で十分に動摩擦係数を低下さ
せず、テープ鳴きが発生するという問題点を有していた
。

発明の目的 本発明は上記従来の問題点を解消するもので、高温高湿
下における走行性に優れた高密度記録用の磁気記録媒体
を提供するものである。

発明の構成 本発明は非磁性基板に設けた強磁性金属薄膜と、この強
磁性金属薄膜上に設けたパーフルオロアルキルカルボン
酸および脂肪族炭化水素とからなる有機層とを備えた磁
気記録媒体であり、高温高湿下における走行性に優れる
ものである。

実施例の説明 以下本発明の実施例について、図面を参照しながら説明
する。

図は本発明の実施例における磁気記録媒体の基本構成を
示す拡大断面図である。図において、１はポリエチレン
テレフタレートフィルムなどの非磁性基板であり、非磁
性基板１上に強磁性金属薄膜２が設けられ、さらにその
上面にパーフルオロアルキルカルボン酸および脂肪族炭
化水素とからなる有機層３が設けられている。

ここで、パーフルオロアルキルカルボン酸として、特に
限定はないがアルキル基の炭素数が７以上ツバ−フルオ
ロアルキルカルボン酸が有効である。

たとえばペンタデカフルオロオクタン酸、ノナデカフル
オロデカン酸、トリコサフルオロドデカン酸、ヘプタコ
サフルオロテトラデカン酸、ラントリアコンタフルオロ
ヘキサデカン酸、ペンタトリアコンタフルオロオクタデ
カン酸などが例としてあげられる。

また、脂肪酸炭化水素として、脂肪酸、脂肪酸アミド、
脂肪酸エステル、脂肪族アミン、脂肪族ケトン、脂肪族
ニーデル、高級アルコール、高級炭化水素などが例とし
てあげられる。

本発明において、有機層３は上記脂肪族炭化水素から選
ばれ／０少なくとも１種とパーフルオロアルキルカルボ
ン酸とからなるものである。

本発明において、強磁性金属薄膜としては、例えば斜め
蒸着、あるいは、垂直蒸着法にて形成されるＣｏ、Ｎｉ
、Ｆｅなどを主体とする金属薄膜、それらの合金を主体
とする金属薄膜（たとえば、Ｃｏ−Ｃｒ垂直磁化膜）が
使用できる。さらに、プラスチックフィルムとの付着強
度改善、あるいは、強磁性金属薄膜自体の耐蝕性、耐摩
耗性改善の目的で、蒸着時の雰囲気を酸素ガスが支配的
となる雰囲気で得られる酸素を含む強磁性金属薄膜を使
用することが望ましい。

酸素の含有量としては、非磁性基板表面近傍の強磁性金
属に対する原子数比で少なくとも３％以上好ましくは６
チ以上が適当である。

なお、強磁性金属薄膜の厚さは、メチル寿命と関係があ
り、厚さが４００Å以下になるとスチル寿命が急激に低
下するため、厚さは４００Å以上であることが望ましい
。

有機層３中のパーフルオロアルキルカルボン酸は強磁性
金属薄膜２の表面を反応し、さらに・々−フルオロアル
キル基は一様に配向され強磁性金属薄膜２の表面の臨界
表面張力を低下させる。しかし、パーフルオロアルキル
カルボン酸と強磁性金属薄膜２の表面との反応は完全に
行なわれず１．＋−フルオロアルキルカルボ／酸は一部
未反応で残存する。この残存するパーフルオロアルキル
カルボン酸のカルボキシル基は強磁性金属薄膜２の表面
において水の吸着点となる。一方、有機層３中の脂肪族
炭化水素ｋ１強強磁性金属薄膜上表面と結合されずに未
反応で残った一部のパーフルオロアルキルカルボン酸を
包囲し、化学的または物理的作用でそのカルボキシル基
と結合するか、または、パーフルオロアルキルカルボン
酸をミセル化させてその水の吸着点し親水性）を無効に
する。この作用により、脂肪族炭化水素は強磁性金属薄
膜その表面における水の吸着点を無くすことによシ、高
温高湿下での動摩擦係数の低下とテープ鳴きの防止に対
して有効に働く。

