JPH10234746A - エアータービンハンドピース - Google Patents

エアータービンハンドピース

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JPH10234746A
JPH10234746A JP9041183A JP4118397A JPH10234746A JP H10234746 A JPH10234746 A JP H10234746A JP 9041183 A JP9041183 A JP 9041183A JP 4118397 A JP4118397 A JP 4118397A JP H10234746 A JPH10234746 A JP H10234746A
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rotor
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照三 中山
Haruo Ogawa
治夫 小川
Makoto Numakawa
誠 沼川
Hirofumi Jikuhara
浩文 竺原
Hajime Yokota
一 横田
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    • A61CDENTISTRY; APPARATUS OR METHODS FOR ORAL OR DENTAL HYGIENE
    • A61C1/00Dental machines for boring or cutting ; General features of dental machines or apparatus, e.g. hand-piece design
    • A61C1/02Dental machines for boring or cutting ; General features of dental machines or apparatus, e.g. hand-piece design characterised by the drive of the dental tools
    • A61C1/05Dental machines for boring or cutting ; General features of dental machines or apparatus, e.g. hand-piece design characterised by the drive of the dental tools with turbine drive
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10STECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ロータを効率良く、また高トルクで回転駆動
することができるエアータービンハンドピースを提供す
ること。 【解決手段】 グリップ部2と、グリップ部2の先端部
に設けられたヘッド部4を備え、ヘッド部4に規定され
たチャンバ12内にロータ74が配設され、ロータ74
と一体的に回転される回転軸70に切削工具8が着脱自
在に装着されるエアータービンハンドピース。ヘッド部
4のチャンバ12には、タービンブレード部75に向け
て空気を噴出するためのノズル開口90と、噴出された
空気を外部に排出するための排出開口120とが開口し
ており、ノズル開口90の周方向の円弧幅は、ロータ7
4の回転軸線10の方向の高さの2倍以上に設定され、
ノズル開口90は幅方向に細長く形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医療用などに有用
に適用できるエアータービンハンドピースに関する。
【0002】
【従来の技術】医療用、好適には歯科医療用のハンドピ
ースとして、たとえば、米国特許第4,020,556
号明細書に開示されているものを挙げることができる。
この公知のハンドピースは、グリップ部と、このグリッ
プ部の先端部に設けられたヘッド部を備えている。ヘッ
ド部にはチャンバが形成され、このチャンバに、タービ
ンブレード部を有するロータが回転自在に配設されてい
る。ロータには回転軸が装着されており、この回転軸に
切削工具が着脱自在に装着される。グリップ部内には、
タービンブレード部に圧縮空気を送給するための送給管
が内蔵され、この送給管の先端部には2本のノズル管が
接続され、2本のノズル管の先端開口はチャンバに開口
している。また、チャンバにはノズル管の先端開口の上
方および下方に排出開口が開口し、この排出開口から延
びる排出流路がグリップ部内をその長手方向に延びてい
る。タービンブレード部は、周方向に間隔を置いて配設
された複数個のタービン翼を有し、これらタービン翼の
作用面(ノズル管から空気が噴射される面)が上下方向
に弧状に延びている。このようなハンドピースにおいて
は、圧縮空気は、送給管およびノズル管を通してタービ
ンブレード部のタービン翼に向けて噴射され、噴射され
た圧縮空気によってタービンブレード部(これと一体的
に回転軸および切削工具)が所定方向に回動される。タ
ービン翼に向けて噴射された空気は、その作用面に沿っ
て上方および下方に向けて流れ、ノズル管の上方および
下方にある排出開口を通して外部に排出される。
【0003】また、他の例のハンドピースとして、たと
えば、米国特許第3,386,702号明細書に開示さ
れたものを挙げることができる。このハンドピースは、
チャンバに回転自在に配設されたロータを有し、ロータ
に回転軸が固定され、この回転軸に切削工具が装着され
る。ロータは、その軸線方向に間隔を置いて配設された
第1のタービンブレード部と第2のタービンブレード部
とを有している。第1および第2のタービンブレード部
は、それぞれ、周方向に間隔を置いて配設された第1お
よび第2のタービン翼を有しており、また第1および第
2のタービンブレード部の間には、第1のタービンブレ
ード部からの空気を第2のタービンブレード部に導くた
めの複数個の固定案内翼が配設されている。ノズル開口
は、ロータの第1のタービンブレード部の上方に配設さ
れ、また排出開口は、第2のタービンブレード部の下方
に配設されている。ノズル開口から噴出された空気は、
第1のタービンブレード部のタービン翼に作用し、この
タービン翼に沿って流れ、さらに第1のタービンブレー
ド部から固定案内翼に案内されて第2のタービンブレー
ド部に導かれ、この第2のタービンブレード部の第2の
タービン翼に作用し、しかる後排出開口を通して外部に
排出される。このようにノズル開口からの空気が第1お
よび第2のタービンブレード部のタービン翼に作用する
ので、ロータは比較的大きい回転トルクでもって回転駆
動される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
のハンドピースにおいては、次のとおりの解決すべき問
題が存在する。
【0005】第1に、ハンドピースをたとえば歯科用に
用いる場合には、ロータ、換言すると切削工具は、約4
0万rpm程度と非常に高速回転される。このようにロ
ータを高速回転させるには、圧縮空気をノズル管(ノズ
ル開口)からタービンブレード部に向けて効率よく噴射
することが重要である。しかしながら、従来の上述した
ハンドピースにおいては、ノズル管(ノズル開口)の先
端開口が略円形である故に、充分に効率よくロータを回
転させることができなかった。詳述すると、ノズル管の
先端開口が小さい場合には、圧縮空気はタービンブレー
ド部のタービン翼に集中的に作用するが、圧縮空気の噴
射量が少なく、ロータを高トルクで回転駆動することが
困難となる。一方、ノズル管の先端開口が大きい場合に
は、圧縮空気はタービンブレード部のタービン翼の比較
的広い範囲に渡って噴射され、圧縮空気の噴射量が多く
なるが、回転トルクにあまり寄与しない無駄な空気も多
くなり、この無駄な空気かロータの回転抵抗となるおそ
れがある。
【0006】第2に、タービンブレード部のタービン翼
の作用面は単に円弧状に延びているのみであるので、タ
ービン翼の作用面に噴射された空気はこの作用面に沿っ
て上方および下方(または下方)に流れるが、この空気
の流れが充分にスムースに行われず、またタービン翼の
作用面から上方および下方(または下方)に流れる空気
の一部がタービン翼の回転に対する抵抗として作用し、
空気の運動エネルギをロータの回転エネルギに効率良く
変換することができない。
【0007】第3に、米国特許第3,386,702号
明細書に開示されたものでは、ロータは第1および第2
のタービンブレード部を備えているが、第1のタービン
ブレード部と第2のタービンブレード部との間に固定案
内翼が配置される構成である故に、ロータを内蔵するヘ
ッド部が大きくなる。また、ノズル開口は第1のタービ
ンブレード部の上方に設けられ、上方から斜め下方に向
けて駆動用の空気が噴射される構成である故に、このこ
とに関連してもヘッド部が大型化し、加えて空気のエネ
ルギをロータの回転エネルギに充分効率良く変換するこ
とができないという欠点も存在する。ヘッド部が大きく
なると、臼歯の切削治療、小児の治療が困難となる。
【0008】本発明の目的は、タービンブレード部に向
けて空気を噴射するノズル開口に関連して、ロータを効
