JP7225065B2 - 歯科用タービンハンドピース - Google Patents

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Description

本発明は、タービンを用いて歯牙を切削する切削工具を回転する歯科用のタービンハンドピースに関するものである。
従来から、エアの圧力を利用して歯牙を切削する切削工具の回転駆動力を得る歯科用のタービンハンドピース(以下、ハンドピース)において、切削工具を回転させるトルクの向上を図ったものがある。
例えば、特許文献1には、ハウジング内に切削工具を保持するための回転軸に固定されたタービン翼(タービンブレード)と、タービン翼回転用のエアを流す給気路、及び、タービン翼を回転させた後のエアを排出する排気路とを備えるハンドピースにおいて、給気路先端の給気口の口径に対し、排気路の入口端の排気口の口径を大きく設定し、かつ、上記給気口から排気口に至るハウジング内を周回するエア通路を、給気口から排気口側にかけて順次拡大させて形成したハンドピースが開示されている(特許文献1)。
この様なハンドピースは、給気口から排気口側にかけてエア通路を順次拡大させることで、ヘッド内部の圧力損失を低減させてエアの流れを良くする。これにより、ヘッドの内部の圧力の上昇を低減し、より効率的にヘッド内部にエアを供給できるようにしたものである。
特開平9-201370号公報
しかしながら、特許文献1に記載のハンドピースの場合、給気路先端の給気口の口径に対し、排気路の入口端の排気口の開口径を大きく設定し、かつ、上記給気口から排気口に至るハウジング内を周回するエア通路を、給気口から排気口側にかけて順次拡大する構成なので、タービンを内部に保持するヘッド部分が大型化するという課題がある。
本発明は、上記の課題を解決する為のものであり、ヘッド部分を大型化することなく、切削工具を回転させるロータの出力が向上したハンドピースを提供することを目的とする。
課題を解決するためには、歯科用タービンハンドピースにおいて、使用者が握る部位となるグリップと、グリップの先端に接続するヘッドと、ヘッド内に備えられるロータを有し、ロータは、供給されるエアにより回転トルクを得るタービンを備え、ヘッドの外殻となる部分はヘッドケースを有し、ヘッドケースの内部にはタービン室が形成され、タービンは、供給されたエアを受けるエア受面を有するタービンブレードを備え、タービン室に位置し、ヘッドケースは、タービンにエアを供給する給気孔と、ヘッドの内部のエアを排気する排気孔と第2の排気孔を備え、ヘッドを前側、前記グリップを後側とし、ヘッドとグリップが連なる方向を前後方向とし、この前後方向に対して直交する方向を左右方向とし、この前後左右の方向は、使用者が前記グリップを握り歯科用ハンドピースを使用する状態で、使用者から前記歯科用ハンドピースを見た状態を基準とし、ヘッドケースには、後方に向けて凹む1つの凹部が形成されており、給気孔と排気孔と第2の排気孔は、凹部の内部に位置し、排気口の左側には給気孔が位置し、給気孔の真下に第2の排気孔が位置し、タービンブレードには、給気孔から供給されたエアが、上側の領域からエアが入り込み、エア受け面に沿って流れて、下側の部分から前記第2の排気孔へと流れるように構成すれば良い。
本発明によれば、歯科用タービンハンドピースにおいて、タービンを備えたヘッド内部へ給気されるエアの流れが良くなり、ロータの出力を向上させることが可能となる。
(a)実施の形態1に係る歯科用ハンドピースHの側面図 (b)実施の形態に係る歯科用ハンドピースHの斜視図 図1(a)に示すA-A断面図 図2に示すB-B断面図 実施の形態1に係る、(a)上開口を開いた状態でタービン室の内部を見た斜視図 (b)(a)の状態においてタービン室にタービンを配置した状態を示す斜視図 実施の形態1に係るタービンの斜視図 図2に示すC-C断面図 実施の形態1に係る歯科用ハンドピースのヘッドケースとノズルと給気パイプの分解斜視図 図7に示すD-D断面図 実施の形態2に係るハンドピースの断面図 図9に示すE-E断面図
(実施の形態1)
