JPS608368Y2 - 偏向ヨ−クの調整用コイル取付機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はテレビジョン受像管等の陰極線管に用いられる
偏向ヨークに、差動フィル等の調整用コイルを取付ける
機構に関するものである。

従来、差動コイルやビンクッションコイル、或いは振幅
調整コイル等の調整用コイル１００は、例えば第５図に
示す如くヨークボビン１０１後端の鍔板１０２に端子板
１０３を固定して該端子板に取付けられる事が多いが、
この様にする場合には調整用コイルの取付けが煩多であ
ると共に、取付後も安定しないと云う欠点がある。

本考案は上述の如き欠点を一掃する調整用コイルの取付
機構を提供せんとするものである。

以下本案機構の実施例を添付図面に従って説明する。

１はホーン状に成形されたボビンで、後端に鍔部２を設
けたものである。

上記鍔部２は上記ボビンの軸方向に対し直角な鍔面２１
の外周縁に後方へ延出する短円筒状の周面２２を形成し
たものである。

上記鍔部２の後方側には該鍔部２の開口側を覆う裏蓋３
が係止されている。

上記裏蓋３を上記鍔部２に係止する裏蓋係止手段は、例
えば図示の如く上記鍔部２の周面２２を、適数箇所後方
から２条に切込んで舌片２２ａ、２２ａを形成し、該舌
片２２ａ、２２ａの末端に外周方向へ突出する係合突起
２２ｂ、２２ｂを形設し、一方上記裏蓋３の外周端部か
ら前方へ突出する各突片３１，３１に上記係合突起２２
ｂと係合する係合孔３１ａを形成した構成とすれば良い
。

上記鍔部２の鍔面２１には、透孔２１ａが形成されてお
り、これに対し上記裏蓋３には上記透孔２１ａに対向す
る位置へ透孔３ａが形成されており、該透孔３ａの内周
縁には上記鍔面２１へ延出する環状突部３ｂが形成され
ている。

４は差動コイルで、長円筒状のボビン４１に、所定間隔
を隔てて一対の線輪部４２．４２’を分割巻きし、上記
線輪部４２．４２’の互いに対向する端部に、上記鍔面
２１の透孔２１ａ及び上記裏蓋の透孔３ａよりも大径な
フランジ４３，４３′を形設し、更に上記ボビン４１に
内挿されたフェライト等のコア４４を調整用ツマミ４５
によってボビンの軸方向へ移動調整し得る様構成したも
のである。

而して上記差動コイル４は、一方の線輪部４２が鍔面２
１の透孔２１ａを挿通し、これに対し他方の線輪部４２
′が裏蓋３の透孔３ａを挿通する様構成されており、上
記線輪部４２を鍔面２１の透孔２１ａに挿着して、上記
裏蓋３を鍔部２に係合せしめた時に一方のフランジ４３
が鍔面２１の後面に当接する一方他方のフランジ４３′
が裏蓋３の環状突起３ｂの前端に当接する様作られてい
る。

尚差動コイルとは、第４図に示す如く水平偏向コイル５
，５′と直列に接続して、中間タップＴによって分けら
れる両線輪部４２．４２’にコア４４を出入せしめる事
により両線輪部４２，４２′のインダクタンスを不平衡
にし、これにより一方の水平偏向コイル５に流れる偏向
電流と他方の水平偏向コイル５′に流れる偏向電流の平
衡度を変え、以って両水平偏向コイル５，５′から発生
する磁界強度に差を持たせるものである。

即ちこれにより偏向ヨークの前部を上下に移動せしめて
ミスコンバージェンスを補正する事と同等の効果を持た
せたものである。

尚、第１図において５，５′は水平偏向コイル、６，６
′は垂直偏向コイル、７はコア、８はコアバンド、９，
９．・・・は裏蓋３に形成された締付用舌片である。

以上の処において、裏蓋３を鍔部２に係止する係止手段
は任意であり、例えば裏蓋側に保合突起を設けると共に
鍔部側に係合孔を設けても良い。

そして又鍔部２の周面２２は、これを裏蓋３の側に設け
て裏蓋の周面とし、該周面を鍔面２１に嵌合せしめる様
構成しても良い。

以上の如き機構を組立てる時には先ず差動コイル４の一
方の線輪部４２を鍔面２１の透孔２１ａに挿着して差動
コイルの配線を行い、然る後に裏蓋３の環状突起３ｂの
内孔、即ち透孔３ａが上記差動コイルの他方の線輪部４
２′へ外挿される様にして裏蓋３を鍔部２へ係合せしめ
れば差動コイル４は定置される。

尚上述の実施例では調整用コイルとして差動コイルを示
したが、ビンクッショントランス、振幅調整コイル等の
他の調整用コイルも同様にして取付ける事が出来る。

本案機構は以上の如きものであるから次の様な効果があ
る。

調整用コイルは、裏蓋を鍔部に係合する時に挾み込むだ
けで支持されるから、調整用コイルの取付けが極めて簡
単であり、且つ取付部分もいらないから安価に構成する
事が出来る。

調整用コイルが裏蓋側と鍔部側との２点で支持されるか
ら、取付後も極めて安定である。

従って本案機構は、今後益々需要増大する各種陰極線管
の偏向ヨークに使用して極めて有益なものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案機構を用いた偏向ヨークを示す側面図、第
２図は同上偏向ヨークの部分拡大側断面図、第３図は同
上ヨークの裏蓋を鍔部から取り外した状態を示す部分斜
視図、第４図は差動コイルの原理を示す結線図、第５図
は従来の偏向ヨークの調整用コイル取付機構を示す側面
図である。 図中１はボビン、２は鍔部、３は裏蓋、４は調整用コイ
ルとしての差動コイル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 水平型直両偏向コイルを装着するボビンの後端に鍔部を
   設け、該鍔部には、該鍔部の後方側を覆う裏蓋を係合突
   起及び係合孔等の係合手段により係止し、上記鍔部と上
   記裏蓋には、互いに対向する位置に夫々透孔を設け、上
   記透孔には差動コイル等の調整用コイルを挿通せしめ、
   上記裏蓋と上記鍔部とを係合する事によって上記調整用
   コイルの少くとも一部が上記裏蓋と鍔部との間に挾持さ
   れる様構成した偏向ヨークの調整用コイル取付機構。