JP4832257B6 - 高速エアスピンドル - Google Patents

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Description

本発明は、スピンドルを200,000rpmを越える高速で回転させることができる高速エアスピンドルに関するものである。
高速スピンドルを備えた工作機械は、例えば携帯電話やカメラの金型作製の際、高精度の切削加工に使用されている。高速スピンドルには、圧縮空気を駆動源とするエアスピンドルと電気モーターを駆動源とする電気モータースピンドルがある。この中、エアスピンドルは、(a)電気モーターを作動させないため、熱発生源がなく、熱歪のない安定した80,000rpm程度の高速加工ができる、(b)構成部品が少なく、高速回転でのバランス不良による工具振れを小さくできる、(c)スピンドルを高速回転にできるため、熱歪による切り込み深さの変化がなく、小径加工が容易となる、(d)回転音が小さい、など有利な点が多く、特に高精度の切削加工が要求される小径加工において威力を発揮している。
従来のエアスピンドルは、例えば図14に示すように、先端に切削や研削を行なう加工工具103を固定し、スピンドルのほぼ中央に衝動タービン102を固定したスピンドル101を不図示の軸受けで支持したものである。エアスピンドル100において、スピンドル101への加工工具103の取り付けは、例えば図15に示すように、応力変形可能なコレット104に入れ、ナット105を締め付けることにより行なわれる。
近年、小径加工においては、更に高精度の加工及び加工時間の短縮が要求されており、特に芯振れがなく、更に20万rpmを越える高速回転が可能な高速スピンドルの開発が望まれている。このような超高速回転が可能な高速スピンドルを備えた工作機械であれば、極めて小さな部分の加工を精度よく行なうことができ、加工時間を短縮でき、工具寿命を延長できるなど大きなメリットを享受できる。
特開平11−13753号公報(請求項1)
しかしながら、従来の高速スピンドルは、せいぜい8万rpmの高速加工ができる程度であり、上記の要求を到底満足するものではない。一方、特開平11−13753号公報には、内部にスピンドル回転駆動装置を内蔵するスピンドルにおいて、スピンドルを軸方向2ヶ所でハウジング内の案内面を遊星運動する一対の転動体により支持し、該転動体を保持する保持器の2ヶ所の転動体保持器の間に、該保持器を回転させるエアタービンを固着し、該保持器を支持する軸受けをスピンドルの外周面あるいはハウジング内面に設けた高速スピンドルが開示されているものの、かかる高速スピンドルの増速装置を以ってしても、上記20万rpmを超える回転数のものは安定して得られていない。
従って、本発明の目的は、芯振れが極めて少なく、スピンドルを20万rpmを越える高速で安定して回転させることができる高速エアスピンドルを提供することにある。
すなわち、本発明は、上記従来の課題を解決するものであって、軸方向の先端側の第1軸受けと、後端側の第2軸受けで支持されるスピンドルと、当該第1軸受けと当該第2軸受けの間のスピンドル部分に固設される駆動エアタービンと、当該第1軸受けより先のスピンドル部分に固設される増速エアタービンと、当該駆動エアタービンに供給された圧縮空気の排気が、当該第1軸受け及び当該増速エアタービンの順に流れるエア流路と、を設けた高速エアスピンドルを提供するものである。
本発明によれば、芯振れが極めて少なく、スピンドルを20万rpmを越える高速で安定して回転させることができる。このため、小径加工においては高精度の加工ができ、また、加工時間が短縮できる。更に、工具寿命を延長でき、コストダウンとFA(ファクトリーオートメーション)化を促進することができる。
