JPS607688Y2 - 歯科用エア−スケ−ラ−の振動装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は歯科用エアースケーラ−の振動装置に関するも
のである。

圧縮空気を駆動源とする従来の歯科用エアースケーラ−
の振動装置において、振動装置内に高速回転する薄い円
板状の回転体を内装しているものがある。

この装置は回転体へ圧縮空気を噴射し高速回転させなが
ら、同時に回転体の両側に設置した側板を交互に叩かせ
るのである。

この時の上記回転体の運動状態は、例えば机上面で回転
している硬貨が回転を徐々に弱め運動を停止しようと、
机上面を叩きながら回転している時の硬貨の運動状態と
同様である。

上記回転体が両側板を交互に叩きながら高速回転するこ
とによって生ずる振動が、振動伝達シャフトを介し先端
に着脱自在に接続されたチップに伝達され、歯石歯垢等
を除去するのである。

また回転体を高速回転させた圧縮空気は一方の側板の排
気口より、排気通路を経て途中サイレンサーによって消
音し大気へ放出される。

しかしながら、上記従来の振動装置の歯科用エアースケ
ーラ−では高い振動数が得られなかった。

その理由は排気効率が悪い為である。すなわち、排気口
のない側板と回転体との間に流れ込んだ圧縮空気は回転
体と圧縮空気を噴出するリングとの間隙より排気口へと
流れて行く為に、排気口のない側板と回転体と圧縮空気
を噴出するリングで形成される空間内で流入する圧縮空
気と排気流がぶつかりあい、流入する圧縮空気のエネル
ギーが減じられ、高い振動数が得られなかったのである
。

そこで排気口を両側板へ設けることによって排気効率を
向上させることは容易に可能であるが、その加工が甚だ
面倒でありコスト高となる。

すなわち、エアースケーラ−の先方になる排気口より排
出される圧縮空気を最短距離通路で大気へ放出するなら
ば、その位置は術者の把持部に当るので、術者は不快感
を感じ、快適な治療ができない。

また排気を後方へ導く場合、供給されてくる空気との完
全分離のシールが必要であり、その加工が複雑になる。

そこで本考案は上記の点に鑑み、高排気効率、高振動数
を発生する歯科用エアースケーラ−の振動装置を低コス
トにて提供することを目的とするものであり、その特徴
は薄い円板状の回転体の中心部に排気孔を設けたことで
ある。

すなわち排気口のない側板と回転体と噴射リングによっ
て形成された空間へ流入した圧縮空気を排気口へ向けて
排気孔より排気させる。

以下、本考案を図面の実施例について説明する。

第１図は本考案の有排気孔回転体を内装した歯科用エア
ースケーラ−の全体断面、第２図は本考案の有排気孔回
転体内装時の振動室内の圧縮空気の流れを示す断面図、
第３図は従来の無排気孔回転体内装時の圧縮空気の流れ
を示す断面図である。

ホースジヨイント２４、ケース２１の供給通路２２．２
２’を介し導かれた圧縮空気は振動ケース９の供給口２
０を通り、噴射リング６の噴射ロアより、両側板４，５
及び噴射リング６とによって形成された振動室８内に内
装されている回転体１ａへ噴射する。

圧縮空気の噴射を受けた回転体１ａは両側板４，５を交
互に叩きながら回転しはじめる。

すなわち振動が発生する。発生した振動は振動伝達シャ
フト１１によって着脱自在に接続されたチップ１２に伝
達され、歯石歯垢等を除去するのである。

一方振動室８の無排気口側板側に噴射し、回転体１ａを
回転させ排気流となった圧縮空気は、新たに噴射流入し
てくる圧縮空気と衝突することなく、すなわち噴射流入
してくる圧縮空気のエネルギーを減じることなく、排気
孔２より有排気口側板側へ排気され、有排気口側板側の
排気流と合流し排気口３より排気される。

さらに排気流はサイレンサ１９で消音され、排気通路２
３を通りホースジヨイントの後部より大気へ排気される
。

以上本考案は回転体の中心部に単純な排気孔を設けるこ
とにより、排気効率を高らしめ、高振動数を発生するエ
アースケーラ−の振動装置を低コストにて得ることが可
能であり極めて有益である。

また上記実施例以外に、始動性の向上する断面形状、す
なわち外周部肉厚より中心部肉厚のほうが厚い断面形状
の回転体の中心部に排気孔を設けることは十分可能であ
り、これはさらに性能向上となる。

第４〜第７図は上記始動性の向上する断面形状を有する
回転体に排気孔を設けたことを示す断面図である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の有排気孔回転体を内装した歯科用エア
ースケーラ−の全体断面図、第２図は有排気孔回転体内
装時の振動室内の圧縮空気の流れを示す断面図。 第３図は無排気孔回転体内装時の振動室内の圧縮空気の
流れを示す断面図、第４〜第７図は、始動性の向上する
断面形状を有する回転体に排気孔を設けたことを示す断
面図。 ｌ ａｔ １ ｃ、 １ ｄ、 １ ｅ、 １
ｆ”””有排気孔回転体、１ｂ・・・・・・無排気孔
回転体、２・・・・・・排気孔、３・・・・・・排気孔
、４・・・・・・有排気口側板、５・・・・・・無排気
口側板、６・・・・・・噴射リング、７・・・・・・噴
射口、８・・・・・・振動室、９・・・・・・振動ケー
ス、１０・・・・・・振動ケースキャップ、１１・・・
・・・振動伝達シャフト、１２・・・・・・チップ、１
３〜１８・・・・・・０リング、１９・・・・・・サイ
レンサ、２０・・・・・・供給口、２１・・・・・・ケ
ース、２２．２２’・・・・・・供給通路、２３・・・
・・・排気通路、２４・・・・・・ホースジヨイント、
矢印・・・・・・圧縮空気の流れ。

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）薄い円板状の回転体に圧縮空気を噴射し、回転体
   両側の側板を交互に叩きながら回転させ、この時発生す
   る振動を先端に接続されたチップに伝達し、この振動に
   よって歯石、歯垢等を除去する歯科用エアースケーラ−
   において、上記回転体の中心に排気孔を設けたことを特
   徴とする歯科用エアースケーラ−の振動装置。
2. （２）薄い円板状の回転体の肉厚が外周部より中心部に
   向ってテーパー状に厚くなる回転体である実用新案登録
   請求の範囲第１項記載の歯科用エアースケーラ−の振動
   装置。
3. （３）薄い円板状の回転体の肉厚が外周部より中心部に
   向って凸曲線状に厚くなる回転体である実用新案登録請
   求の範囲第１項記載の歯科用エアースケーラ−の振動装
   置。
4. （４）薄い円板状の回転体の肉厚が外周部より中心部に
   向って凹曲線状に厚くなる回転体である実用新案登録請
   求の範囲第１項記載の歯科用エアースケーラ−の振動装
   置。
5. （５）薄い円板状の回転体の肉厚が外周部より中心部に
   向って階段状に厚くなる回転体である実用新案登録請求
   の範囲第１項記載の歯科用エアースケーラ−の振動装置
   。