JP3672781B2 - 空気駆動回転切削器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、加圧空気を利用して切削用工具(例えば、ドリルなどの穴あけ工具)を回転する、医療用、歯科用、及び加工用の空気駆動回転切削器に関する。
【0002】
【従来の技術】
本出願人の出願に係る特開平10−123746号公報には、医療用、歯科用、及び加工用の空気駆動回転切削器の一つとして、加圧空気のエネルギーを有効に回転力に変換する手段として2段式ロータを採用したものが開示されている。この2段式ロータは、リング状のハブを備えており、ハブの外周面に第1タービンブレード部と第2タービンブレード部が形成されている。また、第1タービンブレード部はハブの中心から放射状に伸びる複数の第1のタービン翼を備え、同様に第2タービンブレード部もハブの中心から放射状に伸びる複数の第2のタービン翼を備えている。
【0003】
一方、ハンドピースのヘッド部には内空部が形成されており、この内空部には内空部の内面形状に対応した外形を有する筒状の内側ハウジングが収容され、この内側ハウジングの内部にロータ及びこのロータを回転自在に支持する軸受機構等が収容されている。また、ヘッド部と内側ハウジングには、ロータの第1タービンブレード部に加圧空気を噴射するための給気路と、第2タービンブレード部から送り出された空気を排気するための排気路が形成されている。そして、内側ハウジングには、第1のタービンブレード部から送り出された加圧空気を第2のタービンブレード部に案内する中継通路が形成されている。したがって、給気路から噴射された加圧空気はまず第1タービンブレード部の第1タービン翼に当たる。次に、加圧空気は、中継通路から第2タービンブレード部に送られ、第2タービン翼に当たり、その後、排気路を通じて外部に排出される。
【0004】
このように、2段式ロータを採用したハンドピースは、加圧空気のエネルギーが2つのタービンブレード部で有効に活用されることから、従来のハンドピースに比べて、より高速回転下での高トルク特性をもって切削工具を回転できるという有利な点を有する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述したハンドピースでは、内側ハウジングに中継通路を形成するために、内側ハウジングを形成している筒状部材には周方向に伸びる所定の領域に複数の溝(スロット)を形成し、筒状部材に外装したリング部材で開口溝の外側開口部を塞ぐ方法を採用している。しかし、この方法は、リング部材が必要であるという問題、このリング部材を筒状部材の外周部に固定するために、筒状部材の外周面とリング部材の内周面にねじ溝を加工しなければならないという問題、筒状部材とリング部材との間に出来る隙間から加圧空気が漏れ出て、加圧空気のエネルギを完全に有効活用できず、結果として回転数、トルクが安定しないという問題がある。
【0006】
また、上述したハンドピースでは、確かに高速回転数下での高トルクを実現できる。そのため、切削工具に約30万rpm〜50万rpmの回転数が要求される歯科用ハンドピースにとって、上述した2段式ロータは極めて有効な技術であった。しかし、一方において、高トルクを維持しながら、回転数を僅かだけ低下させたいという要求がある。
【0007】
例えば、歯科用ハンドピースでは、回転数を僅かだけ低下させることにより、以下の効果が得られる。
・歯牙の切削に伴う発熱の低減。これは、発熱による疼痛の減少、歯髄の発熱による歯髄炎の回避に有効である。
・騒音の低減、及び音質(高周波数音から低周波数音への変化)。これは、歯科治療時におけるロータ及び切削工具の回転音の大きさ、およびそれらの回転時に生じる高周波音は、治療に対して患者に恐怖心を抱かせ得るからである。
・切削工具の破損防止。長い歯科用切削工具を約30万rpm〜50万rpmで高速回転した場合、歯牙切削時の僅かな負荷の増加により比較的容易に破損する可能性があるが、例えば回転数を約1〜5万rpmだけ低下させただけでも、破損の確率は大幅に減少する。
・軸受の長寿命化。歯科用切削工具を玉軸受で支持したものでは、切削工具の回転数を約30万rpm〜50万rpmから約1〜5万rpmだけ低下させただけでも軸受寿命が飛躍的に長くなる。
【0008】
次に、2段式ロータは、その中心軸の方向に(上段と下段に)第1タービンブレード部と第2タービンブレード部を配置しているため、ハンドピースのヘッド部の大きさが中心軸方向に大きくなる。他方、小児用及び老人用の小型のヘッド部を備えたハンドピースや、口腔内でヘッドの移動領域が制限される治療(例えば、智歯治療)に用いる小型のヘッド部を備えたハンドピースでは、中心軸方向の大きさが制限されている。そのため、小型のヘッド部を有するハンドピースに上述した2段式ロータを組み入れて高速回転数下での高トルクを実現するために、新たな技術の開発が必要であった。
【0009】
続いて、上述した2段式ロータを採用したハンドピースでは、このロータに加圧空気を供給するための給気路を複数の構成部品で構成している。そのため、ハンドピースを製造するためには、各構成部品を別々に加工し、その後、加工した部品を組み立てるという工程が必要になる。また、複数の部品間の隙間を完全にシールすることは困難である。そのため、部品間の隙間から加圧空気が漏れ出て、加圧空気のエネルギをロータの回転に有効に変換できない。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本願発明は、上述した問題を解消するためになされたものである。具体的に、本願発明の第1の形態の空気駆動回転切削器は、術者により把持されるグリップ部と、上記グリップ部の先端部に設けられたヘッド部を有し、
このヘッド部に形成された内空部に軸受を介して回転軸を中心として回転するロータは、上記回転軸の周りに複数の第1のタービン翼を配置する第1のタービンブレード部と、同じく上記回転軸の周りに複数の第2のタービン翼を配置する第2のタービンブレード部とを有しており、
上記ヘッド部の内空部には、上記グリップ部に設けた給気路から上記ロータの第1のタービンブレード部に向けて空気を噴出する為の給気口と、上記第1のタービンブレード部からの空気を上記第2のタービンブレード部に導く導入部と、上記第2のタービンブレード部からの排気を上記グリップ部に設けた排気路に排出する為の排気口が設けられており、
上記給気口から噴出した空気は、上記ロータの回転軸に実質垂直な方向から記第1のタービンブレード部に作用し、上記第1のタービン翼と隣接する第1のタービン翼との間に形成した第1の空気通路を経て、上記第1のタービンブレードから回転軸の軸方向に排出した空気を上記ヘッド内周に設けた上記導入部に形成した第2の空気通路を経て第2のタービンブレードに導き、この空気を上記回転軸と実質垂直な方向に上記第2のタービンブレード部に作用させ、上記第2のタービン翼と隣接する第2のタービン翼との間に形成した第3の空気通路を経て、上記排気口から排出するようにした空気駆動回転切削器であって、
上記導入部に形成した第2の空気通路が、上記回転軸に平行な複数の壁面と、この隣接する壁面の間に形成され上記回転軸に平行な面を横切る壁面により形成される複数の凹状空所で形成されている。
【0011】