次ぎに本発明の実施の形態における高速エアスピンドルを図1〜図9を参照して説明する。図1は高速エアスピンドルの構造を示す図、図2は図1の高速エアスピンドルで使用されている駆動エアタービンの斜視図、図3は図2の駆動エアタービンの側面図、図4は図1のX−X線に沿って見た図、図5は図1の高速エアスピンドルで使用されている軸流タービンの一部を切り欠いた斜視図、図6は図5の増速タービンの一部を切り欠いた平面図、図7は図5の増速タービンの一部を切り欠いた正面図、図8は図5の増速タービンの一部を切り欠いた側面図、図9は増速タービンの増速効果を説明する図をそれぞれ示す。図1中、圧縮空気の供給ラインは省略してある。本明細書において、先端側は被加工材側を言い、後方は機械本体側を言う。
高速エアスピンドル10は、軸方向の先端側の第1軸受け3と後端側の第2軸受け2で支持されるスピンドル1と、第1軸受け3と第2軸受け2の間のスピンドル部分に固設される駆動エアタービン4と、第1軸受け3より先のスピンドル部分に固設される増速エアタービン5と、駆動エアタービン4に供給された圧縮空気の排気A1が、第1軸受け3及び増速エアタービン5の順に流れるエア流路9と、を設けたものである。
駆動エアタービン4は、原理的に衝動タービンの作用をするものであればよく、別名半径流タービンとも言い、不図示の圧縮空気供給手段から供給される圧縮空気Aを羽根41に受けて、スピンドル1を回転させるものである。駆動エアタービン4は、従来のエアスピンドルで使用されているものと同様のものが使用できる。駆動エアタービン4の一例を図2及び図3に示すように、スピンドル1に嵌合するスピンドル1の外径と略同じ内径を有する円筒部材42と円筒部材42に固設される24枚の羽根41とからなる。羽根41は軸方向に平行に延びる所定の幅を有し、且つ圧縮空気供給側に傾斜したものである。従来の高速エアスピンドルは、このような駆動エアタービン4を有するものの、増速エアタービン5を備えないものであり、得られるスピンドル1の回転数はせいぜい13万rpm程度である。
増速エアタービン5は、軸流タービンであり、駆動エアタービン4の排気を羽根51に受けて、スピンドル1を更に高速に回転させるものである。増速エアタービン5の設置位置は、図1の位置に限定されず、例えば、図1中、スピンドル1の先端を更に先端側に延ばし、コレット7のフランジ71の近傍に設置してもよく、また、コレット7のフランジ71に直接設置してもよい。この場合、空気吐出口8は図1の位置のままでもよいが、増速エアタービン5の羽根51に近くなるようにすることが、排気エアを効率的に利用することができる点で好ましい。
増速エアタービン5は、リング状の内側リテーナ52と、リング状の外側リテーナ53と、内側リテーナ52と外側リテーナ53とで形成される空間に付設される6枚の羽根51とからなり、隣接する羽根51間には開口54を有する。開口54は羽根51に吹き付けられた排気が逃げる排気口となる。羽根51の形状は、回転方向側から反回転方向側にかけて下り傾斜で且つ羽根表面全体が僅かに凹面形状となるものであり、周方向の両端の形状、すなわち径方向に延びる形状が渦巻き形状の一部の形状を呈するものである。羽根の回転方向側から反回転方向側にかけての下り傾斜角、すなわち、羽根の回転方向における前端と後端を結ぶ線とスピンドル軸に直行する方向とでなす角度(図9における符号α)としては、15.0〜20.0度の範囲であり、特に17.0〜18.4度である。本発明の増速エアタービン5は、本例のものに限定されず、例えば、羽根の数は4つでも、8つでもよい。
第1軸受け3を冷却した空気A2を、増速エアタービン5の羽根51に吹き当てる空気吐出口8は、図4に示すように固定側のハウジング11に周方向に所定のピッチで複数個、本例では4つ設けたものであり、静止状態にある軸芯の先端側から見て、少なくとも1つ、好ましくは2つ、更に好ましくは3つ、特に好ましくは全部が羽根51に隠れて見えない位置にある。例えば図6の位置においては、4つの空気吐出口8(8a〜8d)は全て、羽根51に隠れて見えない位置にある。なお、図6中、8cの空気吐出口は省略したところに該当するため記載されていないが、推定線から羽根51に隠れて見えない位置にあることは明白である。空気吐出口8と羽根51をこのような関係位置にすることで、高速回転中、空気吐出口8から噴き出す空気は必ず、いずれかの羽根51に当たることになり、駆動エアタービン4からでる排気を有効利用できる。
