JP2022069801A - 歯科用タービンハンドピース - Google Patents

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Abstract

【課題】 効率良く回転駆動力を得ることができるハンドピースを提供すること。【解決手段】課題を解決するには、歯科用タービンにおいて、ヘッドと、ヘッドに接続するグリップと、ヘッドの内部にタービンを備え、タービンには、切削工具が取り付けられ、ヘッドは、タービンにエアを供給する給気路と、ヘッドの内部のエアを外部に排気する排気路を備え、排気路には、内部を少なくとも2つの空間に分ける仕切りが設けられ、仕切りにより分けられた空間は、ヘッドの内部から外部へとエアを排気する第1排気路と第2排気路となるように構成すれば良い。ように構成すれば良い。【選択図】図3

Description

本発明は、歯牙を切削する切削工具を、タービンを用いて回転駆動する歯科用のタービンハンドピースに関するものである。
従来から、歯科用のタービンハンドピース(以下、ハンドピース)において、切削工具の回転トルクの向上を図ったものがある。
例えば、特許文献1には、切削工具を保持するための回転軸に、タービン翼(タービンブレード)を固定して構成したタービンと、タービンに対してエアを流す給気路、及び、タービンを回転させた後のエアを排出する排気路とをハウジング内に備えるハンドピースにおいて、給気路の先端の給気口の大きさに対し、排気路の入口端の排気口を大きく設定し、かつ、上記給気口から排気口に至るハウジング内を周回するエア通路を、給気口から排気口側にかけて順次拡大させて形成したハンドピースが開示されている(特許文献1)。
この様なハンドピースは、給気口から排気口側にかけてエア通路を順次拡大させることで、ヘッド内部の圧力損失を低減させてエアの流れを良くする。これにより、ヘッドの内部のエアの圧力の上昇を低減し、より効率的にヘッド内部にエアを供給できるようにしたものである。
特開平9-201370号公報
しかしながら、特許文献1に記載のハンドピースの場合、給気路先端の給気口の大きさに対し、排気路の入口端の排気口を大きく設定し、かつ、上記給気口から排気口に至るハウジング内を周回するエア通路を、給気口から排気口側にかけて順次拡大する構成なので、タービンを内部に保持するヘッド部分が大型化するという課題がある。
本発明は、上記の課題を解決する為のものであり、切削工具を回転させるタービンの駆動力が向上したハンドピースを提供することを目的とする。
課題を解決するためには、歯科用タービンにおいて、ヘッドと、ヘッドに接続するグリップと、ヘッドの内部にタービンを備え、タービンには、切削工具が取り付けられ、ヘッドは、タービンにエアを供給する給気路と、ヘッドの内部のエアを外部に排気する排気路を備え、排気路には、内部を少なくとも2つの空間に分ける仕切りが設けられ、仕切りにより分けられた空間は、ヘッドの内部から外部へとエアを排気する第1排気路と第2排気路となるように構成すれば良い。
本発明によれば、効率良くタービンを回転させて切削工具の回転駆動力を得るハンドピースを構成することが可能となる。
(a)実施の形態に係る歯科用ハンドピースHの斜視図 (b)実施の形態に係る歯科用ハンドピースHの側面図 図1(b)に示すA-A断面図 図1(a)に示すB-B断面図(ヘッド部分のみの断面図) 図2に示すC-C断面図 ハンドピースHにおいてタービンとノズルと排気口の位置関係の概略を示す斜視図 図1(b)においてタービン等の回転駆動機構を取り除きD-Dの位置で切断した断面図 図6に示すE-E断面図(排気パイプの位置のみの断面図)
(実施の形態)