上記空気駆動回転切削器では、上記第2のタービンブレード部に設けた第2のタービン翼が、上記回転軸と平行に設けるように形成されていることが好ましい。
【0012】
また、上記導入部に形成した第2の空気通路は、上記内空部の内周に設けられた凹状空所が、上記回転軸を中心とする円周方向に実質的に沿った第1の面と、上記第1の面を上記回転軸の方向に向かって且つ上記回転軸に向かって外から内側に延長した曲面からなる第2の面と、上記第1の面と第2の面の両側に位置して上記回転軸に平行に伸びる一対の第3の面とで形成するのが好ましい。
【0013】
さらに、上記第3の面は、実質的に、上記回転軸から放射方向に向けてもよいし、上記回転軸を中心とする放射方向に対して斜めに向けてもよい。
【0014】
さらにまた、上記第1及び第2の面と上記第3の面との接続部が曲面によって連続的に形成するのが好ましい。この場合、上記曲面の曲率半径は、0.1mm以上であることが好ましい。
【0015】
本発明の第2の形態の空気駆動回転切削器は、ロータの回転軸を中心とする円周方向に関し、上記第2の空気通路の形成されている領域が上記給気路の給気口が形成されている領域よりも大きいこと特徴とする。更にこの形態において、第2の空気通路の形成されている領域が上記円周方向に連続して全周に設けられることを特徴とする。
【0016】
本形態の空気駆動回転切削器では、上記第2の空気通路は、上記回転軸を中心とする円周に沿った第1の面と、上記第1の面を上記回転軸の方向に向って且つ上記回転軸に向って延長した曲面からなる第2の面と、上記第1の面と第2の面の両側に位置して上記回転軸に平行に伸びる一対の第3の面とで形成されており、上記第1の領域に含まれる上記第3の面と上記第2の領域に含まれる第3の面とは、上記回転軸の放射方向に対して異なる角度を有するように構成してもよい。
【0017】
また、上記第3の面の上記回転軸側端部から上記第3の面を上記回転軸側に延長した線と、上記第3の面の上記回転軸側端部を通り且つ上記回転軸側端部から上記ロータの回転方向に伸ばした接線との間に形成される接線角に関して、上記第1の領域に含まれる上記第3の面の接線角は上記第2の領域に含まれる上記第3の面の接線角よりも小さく設定してもよい。
【0018】
本発明の第3の形態の空気駆動回転切削器は、上記第2のタービン翼が、上記回転軸と平行に伸びていることを特徴とする。
【0019】
本発明の第4の形態の空気駆動回転切削器は、上記第2のタービン翼が、上記第1タービンブレード部のハブ部の底面に形成されていることを特徴とする。
【0020】
本発明の第5の形態の空気駆動回転切削器は、上記工具支持部の周囲に上記第3の空気通路に隣接する第4の空気通路が形成されており、上記第3の空気通路から送り出された空気は上記第4の空気通路を介して上記排気路に送られることを特徴とする。
本形態の空気駆動回転切削器では、隣接する上記第2のタービン翼の間に形成された第3の空気通路は、上記第2のタービン翼の内側と外側に開放してもよい。
【0021】
本発明の第6の形態の空気駆動回転切削器は、上記ヘツド部には、上記グリップ軸に平行に設けた給気路と、上記グリップ軸に所定の角度をなして交差する複数のノズルと、上記給気路とノズルとの間に設けられ上記給気路から供給される空気を全ての複数のノズルに供給する補助給気路を有し、且つ上記ノズルが貫通孔とシール部材より構成されることを有することを特徴とする。
【0022】
本形態の空気駆動回転切削器では、補助給気路の総横断面積は、複数の給気口の横断面積の合計よりも大きくするのが好ましい。また、上記給気口には横断面積を小さくした断面縮小部を有することが好ましい。また、上記給気口の断面縮小部には先細りのテーパ部が設けられていることが望ましい。
【0023】
更に、上記複数の給気口が上記回転軸に対して垂直な方向に並設されることが望ましい。また、上記複数の給気口を有する給気口部のノズル軸が、ロータの回転方向に対して上流側ほどグリップ軸に対して大きい角度を有するように設定していることが望ましい。
【0024】
【発明の効果】
第1の形態の空気駆動回転切削器によれば、第2の空気通路は、上記回転軸に平行な複数の壁面と、この隣接する壁面の間に形成され上記回転軸に平行な面を横切る壁面により形成される複数の凹状空所である事を特徴にしている。したがって、第2の空気通路は、ヘッド部を軸に平行な方向から加工することによって、換言すれば、軸に直交する方向又は斜めの方向から加工する必要なく、製造できる。そのため、第2の空気通路を含むヘッド部を容易に安価に製造できる。また、従来の内側ハウジングは内外を貫通する溝(スロット)を形成しているため強度が弱く耐久性に劣るという問題があったが、本形態ではそのような溝は必要無いので、強度低下の問題もない。さらに、上述した従来の空気駆動回転切削器では第2の空気通路を2つの部材(内側ハウジングとリング部材)で構成し、両者に形成したねじで組み立てる構成を採用しているが、本形態では第2の空気通路を単一の部材で形成できるので、製造が容易で、加圧空気の漏れもなく回転数、トルクが安定する。
【0025】
また、ロータの軸を中心とする円周方向に関し、上記第2の空気通路の形成されている領域を給気路の形成されている領域よりも大きくした第2の形態の空気駆動回転切削器によれば、トルクを維持し又は過剰に低下させることなく、ロータ及び切削工具の回転数を必要に応じて低下させることができる。そのため、例えば歯科用ハンドピースでは、歯牙の切削に伴う発熱の低減、騒音の低減及び音質の改善、切削工具の破損防止、軸受の長寿命化を図ることができる。
【0026】
さらに、第2のタービン翼をロータの軸に平行に配置した第3の形態の空気駆動回転切削器によれば、この第2のタービン翼を軸に平行な方向から加工することによって、換言すれば、軸に直交する方向又は斜めの方向から加工する必要なく、製造できる。また、上記第2のタービン翼が、上記上記第1タービンブレード部のハブ部の底面に形成されている第4の形態の空気駆動回転切削器によれば、ヘッド部の高さの低い小型に製作できるメリットがある。
【0027】
さらにまた、工具支持部の周囲に、上記第3の空気通路に隣接する第4の空気通路が形成した第5の形態の空気駆動回転切削器によれば、第2のタービン翼に当たった空気は第4の空気通路に入り、工具支持部の周囲を移動し、再び第3の空気通路を経て排気路から排出される。このように、供給された空気は第3の空気通路を2回通過するため、ロータに必要な制動が働き、例えば、歯科用ハンドピースの場合には、回転数を約1〜5万rpm程度低下させることができる。また、ロータの軸方向長さを短くでき、小型の空気駆動回転切削器が得られる。
【0028】
そしてまた、ヘッド部に穴をあけて給気路を形成した第6の形態の空気駆動回転切削器によれば、従来の空気駆動回転切削器のように給気路を形成するために複数の構成部品を必要としない。そのため、エアタービンは、組立が簡単である。また、加圧空気の漏れもないので、供給された加圧空気をロータ及び切削工具の回転に有効に活用できる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態を説明する。なお、以下の説明は、本発明を歯科治療用の空気駆動回転切削器(以下、「ハンドピース」という。)に適用した例に関する。しかし、本発明は、歯科治療用ハンドピースに限るものでなく、外科医療用ハンドピース、一般材料や部品等の切削加工用ハンドピースにも適用可能である。また、以下に説明する複数の実施形態及び変形例において、同一の部材は同一又は類似の部材を示す。