実施の形態1について、図面を参照して説明する。尚、図中において、ヘッド20を前側、グリップ10を後側とし、ヘッド20とグリップ10が連なる方向を前後方向、この前後方向に対して直交する方向を左右方向とする。この前後左右の方向は、使用者がグリップ10を握りハンドピースHを使用する状態で、使用者からハンドピースHを見た状態を基準としている。
図1~図2に示す歯科用ハンドピースH(以下、ハンドピースH)は、外部から供給される給気エア(以下、エア)により回転駆動するタービン100を有し、このタービン100の駆動力で、歯牙を切削する切削工具27を回転させて、歯科治療に用いる。この様なハンドピースHは、グリップ10と、グリップ10の前端に接続するヘッド20を有する。
ハンドピースHに供給するエアの調整は、エアの流路に設けられるフットペダル(図示せず)等のエア調整手段を操作することで行われる。
グリップ10は、筒状の部材により外殻が形成されており、使用者が手で握る部位となる。また、グリップ10の後端には、カップリング11が接続する。
グリップ10の内部には、カップリング11からヘッド20へと給気されたエアを導く給気パイプ12が設けられる。また、グリップ10の内部は、ヘッド20から排気されたエアの流路となる。グリップ10の内部を流れた排気エアは、カップリング11へと流入する。
カップリング11の後端には、コード11aが接続している。カップリング11は、ハンドピースHとコード11a側を接続するためのコネクタとなる部位である。コード11aは、外部の機器からハンドピースHに供給するエアや後述するヘッド20から排気されたエアを流す流路となる。
図2に示すように、給気パイプ12は、内部に給気されたエアが流れる流路を形成するパイプ状の部材である。給気パイプ12により、コード11aから供給されたエアが、グリップ10の内部を通り、ヘッド20側へと供給される。
この給気パイプ12の先端には、ノズル13が取り付けられる。ノズル13は、給気パイプ12から流れるエアを後述するタービン100に向けて噴射する部位となる。
次に、図2~図4に示すように、ヘッド20の外殻となる部分は、ヘッドケース21とヘッドキャップ28とプッシュボタン22を有する。ヘッドケース21は、概ね筒形状の部位と、この円筒形状の部位から後方に向けて突出する連結部40を有し、内部にタービン室200を形成し後述する各機能部品を保持する。
連結部40は、グリップ10とヘッド20を接続する部位である。連結部40にグリップ10が嵌り込むことにより、ヘッドケース21とグリップ10が一体となる。
また、ヘッドケース21の連結部40が位置する側の部分は、タービン室200側から後方に向けて凹む凹部41が形成されている。
凹部41の内部には、ヘッド20の内部とグリップ10の内部とを繋ぐ連通孔である給気孔42と排気孔43が形成されている。給気孔42の内部には、給気パイプ12と、この給気パイプ12に取り付けられたノズル13が設けられる。また、排気孔43は、排気エアの流路となるグリップ10の内部に向けて開口する。
このように、給気孔42には給気パイプ12と接続するノズル13が設けられ、排気孔43は排気エアの流路となるグリップ10の内部に向けて開口しているので、ハンドピースHの外部から、ヘッド20の内部にエアを供給できると共に、ヘッド内部20からエアを排出することができる。特に、凹部41は、タービン室200から排気エアを排気孔43に導く排気溝となる。
次に、図3に示すようにヘッドケース21の上方に向けて開口する上開口20aには、開口を覆うようにヘッドキャップ28が設けられる。そして、ヘッドキャップ28の上側には、プッシュボタン22が設けられる。
また、プッシュボタン22の下側には、切削工具27を保持するチャック機構26が位置する。プッシュボタン22は、チャック機構26と接続している。プッシュボタン22を押すことで、チャック機構26が開閉する。
この様に構成されたプッシュボタン22は、切削工具27を外す際のチャック機構26の解除ボタンとしての機能を有する。チャック機構26が開閉することで、切削工具27がヘッド20に対して、着脱可能に構成されている。
そして、ヘッド20の内部には、各機能部品として、回転筒24と軸受25(上軸受25a,下軸受25b)とチャック機構26と切削工具27とタービン100とこれら部位を保持する要素を有する。