実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1(a)は、歯科用ハンドピースHの斜視図である。図1(b)は、歯科用ハンドピースHを左皮から見た側面図である。図2は、図1(b)に示すA-A断面図である。図3は、図1(a)に示すB-B断面を左側方向から見た断面図であり、主にヘッド20部分のみを示している。B-B断面位置は、概ねヘッド20の左右の中心位置である。図4は、図2に示すC-C断面を概ね左側方向から見た断面図である。この断面位置C-Cは、概ね給気パイプ12の中心を通り、給気パイプ12が伸びる方向と平行な方向である。図5は、ハンドピースHにおいてタービン100とノズル13の位置関係の概略を示す斜視図である。図6は、図1(b)に示すD-D断面図であり、ノズル13と排気路43等の位置関係を見やすくする為に、タービン等の回転駆動機構を取り除いた状態である。図7は、図6に示すE-E断面を左方向から見た断面を概略図で示しており、主に、排気パイプ14の位置の部分を拡大して示してある。
尚、歯科用ハンドピースHにおいて、ヘッド20が位置する側を前側、グリップ10が位置する側を後側とし、ヘッド20とグリップ10が連なる方向を前後方向とする。また、ヘッド20には、切削工具27であるファイルが設けられる。ハンドピースHにおいて、切削工具27がヘッド20の内部から外部へと突出する方向を下方向とし、その逆の方向を上方向とする。
さらに、この前後方向及び上下方向に直交する方向を左右方向とする。この前後左右の方向は、使用者がグリップ10を握りハンドピースHを使用する状態で、使用者側からハンドピースHを見た状態を基準としている。つまり、ハンドピースHを後ろ側から見て、左右方向を定義する。
図1~図4を参照すると、歯科用ハンドピースH(以下、ハンドピースH)は、外部から供給される給気エアにより回転駆動するタービン100をヘッド20の内部に有し、このタービン100の駆動力で、歯牙を切削する切削工具27を回転させて歯科治療に用いられる。この様なハンドピースHの外郭は、グリップ10と、グリップ10の前端に接続するヘッド20を有する。
ハンドピースHに供給する給気エアの調整は、給気エアの流路に設けられるエア調整手段(図示せず)を操作することで行う。このエア調整手段は、例えば、フットペダルなどである。
グリップ10は、筒状の部材により形成されており、使用者が握る部位となる。また、グリップ10の後端には、カップリング11が接続する。
グリップ10の内部には、カップリング11の給気流路からヘッド20へと給気エアを導く給気パイプ12が設けられる。また、グリップ10の内部空間10aは、ヘッド20から排出される排気エアの流路となる。グリップ10の内部を流れた排気エアは、カップリング11の排気流路へと流入する。
カップリング11の後端には、ホース11aが接続している。カップリング11は、ハンドピースHとホース11a側を接続するためのコネクタとなる部位である。ホース11aは、外部の機器からハンドピースHに供給される給気エアや後述するヘッド20から排気された排気エアを流す流路を備える。
図2~図3に示すように、給気パイプ12は、内部に給気エアが流れる流路を形成するパイプ状の部材である。給気パイプ12は、グリップ10の内部に、カップリング11の給気流路とヘッド20と接続した状態で位置する。この給気パイプ12により、ホース11aから供給された給気エアが、グリップ10の内部を通り、ヘッド20側へと供給される。
この給気パイプ12の先端には、ノズル13が取り付けられる。ノズル13は、給気パイプ12から流れる給気エアを後述するタービン100に向けて噴射する部位となる。
次に、図1~図4に示すように、ヘッド20の外殻は、ヘッドケース21とヘッドキャップ28とプッシュボタン22を有する。ヘッドケース21は、下側部分が窄んだ筒形状の部位と、この円筒形状の部位から後方に向けて突出する連結部40を有し、内部にタービン室200を形成し後述する各機能部品を保持する。
連結部40は、グリップ10とヘッド20を接続する部位である。連結部40にグリップ10が嵌り込むことにより、ヘッドケース21とグリップ10が一体に接続する。
また、ヘッドケース21の内部であって、連結部40が位置する側の内壁部分は、タービン室200側から後方に向けて凹む凹部41が形成されている。この凹部41の内部空間とタービン室200は繋がっている。この凹部41は、タービン室200から排気エアを排気路43に導く排気溝となる。
