JPS609046Y2 - 車両サスペンシヨンのラバ−ブツシユ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は車両サスペンションにおけるラバーブツシュの
改良に関する。

従来の車両サスペンションにおける車体への支持機構は
、一般に第１図のような弾性支持で行なわれ、形状から
するそのラバーブツシュの荷重対たわみ特性は線形状と
なるために車両の操縦特性や防振特性上の乗り心地が損
なわれていた。

すなわち、第１図に示す従来型ラバーブツシュ０１は２
つ割りの実体で組付は形状がリール形をしている。

図中、０２は車輪支持アームを取付けているシャフト、
０３はシャフトの肩部、０４は締付はワッシャ、０５は
受金であって車体側のブラケット０６に取付けられたも
のである。

加えて、このラバーブツシュ０１は２つ割りの相互間が
圧着されている他、その形成面が前記シャフト０２、肩
部０３、ワッシャ０４および受金０５によって大部分拘
束されているので加圧された場合の変形が拘束されるか
ら、ばね定数が大きくなる欠点があつた。

第２図に示す車体への従来の支持機構は縦方向、すなわ
ち車両の前後方向の荷重対たわみ特性を非線形とすべく
改良されたもので、ブツシュは軸管状の中央ラバーブツ
シュ０７とラバーまたは半硬質の樹脂からなる両側のス
ペーサ０１１との組付は構成で、その総体形状は略リー
ル形をなしている。

中央ラバーブツシュ０７は肉の部分に軸方向に複数条の
通孔０８が設けられており、かつ外周面とシャフト０２
の挿通軸孔の内面にはそれぞれ直径方向に変形可能な薄
手の金属チューブ０９．０１０がそれぞれ焼付けで取付
けられている。

従って、このブツシュは縦方向の剛性を非線形とするこ
とはできたものの、スペーサ０１１のＦＪ耗や同スペー
サのスリップによる鳴き音の発生があり、また泥水浸入
防止策を必要とするなどの欠点があった。

本考案は上記従来のものの欠点を除くためになされたも
ので、リール状ラバーブツシュを軸方向に３分された中
央の太鼓胴型部材と両側のフランジ状耳部材とで構成す
ると共に、該耳部材の内側には外周面にスプライン状の
溝を有する延在軸管部を設け、かつ組付けによって拘束
されるブツシュの形成面をできるだけ少なくするように
した車両サスペンションのラバーブツシュを提供する。

以下、本考案を図面に示す一実施例に基づいて説明する
。

第３図はトレーリングアーム１に係わるサスペンション
の一実施例を示した平面図であって、２は車輪、３はシ
ャフトアセンブリ、４は右側トレーリングアーム１を固
定のシャフト内筒、５はベアリング６を介しシャフト内
筒４に相対回動可能に嵌合され、かつ左側トレーリング
アーム１を固定するシャフト外筒、１１はラバーブツシ
ュである。

第３図Ａ部の詳細を示す第４図において、７はシャフト
内筒４の外側に形成されたラバーブツシュ嵌装用のシャ
フトで、上記内筒とシャフト７との外周段差は肩部８を
形成している。

９は締付はワッシャ、１０は締付はナツトである。

さて、ラバーブツシュ１１は軸方向に直角に３分された
分割ラバーブツシュで構成され、その組付は総体の形状
は略リール状をなしている。

そして、その中央に位置する分割の太鼓胴型部材１２は
中央部分が鈍角に、または弧状に張出しており、太鼓胴
型部材１２の両側に位置する分割の耳部材１３．１３は
外周面にスプライン状の溝１５を有する軸管部１４を太
鼓胴型部材側の内側に有Ｌ７、外側にはフランジ状の耳
部１６を形成すると共に、シャフト挿通軸孔の外側入口
に拡大径の決り部１７を設けている。

しかして、太鼓胴型部材１２の上記張出し部は耳部材軸
管部１４における溝１５の底部と略同じレベルに形成さ
れている。

１８は断面溝形の環状受部材であって、耳部材軸管部１
４の外周面、すなわちスプラインの外周面に無予圧で嵌
合され、車体に固定されるブラケット１９に一体的に取
付けられたものである。