回転筒24は、下方向に向けて開口する円筒状の部材である。チャック機構26は、回転筒24の内部に備えられ、切削工具27を着脱自在に保持する。尚、回転筒24の開口は、切削工具27をチャック機構26に装着する為の装着開口24aとなる。
図2、図5に示すように、タービン100は、ハブ110とタービンブレード120を有する。ハブ110は、タービン100の回転中心に位置し、中心となる部分には軸方向に開口する取付開口111が形成されている。
タービンブレード120は、ハブ110の周囲から径方向に延びるように複数設けられている。このタービンブレード120は、タービン100の径方向から見ると、タービン100の回転方向とは逆方向に開口する凹形状を成している。
本実施の形態のタービン100の凹形状は、滑らかな湾曲した形状を成している。例えば、ローマ字の「C」に似た形状、又は、ローマ字の「U」を回転方向とは逆方向に倒した形状を成している。この凹形状の部分が、給気されたエアを受けるエア受面121となる。
この様なタービンブレード120には、上側の領域から凹形状の内部へとエアが入り込み、エアがエア受面121に沿って流れて向きを変え、下側の領域から凹形状の部分の外部へと流れる。尚、図5には、ノズル13の位置と、ノズル13から吹出される給気エアの流れFを模式的に示している。
この様に、タービンブレード120にエアが供給されることで、エアの圧力が個々のタービンブレード120のエア受面121に作用して、タービン100の回転駆動力となる。
そして、タービン100は、取付開口111に回転筒24を固定することで、供給されるエアによりタービン100と回転筒24が一体に回転する。切削工具27は、チャック機構26に保持された状態において、ヘッド20の下方向に突出して、回転筒24と共に回転する。軸受25は、回転筒24を回転自在に保持する。
以下、ヘッド20の内部における各機能部品を説明する。
図3に示すように、ヘッドケース21の内部には、上軸受25aと下軸受25bが設けられる。
上軸受25aの外輪(アウターレース)とヘッドケース21に固定されたヘッドキャップ28の間には、Oリング25cが設けられる。同じく、下軸受25bの外輪とヘッドケース21の間には、Oリング25dが設けられる。
このように、上軸受25aと下軸受25bは、それぞれヘッドケース21側との間に、Oリング25c、25dを挟んで設けられて、ヘッドケース21側に対して固定される。
また、上軸受25aと下軸受25bは、上側と下側にそれぞれ離れて位置する。離れて位置した上軸受25aと下軸受25bの間には、タービン100が回転可能に位置する空間であるタービン室200が形成される。
タービン室200は、タービン100の形状に合わせた概ね円筒形状の空間である。また、タービン室200に向けて、給気孔42と排気孔43が開口する。
次に、軸受25には、回転筒24が回転自在に設けられる。つまり、回転筒24は、上軸受25aの上方から下軸受の下方25bに至るように、各軸受の内輪(インナーレース)の内側の開口を貫通した状態で設けられる。
これにより、回転筒24は、上軸受25aの内輪及び下軸受25bの内輪と共に回転する。尚、回転筒24の装着開口24aは、下方向に開口する。
次に、回転筒24の内部には、チャック機構26が設けられている。チャック機構26は、装着開口24aから挿入された切削工具27を着脱自在に保持する。
切削工具27をチャック機構26に装着する場合、プッシュボタン22を押すことで、チャック機構26が切削工具27を受け入れ可能な状態となる。つまり、切削工具27をヘッド20に取付けることが可能な状態となる。
また、切削工具27がチャック機構26の内部に挿入された状態で、プッシュボタン22を押すことをやめれば、チャック機構26が閉じて切削工具27が保持される。これにより、切削工具27は、ヘッド20に保持された状態となり、切削工具27は回転筒24と共に回転する。
切削工具27をチャック機構26から外す場合、プッシュボタン22を押すことで、チャック機構26の切削工具27の保持状態が解除され、切削工具27をチャック機構26から外すことができる。
次に、回転筒24の外周部には、タービン100が設けられる。タービン100は複数のタービンブレードを有し、回転筒24と一体に回転することが可能にとなっている。タービン100は、ヘッドケース21内部において、タービン室200に位置する。