本発明において、前記パーフルオロアルキルカルボン酸
が全体の有機層３に占める割合は、少なくとも５０　ｗ
　ｔ％以上、さらに好ましくは６５ｗｔチ以上が適当で
ある。また、有機層３の存在量は１ｖｑ／ｌｔ？　〜１
ｏｏｔｒｑ／ｌｔ？、好ましくはｆ５’Ｖ／ｌｒ？〜５
０１Ｒ９／　ｎ？である。この存在量が１ｗ９／−以下
では有効な耐久性の向上が見られず、一方、１００ツ／
１ｒ？以上では有機層によるスペーシング・ロスによシ
高域感度の低下が大きくなる。この有機層３を強磁性金
属薄膜２表面に存在させる方法としては、パーフルオロ
アルキルカルボン酸と脂肪族炭化水素を溶剤に溶解、希
釈して塗布する湿式法、パーフルオロアルキルカルボン
酸と脂肪族炭化水素の蒸気を順次強磁性金属薄膜２表面
に差し向ける乾式法、または非磁性基板１表面にあらか
じめパーフルオロアルキルカルボン酸と脂肪族炭化水素
を存在させておき、テープが巻き取られたとき強磁性金
属薄膜２表面に転写させるようにする方法などの公知の
一層構造（混合）、二層溝造（積層）の種々の手段を用
いることができる。

このような強磁性金属薄膜２の表面にパーフルオロアル
キルカルボン酸および脂肪族炭化水素からなる有機層３
を存在させた磁気テープは、高温高湿下において走行性
が優れている。

以下、この発明のさらに具体的な実施例について詳細に
説明する。

実施例１　：　厚さ１２μｍのポリエチレンテレフタレ
ートフィルム上に、真空蒸着法によってコバル）（８０
％）−ニッケル（２０％）　ノ連続斜め蒸着を強制的に
酸素を導入しながら行ない、強磁性金属薄膜（膜厚１６
００人）を作製した。

この強磁性金属薄膜上にパーフルオロアルキル基の炭素
数が７であるペンタデカフルオロオクタン酸と脂肪酸で
あるステアリン酸をそれぞれ０．１ｗｔ％、　０．０３
ｗｔ％を含むエタノール溶液とした塗布液を用い、リバ
ースロール法によってその表面濃度が１０　ｍｇ　／　
、、？となるように塗布した。その後、幅８聰に裁断し
て磁気テープを得た。

実施例２　：　実施例１と同一条件で作製した強磁性金
属薄膜」二にパーフルオロアルキル基の炭素数が９であ
るノナデカフルオロデカン酸脂肪酸アミドであるステア
リン酸アミドを実施例１と同様に塗布し、磁気テープを
得た。

実施例３　：　実施例１と同一条件で作製した強磁性金
属薄膜上にパーフルオロアルキル基の炭素数が１１であ
るトリコサフルオロドデカン酸と脂肪酸エステルである
ステアリン酸メチルを実施例１と同様に塗布し、磁気テ
ープを得た。

実施例４　：　実施例１と同一条件で作製した強磁性金
属薄膜上にパーフルオロアルキル基の炭素数が１３であ
るヘプタコサフルオロテトラデカン酸と脂肪族アミンで
あるステアリルアミンを実施例１と同様に塗布し、磁気
テープを得た。

実施例６　：　実施例１と同一条件で作製した強磁性金
属薄膜上にペンタデカフルオロオクタン酸と脂肪族ケト
ンであるジテトラデシルケトンを実施例１と同様に塗布
し、磁気テープを得た。

実施例６　：　実施例１と同一条件で作製した強磁性、
金属薄膜上にノナデカフルオロデカン酸と脂肪族エーテ
ルであるジテトラデシルエーテルを実施例１と同様に塗
布し、磁気テープを得た。