【0030】
I.実施の形態1
(1)概略構成
図1は、本発明に係るハンドピースの全体構成を示す側面図を示す。この図1において、ハンドピース10は術者が治療する際に手に持つ部分であるグリップ部12を有し、このグリップ部12の一端には、従来のハンドピースと同様に空気や水などの作用媒体の供給チューブ15と接続する為の接続部13が設けられ、他端にはネック部11を介してヘッド部14が設けられている。このヘッド部14には切削工具72が着脱自在に装着可能とされている。図2〜図6は、図1のヘッド部14近傍を拡大した図である。これらの図面に示すように、ヘッド部14は、グリップ部12の先端に設けられる軸部16と、後述する切削工具72及び該切削工具を駆動する駆動部70を収容する筒状ハウジング部18とを、一体的に備えており、軸部16のグリップ軸20に対して、筒状ハウジング部18の中心軸(後述する切削工具の回転中心軸に相当するもので以後回転軸と言う。)22が図2のように垂直又はほぼ垂直に方向付けられている。
【0031】
(2)ヘッド部の軸部
図2に示すように、ヘッド部14の軸部16は、筒状グリップ部12の先端に挿入固定できる大きさと形に加工した断面縮小部24を有する。また、軸部16には、図3に示すようにグリップ部12側の後端面26(図面上右側の端面)と筒状ハウジング部18の内部空間に臨む前端面28(図面上左側の端面)とを流体的に連通する複数の貫通孔が形成されている。これら複数の貫通孔には、切削工具駆動部70に加圧空気を供給するための給気路30と、切削工具駆動部70からの加圧空気を排気するための排気路32が含まれる。
【0032】
▲1▼ 給気路
給気路30は、図1に示す作用媒体供給チューブ15との接続部13からグリップ部12の内部にグリップ部12の長手軸方向に沿って配設された図示しないパイプ等に接続されている。供給路30の先端部は、図4に示すように軸部16をそのグリップ部12側の後端面26と断面縮小部24の外周面から所定の長さの穴を加工して形成される。具体的には、図4を用いて説明すると後端面26からグリップ軸20に平行に所定長さの主給気路34を加工する。次に、回転軸22(図3参照)に垂直でかつ主給気路34の中心軸を通る平面(給気レベル)に沿って、主給気路34の内面から一つ又は複数の補助給気路36、38を穴あけ加工する。また、補助給気路36、38の加工後又は加工前に、上記給気レベル平面に沿って、断面縮小部24の外周面40と主給気路34の内面(必要であれば端面26)から、補助給気路36、38又は主給気路34を横切って軸部先端面28において開放された複数の貫通孔41で給気ノズル42を形成する。そして、主給気路34の開口部には、加圧空気が上述した加圧空気供給用チューブ15に接続された接続部13から適当なパイプ部材等を介して供給される。また、断面縮小部24の外周面40から形成された各給気ノズル42は、この外周面40の近傍に球形シール部材(例えば、鋼球44)が圧入されて密閉される。
【0033】
給気ノズル42は、この給気ノズル42から噴射される加圧空気によって、筒状ハウジング部18の内側に配置される切削工具が回転軸22を中心として矢印44方向(図4における時計周り方向)に回転力を受けるように配置するのが好ましい。具体的に、図4に示すように、給気ノズル42の中心軸と、筒状ハウジング部18の円筒内面上の点であって該中心軸に交差する点を通る接線との交角(ノズル接線角:α)は、約10〜50°に設定するのが好ましい。
【0034】
また、各給気ノズル42は、補助給気路36、38に接続する部分の総横断面積の合計が軸部先端面28において開放される部分(スロート部50)の断面積の合計よりも大きくなるように、軸部16の端面28から所定の距離だけ戻った位置に先細りのテーパ状の絞り部52を設けるのが好ましい。絞り部52の角度(テーパ角)は、約15〜45°とするのが好ましい。
【0035】
各給気ノズル42から噴射される空気の流速が主給気路34に供給される空気の流速よりも大きくなるように、各スロート部50の横断面積を合成した有効断面積は、主給気路34の有効断面積及び補助給気路36、38の有効断面積よりも小さくするのが好ましい。なお、図示するように複数の補助給気路36、38が部分的に共有する部分を有する場合、補助給気路36、38の有効断面積は、それぞれの補助給気路36、38の断面積から共有部分の断面積を除いた断面積として得られる。
【0036】
なお、通常、給気ノズル42の吐出口(スロート部50)の形は、図5に示すように、円径である。しかし、給気ノズル42の吐出口の形は円径に限るものでなく、図6に示すように、長方形であってもよい。
【0037】
また、上述のように、主給気路34は軸部14のグリップ軸20に平行に形成されており、この主給気路34に対して接続部材を介して加圧空気供給用チューブ(不図示)が接続される。そのため、例えば主給気路がグリップ軸20に対して斜めに形成されている場合に比べて、軸部後端面26に隣接する空間を有効に利用できる。また、図5及び図6に示すようにノズルの開口部は回転軸22に垂直に設けられる。
【0038】
▲2▼ 排気路
図2及び図3に示すように、排気路32は給気路の下方に形成されており、軸部後端面26から軸部先端面28に貫通する孔からなる。
【0039】
(3)ヘッド部の筒状ハウジング部
図2及び図3に示すように、ヘッド部14の筒状ハウジング部18は、給気路30から噴射される加圧空気を切削工具の回転力に変換する駆動部70の外側形状に対応した形と大きさの円筒状内空部54を有する。この内空部54は、その上部と下部の開口部56、58において開放されており、上述した駆動部70が上部開口部56から内空部54に挿入され、内空部54に挿入された駆動部70に設けた後述する工具支持部74に対して下部の開口部58を介して切削工具72が着脱自在に装着できるようにしてある。また、内空部54に配置された駆動部70を保護するために、上部の開口部56には着脱自在にキャップ支持リング60が設けられ、さらに該キャップ支持リング60に対してキャップ62(図2参照)が着脱自在としてある。なお、本実施形態では、図1に示すように、キャップ62の内側にはスプリング64が配置され、このスプリング64の付勢力により、キャップ62が図示する位置に安定して維持できるようにしてあり、このキャップ62を押圧することにより工具支持部74での切削工具72の把持を解除して切削工具72の交換が可能なようにしてある。
【0040】
(4)切削工具の駆動部
▲1▼ 工具支持部
図2及び図7に示すように、切削工具72の駆動部70は、内空部54の回転軸22に沿って切削工具72を支持する工具支持部74を有する。工具支持部74は、一端部(図6の下端部)から所定の深さの穴(工具支持孔)76が形成されている。また、工具支持部74は、工具支持孔76に挿入された切削工具72を保持するチャック機構(図示せず)を備えている。このチャック機構は、公知の機構でありキャップ62の押圧時に保持を解除して工具72の交換を可能としてあり、キャップ62を離した状態で切削工具72をロックし、キャップ62を押圧した状態で切削工具72を交換できるようにアンロックする。
【0041】
▲2▼ 軸受部