また、連結部40の内部には、ヘッド20の内部とグリップ10の内部とを繋ぐ連通孔である給気路42と排気路43が形成されている。そして、給気路42の開口である給気路開口42bと排気路43の開口である排気路の開口が、凹部41の内部に位置する。
給気路42の内部には、給気パイプ12と、この給気パイプ12の先端側に取り付けられたノズル13が位置する。
また、排気路43の内部には、排気エアの流路となる排気パイプ14が設けられる。排気パイプ14は、タービン室200に向けて開口する排気パイプ第1開口14aと、グリップ10の内部空間に向けて開口する排気パイプ第2開口14bを備える。
このように、給気路42には給気パイプ12とノズル13が設けられ、排気路43が設けられているので、ハンドピースHの外部からヘッド20の内部にエアを供給できると共に、ヘッド内部20からエアを排出することができる。
次に、図4に示すようにヘッドケース21の上方に向けて開口する上開口21aには、開口を覆うようにヘッドキャップ28が設けられる。そして、ヘッドキャップ28の上側に、プッシュボタン22が設けられる。
また、プッシュボタン22の下側には、回転筒24が位置する。回転筒24は、内部に切削工具27を保持する部位である。また、回転筒24の内部には、切削工具27を保持するチャック機構26が位置する。
プッシュボタン22とチャック機構26の構造は、使用者がプッシュボタン22を押すことで、プッシュボタン22の下面がチャック機構26を押し下げるように構成されている。チャック機構26は、通常は閉じた状態であり、プッシュボタン22を押すことでチャック機構26が開き、切削工具27が回転筒24に対して着脱自在となる。
この様にプッシュボタン22は、切削工具27を外す際のチャック機構26の解除ボタンとしての機能を有する。チャック機構26を開閉させることで、切削工具27をヘッド20に対して、取り付け及び取り外しができるように構成されている。
次に、ヘッド20の内部には、各機能部品として、回転筒24と軸受25(上軸受25a,下軸受25b)とチャック機構26と切削工具27とタービン100とこれら部位を保持する要素を有する。
回転筒24は、下方向に向けて開口する円筒状の部材である。チャック機構26は、回転筒24の内部に備えられ、切削工具27を保持する。尚、回転筒24の下を向く開口は、切削工具27をチャック機構26に装着する為の装着開口24aとなる。
図3、図5に示すように、タービン100は、ハブ110とタービンブレード120を有する。ハブ110は、タービン100の回転中心側の部位であり、中心部分にはタービン100の回転軸方向(上下方向)に開口する中心開口111が形成されている。
タービンブレード120は、ハブ110の周囲から径方向に延びるように複数設けられている。このタービンブレード120は、タービン100の径方向から見ると、タービン100の回転方向とは逆方向に開口する凹形状を成している。
本実施の形態のタービンブレード120の凹形状は、滑らかな湾曲した形状を成している。例えば、ローマ字の「C」に似た形状、又は、ローマ字の「U」を回転方向とは逆方向に倒した形状を成している。この凹形状の部分が、給気されたエアを受けるエア受面となるバケット121となる。
また、図4に示すように、タービン100の中心開口111には回転筒24が入り込み固定されている。つまり、回転筒24の周囲にタービン100が位置し、タービン100と回転筒24が一体となる。この状態において、タービン100の回転中心と回転筒24の装着開口24aの中心は、おおむね同じ位置となる。
また、回転筒24のタービン100の上側と下側の位置には、それぞれ上軸受25aと下軸受25bが設けられている。
上軸受25aの外輪(アウターレース)とヘッドケース21の内部に設けられた上軸受保持体30の間には、Oリング25cが設けられる。同じく、下軸受25bの外輪とヘッドケース21の内部に設けられた下軸受保持体31の間には、Oリング25dが設けられる。
