JP3684643B2 - 歯科用エアータービンハンドピース - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医療用の歯科用エアータービンハンドピースに係わり、特に切削工具を回転させるトルクの増大を図った歯科用エアータービンハンドピースに関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】
従来の歯科用エアータービンハンドピースにおいては、歯科治療の施術時例えば患者の歯牙に穿孔する際、切削工具の回転にかなりの負荷がかかった場合トルクが減衰し、回転速度が低下することがあった。
【0003】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、種々検討の結果、下記の構成により上記課題を解決した。
(1)ハウジング内に切削工具を保持するための回転軸に固定されたタービン翼と、タービン翼回転用のエアーを流す給気路及びタービン翼回転後のエアーを排出する排気路とを備える歯科用エアータービンハンドピースにおいて、前記給気路先端の給気口の口径に対し、排気路の入口端の排気口の口径を大きく設定し、かつ、上記給気口から排気口に至るハウジング内を周回するエアー通路を、給気口から排気口側にかけて順次拡大させ形成さ、さらにタービン翼を回転させるタービンを、回転軸を同一にした上下2個の連接方式とし、2個のタービンの間にはセパレーターを設けて、各タービンに対応してヘッド部チャンバー内並びにネック部の給気路、排気路及びエアー通路を2系統に分離して形成して構成したことを特徴とする歯科用エアータービンハンドピース。
(2)タービン翼とチャンバーの上下内壁面の間隙を狭くとって配設したことを特徴とする(1)項に記載の歯科用エアータービンハンドピース。
(3)ヘッド部及びネック部が合成樹脂で形成されていることを特徴とする(1)項1又は2に記載の歯科用エアータービンハンドピース。
【0004】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
図1は本発明の歯科用エアータービンハンドピースのヘッド部1とネック部2の縦断面図である。
図において、1はヘッド部、2はネック部、3はヘッドハウジング、4はキヤップ部、5はネック部本体、7はチャンバー、8は第1タービン翼、9は第1給気路、10は第1排気路、11は第2タービン翼、12は第2給気路、13は第2排気路、14は回転軸、15は軸受部、16は内輪、17は外輪、18はボール、19はリテーナー、20は切削工具、21はOリング、22はウエーブワッシャー、30は上下の空隙、31は左右の空隙である。
図2は図1のA−A’断面図で第1タービン翼と加圧空気の流路図である。図において、25は軸側セパレーター、26はハウジング側セパレーター、91は第1給気口、101は第1排気口、100はエアー通路、である。
図3は図1のB−B’断面図で第2タービン翼と加圧空気の流路図である。
図において、121は第2給気口、131は第2排気口である。
図4は図1のC−C’断面図でセパレーターの構造図である。
図5は本発明の歯科用エアータービンハンドピースの外観図である。
図において、6はエアー供給部である。
【0005】
図6は従来の歯科用エアータービンハンドピースヘッド部1’とネック部2’の縦断面図である。
図において、3’はヘッドハウジング、4’はキャップ部、5’はネック部本体、7’はチャンバー、8’はタービン翼、9’は給気路、10’は排気路、30’は上下の間隙、31’は左右の間隙である。
図7は図6のA−A’断面図でタービン翼と加圧空気の流路図である。
図において91’は給気口、101’は排気口である。
図8は従来の歯科用エアータービンハンドピースの外観図である。
【0006】
先ず従来の歯科用エアータービンハンドピースの構造について説明する。
図6に示すようにヘッド部1’は、チャンバー7’内に周縁部にタービン翼8’を有する回転軸14を配置し、ヘッド部1’の内部に前記回転軸14を回転自在に軸受部15を介して支承している。また、前記ヘッド部1’はヘッドハウジング3’とキヤップ部4’よりなり、そして前記タービン翼8’を配置するためのチャンバー7’が形成されると共に、前記回転軸14を回転自在に支承するための軸受部15が配設されている。さらに回転軸14の軸心部には歯科用の切削工具20の軸が固定保持される。