率良く、また高トルクで回転駆動することができるエア
ータービンハンドピースを提供することである。
【0009】本発明の他の目的は、タービンブレード部
のタービン翼に噴射された空気の流れをスムースにして
効率良くロータを回転駆動することができるエアーター
ビンハンドピースを提供することである。
【0010】本発明のさらに他の目的は、第1および第
2のタービンブレード部を備えたものにおいて、ヘッド
部の高さを小さくすることができ、さらにエアーの運動
エネルギをロータの回転エネルギに効率良く変換するこ
とができるエアータービンハンドピースを提供すること
である。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、グリップ部
と、該グリップ部の先端部に設けられたヘッド部を備
え、該ヘッド部に形成されたチャンバ内に、タービンブ
レード部を有するロータが配設され、該ロータが回転軸
と一体的に軸受手段を介して回転自在に支持され、該回
転軸に工具が着脱自在に装着されるエアータービンハン
ドピースにおいて、前記ヘッド部のチャンバには、前記
ロータのタービンブレード部に向けて空気を噴出するた
めのノズル開口と、噴出された空気を外部に排出するた
めの排出開口とが開口しており、前記ノズル開口の周方
向の円弧幅Wは、前記ロータの回転軸線方向の高さHの
2倍以上に設定されていることを特徴とするエアーター
ビンハンドピースである。 本発明に従えば、タービンブレード部に向けて空気を噴
射するためのノズル開口の周方向の円弧幅Wがロータの
回転軸線方向の高さHの2倍以上に設定され、このノズ
ル開口は周方向に長い形状になっている。それ故に、ノ
ズル開口から噴射される空気をタービンブレード部のタ
ービン翼の軸線方向中央部に集中的に作用させることが
でき、またノズル開口の面積も大きいので、その送給量
も多くすることができ、したがってロータを効率良く、
高トルクで回転駆動することができる。
【0012】また本発明は、グリップ部と、該グリップ
部の先端部に設けられたヘッド部を備え、該ヘッド部に
形成されたチャンバ内に、タービンブレード部を有する
ロータが配設され、該ロータが回転軸と一体的に軸受手
段を介して回転自在に支持され、該回転軸に工具が着脱
自在に装着されるエアータービンハンドピースにおい
て、前記ロータのタービンブレード部は、ハブ部とこの
ハブ部の外周面に周方向に実質上等間隔を置いて設けら
れた複数個のタービン翼を有しており、該複数個のター
ビン翼は、前記ロータの回転方向に実質上円弧状に凸状
に延びる第1の翼部と、該第1の翼部に実質上連続して
これから離れる方向に向けて前記ロータの回転方向後方
に延びる第2の翼部とを有しており、前記チャンバに
は、前記タービンブレード部の前記第1の翼部に向けて
空気を噴出するためのノズル開口と、前記タービンブレ
ードに向けて噴出された空気を外部に排出するための排
出開口とが開口しており、前記ノズル開口から前記ター
ビンブレード部の第1の翼部に噴出された空気は、前記
第1の翼部に案内されて前記回転方向後方に流れ、さら
に前記第2の翼部に案内されて前記第1の翼部から離れ
る方向に向けて前記回転方向後方に導かれ、しかる後前
記排出開口を通して外部に排出されることを特徴とする
エアータービンハンドピースである。 本発明に従えば、ロータの各タービン翼は、ロータの回
転方向に実質上円弧状に凸状に延びる第1の翼部と、こ
の第1の翼部から実質上連続してこれから離れる方向に
前記回転方向後方に延びる第2の翼部とを有し、ノズル
開口からの空気は、タービン翼の第1の翼部に向けて噴
射される。それ故に、ノズル開口から噴射された空気
は、第1の翼部の円弧状面に沿って回転方向後方に流
れ、さらに第1の翼部に続く第2の翼部に沿って回転方
向に導かれ、タービン翼に沿って流れる空気の流れがス
ムースとなる。したがって、タービンブレード部に向け
て噴射された空気は、タービン翼に沿ってスムースに流
れて回転抵抗としてほとんど作用せず、ロータを効率良
く回転駆動することができる。
【0013】また本発明は、前記タービンブレード部の
ハブ部は、前記ロータの半径方向内方に向けて実質上円
弧状に凹状に延びる外周面を有する第1の部分と、この
第1の部分から前記ロータの回転軸線方向に延びる第2
の部分とを有しており、前記ノズル開口から噴出された
空気の一部は、前記ハブ部の第1および第2の部分に案
内された後前記タービン翼に導かれることを特徴とす
る。 本発明に従えば、タービンブレード部のハブ部は、ロー
タの半径方向内方に向けて実質上円弧状に延びる第1の
部分と、この第1の部分からロータの回転方向に延びる
第2の部分とを有するので、ノズル開口から噴射された
空気のうちハブ部に作用する一部は、この第1の部分か
ら第2の部分に沿ってタービン翼に導かれる。そして、
このタービン翼に作用することによって、ロータの回転
トルクに寄与し、ロータの回転トルクを上昇することが
できる。
【0014】また本発明は、前記複数個のタービン翼の
第1の翼部は、前記ノズル開口の前記回転軸線方向の高
さHの1.5倍以上の曲率半径を有する円弧状に形成さ
れていることを特徴とする。 本発明に従えば、タービン翼の第1の翼部は、ノズル開
口の前記回転軸線方向の高さHの1.5倍以上の曲率を
有する円弧状に形成されているので、ノズル開口から第
1の翼部に向けて噴射された空気は、この第1の翼部の
円弧状面に案内されてスムースに回転方向後方に流れ
る。
【0015】また本発明は、前記複数個のタービン翼の
第2の翼部は、前記ロータの回転軸線に実質上垂直な面
に対して15〜45度の角度でもって傾斜して回転方向
後方に延びていることを特徴とする。 本発明に従えば、タービン翼の第2の翼部は、ロータの
回転軸線に実質上垂直な面に対して15〜45度の角度
でもって傾斜して回転方向後方に延びているので、第1
の翼部に沿って案内された空気は、この第2の翼部に沿
ってさらに回転方向後方に向けて下方(および/または
上方)に導かれ、第1の翼部から第2の翼部に沿う空気
の流れがスムースとなり、また第1の翼部から第2の翼
部に流れる空気は、回転トルクとして寄与する。また、
空気の流れがスムースになることによって、その流れの
速度低下も少なく、これによってもより大きい回転トル
クを得ることができる。
【0016】また本発明は、前記タービンブレード部
は、合成樹脂成形、粉末焼結またはメタルインジェクシ
ョンモールディングによって、前記ハブ部と前記複数個
のタービン翼とが一体的に形成されていることを特徴と
する。 本発明に従えば、タービンブレード部が合成樹脂成形、
粉末焼結またはメタルインジェクションモールディング
によって形成されているので、タービンブレード部を比
較的容易にかつ安価に製作することができる。
【0017】また本発明は、前記タービンブレード部の
ハブ部および複数個のタービン翼は合成樹脂成形によっ
て一体的に形成され、前記ハブ部には円筒状のインサー
ト部品がインサートされており、前記インサート部材の
外周面には、両者の結合を強固にするための凹凸が設け
られていることを特徴とする。 本発明に従えば、タービンブレード部が合成樹脂成形に
よって形成され、このタービンブレード部のハブ部に、
表面に凹凸を有するインサート部品が一体的にインサー
ト成形されているので、タービンブレード部をインサー
ト部品を介して回転軸に強固に固定することができる。
また、インサート部品の表面に凹凸が存在するので、タ
ービンブレード部とインサート部品とを強固に結合する
ことができる。
【0018】また本発明は、前記合成樹脂成形に用いら
れる合成樹脂材料が、ポリフェニレンサルファイド(P
PS)、フッ素樹脂、ポリエーテルイミド、ポリエーテ
ルエーテルケトン、液晶ポリマ、芳香族ポリオレフィ
ン、ポリカーボネイトおよびフェノール樹脂のいずれか
であることを特徴とする。 本発明に従えば、合成樹脂成形に用いる合成樹脂材料と
して上述したもの用いるので、タービンブレード部とし
て充分な強度と耐熱性を有するのもが得られる。
【0019】また本発明は、前記チャンバに開口する前
記ノズル開口の周方向の円弧幅Wは、前記ロータの回転
軸線方向の高さHの2倍以上に設定されていることを特
徴とする。 本発明に従えば、ノズル開口の周方向の円弧幅Wがロー
タの回転軸線方向の高さHの2倍以上に設定されている
ので、ノズル開口から噴射される空気をタービン翼の前
記回転軸線方向中央部に集中的に作用させることができ
る。また、ノズル開口の面積も大きく確保でき、空気の
噴出量も多くすることができる。
【0020】また本発明は、前記ノズル開口の周方向の
円弧幅Wは、前記ロータの回転軸線方向の高さHの3〜
20倍(3H≦W≦20H)であることを特徴とする。 本発明に従えば、ノズル開口の周方向の円弧幅Wは、ロ
ータの回転軸線方向の高さHの3〜20倍であるので、
ノズル開口として、回転軸線方向の高さHを小さくして
も充分な開口面積を確保することができ、ロータを効率
良く、高トルクで回転駆動することができる。
【0021】また本発明は、前記ノズル開口の周方向の
円弧幅Wは、前記ロータのの回転軸線方向の高さHの7
〜15倍(7H≦W≦15H)であることを特徴とす
る。 本発明に従えば、ノズル開口の周方向の円弧幅Wは、ロ
ータの回転軸線方向の高さHの7〜15倍であるので、
ノズル開口の高さHおよび円弧幅Wが適切な比率とな