従って、タービン100は、給気パイプ12から供給されるエアが、ノズル13からタービンブレード101に吹き付けられることで、タービン室200内で回転する。
このように、チャック機構26を内部に備えた回転筒24とタービン100により、ロータ160が形成される。ロータ160は、ヘッドケース21の内部に回転自在に備えられる。タービン100に、給気孔42から供給されるエアが吹き付けることで、ロータ160に回転駆動力が生じる。
これにより、ロータ160は回転し、回転筒24の内部のチャック機構26に保持された切削工具27も回転する。
そして、ロータ160に回転駆動力を付与したエアは、排気孔43からヘッド20の内部を出て、グリップ10の内部とカップリング11を経て、ハンドピースHの外部に排気される。本実施の形態の場合、上方向からヘッド20を見た場合、ロータ160は右回転する。
以上のようにハンドピースHの各部を構成することで、切削工具27を回転させて、歯牙等の治療対象を切削することが可能となる。
(本実施の形態の要部)
次に、図2、図4を参照して、本実施の形態の要部であるヘッド20の内部に形成された凹部41について詳細に説明する。
凹部41は、ヘッドケース21の後側の内壁に形成された後方に凹む部位である。この凹部41の内部には、ヘッド20の内部とグリップ10の内部とを繋ぐ連通孔である給気孔42と排気孔43が形成されている。
また、凹部41は、タービン室200の周囲に沿って広がるように開口している。本実施の形態の場合、凹部41は、排気孔43より右側の位置から、給気孔42の左側に至る領域にわたり形成されている。尚、凹部41の左右の幅は、連結部40の左右の幅より広い。
次に、排気孔43は、凹部41の中心部分を含んだ位置に設けられ、グリップ10の内部空間に向けて開口している。これにより、タービン室200から排気されたエアが、排気孔43に流れ込みグリップ10の内部に至り、グリップ10の内部からカップリング11へと至り、そして、コード11aへと至ることで、ハンドピースHの外部に排気することができる。
尚、凹部41のタービン室200への開口縁41aと排気孔43の排気開口縁43aの間の接続面44は、滑らかな曲面に構成されている。
次に、図2、図8に示すように、給気孔42は、タービン100が回転することにより描かれる回転円の接線方向に対して概ね平行に延びたパイプ状の連通孔である。
この給気孔42の内部には、前側の内径より後側の内径を大きくすることにより、段部42aが形成されている。そして、給気孔42には、この連通孔を貫くようにノズル13が設けられる。つまり、ノズル13の先端は、給気孔42から凹部41の内部に突出して位置する。
ノズル13は、円筒形状であり、先端部分において、内径が先端に向けて小さくなる形状に構成されている。つまり、ノズル13は、エアが吹き出る吹出口13aにかけて、窄んだ形状を成している。また、ノズル13の外周面には、外周面を取り巻くように突出部13bが形成されている。
突出部13bは、ノズル13が給気孔42に対して、後方より前方に向けて挿入されて取り付けられる際に、給気孔42の内部に形成された段部42aに当接して、給気孔42に対するノズル13の位置を決める部位となる。これにより、ノズル13の吹出口13aを、タービンブレード120に対して、正しい位置にすることができる。
更に、突出部13bは、ノズル13を給気パイプ12の内部に圧入により取付ける際に、給気パイプ12の先端開口12aが当接することで、給気パイプ12に対するノズル13の位置を決める部位となる。
この様にノズル13が取り付けられることで、吹出口13aは排気孔43の開口より前側に位置する。そして、凹部41の内部において、ノズル13の周囲に空間が形成される。
ここで、図2,図4を参照して、ノズル13と排気孔43の位置関係を説明する。
ノズル13は円筒状に形成された部材であり、また、排気孔43は直線的なパイプ状の孔であり、いずれもまっすぐ延びている。
ノズル13と排気孔43は、ハンドピースHの前後方向に延びる仮想直線Lに対して、斜めに傾いて前後方向に延びている。本実施の形態の場合、ノズル13と排気孔43は、前側の部分が後側の部分に対して左側に寄るように傾いている。