このように、上軸受25aは、上軸受保持体30との間に、Oリング25cを挟んで、ヘッドケース21の内部に設けられる。同様に、下軸受25bは、下軸受保持体31との間に、Oリング25dを挟んで、ヘッドケース21の内部に設けられる。
また、上軸受25aと下軸受25bは、タービン100の上側と下側にそれぞれ離れて位置する。ヘッドケース21の内部の上軸受25aと下軸受25bの間は、タービン100が回転可能に位置する空間であるタービン室200となる。
タービン室200は、タービン100の形状に合わせた概ね円筒形状の空間である。また、凹部41の内部には、タービン室200に向けて、給気路42と排気路43が開口する。
このように、上軸受25aと下軸受25bは、タービン室200内において、タービン100が取り付けられた回転筒24を回転自在に保持する。つまり、タービン100がタービン室200内において、回転自在に設けられている。
そして、タービン100は、給気パイプ12から供給される給気エアが、ノズル13からタービンブレード120に吹き付けられることで、タービン室200内で回転する。そして、回転筒24の内部のチャック機構26に保持された切削工具27も回転する。
タービン100に回転駆動力を付与したエアは、排気路43からヘッド20の内部を出て、グリップ10の内部空間10aとカップリング11を経て、ハンドピースHの外部に排気される。本実施の形態の場合、上方向からヘッド20を見た場合、タービン100は右回転する。
以上のようにハンドピースHの各部を構成することで、切削工具27を回転させて、歯牙等の治療対象を切削することが可能となる。
(本実施の形態の要部)
次に、図2~図7を参照して、本実施の形態の要部ついて詳細に説明する。
凹部41は、ヘッドケース21の後側の内壁に形成された後方に凹む部位である。この凹部41の内部には、ヘッド20の内部とグリップ10の内部とを繋ぐ連通孔である給気路42と排気路43が開口している。
また、凹部41は、タービン室200の周囲に沿って広がるように開口している。本実施の形態の場合、凹部41は、排気路43より右側の位置から、給気路42の左側に至る領域にわたり形成されている。尚、凹部41の左右の幅は、連結部40の左右の幅より広い。
次に、排気路43は、ヘッドの内部からヘッドの後端にかけて貫く筒状の空間である。排気路43のヘッド内部に向く開口である排気前開口43aは、凹部41の左右方向及び上下方向の中心部分を含んだ位置に開口する。また、排気路43のヘッドの後端側の開口であり、グリップ10の内部に向く開口である排気後開口43bは、連結部40の後端の位置に開口している。
これにより、タービン室200から排気されたエアが、排気路43に流れ込みグリップ10の内部に至り、グリップ10の内部からカップリング11へと至り、そして、ホース11aへと至ることで、ハンドピースHの外部に排気することができる。
また、排気路43の内部には、排気パイプ14が設けられている。排気路43の開口の大きさは、排気パイプ14の外径より十分大きく構成されている。従って、排気路43の内部に排気パイプ14が設けられた状態において、排気路43の内壁と排気パイプ14の間には、隙間43dが形成される。この隙間43dは、タービン室200からグリップ10の内部空間へと連通する
このような排気パイプ14の内部は、タービン室200からの排気エアを排出する流路となる第1排気流路51となる。また、隙間43dは、タービン室200からグリップ10の内部へと排気エアを排出する流路となる第2排気流路52となる。つまり、排気パイプ14は、排気路43の内部空間を2つの空間に分ける仕切りとなる。
本実施の形態において第2排気流路52は、排気パイプ14の上側の領域に形成されている。また、第1排気流路51の開口は、第2排気流路52の開口より大きく構成されている。つまり、第1排気流路51は、第2排気流路52より広い空間となるように構成されている。
このように、排気路43の内部に、排気路43の内径より外形が小さい排気パイプ14を設けることで、排気路43の内部に形成される排気流路を2つの系統に分割して構成している。