り、ロータを一層効率良く、高トルクで回転駆動するこ
とができる。
【0022】また本発明は、前記タービンブレード部に
は、周方向に実質上等間隔を置いて複数個のタービン翼
が設けられており、前記ノズル開口の周方向の円弧幅W
は、前記複数個のタービン翼のピッチ幅Pの2倍よりも
大きいことを特徴とする。 本発明に従えば、ノズル開口の周方向の円弧幅Wは、ブ
レードのピッチ幅Pの2倍よりも大きいので、ノズル開
口から噴射される空気は、常時、タービンブレード部の
タービン翼の実質上3個以上に作用するようになり、こ
れによってロータの回転をスムースにし、トルクリップ
ルを少なくすることができる。
【0023】また本発明は、前記ヘッド部には、前記ノ
ズル開口に空気を導くエアー流路が設けられており、ま
た該ノズル開口に向けて空気を案内する隔壁が前記エア
ー流路に設けられていることを特徴とする。 本発明に従えば、ノズル開口に空気を導くエアー流路に
隔壁が設けられているので、エアー流路を流れる空気は
この隔壁に案内されて流れ、したがって、エアー流路を
流れる空気の片寄りを防止することができる。
【0024】また本発明は、前記ヘッド部は、相互に協
働して前記チャンバを形成するヘッド本体および流路部
材を備えており、前記流路部材を前記ヘッド本体に装着
することによって、前記ヘッド本体と前記流路部材との
間に前記エアー流路が形成され、前記隔壁は前記流路部
材に設けられていることを特徴とする。 本発明に従えば、エアー流路はヘッド本体とこのヘッド
本体に装着される流路部材との間に形成されるので、エ
アー流路を有するヘッド部を比較的簡単に且つ安価に製
作することができる。また、流路部材に隔壁が設けられ
るので、この隔壁を容易に設けることができる。
【0025】また本発明は、前記流路部材の一端部に
は、前記エアー流路に連通する取付孔が設けられてお
り、空気を送給するための給気管の一端部が前記取付孔
に接続されることを特徴とする。 本発明に従えば、給気管の一端部が流路部材の取付孔に
装着されるので、流路部材に関する部品の組立が容易で
あるとともに、エアー流路とグリップ部内を延びる空気
送給管との接続も給気管を介して行われるようになり、
その接続作業も容易となる。
【0026】また本発明は、前記流路部材は、塑性加
工、合成樹脂成形または粉末焼結によって形成されるこ
とを特徴とする。 本発明に従えば、流路部材は、塑性加工、合成樹脂成形
または粉末焼結によって形成されるので、この流路部材
を比較的容易にかつ安価に製作することができる。
【0027】また本発明は、グリップ部と、該グリップ
部の先端部に設けられたヘッド部を備え、該ヘッド部に
形成されたチャンバ内にロータが配設され、該ロータが
回転軸と一体的に軸受手段を介して回転自在に支持さ
れ、該回転軸に工具が着脱自在に装着されるエアーター
ビンハンドピースにおいて、前記ロータは、第1および
第2ののタービンブレード部を有しており、前記ヘッド
部のチャンバには、前記ロータの第1のタービンブレー
ド部に向けて空気を噴出するためのノズル開口と、噴出
された空気を外部に排出するための排出開口とが開口し
ており、前記ノズル開口から噴射された空気は、前記ロ
ータの回転軸線に対して実質上垂直な方向に前記第1の
タービンブレード部に作用し、しかる後前記第1のター
ビンブレード部から前記第2のタービンブレード部に導
かれた空気は、前記ロータの回転軸線に対して実質上垂
直な方向に前記第2のタービンブレード部に作用し、し
かる後前記第2のタービンブレード部から前記排出開口
を通して外部に排出されることを特徴とするエアーター
ビンハンドピースである。 本発明に従えば、ロータは第1および第2のタービンブ
レード部を有し、ノズル開口からの空気は、第1のター
ビンブレード部に向けて噴射される。そして、ノズルか
ら噴射された空気は、第1のタービンブレード部に作用
した後第2タービンブレードに導かれてこれに作用し、
しかる後排出開口を通して外部に排出される。第1のタ
ービンブレード部からの空気が第2のタービンブレード
部に作用するときにはその流速が幾分低下しており、そ
れ故に、この空気は第2のタービンブレードに作用して
その回転トルクを上昇させる一方、その回転数を幾分低
下させ、かくして回転数を上昇させることなく回転トル
クを大きくすることができる。また、ノズル開口から噴
出される空気は、第1のタービンブレード部にロータの
回転軸線に対して実質上垂直な方向に作用するので、第
1のタービンブレード部に効率良く作用する。さらに、
第2のタービンブレード部に導かれた空気は、第2のタ
ービンブレード部にロータの回転軸線に対して実質上垂
直な方向に作用するので、第2のタービンブレード部に
効率良く作用する。
【0028】また本発明は、前記ロータの第1のタービ
ンブレード部は、第1のハブ部とこの第1のハブ部の外
周面に周方向に間隔を置いて設けられた複数個の第1の
タービン翼とを有し、該複数個の第1のタービン翼は、
前記ロータの回転方向に実質上円弧状に凸状に延びる第
1の翼部と、該第1の翼部に実質上連続してこれから離
れる方向に向けて前記ロータの回転方向後方に延びる第
2の翼部とを有しており、また、前記第2のタービンブ
レード部は、第2のハブ部とこの第2のハブ部の外周面
に周方向に間隔を置いて設けられた複数個の第2のター
ビン翼とを有し、該複数個の第2のタービン翼は、前記
ロータの回転方向に実質上円弧状に凸状に延びる第1の
翼部と、該第1の翼部に実質上連続してこれから離れる
方向に向けて前記ロータの回転方向後方に延びる第2の
翼部とを有しており、前記ノズル開口から噴出された空
気は、前記第1のタービンブレード部の第1のタービン
翼における前記第1の翼部に作用し、前記第1の翼部に
案内されて前記回転方向後方に流れ、さらに前記第1の
タービン翼の第2の翼部に案内されて前記第1の翼部か
ら離れる方向に向けて回転方向後方に導かれ、その後、
前記第2のタービンブレード部の第2のタービン翼にお
ける第1の翼部に作用し、前記第1の翼部に案内されて
回転方向後方に流れ、さらに前記第2のタービン翼の第
2の翼部に案内されて回転方向後方に流れ、しかる後前
記排出開口を通して外部に排出されることを特徴とす
る。 本発明に従えば、ロータの第1のおよび第2のタービン
ブレード部は、それぞれ、第1および第2のハブ部と第
1および第2のタービン翼とを有し、第1および第2の
タービン翼は、それぞれ、ロータの回転方向に円弧状に
凸状に延びる第1の翼部と第1の翼部から実質上連続し
てこれから離れる方向に向けて回転方向後方に延びる第
2の翼部とを有している。それ故に、ノズル開口から噴
出された空気は、第1のタービンブレード部の第1の翼
部に案内されて回転方向後方に流れ、さらに第1のター
ビン翼の第2の翼部に案内されて上記第1の翼部から離
れる方向に向けて回転方向後方に導かれ、その後第2の
タービンブレード部の第1の翼部に案内されて回転方向
後方に流れ、さらに第2のタービン翼の第2の翼部に案
内されて回転方向後方に流れ、第1および第2のタービ
ンブレード部を通る空気の流れがスムースとなり、この
空気の流れが回転抵抗として作用することが著しく低減
される。
【0029】また本発明は、前記第1のタービンブレー
ド部の第1のハブ部は、前記ロータの半径方向内方に向
けて実質上円弧状に凹状に延びる外周面を有する第1の
部分と、この第1の部分から前記ロータの回転軸線方向
に延びる第2の部分とを有しており、前記ノズル開口か
ら噴出された空気の一部は、前記第1のハブ部の第1お
よび第2の部分に案内された後前記第1のタービンブレ
ード部の第1のタービン翼に導かれることを特徴とす
る。 本発明に従えば、第1のタービンブレード部の第1のハ
ブ部は、ロータの半径方向内方に向けて実質上円弧状に
延びる第1の部分と、この第1の部分からロータの回転
方向に延びる第2の部分とを有するので、ノズル開口か
ら噴射された空気のうち第1のハブ部に作用する一部
は、この第1の部分から第2の部分に沿って第1のター
ビン翼に導かれる。そして、この第1のタービン翼に作
用することによって、ロータの回転トルクに寄与し、ロ
ータの回転トルクを上昇させることができる。
【0030】また本発明は、前記第2のタービンブレー
ド部の第2のハブ部は、前記ロータの半径方向内方に向
けて実質上円弧状に凹状に延びる外周面を有する第1の
部分と、この第1の部分から前記ロータの回転軸線方向
に延びる第2の部分とを有しており、前記第2のタービ
ンブレード部に向けて噴出された空気の一部は、前記第
2のハブ部の第1および第2の部分に案内された後前記
第2のタービンブレード部の第2のタービン翼に導かれ
ることを特徴とする。 本発明に従えば、第2のタービンブレード部の第2のハ
ブ部は、ロータの半径方向内方に向けて実質上円弧状に
延びる第1の部分と、この第1の部分からロータの回転
方向に延びる第2の部分とを有するので、第1のタービ
ンブレード部から導かれた空気のうち第2のハブ部に作
用する一部は、この第1の部分から第2の部分に沿って
第2のタービン翼に導かれる。そして、この第2のター
ビン翼に作用することによって、ロータの回転トルクに
寄与し、ロータの回転トルクを一層上昇させることがで
きる。
【0031】また本発明は、前記ロータの第1のタービ
ンブレード部における第1のタービン翼の第1の翼部
は、前記ノズル開口の前記回転軸線方向の高さHの1.