軸受部15は、内輪16、外輪17、ボール18及びリテーナー19からなるボールベアリングより構成され、また、ボールベアリングの外周側部には、求軸芯のためのOリング21や、支承用のウエーブワッシャー22が配設されている。
そして、タービン翼8’は回転軸14の軸方向にみて、タービン翼8’とチャンバー7’の上下内壁面との上下間隙30’は広くとり、左右内壁面との左右間隙31’は狭くとって配設されている。
前記ネック部2’は、ネック部本体5’がチャンバー7’内に配設されたタービン翼8’に加圧空気を供給するための給気路9’と、給気口91’及びチャンバー7’内の加圧空気を排気するための排気路10’と排気口101’(図7)によって構成される。
【0007】
次に従来の歯科用エアータービンハンドピースの作用について説明する。
図6及び図7に示すように、前記加圧空気をネック部2’のネック部本体5’に配設された給気路9’に給気し、該加圧空気を給気口91’を通してチャンバー7’内に導きタービン翼8’に噴射させ、回転軸14に回転駆動力を発生させた後、チャンバー7’内から加圧空気を排気口101’を通って排気路10’に排気することにより行われている。
図7に示すように、上記の作用における加圧空気の流れは、チャンバー7’内を回転軸14を中心として、実線矢印と点線矢印の方向に周回しながらUターンして排気口101’を通って排気路10’に排気される。
【0008】
上記の構成の歯科用エアータービンハンドピースにおいて回転軸14のトルクを増大するには、理論的には加圧空気による給気口91’での給気速度を速くするか、加圧空気の単位時間当たりの給気量を増大させればよいが、歯科用エアータービンハンドピースは患者の口腔内に挿入し施術するため、ヘッドの大きさの制約と、排気は直接口腔内にはできない制約がある。このため、実際には
▲1▼給気速度を増大させようとして加圧空気圧を増大させても、周知のように給気速度を音速以上に増大することができないので、回転軸14のトルクの増大には限界がある。
▲2▼給気量を増大させようとして加圧空気圧を増大させても、
1)給気量の増大により前述した構造のチャンバー7’内の圧力が上昇し、その結果、給気速度を低下させる。
2)給気された加圧空気は、タービン翼8’に衝突した後、回転軸14と同方向に主としてタービン翼8’の上下間隙30’(図6)を通って図7に示す点線矢印、実線矢印のようにチャンバー7’内を周回するが、回転軸14の回転速度に比較して周回速度は遅いので、チャンバー7’内で抵抗体として作用し、その量も増加する。
▲3▼給気量を増大させようとして給気口91’の断面積を増大させても前記▲2▼と同様にチャンバー7’内で抵抗体として作用するが、その傾向は前記▲2▼よりも大である。これは、給気口91’の断面積が大きくなると、給気口から噴射された加圧空気は主として前記タービン翼8’の上下間隙30’を通過する際にチャンバー7’内に急速に拡散し速度が低下して、タービン翼8’の回転に対して抵抗作用を強める。このため大きな給気口から噴射される加圧空気のタービン翼8’への給気エネルギーの伝達効率が悪化する。
上記のような問題があるため、前記制約の中でトルクをより増大させることは困難な課題であった。
【0009】
次に、本発明の歯科用エアータービンハンドピースの構造について説明する。
図1に示すようにヘッド部1は、チャンバー7内に周縁部に上下2個の第一タービン翼8及び第2タービン翼11を有する回転軸14を配置し、ヘッド部1の内部に前記回転軸14を回転自在に軸受部15を介して支承している。また、前記ヘッド部1はヘッドハウジング3とキヤップ部4よりなり、そして前記第1タービン翼8と、第2タービン翼11及び軸側セパレーター25ならびにハウジング側セパレーター26を配置するためのチャンバー7が形成されると共に、前記回転軸14を回転自在に支承するための軸受部15が配設されている。さらに回転軸14の軸心部には歯科用切削等の切削工具20の軸が固定保持される。
また、軸受部15は、内輪16、外輪17、ボール18及びリテーナー19からなるボールベアリングより構成され、ボールベアリングの外周側部には、求軸芯のための0リング21や、支承用のウエーブワッシャー22が配設されている。そして、第一タービン翼8及び第2タービン翼11は回転軸14の軸方向からみて、各タービン翼とチャンバー7の上下内壁面との上下間隔30を狭くとり、また、前記上下2系統の給気路は、例えば図2に示すように第1給気路9のの給気口91の口径に対し、ヘッドハウジング3のチャンバー7内を周回しエアーを排気する排気口101の口径を大きく設定し、上記給気口91から排気口101に至るエアー通路100を、給気路9先端の給気口91より順次拡大させて排気口101において排気路10の口径と一致するように配設されている。