尚、仮想直線Lは、例えば、B-B断面を示す一点鎖線と平行な直線である。B-B断面を示す一点鎖線は、ハンドピースHの左右の中心を通る線である。
また、排気孔34は、ノズル13が位置する側に寄せて配置されている。つまり、排気孔34は、ハンドピースHの左右中心より、ノズル13が位置する左側の領域に及ぶように、配置されている。排気孔34の開口は、この中心位置を跨ぐように、凹部41の内部に位置している。
更に、排気孔43は、凹部41の概ね中心位置に開口している。ノズル13は、この排気孔43の左側であって、凹部41の上下方向の上側に開口した給気孔42に、吹出口13aを突出させた状態で設けられる。つまり、ノズル13の吹出口13aは凹部41内の左側に位置し、排気孔43の開口より前側の位置で、タービンブレード120に向けて開口している。
そして、排気孔43とノズル13は、互いに平行か、排気孔43の前側がノズル13に近づくように、ノズル13に対して排気孔43が傾いた状態で、ヘッドケース21に設けられている。つまり、排気孔43は、前側に近づくにつれ、ノズル13に寄るように配置されている。
以上のように各部が構成された本実施の形態は、次の作用及び効果を奏する。
まず、使用者がエア調整手段を操作してハンドピースHにエアの供給を開始すると、給気パイプ12に給気エアが流れ込み、ノズル13の吹出口13aからタービン100に向けて給気エアが吹出す。ノズル13から吹出されたエアは、タービンブレード120にぶつかり、タービン100を回転させる。これにより、ロータ160が回転駆動し、回転する切削工具27で治療部位の切削が可能となる。
ここで、タービンブレード120に当たりタービン100の回転駆動力を付与した後のエアは、次のようにヘッド20の内部から排出される。
(a)タービン100と共にタービン室200内を回転移動するエア
タービン100と共にタービン室200内を回転移動するエアは、前後に隣り合うタービンブレード120に挟まれた状態で、タービン100の回転に伴い、ヘッドケース21の内壁に沿って移動する。
そして、タービン100と共に回転移動してきたエアは、凹部41の右側から凹部41内部に入り込み、排気孔43へと流れ込む。排気孔43へと流れ込んだエアは、グリップ10の内部からカップリング11に至り、ハンドピースHの外部へと排気される。
このように、凹部41がヘッドケース21の内部において、ノズル13から離れた右側の領域に至るように構成されているので、タービン100と共にタービン室200内を回転移動するエアは、排気孔43を挟んで右側の位置から凹部41に入り込み、排気孔43へと流れ込みやすい。
これにより、タービン室200の内部から効率良くエアを排気することができるので、新たにノズル13からタービン室200内部へと吹出すエアの流れを妨げにくい。
(b)ノズル13の近傍に向けてタービンブレード120から跳ね返ったエア
本実施の形態のように、ノズル13は凹部41内に突出して位置しているので、吹出口13aをタービンブレード120に近づけることができると共に、ノズル13の周囲にタービンブレード120から跳ね返ってくるエアが流れ込む空間が確保される。つまり、凹部41の内部であって、ノズル13の周囲の空間は、タービンブレード120から跳ね返ったエアの流れが入り込むことができる空間となる。
従って、タービンブレード120に効率良くエアを供給できると共に、タービンブレード120に回転駆動力を付与してノズル13側に跳ね返り流れてきたエアを、ノズル13の周囲の凹部41から、排気孔43へと流すことができる。これにより、吹出口13aの周囲の空気の圧力の上昇を緩和して、吹出口13aからエアが吹出し難くなることを緩和することができる。
特に、ノズル13の左側に至る部分まで凹部41が形成されているので、タービン100に回転駆動力を与えた空気の一部が、排気孔43へと流れ込みやすくなる。
また、ノズル13の内径は、先端に向けて小さくなる形状に構成されているので、ノズル13から吹出されたエアは、タービンブレード120に至るまでに拡散しにくい。これにより、タービンブレード120のエア受面121の上側の領域に、集中してエアを供給できる。
そして、タービンブレード120に供給されたエアは、エア受面121に沿って流れ、エア受面121から離れる方向に向きを変え、エア受面121の下側の領域から、エア受面121から離れるように流れる。