5倍以上の曲率半径を有する円弧状に形成されているこ
とを特徴とする。 本発明に従えば、第1のタービンブレード部の第1のタ
ービン翼の第1の翼部は、ノズル開口の高さHの1.5
倍以上の曲率を有する円弧状に形成されているので、ノ
ズル開口から第1のタービンブレード部の第1の翼部に
向けて噴出された空気は、この第1の翼部の円弧状面に
案内されてスムースに回転方向後方に流れる。
【0032】また本発明は、前記ロータの第1および第
2のタービンブレード部における第2の翼部は、前記ロ
ータの回転軸線に実質上垂直な面に対して15〜45度
の角度でもって傾斜して回転方向後方に延びていること
を特徴とする。 本発明に従えば、ロータのの第1および第2のタービン
ブレード部における第2の翼部は、ロータの回転軸線に
実質上垂直な面に対して15〜45度の角度でもって傾
斜して回転方向後方に延びているので、第1のタービン
ブレード部の第1の翼部に沿って案内された空気は、そ
れに続く第2の翼部に沿ってさらに回転方向後方に向け
て第2のタービンブレード部に向けて導かれ、また第2
のタービンブレード部の第1の翼部に沿って案内された
空気は、それに続く第2の翼部に沿ってさらに回転方向
後方に向けて導かれ、第1および第2のタービンブレー
ド部における第1の翼部から第2の翼部に流れる空気の
流れがスムースとなり、回転方向後方に空気を噴出す
る。そして、第1および第2のタービンブレード部にお
ける第1の翼部から第2の翼部に流れる空気は、回転ト
ルクとして寄与する。また、空気の流れがスムースにな
ることによって、その流れの速度低下も少なく、これに
よってもより大きい回転トルクを得ることができる。
【0033】また本発明は、前記ヘッド部は前記チャン
バを形成するヘッド本体を備え、該ヘッド本体のチャン
バ内に内ハウジング部材が装着され、該内ハウジング部
材の外周面にスリーブ状部材が装着され、該スリーブ状
部材と前記内ハウジング部材とによって、前記第1のタ
ービンブレード部からの空気を前記第2のタービンブレ
ード部に導くための補助エアー流路が形成されることを
特徴とする。 本発明に従えば、内ハウジング部材とその外周面に装着
されるスリーブ部材とによって補助エアー流路が形成さ
れているので、第1のタービンブレード部からの空気
は、この補助エアー流路に案内されて第2のタービンブ
レード部に確実に導かれる。
【0034】また本発明は、前記内ハウジング部材に
は、周方向に間隔を置いて複数個の流路開口が設けら
れ、前記スリーブ状部材は、前記複数個の流路開口を覆
うように前記内ハウジング部材に装着され、これによっ
て前記複数個の流路開口が前記補助エアー流路として作
用し、前記第1のタービンブレード部からの空気は前記
複数個の流路開口の一端部から導入された後それらの他
端部から前記第2のタービンブレード部に向けて噴射さ
れることを特徴とする。 本発明に従えば、内ハウジング部材に複数個の流路開口
が形成され、第1のタービンブレード部からの空気は流
路開口の一端部から導入され、これら流路開口を通して
流れる空気は、それらの他端部から第2のタービンブレ
ード部に向けて噴出され、第2のタービンブレード部の
所定部位に向けて確実に噴出することができる。
【0035】また本発明は、前記内ハウジング部材およ
び/または前記スリーブ状部材は、メタルインジェクシ
ョンモールディング、粉末焼結または合成樹脂成形によ
って形成されることを特徴とする。 本発明に従えば、内ハウジング部材および/またはスリ
ーブ状部材は、メタルインジェクションモールディン、
粉末焼結または合成樹脂成形によって形成されるので、
内ハウジング部材および/またはスリーブ部材を比較的
容易にかつ安価に製作することができる。
【0036】また本発明は、前記ロータは、合成樹脂成
形、粉末焼結またはメタルインジェクションモールディ
ングによって、前記第1のタービンブレード部と前記第
2のタービンブレード部とが一体的に形成されているこ
とを特徴とする。 本発明に従えば、第1および第2のタービンブレード部
を有するロータを比較的容易に且つ安価に一体的に製作
することができる。
【0037】また本発明は、前記ロータの第1のタービ
ンブレード部と第2のタービンブレード部とは合成樹脂
成形によって一体的に形成され、前記第1および第2の
タービンブレード部に渡って円筒状のインサート部品が
インサートされており、前記インサート部材の外周面に
は、両者の結合を強固にするための凹凸が設けられてい
ることを特徴とする。 本発明に従えば、第1および第2のタービンブレード部
が合成樹脂成形によっ一体的に形成され、第1および第
2のタービンブレード部に渡ってインサート部材がイン
サートされているので、ロータをインサート部品を介し
て回転軸に強固に固定することができる。また、インサ
ート部品の表面に凹凸が存在するので、ロータとインサ
ート部品とを強固に結合することができる。
【0038】また本発明は、前記合成樹脂成形に用いら
れる合成樹脂材料が、ポリフェニレンサルファイド(P
PS)、フッ素樹脂、ポリエーテルイミド、ポリエーテ
ルエーテルケトン、液晶ポリマ、芳香族ポリオレフィ
ン、ポリカーボネイトおよびフェノール樹脂のいずれか
であることを特徴とする。 本発明に従えば、上述した合成樹脂材料を用いるので、
充分な強度と耐熱性を持たせることができる。
【0039】また本発明は、前記チャンバに開口する前
記ノズル開口の周方向の円弧幅Wは、前記ロータの回転
軸線方向の高さHの2倍以上に設定されていることを特
徴とする。 本発明に従えば、請求項9の基本的構成を備えているの
で、上記請求項9と実質上同一の作用を有する。
【0040】また本発明は、前記ノズル開口の周方向の
円弧幅Wは、前記ロータの回転軸線方向の高さHの3〜
20倍(3H≦W≦20H)であることを特徴とする。
本発明に従えば、請求項10の基本的構成を備えている
ので、上記請求項10と実質上同一の作用を有する。
【0041】また本発明は、前記ノズル開口の周方向の
円弧幅Wは、前記ロータの回転軸線方向の高さHの7〜
15倍(7H≦W≦15H)であることを特徴とする。 本発明に従えば、請求項11の基本的構成を備えている
ので、上記請求項11と実質上同一の作用を有する。
【0042】また本発明は、前記ロータの第1のタービ
ンブレード部における複数個の第1のタービン翼は、周
方向に実質上等間隔を置いて設けられており、前記ノズ
ル開口の周方向の円弧幅Wは、前記複数個の第1のター
ビン翼のピッチ幅Pの2倍よりも大きいことを特徴とす
る。 本発明に従えば、第1のタービンブレードに関連して、
請求項12の基本的構成を備えているので、請求項12
と実質上同一の作用を有する。
【0043】さらに本発明は、前記ヘッド部には、前記
ノズル開口に空気を導くエアー流路が設けられており、
また該ノズル開口に向けて空気を案内する隔壁が前記エ
アー流路に設けられていることを特徴とする。 本発明に従えば、請求項13の基本的構成を備えている
ので、請求項13と実質上同一の作用を有する。
【0044】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照してさらに
詳細に説明する。図1は、本発明に従うエアータービン
ハンドピースの第1の実施形態の一部を拡大して示す断
面図であり、図2は、図1におけるII−II線による
断面図であり、図3は、図1におけるIII−III線
による断面図である。なお、以下、本発明に従うハンド
ピースを歯科医療用に適用して説明するが、これに限定
されることなく、外科医療用または一般的材料、部品等
の切削加工用等にも適用することができる。
【0045】図1〜図3において、たとえば歯科用に好
都合に用いることができる図示のハンドピースは、グリ
ップ部2とこのグリップ部2の先端部に設けられたヘッ
ド部4とを備え、術者はこのグリップ部2を持ってたと
えば歯牙の切削加工を行う。本実施形態のハンドピース
は、図1に示すとおり、グリップ部2は略円筒状のグリ
ップ本体6を有しており、このグリップ本体6の軸線
(図1において左右方向に延びている)に対して、ヘッ
ド部4に装着される歯科用切削工具8の回転軸線10
(この回転軸線10は、後述するロータおよび回転軸の
回転軸線としても作用する)が実質上垂直に延びてお
り、このように切削工具8の回転軸線10が延びている