空気吐出口8の数は4つに限定されず、適宜に決定することができる。空気吐出口8の開口部の総断面積は、3.0〜4.0mmである。空気吐出口8の開口部の総断面積が少なすぎると、増速エアタービン5に対して、十分な増速を得るための排気流速を与えることができなくなると共に、軸受け温度が上昇し軸受け破損を起こす。逆に多すぎると、複数の供給口13から供給される圧縮空気の流量にバラツキが生じて、効率的に回転せず好ましくない。
当該空気吐出口から吐出する排気の流速は、150m/s以上が好適であり、特に好ましくは190m/s以上である。当該排気の流速が150m/s未満であると、増速エアタービン5を付加的に更に回転させることができず、スピンドルの回転を20万rpm以上とすることが困難となる。なお、排気の流速は高い程好ましいが、多くの工作機械で使用する空気圧縮機の上限圧力は0.85MPa程度であり、スピンドルに供給される空気圧は概ね0.45MPaであり、この場合の排気流速は概ね250m/s程度である。
スピンドル1を支持する第1軸受け3及び第2軸受け2としては、それぞれアンギュラ玉軸受けを使用することができる。アンギュラ玉軸受けは、アキシャル荷重とラジアル荷重との合成荷重を受けることができる点で好適である。アンギュラ玉軸受けは、接触角をもっているため、ラジアル荷重が作用するとアキシャル分力が生じる。このため、第1軸受け3のように、2つの単列アンギュラ玉軸受けを背面組合せ使用することが好ましい。
本発明の高速エアタービン10は、駆動エアタービン4に供給された圧縮空気Aの排気A1が、第1軸受け3及び増速エアタービン5の順に流れる第1のエア流路9と、駆動エアタービン4に供給された圧縮空気Aの排気A1が、第2軸受け2の順に流れる第2のエア流路9aを有している。圧縮空気Aは、通常、駆動エアタービン4の周方向所定のピッチで形成され、駆動エアタービン4の羽根41に略直角に噴射する複数の供給口13から供給される。第1のエア流路9及び第2のエア流路9aは、駆動エアタービン4の羽根41と円筒部材42の周面と、ハウジングの内周面との間の環状隙間を有し、第1軸受け3及び第2軸受け2の軸受け方向両側の近傍では該軸受けのボール支持部を含む径にまで環状形状が拡大されたものである。第1のエア流路9において、第1軸受け3を冷却した排気A2は、空気吐出口8を通って増速エアタービン5の羽根に吹き付けられる。また、第2のエア流路9aにおいて、第2軸受け2を冷却した排気は、排気管路12を通って外部へ排気される。
本発明の高速エアタービン10において、スピンドル1に加工工具6を取り付ける方法としては、特に制限されず、図11に示すようなコレット104とナット105を使用した方法、工具自体に圧入用のテーパーを付けスピンドルに直接圧入する方法(直接圧入方法)あるいは、コレットに工具を焼填めによりセットし、該焼填めコレットをスピンドルに圧入する方法(焼填めコレット圧入方法)が挙げられる。このうち、直接圧入方法又は焼填めコレット圧入方法が好適であり、特に焼填めコレット圧入方法が更に好適である。直接圧入方法又は焼填めコレット圧入方法であれば、ナットを使用する方法に比べて、ネジ部がなく回転バランスが安定し、また先端が重くならないため芯振れが発生し難く、取り付け誤差が小さく、部品点数を減らすことができる。焼填めコレットとは、コレットを加熱して熱膨張により嵌合孔を大きくしておき、この嵌合孔に工具を挿入し冷却して作製されたものを言う。焼きばめコレットをスピンドル1に取り付けるには、先端に先広がりとなるような僅かなテーパー状の内穴が形成されたスピンドル1に、焼きばめコレットを圧入すればよい。焼きばめコレット組み付け後の形態は、図1に示すものである。