実施例７　：　実施例１と同一条件で作製した強磁性金
属薄膜上にトリコサフルオロドデカン酸と高級アルコー
ルであるステアリルアルコールを実施例１と同様に塗布
し、磁気テープを得た。

実施例８　：　実施例１と同一条件で作製した強磁性金
属薄膜上にヘプタコサフルオロテトラデカン酸と高級炭
化水素であるエイコサンを実施例１と同様に塗布し、磁
気テープを得た。

実施例９　：　実施例１と同一条件で作製した強磁性金
属薄膜上にパーフルオロアルキル基の炭素数が３である
ヘンリンルオロブタン酸と、ステアリン酸とを実施例１
と同様に塗布し、磁気テープを得た。

実施例１０：　実施例１と同一条件で作製した強磁性金
属ん膜上にパーフルオロアルキル基の炭素数が４である
ノナフルオロペンタン酸ト、ステアリン酸とを実施例１
と同様に塗布し、磁気テープをイシｌ／こ１゜ 比較例１　：　実施例１と同一条件で作製した強磁性金
属薄膜」二にペンタデカフルオロオクタン酸を０．１ｗ
ｔ％エタノール溶液とした塗布液を用い、リバースロー
ル法によってその表面濃度が６ｍｌ　／　ｔ＋１２とな
るように塗布し、磁気テープを得た。

比較例２　：　実施例１と同一条件で作製した強磁性金
属薄膜上にノナデカフルオロデカン酸を比較例１と同様
に塗布し、磁気テープを得た。

比較例３　：　実施例１と同一条件で作製した強磁性金
属薄膜上にトリコサフルオロドデカン酸を比較例１と同
様に塗布し、磁気テープを得た。

実施例および比較例で得られた各磁気テープについて、
μテスタを用いてその走行性を試験した。

走行性試験は３０℃、９０％ＲＨの環境下で１００回繰
り返し走行させ、動摩擦係数とその間のテープ鳴きの有
無を測定した。実施例および比較例で得られた各磁気テ
ープの走行性試験結果を次表に示す。

本発明による強磁性金属薄膜上にパーフルオロアルキル
カルボン酸と脂肪族炭化水素を塗布した磁気テープ（実
施例１〜８）は、表から高温高湿（３０℃、９０％ＲＨ
）下の繰り返し走行において、動摩擦係数が低く、かつ
テープ鳴きも発生せず、良好な走行性を示すことがわか
る。

さらに、パーフルオロアルキルカルボン酸トシて、パー
フルオロアルキル基の炭素数が７以上のパーフルオロア
ルキルカルボン酸の方力、パーフルオロアルキル基の炭
素数が７未満のパーフルオロアルキルカルボン酸より動
摩擦係数が低いことがわかる。

一方１強磁性金属薄膜上にパーフルオロアルキルカルボ
ン酸のみを塗布した磁気テープ（比較例１〜３）は実施
例に比べ動摩擦係数が高く、６０回以内の走行において
テープ鳴きが発生していた。

なお９本実施例では８種類の磁気テープについて、具体
的に効果を示したが、本発明を構成する前述の他の利料
の組み合わせにおいても、同様の効果を有することを確
認した。

さらに、前記実施例では磁気記録媒体として磁気テープ
を例にして説明したが、本発明の要旨を逸脱しない範囲
で磁気ディスク、磁気カード、磁気シートの形態をとる
こともできるものである。

発明の効果 以上のように本発明は強磁性金属薄膜上に設けられたパ
ーフルオロアルキルカルボン酸および脂肪族炭化水素か
らなる有機層を備えた磁気記録媒体であり、高温高湿下
において走行性に優れている。

【図面の簡単な説明】

図は本発明の実施例における磁気記録媒体を示す拡大断
面図である。 １・・・・・非磁性基板、２　・・強磁性金属薄膜、３
・・・・・有機層３、

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 非磁性基板上に設けられた強磁性金属薄膜と、この強磁
   性金属薄膜上に設けられたパーフルオロアルキルカルボ
   ン酸および脂肪族炭化水素とからなる有機層とを備えた
   ことを特徴とする磁気記録媒体。