形態のものは、コントラアングル型のハンドピースと呼
ばれる。
【0046】この実施形態では、ヘッド部4は、円筒状
のチャンバ12を有するヘッド本体14と、このヘッド
本体14に装着される流路部材16とを備え、ヘッド本
体14は、略円筒状の本体部18とこの本体部18から
グリップ本体6に向けて突出する接続部20から構成さ
れている。本体部18に形成されたチャンバ12内に
は、本体部18の内面に沿って内ハウジング部材22が
装着されている。内ハウジング部材22の一端部には、
環状の軸受支持部24が設けられ、この軸受支持部24
に片方のボール軸受26が装着されている。また、内ハ
ウジング部材22の他端部には軸受支持部材28が装着
され、この軸受支持部材28に設けられた環状の軸受支
持部30に他方にボール軸受32が装着されている。こ
の実施形態では、本体部18の上端開口部には雌ねじ部
が設けられている。また軸受支持部材28の外周面に
は、半径方向外方に突出する環状フランジ34が設けら
れており、この環状フランジ34を内フランジ部材22
の他端面に載置して締付部材36に設けられた雄ねじ部
を本体部18の雌ねじ部に螺着することによって、内ハ
ウジング部材22および軸受支持部材28が本体部18
の端壁部18aと締付部材36との間に挟持される。
【0047】この実施形態では、さらに、内スリーブ部
材22の軸受支持部24の内周面には環状凹部38が設
けられ、この環状凹部38にゴム製のリング40が装着
されており、従ってボール軸受26におけるボール42
の配設部位は、上記リング40を介して支持される。ま
た軸受支持部材28の軸受支持部30の内周面には環状
凹部44が設けられ、この環状凹部44にもゴム製のリ
ング46が装着され、他方のボール軸受32におけるボ
ール48の配設部位は、リング46を介して支持され
る。また、軸受支持部材28には、半径方向内方に突出
する環状当接部50が設けられており、かかる環状当接
部50は他方のボール軸受32の外輪に作用している。
【0048】軸受支持部材28の外側(図1において上
側)には、回転軸70に取付けられたチャック手段(図
示せず)を開閉操作するための押圧部材52、皿状のば
ね部材54およびスリーブ部材56が配設されている。
押圧部材52は締付部材36に装着され、スリーブ部材
56は、締付部材36に装着されたプレート状部材58
に当接され、このスリーブ部材56と押圧部材52との
間にばね部材54が介在されている。また、ボール軸受
26と内ハウジング部材22の間には、ボール軸受2
6,32に予圧を付与するための皿状のばね60が介在
されている。
【0049】回転軸70は、一対のボール軸受26,3
2(軸受手段を構成する)に回転自在に支持されてい
る。回転軸70の中間部には大径部72が一体的に設け
られており、一対の軸受26,32はこの大径部72の
外側に配設されている。この回転軸70には、図示しな
いチャック手段を介して、たとえば歯科用切削工具8が
図1に二点鎖線で示すとおりに着脱自在に装着され、チ
ャック手段の開閉は、押圧部材52を押圧することによ
って行うことができる。また、回転軸70の大径部72
の外周面には、切削工具8を回転駆動するためのロータ
74が、圧入等の手段によって固定されている。
【0050】図1および図2とともに、ロータの斜視図
である図6と、ロータの展開図である図7を参照して説
明すると、図示のロータ74はタービンブレード部75
を有し、このタービンブレード部75は略円筒状のハブ
部76と、このハブ部76の外周面に周方向に実質上等
間隔に設けられた複数個(本実施形態では18個)のタ
ービン翼78から構成されている。複数個のタービン翼
78は実質上同一の形状であり、ロータ74の回転方向
に実質上円弧状に凸状に、すなわち図1および図7にお
いて上下方向に円弧状に延びる第1の翼部80とこの第
1の翼部80に続いて直線状に延びる第2の翼部82と
を有し、第1および第2の翼部80,82の図7におい
て右側の面(図2および図7において矢印84で示す回
転方向に見て後側の面)が、空気が吹付けられる作用面
として作用する。第1の翼部80は矢印84で示す回転
方向に凸状に突出し、このように構成することによって
その作用面80aは凹状になっている。この実施形態で
は、タービンブレード部75の一端部(上端部)には、
端壁86が設けられ、第1の翼部80は上記端壁86か
ら延び、第1の翼部80(詳しくはその作用面80a)
は上記端壁86から略半円状に120〜150度の角度
範囲に渡って円弧状に延びている(図7において角度α
1で示す領域が第1の翼部である)。また、第2の翼部
82(詳しくはその作用面82a)は、ロータ74の回
転軸線10に対して実質上垂直な面88に対して所定角
度α2度傾斜して回転方向後方に延びている。この所定
角度α2は、15〜45度であるのが好ましく、第2の
翼部82の傾斜角度α2をこのように設定することによ
って、第1の翼部80から第2の翼部82に導かれる空
気の流れがスムースとなり、また第2の翼部82に沿っ
て回転方向後方に流れる流れも回転トルクに寄与し、よ
り大きい回転トルクを得ることができる。さらに、空気
の流れがスムースとなるので、その流速の低下も少な
く、一層大きい回転トルクを得ることができる。
【0051】このタービンブレード部75では、その一
端部に端壁86が設けられているので、後述する如くし
て噴出された空気は、上記一端側に実質上流れることな
く、第1の翼部80および第2の翼部82に案内されて
タービンブレード部75の他端側に向けて流れる。な
お、この実施形態では、上述した空気の流れがさらにス
ムースとなるように、図1および図6に示すとおり、ハ
ブ部76の上部、すなわち第1の部分の外周面は、上端
から下方に向けて半径方向内側に凹状に実質上円弧状に
延び、その下部、すなわち第2の部分の外周面は、ロー
タ74の回転軸線10の方向、すなわち上下方向に延び
ている。このように構成することによって、ハブ部76
に向けて噴射された空気は、ハブ部の第1の部分から第
2の部分に沿って下方にタービン翼78に導かれ、第1
のタービン翼78に作用することによって、ロータ74
の回転トルクに寄与し、これによってもロータ74の回
転トルクを上昇させることができる。
【0052】このようなロータ74は、ハブ部76と複
数個のタービン翼78を一体的に形成するのが望まし
く、合成樹脂成形、粉末焼結またはメタルインジェクシ
ョンモールディングによって比較的簡単にかつ安価に製
作することができる。また、合成樹脂成形によって形成
する場合には、その樹脂材料として、ポリフェニレンサ
ルファイド(PPS)、フッ素樹脂、ポリエステルイミ
ド、ポリエーテルエーテルケトン、液晶ポリマ、芳香族
ポリオレフィン、ポリカーボネイト、フェノール樹脂等
を好適に用いることができ、これらの樹脂材料から形成
することによって、歯科用ハンドピースとして充分な剛
性と耐熱性を有するものを製作することができる。また
ハブ部76とタービン翼78を合成樹脂によって一体成
形する場合には、ハブ部76に円筒状の金属製インサー
ト部品(図示せず)をインサートするようにすることも
できる。この場合には、ロータ74のハブ部76と回転
軸70とがインサート部品を介して結合されるため、ロ
ータ74と回転軸70とを強固に結合することができ
る。なお、インサート部品をインサート成形するときに
は、インサート部品の表面に凹凸を設けるのが望まし
く、かく凹凸を設けることによって、インサート部品と
ロータ74のハブ部76との結合を強固にすることがで
きる。
【0053】図1および図2とともに、図3〜図5を参
照して、ヘッド部4のチャンバ12には、略矩形状のノ
ズル開口90が開口している。ノズル開口90は、ター
ビンブレード部75の第1の翼部80の一端部(上端
部)に対向し、ロータ74の回転軸線10に対して実質
垂直な方向に開口しており、このノズル開口90からは
エアー流路92がグリップ本体6に向けて延びている。
この実施形態では、図4に示すとおり、ヘッド本体14
の本体部18からは円筒状のネック部94を介して接続
部20が延びている。この接続部20は上面が略平坦な
半円筒状に形成されている。また、ネック部94の上部
には、図4において左右方向に細長い孔98がチャンバ
12に向けて延びている。一方、流路部材16は、下面
が略平坦である半円筒状部100と、この半円筒状部1