これにより、エア受面121から離れるエアと、新たにエア受面121に供給されるエアの流れが干渉しにくい。特に、エア受面121の上側に向けて供給されるエアは、ノズル13の形状により広がりにくいので、エア受面121の下側からノズル13側に戻るエアの流れと干渉しにくい。
従って、ノズル13からより効率良くエアをタービン100へと供給することができ、ロータ160の回転出力を向上させることができる。
また、ノズル13は、ヘッドケース21に形成された給気孔42に対して、別部品として取り付ける部品である。つまり、ヘッドケース21から独立した部品で構成されている。
この様に構成することで、ヘッドケース21に対して、複雑なノズル形状を加工しなくて済むので、ヘッドケース21の加工難易度を下げることができる。特に、ヘッドケース21の凹部41の内部にノズル13が突出する複雑な形状を、切削加工などにより形成した場合に比べ、容易に形成することができる。
また、ノズル13が独立した部品であるので、材料からノズル13を工作機械を用いて切削で形成する際の加工を容易にすることができる。例えば、ノズル13を円筒の単純形状とすることで、精度が要求される加工を切削で行うことが可能となり、加工を容易に行うことができ、生産性が向上する。
また、タービン100の特性に応じて、用いるノズル13の形状を容易に選択することができる。つまり、様々な形状のタービン100やノズルを適宜組み合わせることで、ヘッドケース21やハンドル10を共通にした様々な特性のハンドピースの製品ラインナップを容易に増やすことができる。
更に、ノズル13を機械加工により形成する際に、ノズル13の噴出口側から行うことが可能であるため、加工の自由度を高くすることができる。加工の自由度が高くなることで、例えば、ノズル13の形状を、超音速流を生み出すラバールノズル形状とすることも可能である。
このようなエアタービンは衝動タービンと呼ばれ、エアの衝動力が回転力の源となる。この衝動力は流速の2乗に比例するため、ノズル13から噴射される流速が大きいほどトルクや回転速度が上昇して効率が良くなる。つまり、超音速流を得られれば、ロータ160の回転出力を向上させることができる。
更に、この様に構成したノズル13は、給気孔42に対して、後方より前方に向けて挿入して、突出部13bを給気孔42の内部に形成された段部42aに当接して、給気孔42の内部に取り付けられる。
この様に、給気エアの流れる方向に対して、ノズル13位置が固定されるように取り付けているので、給気するエアの圧力により、ノズル13が段部42aに押しつけられ、給気孔42の内部でノズル13がずれたり、給気孔42から脱落したりすることが無い。
更に、回転するタービン100と共にタービン室200を流れたエアは、凹部41の右側から凹部41の内部に入り、排気孔43へと流れる。本実施の形態のように、排気孔43をノズル13側に寄せて配置しているので、凹部41の右側から凹部41の内部に入り、排気孔43へと流れるエアの排気孔43へと至る距離を長くすることができる。
これにより、ダイレクトに排気孔43へと流れるエアの流れを抑制し、タービン100の回転数が高くなりすぎないように抑制して、回転トルクがより大きくなるように構成することができる。
更に、排気孔43を、ノズル13に対して平行、又は、排気孔43の前側がノズルに近づくようにノズル13に対して斜めに傾けることで、排気孔43の開口を、ノズル13から吹出された給気エアがタービン100に当たる位置に向けることができる。
これにより、排気孔43はノズル13側に寄せて配置され、タービン100からノズル13側に跳ね返るエアを、排気孔43へと導きやすい。
特に、タービン100と共にタービン室200を回転して流れてくるエアについて、凹部41の右側から凹部41の内部に入り、排気孔43へと流れる排気孔43へと至る距離が長くなるので、この位置を流れるエアの流れを抑制することができる。これにより、タービン100から跳ね返りノズル13の周辺に流れてきたエアを、排気孔43へと導きやすくすることができる。
以上のようにハンドピースHを構成することで、タービン100に回転駆動力を付与した後のエアを効率良くヘッドの外部に排出することができる。これにより、ヘッド内に供給するエアの給気効率が向上し、切削工具を回転させるロータ160の回転出力を向上させることが可能となる。