図2及び図7に示すように、工具支持部74は、上部と下部にそれぞれ設けた上部軸受部78と下部軸受部80によって、回転軸22を中心に回転自在に支持されている。上部軸受部78と下部軸受部80は、基本的に、同一の構成を有し、本実施形態では周知の玉軸受を採用している。しかし、軸受の構造は玉軸受に限るものでなく、他の軸受構造(例えば、滑り軸受や空気軸受等)を採用してもよい。
【0042】
具体的に、上部軸受部78の玉軸受82は、内側リング84と、この内側リング84に同心的に配置された外側リング86と、これら内側リング84と外側リング86との間に配置された複数のボール88を有する。そして、内側リング84は工具支持部74に外装されて固定されている。他方、外側リング86は、筒状ハウジング部18の内空部54に挿入された上部ケーシング90に固定される。上部ケーシング90は、この上部ケーシング90が配置される場所の内空部形状に対応した大きさと外形を有する環状部材からなる。また、この環状部材の外周部には、上部ケーシング90を内空部54に装着した状態で、この内空部54に形成されている回り止め部(例えば、回転軸22に平行な溝)に係合する回り止め部(突起)を備えており、これらの回り止め部により、内空部54に設けた上部ケーシング90の回転が規制されている。なお、図示しないが、また外側リング86と上部ケーシング90との対向部にも同様の回り止め部が設けられ、それらの間の相対的回転が禁止されている。必要に応じて、隣接する部材の間、例えば、上部ケーシング90と外側リング86、上部ケーシング90とキャップ支持リング64、上部ケーシング90と筒状ハウジング部18との間には適宜シール構造(例えば、ゴムパッキン)が設けられ、加圧空気の漏れが防止される。
【0043】
下部軸受部80は、基本的に、上部軸受部78に類似の構成を有する。具体的に、下部軸受部80の玉軸受92は、上部軸受部78の玉軸受82と同様に、内側リング94と、外側リング96と、それらの間に配置された複数のボール98からなる。そして、内側リング94は、工具支持部74に外装されて固定されている。他方、外側リング96は、下部ケーシング100に固定されている。下部ケーシング100は、この下部ケーシング100が配置される場所と後述するロータが配置される場所の内空部形状に対応した大きさと外形を有する環状部材からなる。また、下部ケーシング100の外周面と、この外周面に対応する内空部54の内面部分にはそれぞれ回り止め部(例えば、内空部54に形成した溝と下部ケーシング100に形成した突起)により、筒状ハウジング部18に対する下部ケーシング100の回転が規制されている。必要に応じて、隣接する部材の間、例えば、下部ケーシング100と筒状ハウジング部18、下部ケーシング100とハウジング部18との間には適宜シール構造(例えば、ゴムパッキン)が設けられ、加圧空気の漏れが防止されている。
【0044】
▲3▼ ロータ
引き続き図2及び図7を参照して説明すると、上部軸受部78と下部軸受部80との間には、給気路30から噴射される加圧空気を利用して、工具支持部74、さらに該工具支持部74を介して切削工具72に回転を伝達するための2段式ロータ102が設けてある。ロータ102は、図8に示すロータ部の斜視図に詳細に示すように、概略リング状の部材で、中央に貫通孔104を有する。貫通孔104の内径は、ロータ102を支持する工具支持部74における略中段部分の外径にほぼ等しい。貫通孔104を形成しているハブ106は、上段に第1のタービンブレード部108、下段に第2のタービンブレード部122を有する。
【0045】
第1のタービンブレード部108は、ハブ106の上端部を半径方向外側に突出した円形の上部天井壁110と、この上部天井壁110の底部からハブ106の外周面に沿って下方に伸び且つ半径方向外側に突出した多数(本実施形態では18個)の突出壁(第1のタービン翼112)からなる。第1のタービン翼112は、ハブ106の周方向に等間隔に設けてある。また、隣接する第1のタービン翼112の間には、第1のタービン翼112の一方の面(ロータ102の回転方向に関して上流側に位置する作用面114)と他方の面(ロータ102の回転方向に関して下流側に位置するガイド面116)及びハブ106の外周面部分118によって、第1の空気通路120が形成されている。第1の空気通路120の高さ(中心軸方向の位置)は、ロータ102を内空部54に設けた状態で、給気ノズル42から噴射された加圧空気が第1の空気通路120の上部に吹き込まれるようにしてある。また、ハブ106の外周面部分120は半径方向内側に向かって湾曲する曲面(曲面形状は図2に最も良く表されている。)としてあり、ロータ102の半径方向外側から第1の空気通路120に吹き込まれた空気が上記曲面(外周面部分118)に沿って最小の空気抵抗をもって滑らかに下方に方向変換されるようにしてある。各タービン翼112はまた、上部天井壁110からロータ102の回転方向(矢印44方向)に関して僅かに下流側に向って斜めに伸び、途中で回転方向に関して上流側に方向を変えている。第1の空気通路120の高さ(中心軸方向の位置)は、ロータ102を内空部54に設けた状態で、第1の空気通路120の上部が給気路30の給気ノズル42に対向する高さとしてある(図2参照)。
【0046】
第2のタービンブレード部122は、第1の空気通路120の下端・内側の縁部によって外周が縁取りされた下部天井壁123と、この下部天井壁123の底部からハブ106の外周面に沿って真っ直ぐに下方に伸び且つ半径方向外側に突出した多数(本実施形態では18個)の突出壁(第2のタービン翼124)からなる。第2のタービン翼124は、周方向に等間隔に設けてある。また、隣接する第2のタービン翼124の間には、第2のタービン翼124の一方の面(ロータ102の回転方向に関して上流側に位置する作用面126)と他方の面(ロータ102の回転方向に関して下流側に位置するガイド面128)及びハブ106の外周面部分130によって、第3の空気通路132が形成されている。特に、第3の空気通路132を形成しているハブ外周面部分130は半径方向内側に向かって湾曲する曲面(曲面の形状は、図2に最も良く表されている。)としてあり、ロータ102の半径方向外側から第3の空気通路132に吹き込まれた空気が上記曲面に沿って最小の空気抵抗をもって滑らかに下方に方向変換されるようにしてある。また、第3の空気通路132の高さ(中心軸方向の位置)は、ロータ102を内空部54に設けた状態で、第3の空気通路132の底部が排気路32とほぼ同一の高さになるようにしてある(図2参照)。
【0047】
なお、図8に明らかなように、ロータ102の回転方向(矢印44方向)に関して、第1の空気通路120は第3の空気通路132からずれている。すなわち、第1の空気通路120の下端部は、第3の空気通路132の上端部から、ロータ102の回転方向にシフトしている。
【0048】
また、このように構成されたロータ102では、第2のタービン翼124及び第3の空気通路132は、回転軸22方向に平行に真っ直ぐに伸びている。そのため、回転軸22に平行な方向から第2のタービン翼及び第3の空気通路132を加工できるので、上述した従来のハンドピースのように第1と第2のタービン翼を共に曲線状に曲げたロータよりも加工が容易であり、安価に製作できる。
また、より回転数を低下できる。