尚、図2を参照すると、本実施の形態において、排気路43の開口からヘッド20の内部側に排気パイプ14が突出した状態となっている。特に、排気パイプ14の突出量は、排気路43の開口において、給気路42に遠い側の方が給気路42に近い側より、多くなるように構成されている。
次に、図2~図3に示すように、給気路42は、ヘッド20の内部に向けて延びるパイプ状の連通孔である。この給気路42の内部には、前側の内径より後側の内径を大きくすることにより、段部42aが形成されている。そして、給気路42には、この連通孔を貫くようにノズル13が設けられる。つまり、ノズル13の先端は、給気路42から凹部41の内部に突出して位置する。
ノズル13は、円筒形状であり、先端部分において、内径が先端に向けて小さくなる形状に構成されている。つまり、ノズル13は、エアが吹き出る吹出口13aにかけて、窄んだ形状を成している。また、ノズル13の外周面には、段部13bが形成されている。
段部13bは、ノズル13が給気路42に対して、後方より前方に向けて挿入されて取り付けられる際に、給気路42の内部に形成された段部42aに当接して、給気路42に対するノズル13の位置を決める部位となる。これにより、ノズル13の吹出口13aを、タービンブレード120に対して、正しい位置にすることができる。
ここで図3を参照すると、ノズル13は、吹出口13aが斜め下方向を向いている。つまり、ノズル13の延びる方向と平行な線Lは、タービン100の回転軸の軸線L1に直角に交わる線L2に対して、角度θだけ傾いた状態で給気路42に配置されている。この角度θは、およそ8~23度程度の角度である。また、ノズル13の開口中心は、タービンブレード120の上下方向のおおよそ中心となる位置に配置されている。尚、本実施の形態は、給気路42が角度θ傾いた状態で連結部40に形成されているので、ノズル13が斜め下方向を向いた状態となる。
従って、このようにノズル13が配置されているので、ノズル13から吹出される給気エアは、前斜め下方向に向けて流れる。
以上のように各部が構成された本実施の形態は、次の作用及び効果を奏する。
まず、使用者がエア調整手段を操作してハンドピースHにエアの供給を開始すると、給気パイプ12に給気エア(流れW)が流れ込み、ノズル13の吹出口13aからタービン100に向けて給気エアが吹出す。ノズル13から吹出されたエアは、タービンブレード120にぶつかり、タービン100を回転させる。これにより、タービン100が回転駆動し、タービン100と共に回転する切削工具27で治療部位の切削が可能となる。
ここで、タービンブレード120に当たりタービン100の回転駆動力を付与した後のエアは、次のようにヘッド20の内部から排出される。
(a)タービン100と共にタービン室200内を回転移動するエア
ノズル13から吹出された給気エアは、バケット121に到達してタービン100の回転トルクを生み出す。そして、回転トルクを生み出した給気エアの一部は、タービン100の回転と共にタービン室200内を回転移動する。つまり、給気エアは、前後に隣り合うタービンブレード120に挟まれた状態で、タービン100の回転に伴い、遠心力でヘッドケース21の内壁に沿って移動する。
そして、タービン100と共に回転移動してきたエアは、凹部41の右側から凹部41内部に入り込み、排気路43へと流れ込む。排気路43へと流れ込んだエアは、グリップ10の内部からカップリング11に至り、ハンドピースHの外部へと排気される。
このように、凹部41がヘッドケース21の内部において、ノズル13から離れた右側の領域に至るように構成されているので、タービン100と共にタービン室200内を回転移動するエアは、排気路43を挟んで右側の位置から凹部41に入り込み、排気路43へと流れ込みやすい。
これにより、タービン室200の内部から効率良くエアを排気することができるので、新たにノズル13からタービン室200の内部へと吹出すエアの流れを妨げにくい。