(実施の形態2)
実施の形態2を図9、図10を参照して説明する。尚、実施の形態1と同じ構成については、同じ符号を付し、説明を省略する。
図9は、実施の形態2のハンドピースHの断面図である。図9におけるハンドピースの断面位置は、図1のA-Aと同じ位置である。また、図9において、ノズル13と給気パイプ12は、設けられていない状態で示してある。
図10は、図9のE-E断面図である。図10において、実施の形態2の構成を説明しやすくするため、ロータ160やプッシュボタン22やキャップ28やその他の内部構造等は、設けられていないヘッドケース21のみの状態で示してある。
図9、図10に示すように、ヘッドケース21に形成された凹部41の内部には、凹部41の中央部分に排気孔43が形成され、この排気孔43の左側であって凹部41の上側には給気孔42が形成されている。
そして、更に凹部41には、給気孔42の下側に第2の排気孔45が形成されている。第2の排気孔45は、排気孔43と同様に、ヘッド20の内部とグリップ10の内部とを繋ぐ連通孔である。つまり、第2の排気孔45は、タービン100を回転させた排気エアをタービン室200からグリップ10の内部へと排気する為の連通孔である。
以上のように、給気孔42の下側に第2の排気孔45が形成されているので、ノズル13の周囲にタービンブレード120から跳ね返ってくるエアを、第2の排気孔45からタービン室200の外に排出することができる。
これにより、吹出口13aの周囲の空気の圧力の上昇を緩和して、吹出口13aからエアが吹出し難くなることを緩和することができる。
本実施の形態では、排気孔43に対して第2の排気孔45は、独立した開口であるが、給気孔42の下側の部分に排気孔が開口していれば良い。つまり、排気孔43と第2の排気孔45が一つの開口であってもよい。
H ハンドピース
10 グリップ
11 カップリング
11a コード
12 給気パイプ
13 ノズル
13a 吹出口
20 ヘッド
21 ヘッドケース
22 プッシュボタン
24 回転筒
24a 装着開口
25 軸受
25a 上軸受
25b 下軸受
25c Oリング
26 チャック機構
27 切削工具
28 ヘッドキャップ
40 連結部
41 凹部
41a 開口縁
42 給気孔
42a 段部
43 排気孔
43a 排気開口縁
44 接続面
100 タービン
110 ハブ
111 取付開口
120 タービンブレード
121 エア受面

Claims (1)

  1. 歯科用タービンハンドピースにおいて、
    使用者が握る部位となるグリップと、前記グリップの先端に接続するヘッドと、前記ヘッド内に備えられるロータを有し、
    前記ロータは、供給されるエアにより回転トルクを得るタービンを備え、
    前記ヘッドの外殻となる部分はヘッドケースを有し、前記ヘッドケースの内部にはタービン室が形成され、
    前記タービンは、供給されたエアを受けるエア受面を有するタービンブレードを備え、前記タービン室に位置し、
    前記ヘッドケースは、前記タービンにエアを供給する給気孔と、前記ヘッドの内部のエアを排気する排気孔と第2の排気孔を備え、
    前記ヘッドを前側、前記グリップを後側とし、前記ヘッドと前記グリップが連なる方向を前後方向とし、この前後方向に対して直交する方向を左右方向とし、この前後左右の方向は、使用者が前記グリップを握り前記歯科用ハンドピースを使用する状態で、使用者から前記歯科用ハンドピースを見た状態を基準とし、
    前記ヘッドケースには、後方に向けて凹む1つの凹部が形成されており、
    前記給気孔と前記排気孔と前記第2の排気孔は、前記凹部の内部に位置し、前記排気口の左側には前記給気孔が位置し、前記給気孔の真下に前記第2の排気孔が位置し、
    前記タービンブレードには、前記給気孔から供給されたエアが、上側の領域からエアが入り込み、前記エア受け面に沿って流れて、下側の部分から前記第2の排気孔へと流れることを特徴とする歯科用タービンハンドピース。
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