【0049】
▲4▼ 空気ガイドリング(導入部)
図7に示すように、ロータ102の周囲には空気ガイドリング140が位置している。この空気ガイドリング140は、給気路30から内空部54に噴射された加圧空気を第1の空気通路120にその半径方向外側から内側に向かって導き、また、第1の空気通路120の下端部から排出された加圧空気を第3の空気通路132にその半径方向外側から内側に向かって導くために利用される第2の空気通路144を形成する導入部となる。なお、本実施形態では、空気ガイドリング140は下部ケーシング100と一体的に形成されているが、下部ケーシング100とは別に形成してもよい。また、空気ガイドリング140は下部ケーシング100と共に、ヘッド部14に一体的に形成してもよい。この場合、空気ガイドリング140の内面が内空部54の一部を形成する。このように構成すると、ヘッド部を樹脂や焼結金属などで一体成形する時に極めて低コストで製作する事が出来る。
【0050】
空気ガイドリング140を含む下部ケーシング100は、この下部ケーシング100を内空部54の所定位置に設けた状態で給気路30の給気ノズル42が対向する領域300に給気口142が形成されており、給気ノズル42から噴射された加圧空気が給気口142を介して第1の空気通路120にその半径方向外側から内側に向かって吹き込まれるようにしてある。給気口142は、図9及び図10に詳細に図示するように周方向に長細く広がる単一の開口であってもよいし、複数の給気ノズル42に対応した周方向に連なる複数の孔(図示せず)であってもよい。
【0051】
給気口142の下方には、第1の空気通路120の底部開口部に隣接する複数の第2の空気通路144が形成されている。本実施形態では、図9に図示するように、給気口142の形成されている領域300を含み且つ周方向に約120°の範囲に広がる領域302に、9個の第2の空気通路144が形成されている。これら第2の空気通路144は垂直壁146によって区切られている。また、各第2の空気通路144は、ロータ102の回転方向(矢印44方向)に関して垂直壁146の上流側の壁面(第1の面:上流壁面148)と、この上流壁148に対向する隣接する下流側の垂直面(第2の面:下流壁面150)と、上流壁面148と下流壁面150との間で半径方向外側から内側に且つ上方から下方に向かって湾曲して伸びる曲面壁(第3の面)152とで形成されている凹状空所151である。そして、これら3つの壁面148、150、152の上端縁によって形成される上部開口部154が第1の空気通路120の底部開口部に連通し、3つの壁面148、150、152の半径方向内側縁部によって形成される内側開口部156が第3の空気通路132の外側開口部に連通している。
【0052】
なお、上流壁面148と曲面壁152との接続部、また下流壁面150と曲面壁152との接続部は曲面とし、空気の受ける抵抗を出来るだけ小さくするのが好ましい。また、接続部の曲面の曲率半径は、0.1mm以上とするのが好ましい。
【0053】
本実施形態ではまた、垂直壁146は、半径方向外側の端部から内側の端部に向かって、ロータ102の回転方向(矢印44方向)に関して下流側に傾斜している。また、本実施形態では、垂直壁146(正確には上流壁面148)を内側に延長した線と、この上流壁面148の内側端部を通り且つこの内側端部からロータ102の回転方向下流側に伸ばした接線とのなす角度βは45°〜60°に設定されている。
【0054】
加えて、図9と図10に示すように、空気ガイドリング140は、ロータ102を空気ガイドリング140の内部に配置した状態で、第3の空気通路132の底部開口部に隣接する連絡通路158が周方向に連続して形成されている。また、連絡通路158は、その半径方向外側に配置されている排気路32に隣接し、第3の空気通路132から排出された空気が連絡通路158を介して排気路32に排気されるようにしてある。
【0055】
以上のように構成された空気ガイドリング140及び該空気ガイドリング140を含む下部ケーシング110、並びに上部ガイドリング90は、公知の加工技術、例えばエンドミル加工、放電加工で形成するのが好ましい。なお、上述のように、空気ガイドリング140に形成されている第2の空気通路152は、軸方向に平行な面だけ(つまり、3つの壁面148、150、152だけ)で形成されているので、下部ガイドリング140の一方の開口部(具体的には、図10の上部に示す開口部)から対応する部分にアクセスすることで加工できる。換言すれば、従来の空気駆動回転切削器に用いられている内側ハウジングは軸に直交する方向の壁面を有するために、加工装置を複数の方向から加工部分にアクセスさせる必要があり、そのために加工に多くの困難な問題を伴っていたが、上述のように構成された空気ガイドリング140は一方向からのみ加工できるので、加工が極めて簡単である。
【0056】
(5)ハンドピースの動作
以上のように構成されたハンドピース10を用いて歯牙の切削を行なう場合、図1に示すように、目的の作業に適した切削工具72が選択されて、工具支持部74にその下方から装着される。次に、図示しない加圧空気供給源から供給された加圧空気が供給用チューブ15を通じて主給気路34に送り込まれる。次に、加圧空気は、図4に示す主給気路34から、補助給気路36、38を介して、又は補助給気路36、38を介することなく直接、複数の給気ノズル42に分配される。給気ノズル42を通過する加圧空気は、絞り部52において加速され、ロータ102の回転軸22と直交する方向に(ロータ102の回転方向に関して下流側に)向け、空気ガイドリング140の給気口142を介して噴射される。そして、図7に示すロータ102の回転と共に給気口142の対向部を通過する第1の空気通路120にはそれぞれ、その半径方向外側の開口部より吹き込まれる。その結果、ロータ102は矢印44方向(図8参照)に向かう回転力が与えられて回転する。
【0057】
図7及び図9、図10を参照して、第1の空気通路120に供給された加圧空気は、第1のタービン翼112の間の第1の空気通路120を下方に流れる。そして、ロータ102の回転と共に第1の空気通路120が空気ガイドリング140に形成されている第2の空気通路144の対向位置に移動すると、空気は、第1の空気通路120の底部開口部から空気ガイドリング140の第2の空気通路144に移動する。第2の空気通路144に入った空気は、この第2の空気通路144を形成している垂直壁146と曲面壁152に沿って、ロータ102の半径方向内側に向けて、ロータ102の第3の空気通路132に送り込まれる。第3の空気通路132に入った加圧空気は、この第3の空気通路132を形成している2つの第2のタービン翼124とそれらの間に挟まれた内側の曲面130に案内されて下方に移動し、連絡通路158を介して排気路32に送り出される。排気路32の空気は、ハンドピース10に接続された作用媒体供給チューブ15を通じて外部に放出される。
【0058】
このように構成されたハンドピース10によれば、図8に示すように、ロータ102の第1のタービン翼112は回転方向(矢印44方向)下流側に向って湾曲して曲げられているので、回転軸22と直交する方向(本実施形態ではロータ102のほぼ接線方向)から第1の空気通路120に吹き込まれた加圧空気の圧力が第1のタービン翼112に効果的に作用し、ロータ102の回転数を高速に回転させ且つトルクを得る事に著しく寄与する。