ラバーブツシュ１１が第４図のようにシャフト７に受部
材１８と締付はワッシャ９とによって組付けられたとき
、耳部材の耳部１６の内側面と環状受部材１８とは圧接
状態にあり、太鼓胴型部材１２と各耳部材１３間は無予
圧の対接または若干の間隙を許す対向に構成されている
。

なお、本実施例のサスペンションにおいて、そのアーム
はトレーリングアームを示したが、本考案はリーデング
アームのサスペンションにも適用されるものであり、ま
たシャフトアセンブリにトレーリングアームを固定し、
環状受部材を車体側に固定する型式としたがこの型式の
反対のものに対しても適用されるものである。

本考案は上記のように構成されたから、車体と車輪２間
に車両前後方向（縦方向）の相対移動力が加えられたと
きに生ずる環状受部材による軸管部１４の圧縮緩衝作用
は、該軸管部の剛性が溝１５の存在で加圧初期に低く、
加圧後期に高い非線形に与えられ、加えて加圧後期には
太鼓胴型部材の非線形剛性が参加、湊合されるから乗心
地の快適な緩衝を得ることができる。

また、このラバーブツシュ組付けの平常状態における軸
管部１４と受部材１８との無予圧当接は上記湊合の計画
非線形剛性を崩すことなく維持するので設計通りの緩衝
を得させる効果がある。

次に、耳部材１３の外側に設けた決り部１７および太鼓
胴型部材１２と各耳部材１３間の無予圧対接または若干
の間隙を存しての対向は、車輪２に対する車体の横方向
加速度に基づくラバーブツシュの圧縮においてその変形
逃げを許してラバーブツシュ剛性の設計を容易にし、操
縦特性と乗心地の向上を計ることができる。

加えて、従来のもののような独立部材のスペーサがない
ので、その摩耗や鳴き音がなく、泥水浸入防止策の必要
もない優れたラバーブツシュを提供し得たものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のラバーブツシュの一実施例を示す平面断
面図、第２図は同ラバーブツシュの他の実施例を示す平
面断面図、第３図は本考案の一実施例であるラバーブツ
シュを具えたサスペンションの平面断面図および第４図
は第３図のＡ部詳細図である。 １：アーム、２：車輪、３：シャフトアセンブリ、７：
シャフト、８：肩部、９：ワッシャ、１１ニラパーブツ
シユ、１２：太鼓胴型部材、１３：耳部材、１４：軸管
部、１５：溝、１６：耳部、１７：扶り部、１８：受部
材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車輪を支持するアームを車体横方向に沿うシャフトアセ
   ンブリと該シャフトアセンブリに嵌装の略リール状に形
   成されたラバーブツシュとを介して回動可能に車体側に
   取付けるものにおいて、上記ラバーブツシュは軸方向に
   ３分された中央の太鼓胴型部材と両側のフランジ状耳部
   材とで構成され、該耳部材は内側に延びる軸管部の外周
   面にスプライン状の溝を有し、外側にはフランジ状の耳
   部を具えると共に、シャフト挿通軸孔の外側入口に拡大
   径の決り部を設け、また上記太鼓胴型部材はその中央張
   出し部を上記軸管部溝の底部と略同じレベルに形成して
   なり、上記ラバーブツシュが上記両耳部材軸管部の外周
   面と該外周面に続く両耳部のフランジ状立上り面とに嵌
   合した車体側取付けの断面溝形の環状受部材および上記
   シャフトに形成した肩部と同シャフトに嵌入の締付はワ
   ッシャとによってシャフトに組付けられたとき、上記受
   部材と各耳部材の軸管部外周面間は無予圧の当接に、ま
   た上記太鼓胴型部材と各耳部材間は若干の間隙を有する
   対向または無予圧の対接にそれぞれ構成されたことを特
   徴とする車両サスペンションのラバーブツシュ。