00の一端面から延びる突出部102とを備えている。
この流路部材16は、突出部102を細長い孔98に挿
入するとともに半円筒状部100を接続部20に載置す
ることによって、ヘッド本体14に装着される。このよ
うに流路部材16を装着すると、ヘッド本体14の接続
部20と流路部材16の半円筒状部100とが円筒面を
規定し、これらヘッド本体14の接続部20および流路
部材16の半円筒状部100が、図1に示すとおり、グ
リップ本体6の先端部に挿入され、これに装着される。
【0054】本実施形態では、図1、図2および図5に
示すとおり、流路部材16の半円筒状部100の他端部
には、取付孔102(図1)が設けられ、この取付孔1
02に給気管104の一端部が接続されている。グリッ
プ本体6には、図示していないが、空気供給源に接続さ
れた空気送給管が内蔵されており、この空気送給管の先
端部が給気管104の他端部に接続される。このように
給気管104を装着するようにすることによって、流路
部材16に関連する構成を簡単にすることができ、また
流路部材16と空気送給管(図示せず)との接続も容易
となる。流路部材20の下面には、図1、図2および図
5に示すとおり、上記取付孔102に連通する凹部10
6が形成されている。凹部106の幅、換言するとター
ビンブレード74の回転方向における周方向の幅は、突
出部102の先端に向けてテーパ状に漸増した後テーパ
状に漸減されてノズル開口90に至る。この凹部106
は、給気管104からの空気をノズル開口90に導くエ
アー流路92として作用し、ヘッド部材14に流路部材
16を装着すると、このエアー流路92は両部材間に形
成される。
【0055】この凹部106、換言するとエアー流路9
2に関連して次のとおりに構成されている。すなわち、
凹部106の面(ヘッド本体14の接続部20と対向す
る面)は、ノズル開口90に向けてヘッド本体14の接
続部20に近接する方向に直線状に傾斜しており、これ
によってエアー流路92の前記回転軸線10の方向の高
さはノズル開口90に向けて漸減されている。このよう
にエアー流路92の高さをノズル開口90に向けて漸減
することによって、エアー流路92を流れる空気は、ノ
ズル開口90に向けて流れるにしたがってその圧力が高
められ、圧力が高められた圧縮空気がノズル開口90か
らタービンブレード部75に向けて噴出される。
【0056】また、エアー流路92には、その幅方向
(タービンブレード部75の回転方向における幅方向)
に間隔を置いて2個の隔壁112,114が配設されて
いる。隔壁112,114は、流路部材16と一体に形
成され、その凹部106の上記面からヘッド部材14の
ネック部94に向けて突出している。この隔壁112,
114は、図2に示すとおり、先端に向けて幾分先細に
なっている。このように構成されているので、上記エア
ー流路92の先端部は隔壁112,114によって3つ
の部分に仕切られ、これら部分からの空気は、隔壁11
2,114に沿って流れ、タービンブレード部74のタ
ービン翼78に向けて噴出される。そして、このように
仕切ることによって、給気管104からの空気は、ノズ
ル開口90の幅方向に片寄ることなく、実質上均一に分
散されるようになり、したがってノズル開口90からタ
ービンブレード74に向けて実質上均一に空気が噴出さ
れる。なお、このような隔壁112,114は、必ずし
も必要なものではなく、ノズル開口90から空気を均一
して噴射することができるときには、これらを省略する
ことができる。
【0057】ノズル開口90の大きさは、たとえば、次
のとおりに設定するのが好ましい。すなわち、ノズル開
口90の周方向の円弧幅W(図2、図4)(タービンブ
レード部75の円周方向に沿った幅をいう)は、ロータ
74の回転軸線10の方向の高さH(図1、図5)の2
倍以上(W≧2H)に設定するのが好ましく、この周方
向の円弧幅Wは、上記回転軸線方向の高さHの5〜20
倍(5H≦W≦20H)に設定するのが一層望ましく、
上記回転軸線方向の高さHの7〜15倍(7H≦W≦1
5H)に設定するのがさらに一層望ましい。ノズル開口
90の大きさをこのように設定することによって、その
周方向の円弧幅Wがその回転軸線方向の高さHよりも大
きくなり、ノズル開口90の高さHを抑えながら大きな
開口面積を確保することができ、充分な量の空気をノズ
ル開口90から噴出することができる。歯科用ハンドピ
ースとして用いる場合には、ノズル開口90の上記円弧
幅Wは、3〜6mm程度に設定され、ノズル開口90の
上記高さHは、0.3〜0.6mm程度に設定される。
【0058】ノズル開口90の周方向の円弧幅Wは、タ
ービンブレード部75のタービン翼78のピッチ幅P
(図7)の2倍よりも大きく設定する(W>2P)のが
望ましい。このように設定することによって、ノズル開
口90から噴出される空気は、常時、タービンブレード
部75の3個以上のタービン翼78に実質上作用するよ
うになり、ロータ74の回転がスムースとなるととも
に、トルクリップルを小さくすることができる。また、
ノズル開口90の上記高さHは、タービンブレード部7
5のタービン翼78の回転軸線10の方向の幅Q(図
7)の1/5〜1/3倍(1/5Q≦H≦1/3Q)に
設定するのが好ましい。このように設定することによっ
て、ノズル開口90からタービンブレード部75に向け
て噴出される空気は、タービンブレード部75の回転軸
線10の方向に大きく拡がらず、タービンブレード部7
5の所定の部位に向けて集中的に噴出され、噴出された
空気は、そのタービン翼78に効率良く作用する。さら
に、タービンブレード部75の第1の翼部80から第2
の翼部82への空気の流れをスムースにするためには、
第1の翼部80、詳細にはその弧状作用面80aの曲率
半径R(図7)を、ノズル開口90の前記回転軸線10
の方向の高さHの1.5倍以上(R≧1.5H)に設定
するのが望ましい。
【0059】ノズル開口90の一部を規定する上記流路
部材16は、塑性加工、合成樹脂成形または粉末焼結に
よって形成するのが好ましく、このような加工方法によ
って形成することによって、複雑な形状の流路部材16
を比較的容易にかつ安価に製作することができる。そし
て、たとえば、合成樹脂成形に用いる樹脂材料として
は、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、フッ素樹
脂、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケト
ン、液晶ポリマ、芳香族ポリオレフィン、ポリカーボネ
イト、フェノール樹脂のいずれかを好適に用いることが
できる。なお、流路部材16は、エンドミル等の切削加
工によっても当然に形成することができる。
【0060】ヘッド部4のチャンバ12には、排出開口
120が開口している。本実施形態では、排出開口12
0は、タービンブレード部75の配設部位の下側に配置
され、上記ノズル開口90からタービンブレード部75
に向けて噴出された空気は、そのタービン翼78の第1
の翼部80および第2の翼部82に案内されて回転方向
後方に下側に排出開口120に向けて導かれる。排出開
口120の周方向の幅は、ノズル開口90の周方向の円
弧幅Wよりも大きく設定されており、したがってノズル
開口90から噴出された空気は、タービンブレード部7
5に作用した後効率良く排出開口120に導かれる。ヘ
ッド本体14のネック部94および接続部20を貫通し
て排出流路122,124が形成されており、これら排
出流路122,124の一端部が上記排出開口120に
連通している。排出流路122,124の他端部はグリ
ップ本体6の内部に規定された空気排出流路126に接
続され、この空気排出流路126を通して外部に排出さ
れる。なお、この実施形態では、排出流路122,12
4がヘッド本体14の接続部20に2個設けられている
が、これら排出流路122,124を、断面積が大きい
1個の排出流路から構成することもできる。
【0061】この実施形態では、図1から理解されると
おり、内ハウジング部材22には、ノズル開口90およ
び排出開口120にそれぞれ対応して、これらよりも幾
分大きい開口が形成されている。それ故に、ノズル開口
90からの空気は、対応する開口を通してチャンバ12
内に噴出され、またチャンバ12内に噴出された空気