【0059】
一方、第2のタービン翼124は、回転軸22の方向に垂直に形成されている。したがって、第1のタービン翼112に比べて、回転数とトルクの増加に寄与する能力は低下する。しかし、その低下量は僅かであるので全体として高い回転数を維持しつつトルクを得る事が出来る。また、トルクの低下に関しては、空気ガイドリング140に形成した第2の空気通路144の数を増やすことで、解消できる。つまり本発明によれば、第1のタービン翼と第2のタービン翼と共に曲線状に形成した従来のハンドピース(特開平10−234746号公報の図14と図15に記載されたロータを用いたハンドピース)よりも構造が簡単で且つ、回転数が僅かに低くトルクがほぼ同一のハンドピースを得ることができる。
【0060】
(6)第1の実施形態の変形例
▲1▼ 第1の変形例
図11は、空気ガイドリング、特に、第2の空気通路の変形例を示す。この変形例に係る空気ガイドリング140では、この空気ガイドリング140の全周に第2の空気通路144が形成されている。この空気ガイドリング140によれば、ロータ102のトルクを上述した従来のハンドピースのロータと同一に保ち、第1の実施形態のハンドピースよりも回転数を低下させることができる。
【0061】
▲2▼ 第2の変形例
空気ガイドリング140における垂直壁146と接線とのなす接線角βは、ロータ102の回転数及びトルと密接に関係する。例えば、接線角βが小さくなると回転数は増加する。また、接線角βが大きくなると回転トルクが減少する。理論上、接線角βが90°以上の場合、ロータ102に与えられるトルク及び回転数は、第1のタービン翼112だけで得られるトルク及び回転数よりも小さくなる。したがって、トルクを低下させることなく回転数を低下させるには、図12と図13に示すように、接線角βがほぼ90°となるように垂直壁146を回転軸22(ロータ中心)に向けた空気ガイドリング140を用いるのが好ましい。更に回転数を低下させるには、接線角βを90°以上とすればよい。
【0062】
▲3▼ 第3の変形例
トルクは低下させることなく回転数のみを低下させるためには、図14と図15に示すように、給気ノズル142の領域300を含む特定の領域302については垂直壁146を半径方向に向け(β1=45°)、それ以外の領域304については垂直壁142を該垂直壁と接線とのなす角度(β2)が約90°となる方向に第2の空気通路144を設けるのが好ましい。また、図16に示す変形例では、β1=90°、β2=135°に設定されている。この場合、切削負荷がかかり回転数が低下した時には主に空気が領域300に流れるためトルクの低下は少ない。一方、負荷のかからない場合は、第1タービンブレード部108により空気は領域302に運ばれるので回転数が低下する。即ち、トルクをあまり低下させずに回転数を低下できる。
【0063】
II.第2の実施形態
図17〜図20は、第2の実施形態に係る空気駆動回転切削器を示す。この空気駆動回転切削器10’において、図19に示すように、隣接する第2のタービン翼124の間に形成された第3の空気通路132が、放射方向の内側と外側に開放されており、環状に配置された第2のタービン翼124の内側には、工具支持部74の周囲に、環状の空気通路(第4の空気通路)160が形成されている。言い換えれば上記第2のタービン翼124が、上記第1タービンブレード部108のハブ部106の底面に形成されている。図17及び図19において、第2のタービン翼124は、ロータの回転軸22に関し、放射状の平面を形成しているが、より大きいトルクを得たい場合には、第2のタービン翼124を回転方向の逆の方向に傾けるのが良く、又、より低い回転数を得たい場合は、第2のタービン翼124を回転方向に向けて傾ければ良い。また、工作性は良くないが、図17の第2のタービン翼124を回転方向に傾けて湾曲面とすれば、より空気の流れがスムーズに出来るのでさらに高トルクを得る事が出来る。なお、符号162で示す部材は、キャップ60を図示する位置に保持する板ばねである。
【0064】
このように構成された空気駆動回転切削器によれば、給気路30から第1の空気通路120、第2の空気通路144を介して第3の空気通路132に供給された空気は、この第3の空気通路132から第4の空気通路160に入る。また、空気は、第4の空気通路160を、ロータ102の回転方向(矢印44方向)に向かって移動し、再び第3の空気通路132を通り排気路32に流れる。特に、本実施形態では、ロータ102の回転方向に関して、つまり図17の時計周り方向に関して、給気路30から第1の空気通路120に空気の供給される領域は約3時から5時の範囲にあり、他方、第4の空気通路160から排気路32に空気の流れ込む領域は約1時から3時の範囲にあるので、前者の領域から供給された空気は内空部54をほぼ一周して排出される。
【0065】
また、内空部54を移動する空気は、上述の通り第3の空気通路132を2回通過する。そのため、ロータ102に必要な制動が働き、例えば、歯科用ハンドピースの場合には、回転数を約1〜5万rpm程度低下させることができる。また、ロータの軸方向長さを短くでき、小型の空気駆動回転切削器が得られる。
【0066】
III.その他
以上に説明において特に材料を特定してない部材は一般に金属で形成されるが、耐久性の点で問題が無ければ、その他の材料(例えば、非鉄金属、プラスチック)で形成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る空気駆動回転切削器(ハンドピース)の側面図。
【図2】 本発明の第1の実施形態に係る空気駆動回転切削器の縦断面図。
【図3】 図2に示すハンドピースのヘッド部の縦断面図。
【図4】 図2のIII−III線に沿った断面図。
【図5】 図2に示すハンドピースのヘッド部の斜視図。
【図6】 他の形態のヘッド部の斜視図。
【図7】 図2に示すハンドピースの駆動部の断面図。
【図8】 図2に示すハンドピースに用いたロータの斜視図。
【図9】 図2に示すハンドピースに用いる空気ガイドリング部の、図10のVIII−VIII線に沿った断面図。
【図10】 図2に示すハンドピースに用いる空気ガイドリング部の、図9のIX−IX線に沿った断面図。
【図11】 他の形態の空気ガイドリングの、図9に対応した断面図。
【図12】 図2に示すハンドピースに用いる空気ガイドリングの、図13のXI−XI線に沿った断面図。
【図13】 図2に示すハンドピースに用いる空気ガイドリングの、図12のXII−XII線に沿った断面図。
【図14】 図2に示すハンドピースに用いる空気ガイドリングの、図15のXIII−XIII線に沿った断面図。
【図15】 図2に示すハンドピースに用いる空気ガイドリングの、図14のXIV−XIV線に沿った断面図。
【図16】 他の形態の空気ガイドリングの、図9に対応した断面図。
【図17】 第2の実施形態に係る空気駆動回転切削器の縦断面図。
【図18】 図17のXVII−XVII線に沿った縦断面図。
【図19】 図17のハンドピースに用いるロータの斜視図。
【図20】 図17のハンドピースのヘッド部の背端面図。
【符号の説明】
10…空気駆動回転切削器
12…グリップ部
14…ヘッド部
16…軸部
18…筒状ハウジング
20…グリップ軸