本発明の高速エアタービン10で使用される加工工具としては、切削工具又は研削工具が挙げられる。この中、切削工具を用いた小径加工の場合、工具の直径は最小0.03mmのものが安定して使用できる。従来のエアタービンの場合、工具の直径0.1mmのものを使用しても、スピンドルの芯振れ剛性不足により、工具が破損することがある。また、高精度切削加工が困難である。剛性不足のスピンドルを使用して高硬度の材料を加工すると、Z方向の変位量や回転方向の変位量が大きくなる。小径加工は、例えば、隅角部、形状幅が0.1mm以下の小径部を有する携帯電話やカメラの金型を切削加工する際に必要となる。
次ぎに、図1にように組み付けられた高速エアスピンドル10が高速回転する機構を説明する。先ず、圧縮空気Aが駆動エアタービン4に供給される。これによりスピンドル1は回転する。駆動エアタービン4からの排気A1は、第1のエア流路9を通り、第1軸受け3の軸受け部を冷却する。第1軸受け3の軸受け部を冷却した排気A2は空気吐出口8から増速エアタービン5に導入され、増速エアタービン5を更に回転させる。増速エアタービン5の羽根51面に沿って噴出す空気は増速エアタービン5の開口54から排出される。
高速エアスピンドル10のスピンドル1が20万rpmもの高速回転が得られる理由を図9を参照して説明する。スピンドル1は駆動エアタービン4により、9万〜13万rpmで回転する。この状態で増速エアタービン5には、第1軸受け3の軸受け部からの排気A2(F)が軸方向から供給される。また、増速エアタービン5には、駆動エアタービン4の起動による回転の影響で横方向の風力Fが発生している。このため、増速エアタービン5には、排気力Fと横方向の風力Fの合成力Fが発生することになり、増速エアタービンの回転に効率的に利用される。すなわち、スピンドル1の回転数は、合成力Fにより生じる付加回転数と駆動エアタービン4の駆動による回転数の合計の回転数となる。このように、駆動エアタービン4と増速エアタービン5の組合せにより、これまでに安定して達成し難かった20万rpmを越える高速回転が得られることになる。なお、増速エアタービン5を第1軸受け3と駆動エアタービン4の間に設置しても、上記のような高速回転は得られない。なお、歯科用スピンドルにおいては30万rpmを越える高速回転のものは得られているものの、芯振れが大きく、また小さな軸受であるため、物理的に切削工具の取り付けができず、精密加工には適用できない。
本発明の高速エアスピンドルを備えた工作機械を使用して、例えば精密金型を作製すれば、従来不可能とされていた、1μm以下の平面精度の加工が高精度でしかも短時間で行える。また、工具寿命が延長できる。
次ぎに実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、これは単に例示であって、本発明を制限するものではない。
図1に示す構造であって、下記仕様の高速エアスピンドルを備えた工作機械を下記の運転条件で稼動し、スピンドルの回転数を測定した。その結果、スピンドルの回転数は20万rpmであった。
<圧縮空気>
・ 空気圧縮機から供給される圧縮空気圧;0.45MPa
・ 駆動エアタービンに吹き付けるノズル数;6
・ 駆動エアタービンに吹き付けるノズルから吹き出す圧縮空気の吐出量;18.75l/min/本
<高速エアスピンドル>
・ 第1軸受け及び第2軸受け;アンギュラー玉軸受け「8BGR10X」(日本精工社製)
・ 駆動エアタービン;図2に示す衝動タービン(羽根数;24枚)
・ 増速エアタービン;図5〜図8に示す軸流タービン(羽根数;6枚)
・ 羽根の傾斜角(羽根の回転方向における前端と後端を結んだ線とスピンドル軸に直交する線とで形成される角度);17.7度
・ 空気吐出口;図4に示す空気吐出口(吐出口の数;4つ)