は、内ハウジング部材22の対応する開口を通して排出
開口120に導かれる。
【0062】主として図1および図2を参照して上述し
たハンドピースの作用を説明すると、次のとおりであ
る。空気供給源(図示せず)からの駆動用の空気は、グ
リップ本体6に内蔵された空気送給管(図示せず)およ
び給気管104を通して流路部材16のエアー流路92
(凹部106がエアー流路として作用する)に送給さ
れ、ノズル開口90からタービンブレード部75のター
ビン翼78に向けて噴出される。ノズル開口90から噴
出される空気は隔壁112,114によって案内され、
それ故に、ノズル開口90の周方向の円弧幅が大きいに
も拘わらずその幅方向に片寄よることが防止され、ノズ
ル開口90の幅方向に実質上均一に噴出される。
【0063】ノズル開口90から噴出された空気は、タ
ービンブレード部75のタービン翼78の作用面に作用
する。すなわち、この空気は、タービン翼78の第1の
翼部80の作用面80aに作用し、この作用面80aに
沿って矢印84(図2)で示す回転方向の後方に流れ、
さらに第2の翼部82の作用面82aに沿って第1の翼
部80から離れる方向に回転方向後方に向けて下方に流
れる。このように、ノズル開口90から噴出された空気
は、図7に矢印付き実線で示すとおりにスムーズに回転
方向後方に向けて下方に流れるので、噴出された空気が
タービンブレード部75の回転抵抗となることが抑えら
れる。また、空気の流速の低下も少なく、さらに第2の
翼部82に沿って流れる空気も回転トルクの発生に寄与
するので、大きき回転トルクを得ることができる。ター
ビンブレード部75のタービン翼78に沿って流れた空
気は、排出開口120に導かれ、この排出開口120か
ら排出流路122,124および空気排出流路126を
通って外部に排出される。
【0064】このように、空気供給源(図示せず)から
チャンバ12を通り外部に排出される空気流によってロ
ータ74が連続的に回転駆動される。そして、ロータ7
4の回転によって、回転軸70およびこれに装着された
歯科用切削工具8が所定方向に回転駆動され、回転駆動
される切削工具8を治療すべき歯に作用させることによ
って、所定の歯に対する切削を行うことができる。この
実施形態では、空気を効率良くタービンブレード部75
に作用させることができるので、大きな回転トルクを得
ることができ、したがって少ない空気供給量でもって大
きな切削力を得ることができ、ハンドピース、特にヘッ
ド部4の小型化にも有効である。
【0065】上述した第1の実施形態では、ノズル開口
90から噴出された空気は、タービンブレード部75の
作用面に沿って回転方向後方に向けて下方に導かれる構
成であるが、これに代えて、回転方向後方に向けて上方
に、または回転方向後方に向けて下方および上方に導か
れるように構成することもできる。なお、このような場
合には、タービン翼78の第1の翼部80の上端部から
回転方向後方に向けて上方に延びるように第2の翼部8
2を設ける(これに対応して、排出開口120はノズル
開口90の上方に配置される)、或いは第1の翼部80
の下端部および上端部から回転方向後方に向けて下方お
よび上方に延びるように第2の翼部82を設けるように
すればよい(これに対応して、排出開口120はノズル
開口90の下方および上方に配置される)。
【0066】なお、ハンドピースには、治療を行う患部
に向けて水および/または空気を必要に応じて噴射する
ための水供給流路および空気供給流路並びにこれらに付
随する構成が設けられているが、図1〜図7に示す第1
の実施形態ではこれらを省略して示している。
【0067】次いで、本発明に従うエアーハンドピース
の第2の実施形態について説明する。図8は、本発明に
従うエアータービンハンドピースの第2の実施形態の一
部を拡大して示す断面図であり、図9は、図8における
IX−IX線による断面図であり、図10は、図8にお
けるX−X線による断面図である。
【0068】図8〜図10において、たとえば歯科用に
好都合に用いることができる図示のハンドピースは、グ
リップ部202とこのグリップ部202の先端部に設け
られたヘッド部204とを備え、術者はこのグリップ部
202を持ってたとえば歯牙の切削加工を行う。第2の
実施形態のハンドピースもコントラアングル型のもので
あり、図8に示すとおり、グリップ部202は略円筒状
のグリップ本体206を有し、このグリップ本体206
の軸線(図8において左右方向に延びている)に対し
て、ヘッド部204に装着される歯科用切削工具208
の回転軸線210(この回転軸線210は、後述するロ
ータおよび回転軸の回転軸線としても作用する)が実質
上垂直に延びている。
【0069】第2の実施形態でも、ヘッド部204は、
円筒状のチャンバ212を有するヘッド本体214と、
このヘッド本体14に装着される流路部材216とを備
え、ヘッド本体214は、略円筒状の本体部218とこ
の本体部218からグリップ本体206に向けて突出す
る接続部220から構成されている。本体部218に形
成されたチャンバ212内には、本体部218の内面に
沿って内ハウジング部材222が装着されている。内ハ
ウジング部材222の一端部には、環状の軸受支持部2
24が設けられ、この軸受支持部224に片方のボール
軸受226が装着されている。また、内ハウジング部材
222の他端部には軸受支持部材228が装着され、こ
の軸受支持部材228に他方にボール軸受232が装着
されている。この実施形態では、本体部218の上端開
口部には雌ねじ部が設けられている。また軸受支持部材
228の外周面には、半径方向外方に突出する環状フラ
ンジ234が設けられており、この環状フランジ234
を内ハウジング部材222の他端面に載置して締付部材
236に設けられた雄ねじ部を本体部218の雌ねじ部
に螺着することによって、内ハウジング部材222およ
び軸受支持部材228が本体部218の端壁部218a
と締付部材236との間に挟持される。
【0070】第2の実施形態では、内ハウジング部材2
22の軸受支持部224の内周面には環状凹部238が
設けられ、この環状凹部238にゴム製のリング240
が装着されており、従ってボール軸受226におけるボ
ール242の配設部位は、上記リング240を介して支
持される。また軸受支持部材228の内周面には環状凹
部244が設けられ、この環状凹部244にもゴム製の
リング246が装着され、他方のボール軸受232にお
けるボール248の配設部位は、リング246を介して
支持される。また、軸受支持部材228には、半径方向
内方に突出する環状当接部250が設けられており、か
かる環状当接部250は他方のボール軸受232の外輪
に作用する。
【0071】軸受支持部材228の外側(図1において
上側)には、回転軸272に取付けられたチャック手段
(図示せず)を開閉操作するための押圧部材252、皿
状のばね部材254およびスリーブ状部材256が配設
されている。押圧部材252は締付部材236に装着さ
れ、スリーブ状部材256は締付部材236に当接さ
れ、押圧部材254とスリーブ状部材256との間にば
ね部材254が介在されている。また、ボール軸受22
6と内ハウジング部材222との間には、ボール軸受2
26,232に予圧を付与するための皿状のばね部材2
60は介在されている。
【0072】回転軸270は、一対のボール軸受22
6,232(軸受手段を構成する)に回転自在に支持さ
れている。回転軸270の中間部には大径部272が一
体的に設けられており、一対の軸受226,232はこ
の大径部272の外側に配設されている。この回転軸2
70には、上記第1の実施形態と同様に、図示しないチ
ャック手段を介して、たとえば歯科用切削工具208が
図8に二点鎖線で示すとおりに着脱自在に装着され、押
圧部材252を押圧することによって、上記チャック手
段を開放して切削工具208を交換することができる。
また、回転軸270の大径部272の外周面には、切削
工具208を回転駆動するためのロータ274が、圧入
等の手段によって固定されている。
【0073】図8および図9とともに、ロータの斜視図
である図14と、ロータの展開図である図15を参照し
て説明すると、図示のロータ274は、ロータ274の
一端部側(上端部側)に設けられた第1タービンブレー
ド部332とその他端部側(下端部側)に設けられた第