タービン翼8の先端部とチャンバー内左右の外周内壁面との左右間隙31(図1)は、図2(図1のA−A’断面図)に示すように切削工具20の軸を中心として、給気口91より、順次曲率半径を拡大させて排気口101に至るように設定されている。また、前記ネック部2は、ネック部本体5がチャンバー7内に配設された前記第1タービン翼8及び第2タービン翼11に加圧空気を供給するための、第1給気路9及び、図3(図1のB−B’断面図)に示す第2給気路12と、上記各給気口及びチャンバー7内の加圧空気を排気するための第1排気路10及び第2排気路13と、第1排気口101及び第2排気口131によって構成されている。
なお、ヘッド部及びネック部は成型が容易な合成樹脂で形成してもよい。
【0010】
次に本発明の歯科用エアータービンハンドピースの作用について説明する。
図1に示すように、前記加圧空気をネック部2のネック部本体5に配設された第1給気路9及び第2給気路12に給気し、該加圧空気を各給気口91を通してチャンバー7内に導き第1タービン翼8及び第2タービン翼11に噴射させ、回転軸14に回転駆動力を発生させた後、チャンバー7内から加圧空気を排気口101を通して排気路10に排気することにより行われている。
図2に示すように、上記の作用における加圧空気の流れは、チャンバー7内を回転軸14を中心として実線矢印のように周回させながらUターンさせて排気口101を通って排気路10に排気している。
上記の歯科用エアータービンハンドピースにおいて回転軸14のトルクを増大するには、理論的には加圧空気による給気口91での給気速度を速くするか、加圧空気の単位時間当たりの給気量を増大させればよいが、歯科用エアータービンハンドピースは患者の口腔内に挿入し施術するため、ヘッドの大きさの制約と、排気は直接口腔内にはできない制約がある。このため、実際には前述したように、給気速度を増大させようとして加圧空気圧を単に増大させても、給気速度を音速以上に増大することはできず、回転軸14のトルクの増大には限界があることは前述した通りである。
また、給気量を増大させようとして単に給気口91の断面積を増大させてもチャンバー7内で抵抗体としての作用によりタービン翼への給気エネルギーの伝達効率がよくならないことも前述した通りである。
【0011】
従って、本発明では、トルクの増大を図るため前述したチャンバー7内の加圧空気の流れがタービン翼の回転に対し、抵抗体として働く作用を削除する方法、すなわち
▲1▼チャンバー7内の圧力を上昇をさせない。
▲2▼給気された加圧空気は、第1タービン翼8及び第2タービン翼11に衝突した後、回転軸14と同方向にチャンバー7内を周回するが、回転軸14の回転速度に比較して周回速度を遅くさせない。
ことと、さらに回転軸を同一とした第1タービン翼8及び第2タービン翼11の連接方式とし、給気及び排気系も第1及び第2の各タービンに対応して2つに分けることによりトルクのパワーを倍増させるようにした。
以下に上記の作用について説明する。
図1に示すように、第1タービン翼8及び第2タービン翼11は、回転軸14の軸方向からみてタービン翼とチャンバー7の上下内壁面との上下間隔30を狭くとり、タービン翼に噴射された加圧空気が上下間隔30の空隙によって急激に拡散することを防止し、給気速度が低下しないようにした。
また、給気路の給気口91の口径に対し、ヘッドハウジング3のチャンバー7内を周回しエアーを排気する排気口101の口径を大きく設定し、上記給気口91から排気口101に至るエアー通路100を、給気路9先端の給気口91を起点として順次拡大(順次断面積を増大)させて排気口101において排気路10の口径と一致するように配設し、また、各タービン翼の先端部とチャンバー内左右の外周内壁面との左右間隙31を、給気口91より順次曲率半径を拡大させて排気口101に至るようにした。
給気口91から噴射された加圧空気は、タービン翼を衝撃により回転させた後、チャンバー7の内部を、図2の実線矢印の方向に周回し排気される。
このとき、通気路であるチャンバ7の容積は、給気口9を起点として、少しづつ順次拡大してゆくので、加圧空気は急激に拡散することはなく、給気速度を急速に低下させタービン翼の回転を妨げる抵抗作用を防止している。