(b)ノズル13側に向けてタービンブレード120から跳ね返り排気路43に至るエア
本実施の形態のノズル13は、タービン100を左側から見ると、タービン100の回転軸線L1に直角に交わる線L2に対して、角度θ傾いた状態で給気路42に配置されている。つまり、ノズル13から吹出される給気エアは、線L2に平行な面であるタービン100の回転平面に対して交わるように、前斜め下方向に向いて流れる。
次に、ノズル13から吹出された給気エアは、バケット121に当り回転トルクを生じさせた後、一部はバケット121で跳ね返り、排気路43に向かって流れる。図2,図3,図5において流れW1と流れW2は、回転するタービン100のある瞬間において、給気エアがバケット121に跳ね返り、排気路43に向かって流れている状態を模式的に示す図である。
バケット121で跳ね返り排気路43に向けて流れる給気エアは、バケット121の位置に応じて、おおむね2つの系統の流れとなる。
一方の流れは、バケット121がノズル13に比較的近い位置である手前位置(第1の位置)P1のときに、給気エアがバケット121で跳ね返ることにより形成される流れW1である。他方の流れは、バケット121がノズル13に比較的遠い位置である奥側位置(第2の位置)P2のときに、給気エアがバケット121で跳ね返ることにより形成される流れW2である。
尚、タービン100は、給気エアが供給されている間は連続して回転しており、時間経過と共にバケットの位置は変化していくが、ここでは、タービン回転中のある瞬間に着目して、便宜的にノズル13とバケット121との位置関係を第1の位置P1と第2の位置P2とした。
第2の位置P2は、第1の位置P1よりタービン100の回転方向に進んだ位置であると共に、給気エアが届く位置である。つまり、ノズル13からの距離は、第2の位置P2は第1の位置P1より遠い位置となる。言い換えると、ノズル13から見てタービン13の回転方向に、第1の位置P1は手前側の位置で、第2の位置P2は奥側の位置といえる。
以下、給気エアの流れW1,W2について説明する。
(1)第1の位置P1のバケット121から跳ね返った給気エアの流れW1
ノズル13から吹出される給気エアは前斜め下方向に向くが、第1の位置P1はノズル13から比較的近いので、給気エアは、バケット121の上下方向の中心から若干下側付近の位置に至る。バケット121に至った給気エアは、バケット121で跳ね返るように反転し、給気路43の方向へと向きを変えて流れW1となる。
(2)第2の位置P2のバケット121から跳ね返った給気エアの流れW2
ノズル13から吹出される給気エアは、斜め下方向に向いて吹出されるので、第2の位置P2の位置にあるバケット121の下側部分に到達する。バケット121に到達した給気エアは、バケット121の面に沿って上方向に流れて反転し、排気路43へと向かう流れW2となる。
この流れW2は、流れW1より流速が遅い流れとなる。これは、流れW2がバケット121に至り、排気路43へと反転する第2の位置P2が、流れW1がバケット121に至り排気路へと反転する第1の位置P1より遠い為である。これに対して、流れW1は、比較的ノズル13の近くにバケット121が位置した状態で給気エアがバケット121に当る為、流速が低下しにくい。
また、流れW2は、流れW1の上側を流れて排気路43へと向かエアの流れとなる。これは、流れW2がバケット121の面の下側から上側に至り、大きく弧を描くように沿うように流れて反転する為、バケット121に当ってそのまま跳ね返るように反転する流れW1の上側に至る流れとなる。
つまり、給気エアは、バケット121に当った後そのまま排気路43へと向かう流れW1と、この流れW1の上側の位置に流れるW1より流速が遅い流れW2となり、流速が異なる2つの系統の流れが形成される。
ここで、図6~図7を参照すると、排気路43は、内部に排気パイプ14を設けて、排気路43の内部を仕切ることで、下側に第1排気流路51、上側に第2排気流路52の2つの領域が形成されている。