・ 空気吐出口の口径;1.0mm
・ 空気吐出口の総断面積;3.14mm
・ 空気吐出口から吹き出す排気の流速;194.38m/s
・ 空気吐出口から吹き出す排気の量;62.79l/min
なお、空気吐出口から吹き出す排気の流速は、増速エアタービンを取り外した状態において測定した値である。また、排気の流速及び流量は、TA10サーマル式風速センサー「TA10−285GE−200M/S」(ヘルツ社製)とセンサ分離型U10a変換器TA10(ヘルツ社製)を用いて測定した。
<回転数の測定方法>
「光電式回転計LBT15TA(測定範囲;0〜300,000rpm)」(菅原研究所社製)を使用し、スピンドルの回転数を測定する。
実施例2及び3
圧縮空気圧0.45MPaに代えて、圧縮空気圧0.50MPa(実施例2)、0.55MPa(実施例3)とした以外は、実施例1と同様の方法で行った。その結果、スピンドルの回転数はそれぞれ21万rpm、26万rpmであった。
<増速エアタービン設置効果の確認実験>
(実験1;圧縮空気(仮想排気)の供給角度(タービンの迎え角)が増速エアタービンの回転数に及ぼす影響)
図10〜図11に示す下記仕様の角度検出器付き測定器を用いて、圧縮空気のタービン迎え角(図12では「ノズル角度」と言う)が増速エアタービンの回転数に及ぼす影響を測定した。その結果を図12に示す。なお、図11(A)は図10の測定器のノズルとタービンの迎え角90度における位置関係を示す模式図であり、(B)は測定器におけるノズルと増速エアタービンの位置関係を示す簡略図である。すなわち、角度検出器付き測定器60は、軸受け62で軸支された増速エアタービン61を先端部に内蔵するものであり、増速エアタービン61に対して、0〜180度の範囲で回動自在のノズル63を付設したものである(図10参照)。
(測定器の仕様)
・ 増速エアタービン;実施例1で使用した軸流タービン
・ 軸受;NSK−MR63(ミニチュアボールベアリング;4個使用)(日本精工社製)
・ 供給空気圧;0.45MPa
図12から明かなように、ノズル角度35度から増速エアタービンの使い勝手の正方向の回転が始まり、140度までは回転数が上昇して最高23万rpmとなり、140度を越えたあたりから減速した。このことから、増速エアタービンを効果的に回転させるためには、タービンの迎え角は120度〜160度が好適な範囲であることが判る。なお、ノズル角度35度までの回転は使い勝手の逆方向の回転である。
(実施例1の検証)
実験1の高速エアスピンドルにおいて、増速エアタービンを取り外し、供給空気圧0.45MPaでの回転数は120000〜126000rpmであった。増速エアタービンを取り付け供給空気圧0.45MPaで起動したとした場合、起動エアタービンで得られる回転数は120,000rpmであるから、図13(A)に示すように、増速エアタービンのX点において、回転方向より最大105.6m/s((16.8mm×円周率×120,000)/60)の風圧を受けることになる。この時、空気吐出口から吹き出す排気の流速は194.38m/s(測定値)であるから、増速エアタービンのX点においては2方向の風圧を受けることになる。そして、2方向の風圧の合成流速は221.2m/sで、合成流速の増速エアタービンへの流入角度(迎え角)は61.5度となる(図13)。図12のグラフからノズル角61.5度での増速エアタービンの付加回転数は、170,000rpmである。従って、120,000rpmと170,000rpmの合計回転数は290,000rpmである。なお、この検証結果290,000rpmと実際の測定値200,000rpmとが異なる理由としては、図12のグラフは実施例1とは異なる実験条件を含む模擬試験であること、増速エアタービンの羽根面には実際には乱流状態にあること、更に実施例1の軸受は上記増速エアタービン設置効果の確認実験で使用した軸受より大きいため軸受の抵抗があることなどである。