22…回転軸(筒状ハウジングの中心軸)
26、28…軸部端面
30…給気路
32…排気路
34…主給気路
36、38…補助給気路
41…貫通孔
42…給気ノズル
44…シール部材
48…給気ノズル接続部
50…給気ノズルスロート部(断面縮小部)
52…絞り部
54…内空部
56、58…開口部
70…駆動部
72…切削工具
78…上部軸受部
80…下部軸受部
90…上部ケーシング
100…下部ケーシング
102…ロータ
106…ハブ部
108…第1のタービンブレード部
112…第1のタービン翼
120…第1の空気通路
122…第2のタービンブレード部
124…第2のタービン翼
132…第3の空気通路
140…空気ガイドリング(導入部)
142…給気口
144…第2の空気通路
148…第1の面
150…第2の面
151…凹状空所
152…第3の面
158…排気口
160…第4の空気通路
Claims (21)
- 術者により把持されるグリップ部と、
上記グリップ部の先端部に設けられたヘッド部を有し、
このヘッド部に形成された内空部に軸受を介して回転軸を中心として回転するロータは、上記回転軸の周りに複数の第1のタービン翼を配置する第1のタービンブレード部と、同じく上記回転軸の周りに複数の第2のタービン翼を配置する第2のタービンブレード部とを有しており、
上記ヘッド部の内空部には、上記グリップ部に設けた給気路から上記ロータの第1のタービンブレード部に向けて空気を噴出する為の給気口と、上記第1のタービンブレード部からの空気を上記第2のタービンブレード部に導く導入部と、上記第2のタービンブレード部からの排気を上記グリップ部に設けた排気路に排出する為の排気口が設けられており、
上記給気口から噴出した空気は、上記ロータの回転軸に実質垂直な方向から記第1のタービンブレード部に作用し、上記第1のタービン翼と隣接する第1のタービン翼との間に形成した第1の空気通路を経て、上記第1のタービンブレードから回転軸の軸方向に排出した空気を上記ヘッド内周に設けた上記導入部に形成した第2の空気通路を経て第2のタービンブレードに導き、この空気を上記回転軸と実質垂直な方向に上記第2のタービンブレード部に作用させ、上記第2のタービン翼と隣接する第2のタービン翼との間に形成した第3の空気通路を経て、
上記排気口から排出するようにした空気駆動回転切削器であって、
上記導入部に形成した第2の空気通路が、上記回転軸に平行な複数の壁面と、この隣接する壁面の間に形成され上記回転軸に平行な面を横切る壁面により形成される複数の凹状空所である事を特徴とする空気駆動回転切削器。 - 上記第2のタービンブレード部に設けた第2のタービン翼が、上記回転軸と平行に設けられることを特徴とする請求項1記載の空気駆動回転切削器。
- 上記導入部に形成した第2の空気通路は、上記内空部の内周に設けられた凹状空所が、上記回転軸を中心とする円周方向に実質的に沿った第1の面と、上記第1の面を上記回転軸の方向に向かって且つ上記回転軸に向かって外から内側に延長した曲面からなる第2の面と、上記第1の面と第2の面の両側に位置して上記回転軸に平行に伸びる一対の第3の面とで形成されていることを特徴とする請求項2記載の空気駆動回転切削器。
- 上記導入部に形成された第3の面は、上記回転軸をから放射方向に向けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一に記載の空気駆動回転切削器。
- 上記導入部に形成された第3の面は、上記回転軸を中心 とする放射方向に対して斜めに向けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一に記 載の空気駆動回転切削器。
- 上記導入部に形成された第1および第2の面と上記第3の面との接続部が曲面によって連続的に形成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一に記載の空気駆動回転切削器。
- 上記接続部の曲面の曲率半径が0.1mm以上であることを特徴とする請求項6に記載の空気駆動回転切削器。
- 術者により把持されるグリップ部と、
上記グリップ部の先端部に設けられたヘッド部を有し、
このヘッド部に形成された内空部に軸受を介して回転軸を中心として回転するロータは、上記回転軸の周りに複数の第1のタービン翼を配置する第1のタービンブレード部と、同じく上記回転軸の周りに複数の第2のタービン翼を配置する第2のタービンブレード部とを有しており、
上記ヘッド部の内空部には、上記グリップ部に設けた給気路から上記ロータの第1のタービンブレード部に向けて空気を噴出する為の給気口と、上 記第1のタービンブレード部からの空気を上記第2のタービンブレード部に導く導入部と、上記第2のタービン ブレード部からの排気を上記グリップ部に設けた排気路に排出する為の排気口が設けられており、
上記給気口から噴出した空気は、上記ロータの回転軸に実質垂直な方向から上記第1のタービンブレード部に作用し、上記第1のタービン翼と隣接する第1のタービン翼との間に形成した第1の空気通路を経て、上記第1のタービンブレードから回転軸の軸方向に排出した空気を上記ヘッド内周に設けた上記導入部に形成した第2の空気通路を経て第2のタービンブレードに導き、この空気を上記回転軸と実質垂直な方向に上記第2のタービンブレード部に作用させ、上記第2のタービン翼と隣接する第2のタービン翼との間に形成した第3の空気通路を経て、上記排気口から排出するようにした空気駆動回転切削器であって、
上記回転軸を中心とする円周方向に関し、上記導入部において上記第2の空 気通路の形成されている領域は、上記内空部において上記給気路の給気口が形 成されている領域よりも大きいこと特徴とする空気駆動回転切削器。 - 上記導入部において上記第2の空気通路の形成されている領域が、上記回転軸を中心とする円周方向に関し全周にわたって形成されていることを特徴とする請求項8記載の空気駆動回転切削器。
- 上記導入部において上記第2の空気通路の形成されている領域は、上記給気路の形成されている領域を含む第1の領域と、上記給気路の形成されている領域を含まない第2の領域とからなり、上記第2の空気通路は上記第1の空気通路から供給された空気を上記回転軸の軸方向に案内するように形成されており、
上記第2の空気通路は、上記回転軸を中心とする円周に沿った第1の面と、上記第1の面を上記回転軸の方向に向って且つ上記回転軸に向って延長した曲面からなる第2の面と、上記第1の面と第2の面の両側に位置して上記回転軸に平行に伸びる一対の第3の面とで形成されており、上記第1の領域に含まれる上記第3の面と上記第2の領域に含まれる第3の面とは、上記回転軸の放射方向に対して異なる角度を有することを特徴とする請求項7から9のいずれか一に記載の空気駆動回転切削器。 - 上記第3の面の上記回転軸側端部から上記第3の面を上記回転軸側に延長した線と、上記第3の面の上記回転軸側端部を通り且つ上記回転軸側端部から上記ロータの回転方向に伸ばした接線との間に形成される接線角に関して、上記第1の領域に含まれる上記第3の面の接線角は上記第2の領域に含まれる上記第3の面の接線角よりも小さく設定されていることを特徴とする請求項10に記載の空気駆動回転切削器。
- 術者により把持されるグリップ部と、
上記グリップ部の先端部に設けられたヘッド部を有し、