さらに、排気口101においては、排気の容積を排気路と同一にしてあり、給気と排気の過程におけるチャンバー7の内部を周回する加圧空気の流れは、チャンバー7内の順次拡大された部分を通り排気路と同口径の排気口に至るので空気密度が順次低くなり、タービン翼8の回転を低下させる抵抗作用を防止している。
さらに、図1に示すように、第1タービン翼8及び第2タービン翼11の連接方式とし、回転軸14を同一として、回転数は同一であるがトルクのパワーを倍増させている。
また、給気及び排気系を上下2個のタービンに対応して上下2つに分け、エアー供給上の損失を少なくしている。このために、上下のタービン翼の間に軸側セパレーター25及びハウジング側セパレーター26が設けられている。
以上の作用により、タービンの効率は大きく向上し、回転する切削工具20のトルクを増大させている。
【0012】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の歯科用エアータービンハンドピースによれば、従来のエアータービンハンドピースでは加圧空気の一部がチャンバー内で抵抗体として作用し、タービン翼の回転を低下させていた欠点を改善してタービンの回転効率を向上させトルクを増大することができ、さらに、回転軸を同一とした第1タービン翼と第2タービン翼の連接方式としたため、タービンの回転効率が一層向上し、トルクのパワーを大幅に増大できる。従って、歯科治療の施術時に切削工具の回転に負荷がかかった場合の回転速度の低下を防止することができ、より円滑、迅速な施療を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の歯科用エアータービンハンドピースのヘッド部とネック部の縦断面図
【図2】図1のA−A’断面図で第1タービン翼と加圧空気の流路図
【図3】図1のB−B’断面図で第2タービン翼と加圧空気の流路図
【図4】図1のC−C’断面図で、セパレーターの構造図
【図5】本発明の歯科用エアータービンハンドピースの外観図
【図6】従来の歯科用エアータービンハンドピースのヘッド部とネック部の縦断面図
【図7】図6のA−A’断面図でタービン翼と加圧空気の流路図
【図8】従来の歯科用エアータービンハンドピースの外観図
【符号の説明】
1、1’:ヘッド部 2、2’:ネック部
3、3’:ヘッドハウジング 4、4’:キヤップ部
5、5’:ネック部本体 6:エアー供給
7、7’:チャンバー 8:第1タービン翼
8’:タービン翼 9:第1給気路
9’:給気路 10:第1排気路
10’:排気路 11:第2タービン翼
12:第2給気路 13:第2排気路
14:回転軸 15:軸受部
16:内輪 17:外輪
18:ボール 19:リテーナー
20:切削工具 21:Oリング
22:ウエーブワッシャー 25:軸側セパレーター
26:ハウジング側セパレーター
30、30’:上下間隙
31、31’:左右間隙
91:第1給気口 91’:給気口
100:エアー通路 101:第1排気口
101’:排気路 121:第2給気口
131:第2排気口

Claims (3)

  1. ハウジング内に切削工具を保持するための回転軸に固定されたタービン翼と、タービン翼回転用のエアーを流す給気路及びタービン翼回転後のエアーを排出する排気路とを備える歯科用エアータービンハンドピースにおいて、前記給気路先端の給気口の口径に対し、排気路の入口端の排気口の口径を大きく設定し、かつ、上記給気口から排気口に至るハウジング内を周回するエアー通路を、給気口から排気口側にかけて順次拡大させ形成させ、さらに、前記タービン翼を回転させるタービンを、回転軸を同一にした上下2個の連接方式とし、2個のタービンの間にはセパレーターを設けて、各タービンに対応してヘッド部チャンバー内並びにネック部の給気路、排気路及びエアー通路を2系統に分離して形成して構成したことを特徴とする歯科用エアータービンハンドピース。
  2. タービン翼とチャンバーの上下内壁面の間隙を狭くとって配設したことを特徴とする請求項1記載の歯科用エアータービンハンドピース。
  3. ヘッド部及びネック部が合成樹脂で形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の歯科用エアータービンハンドピース。
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