実施例4
<金型の製作>
200,000rpmのような高速回転においては、ジャイロ効果の影響あるいは振動により、芯振れをミクロンオーダーで測定することは困難である。そこで、実施例1の高速エアスピンドルに直径0.1mmの切削工具を取り付け、200,000rpmで、0.1mmの微小小径部を有する携帯電話の金型を、実際に切削することにより評価した。なお、切削工具はコレットにセットし、該コレットをスピンドルに焼填めする方法で取り付けた。その結果、切削工具は破損することなく、高精度で所望の形状の金型を作製することができた。
比較例1
高速エアスピンドルを増速エアタービンを備えない従来のスピンドルを用いたこと、スピンドルの回転数200,000rpmに代えて、100,000rpmとしたこと、工具の取り付け方法を焼填め方法に代えて、ナット締め方法とした以外は、実施例4と同様の方法で切削加工を行った。その結果、切削工具は微小小径部を切削する際、破損してしまった。この原因は、エアスピンドルの芯振れ、回転不足によるものであった。
高速エアスピンドルの構造を示す図。 図1の高速エアスピンドルで使用されている駆動エアタービンの斜視図。 図2の駆動エアタービンの側面図。 図1のX−X線に沿って見た図。 図1の高速エアスピンドルで使用されている軸流タービンの一部を切り欠いた斜視図。 図5の増速タービンの平面図。 図5の増速タービンの正面図。 図5の増速タービンの側面図。 増速タービンの増速効果を説明する図。 角度検出器付き測定器の斜視図。 (A)は図10の測定器のノズルとタービンの迎え角90度における位置関係を示す模式図であり、(B)は測定器におけるノズルと増速エアタービンの位置関係を示す簡略図。 ノズル角度(タービンの迎え角)が増速エアタービンの回転数に及ぼす影響を示す図。 実施例1の検証の説明に用いる図。 従来のエアスピンドルの一部を示す簡略図。 従来のスピンドルへの加工工具の取り付け方法を説明する図。
符号の説明
1 スピンドル
2 第2軸受け
3 第1軸受け
4 駆動エアタービン
5 増速エアタービン
6 加工工具
7 コレット
8 空気吐出口
9 エア流路
9a 第2のエア流路
10 高速エアスピンドル
41 羽根
42 円筒部材
A 圧縮空気

Claims (6)

  1. 軸方向の先端側の第1軸受けと、後端側の第2軸受けで支持されるスピンドルと、
    当該第1軸受けと当該第2軸受けの間のスピンドル部分に固設される駆動エアタービンと、
    当該第1軸受けより先のスピンドル部分に固設される増速エアタービンと、
    当該駆動エアタービンに供給された圧縮空気の排気が、当該第1軸受け及び当該増速エアタービンの順に流れるエア流路と、
    を設けたことを特徴とする高速エアスピンドル。
  2. 当該駆動エアタービンが衝動タービンであり、当該増速エアタービンが軸流タービンであることを特徴とする請求項1記載の高速エアスピンドル。
  3. 当該第1軸受けを冷却した空気を、当該増速エアタービンの羽根に吹き当てる空気吐出口を、固定側のハウジングに周方向に所定のピッチで複数個設け、当該空気吐出口は、静止状態にある軸芯の先端側から見て、少なくとも1つは当該羽根に隠れて見えない位置にあることを特徴とする請求項2記載の高速エアスピンドル。
  4. 当該空気吐出口から吐出する排気の流速が、150m/s以上であることを特徴とする請求項3記載の高速エアスピンドル。
  5. 当該第1軸受け及び当該第2軸受けが、アンギュラ玉軸受けである請求項1〜4のいずれか1項に記載の高速エアスピンドル。
  6. 当該スピンドルの先端には、加工工具が取り付けられることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の高速エアスピンドル。
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