このように形成された排気路43に至った流れW1は、主に第1排気路51に流れ込む。第1排気路51に流れ込んだ流れW1は、第1排気路51の内部を後方へと流れてグリップ10の内部に至り、ヘッド20から排出された排気エアとなり、カップリング11の排気流路へと流れ込む。
また、排気路43に至った流れW2は、主に第2排気路52に流れ込む。第2排気路52に流れ込んだ流れW2は、第2排気路52の内部を後方へと流れてグリップ10の内部に至り、ヘッド20から排出された排気エアとなり、カップリング11の排気流路へと流れ込む。
このように、ハンドピースHは、給気エアがバケット121に跳ね返ることで生じる異なる速度の 流れW1,W2について、速い流れW1を主に第1排気路51に、遅い流れW2を主に第2排気路52に流れ込むように構成されている。つまり、排気路43の内部を仕切ることで、異なる速度の流れを分けて流すように構成されている。
これにより、バケット121から跳ね返る異なる速度の流れW1,W2が、ヘッド20からグリップ10側に流れる際に、干渉することで生じる流れの抵抗を、低減することができる。
また、本実施の形態では、排気路43において、内部に排気パイプ14を設けて排気路43の内部空間を仕切ることで、下側に第1排気流路51、上側に第2排気流路52の2つの領域が形成している。
このように、排気路43より小さな排気パイプ14を、排気路43の内部に挿入して固定することで、ヘッド20に複雑な穴加工を行うこと無く、容易に下側に第1排気流路51、上側に第2排気流路52の2つの領域を形成することができる。
尚、本実施の形態では、ヘッド20内部からグリップ10へと至る1つの連通孔である排気路43に、排気パイプ43を挿入して設けることで、排気路43の内部を上下に仕切り、第1排気路51と第2排気路52の2つの空間を形成しているが、異なる速度の流れW1,W2をそれぞれ分けてグリップ10の内部へと流すことができる構造であれば、この実施の形態に限らない。
例えば、第1排気路51と第2排気路52として、ヘッド20の内部とグリップ10を繋ぐ上下に並ぶ2つの連通孔を形成しても良い。また、排気部43の内部に板状の仕切りを挿入して固定することで、上下に第1排気路51と第2排気路52となる空間を形成しても良い。
以上のようにハンドピースHを構成することで、タービン100に回転駆動力を付与した後のエアを効率良くヘッドの外部に排出することができる。これにより、ヘッド内に供給するエアの給気効率が向上し、切削工具を回転させるタービン100の回転出力を向上させることが可能となる。
H ハンドピース
10 グリップ
11 カップリング
11a コード
12 給気パイプ
13 ノズル
13a 吹出口
14 排気パイプ
20 ヘッド
21 ヘッドケース
22 プッシュボタン
24 回転筒
24a 装着開口
25 軸受
25a 上軸受
25b 下軸受
25c Oリング
26 チャック機構
27 切削工具
28 ヘッドキャップ
40 連結部
41 凹部
42 給気路
42a 段部
43 排気路
44 接続面
100 タービン
110 ハブ
111 取付開口
120 タービンブレード
121 エア受面

Claims (3)

  1. ヘッドと、前記ヘッドに接続するグリップと、前記ヘッドの内部にタービンを備え、
    前記タービンには、切削工具が取り付けられ、
    前記ヘッドは、前記タービンにエアを供給する給気路と、前記ヘッドの内部のエアを外部に排気する排気路を備え、
    前記排気路には、内部を少なくとも2つの空間に分ける仕切りが設けられ、前記仕切りにより分けられた空間は、前記ヘッドの内部から外部へとエアを排気する第1排気路と第2排気路であることを特徴とする歯科用タービンハンドピース。
  2. 前記仕切りはパイプであることを特徴とする請求項1に記載の歯科用タービンハンドピース。
  3. 前記第1排気路と前記第2排気路は、上下の位置関係であることを特徴とする請求項1に記載の歯科用タービンハンドピース。
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