このヘッド部に形成された内空部に軸受を介して回転軸を中心として回転するロータは、上記回転軸の周りに複数の第1のタービン翼を配置する第1のタービンブレード部と、同じく上記回転軸の周りに複数の第2のタービン翼を配置する第2のタービンブレード部とを有しており、
上記ヘッド部の内空部には、上記グリップ部に設けた給気路から上記ロータの第1のタービンブレード部に向けて空気を噴出する為の給気口と、上記第1のタービンブレード部からの空気を上記第2のタービンブレード部に導く導入部と、上記第2のタービンブレード部からの排気を上記グリップ部に設けた排気路に排出する為の排気口が設けられており、
上記給気口から噴出した空気は、上記ロータの回転軸に実質垂直な方向から記第1のタービンブレード部に作用し、上記第1のタービン翼と隣接する第1のタービン翼との間に形成した第1の空気通路を経て、上記第1のタービンブレードから回転軸の軸方向に排出した空気を上記ヘッド内周に設けた上記導入部に形成した第2の空気通路を経て第2のタービンブレードに導き、この空気を上記回転軸と実質垂直な方向に上記第2のタービンブレード部に作用させ、上記第2のタービン翼と隣接する第2のタービン翼との間に形成した第3の空気通路を経て、
上記排気口から排出するようにした空気駆動回転切削器であって、
上記第2のタービン翼が、上記回転軸に平行な方向に伸びている事を特徴とする空気駆動回転切削器。 - 術者により把持されるグリップ部と、
上記グリップ部の先端部に設けられたヘッド部を有し、
このヘッド部に形成された内空部に軸受を介して回転軸を中心として回転するロータは、上記回転軸の周りに複数の第1のタービン翼を配置する第1のタービンブレード部と、同じく上記回転軸の周りに複数の第2のタービン翼を配置する第2のタービンブレード部とを有しており、
上記ヘッド部の内空部には、上記グリップ部に設けた給気路から上記ロータの第1のタービンブレード部に向けて空気を噴出する為の給気口と、上記第1のタービンブレード部からの空気を上記第2のタービンブレード部に導く導入部と、上記第2のタービンブレード部からの排気を上記グリップ部に設けた排気路に排出する為の排気口が設けられており、
上記給気口から噴出した空気は、上記ロータの回転軸に実質垂直な方向から記第1のタービンブレード部に作用し、上記第1のタービン翼と隣接する第1のタービン翼との間に形成した第1の空気通路を経て、上記第1のタービンブレードから回転軸の軸方向に排出した空気を上記ヘッド内周に設けた上記導入部に形成した第2の空気通路を経て第2のタービンブレードに導き、この空気を上記回転軸と実質垂直な方向に上記第2のタービンブレード部に作用させ、上記第2のタービン翼と隣接する第2のタービン翼との間に形成した第3の空気通路を経て、
上記排気口から排出するようにした空気駆動回転切削器であって、
上記第2のタービン翼が、上記第1タービンブレード部のハブ部の底面に形成されている事を特徴とする空気駆動回転切削器。 - 術者により把持されるグリップ部と、
上記グリップ部の先端部に設けられたヘッド部を有し、
このヘッド部に形成された内空部に軸受を介して回転軸を中心として回転するロータは、上記回転軸の周りに複数の第1のタービン翼を配置する第1のタービンブレード部と、同じく上記回転軸の周りに複数の第2のタービン翼を配置する第2のタービンブレード部とを有しており、
上記ヘッド部の内空部には、上記グリップ部に設けた給気路から上記ロータの第1のタービンブレード部に向けて空気を噴出する為の給気口と、上記第1のタービンブレード部からの空気を上記第2のタービンブレード部に導く導入部と、上記第2のタービンブレード部からの排気を上記グリップ部に設けた排気路に排出する為の排気口が設けられており、
上記給気口から噴出した空気は、上記ロータの回転軸に実質垂直な方向から記第1のタービンブレード部に作用し、上記第1のタービン翼と隣接する第1のタービン翼との間に形成した第1の空気通路を経て、上記第1のタービンブレードから回転軸の軸方向に排出した空気を上記ヘッド内周に設けた上記導入部に形成した第2の空気通路を経て第2のタービンブレードに導き、この空気を上記回転軸と実質垂直な方向に上記第2のタービンブレード部に作用させ、上記第2のタービン翼と隣接する第2のタービン翼との間に形成した第3の空気通路および上記第2のタービン翼に形成された上記回転軸の円周方向に連設される貫通路である第4の空気通路を経て、上記排気口から排出するようにした空気駆動回転切削器。 - 隣接する上記第2のタービン翼の間に形成された第3の空気通路は、上記第2のタービン翼の内側と外側で開放されていることを特徴とする請求項13及び14に記載の空気駆動回転切削器。
- 術者により把持されるグリップ部と、
上記グリップ部の先端部に設けられたヘッド部を有し、
このヘッド部に形成された内空部に軸受を介して回転軸を中心として回転するロータは、上記回転軸の周りに複数の第1のタービン翼を配置する第1のタービンブレード部と、同じく上記回転軸の周りに複数の第2のタービン翼を配置する第2のタービンブレード部とを有しており、
上記ヘッド部の内空部には、上記グリップ部に設けた給気路から上記ロータの第1のタービンブレード部に向けて空気を噴出する為の給気口と、上記第1のタービンブレード部からの空気を上記第2のタービンブレード部に導く導入部と、上記第2のタービンブレード部からの排気を上記グリップ部に設けた排気路に排出する為の排気口が設けられており、
上記給気口から噴出した空気は、上記ロータの回転軸に実質垂直な方向から記第1のタービンブレード部に作用し、上記第1のタービン翼と隣接する第1のタービン翼との間に形成した第1の空気通路を経て、上記第1のタービンブレードから回転軸の軸方向に排出した空気を上記ヘッド内周に設けた上記導入部に形成した第2の空気通路を経て第2のタービンブレードに導き、この空気を上記回転軸と実質垂直な方向に上記第2のタービンブレード部に作用させ、上記第2のタービン翼と隣接する第2のタービン翼との間に形成した第3の空気通路を経て、
上記排気口から排出するようにした空気駆動回転切削器であって、
上記ヘツド部には、上記グリップ軸に平行に設けた給気路と、上記グリップ軸に所定の角度をなして交差する複数のノズルと、上記給気路とノズルとの間に設けられ上記給気路から供給される空気を全ての複数のノズルに供給する補助給気路を有し、且つ上記ノズルが貫通孔とシール部材より構成されることを特徴とする空気駆動回転切削器。。 - 上記補助給気路の総横断面積は、複数の給気口の横断面積の合計よりも大きいことを特徴とする請求項16の空気駆動回転切削器。
- 上記給気口には横断面積を小さくした断面縮小部を有することを特徴とする請求項16又は17のいずれか一に記載の空気駆動回転切削器。
- 上記給気口の断面縮小部には先細りのテーパ状絞り部が設けられていることを特徴とする請求項18に記載の空気駆動回転切削器。
- 上記複数の給気口が上記回転軸に対して垂直な方向に並設されることを特徴とする請求項16に記載の空気駆動回転切削器。
- 上記複数の給気口を有する給気口部のノズル軸が、ロータの回転方向に対して上流側ほどグリップ軸に対して大きい角度を有するように設定していることを特徴とする請求項20に記載の空気駆動回転切削器。
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