2タービンブレード部334とを備えている。第1のタ
ービンブレード部332は、略円筒状の第1のハブ部2
76と、第1のハブ部276の外周面に周方向に実質上
等間隔に設けられた複数個(本実施形態では18個)の
第1のタービン翼278から構成されている。複数個の
第1のタービン翼278は実質上同一の形状であり、ロ
ータ274の回転方向に実質上円弧状に凸状に、すなわ
ちロータ274の回転軸線210の方向、すなわち図8
および図15において上下方向に実質上円弧状に延びる
第1の翼部280とこの第1の翼部80に続いて直線状
に延びる第2の翼部281を有し、第1および第2の翼
部280,282の図15において右側の面(図9およ
び図15において矢印284で示す回転方向に見て後側
の面)が、空気が吹付けられる作用面として作用する。
第1の翼部280は矢印284で示す回転方向に凸状に
突出し、このように構成することによってその作用面2
80aは凹状になっている。第2の実施形態では、ロー
タ74の一端部(上端部)には、端壁286が設けら
れ、第1の翼部280は上記端壁286から延び、第1
の翼部280(詳しくはその作用面280a)は上記端
壁286から略半円状に120〜150度の角度範囲に
渡って円弧状に延びている(図15において角度α3で
示す領域が第1のタービン翼の第1の翼部である)。ま
た、第2の翼部281(詳しくはその作用面281a)
は、ロータ274の回転軸線210に対して実質上垂直
な面288に対して所定角度α4度傾斜して回転方向後
方に延びている。この所定角度α4は、15〜45度で
あるのが好ましく、第1のタービン翼278の第2の翼
部281の傾斜角度α4をこのように設定することによ
って、第1の翼部280から第2の翼部281に導かれ
る空気の流れがスムースとなり、空気の流速低下も避け
られ、これによって大きな回転トルクを得ることができ
る。また、第2の翼部281に沿って流れる空気も回転
トルクの生成に寄与し、これによっても大きな回転トル
クを得ることができる。このロータ274では、その一
端部に端壁286が設けられているので、後述する如く
して噴出された空気は、上記一端側に実質上流れること
なく、第1のタービン翼278の第1の翼部280およ
び第2の翼部281に案内されて第2のタービンブレー
ド部334に向けて流れる。
【0074】この実施形態でも、上述した空気の流れが
さらにスムースとなるように、図8に示すとおり、第1
のハブ部276の上部、すなわち第1の部分の外周面
は、上端から下方に向けて半径方向内側に凹状に円弧状
に延び、その下部、すなわち第2の部分の外周面は、ロ
ータ274の回転軸線210の方向に下方に延びてい
る。したがって、第1のハブ部276に作用する空気の
流れも第1の部分から第2の部分に向けてスムースとな
り、また第1の部分から第2の部分に流れた空気は第1
のタービン翼278に作用するようになり、このこによ
っても大きい回転トルクを得ることができる。
【0075】また、第2のタービンブレード部334
は、中間壁289を置いてその下側に設けられている。
第2のタービンブレード部324は、その外径が第1の
タービンブレード部332よりも幾分小さくなっている
が、その構成は第1のタービンブレード部332と略実
質上同一である。すなわち、第2のタービンブレード部
334は、実質上略円筒状の第2のハブ部277と、第
2のハブ部277の外周面に周方向に実質上等間隔に設
けられた複数個(本実施形態では18個)の第2のター
ビン翼279から構成されている。複数個の第2のター
ビン翼279は実質上同一の形状であり、ロータ274
の回転方向に実質上円弧状に凸状に突出して延びる第1
の翼部282とこの第1の翼部282に続いて直線状に
回転方向後方に延びる第2の翼部283を有し、第1お
よび第2の翼部282,283の図15において右側の
面(図15において矢印284で示す回転方向に見て後
側の面)が、空気が吹付けられる作用面として作用す
る。第2のタービン翼279の第1の翼部282は、そ
の上部(第1のタービンブレード部332側の部位)が
ロータ274の回転軸線210の方向、すなわち上下方
向にほぼ直線状に延び、その下部が矢印284で示す回
転方向に凸状に突出しており、このように構成すること
によってその作用面282aは凹状になっている。第2
のタービンブレード部334においては、第1の翼部2
82は上記中間壁289から延び、第1の翼部282
(詳しくはその作用面282a)における円弧状部は、
50〜70度の角度範囲に渡って延びている(図15に
おいて角度α5で示す領域が第2のタービン翼279の
第1の翼部における円弧状に延びる部分である)。この
ように形成することによって、図15に矢印付き実線で
示すとおり、第2のタービン翼279の第1の翼部28
2に作用する空気は、その作用面282aに沿って下方
に流れた後回転方向後方に導かれる。なお、この第2の
タービン翼279における第1の翼部282は、第1の
タービン翼278からの空気の流れによって、第1のタ
ービン翼278の第1の翼部280と実質上同一に形状
にすることもできる。また、第2の翼部283(詳しく
はその作用面283a)は、ロータ274の回転軸線2
10に対して実質上垂直な面331に対して所定角度α
6度傾斜して回転方向後方に延びている。この所定角度
α6は、第1のタービン翼278にける第2の翼部28
1と同様に、15〜45度であるのが好ましく、第2の
翼部283の傾斜角度α6をこのように設定することに
よって、第2のタービン翼279においても第1の翼部
282から第2の翼部283に導かれる空気の流れがス
ムースとなり、上述したと同様に大きい回転トルクが得
られる。このロータ274では、中間壁289が設けら
れているので、第1のタービンブレード部332から第
2のタービンブレード部334に噴出された空気は、上
記中間壁279側に実質上流れることなく、第2のター
ビン翼279の第1の翼部282および第2の翼部28
3に案内されて回転方向後方に向けて下方に導かれる。
【0076】第2のタービンブレード部334において
も、上述した空気の流れがさらにスムースとなるよう
に、図8に示すとおり、第2のハブ部277の上部、す
なわち第1の部分の外周面は、上端から下方に向けて半
径方向内側に凹状に円弧状に延び、その下部、すなわち
第2の部分の外周面は、ロータ274の回転軸線210
の方向に下方に延びている。したがって、第2のハブ部
277に作用する空気の流れも第1の部分から第2の部
分に向けてスムースとなり、また第1の部分から第2の
部分に流れた空気は第2のタービン翼279に作用する
ようになり、このこによっても大きい回転トルクを得る
ことができる。
【0077】上述したロータ274においては、端壁部
286の下側に第1のタービンブレード部332が配置
され、さらに第1のタービンブレード部332の下側に
中間壁部289を介して第2のタービンブレード部33
4が配置されるので、ロータ274の高さを小さくする
ことができ、このことに関連してヘッド部204の小型
化を図ることができる。
【0078】このようなロータ274は、第1のタービ
ンブレード部332(第1のハブ部276および第1の
タービン翼278)および第2のタービンブレード部3
34(第2のハブ部277および第2のタービン翼27
9)を一体的に形成するのが望ましく、合成樹脂成形、
粉末焼結またはメタルインジェクションモールディング
によって比較的簡単にかつ安価に製作することができ
る。なお、ロータ274は、当然に、切削加工によって
形成することもできる。また、合成樹脂成形によって形
成する場合には、その樹脂材料として、ポリフェニレン
サルファイド(PPS)、フッ素樹脂、ポリエステルイ
ミド、ポリエーテルエーテルケトン、液晶ポリマ、芳香
族ポリオレフィン、ポリカーボネイト、フェノール樹脂
を好適に用いることができ、これらの樹脂材料から形成
することによって、歯科用ハンドピースとして充分な剛
性と耐熱性を有するものを製作することができる。ま
た、第1および第2のタービンブレード部332,33
4を合成樹脂によって一体成形する場合には、第1およ
び第2のハブ部276,277に円筒状の金属製インサ
ート部品(図示せず)をインサートするようにすること
もできる。この場合には、ロータ274の第1および第
2のハブ部276,277と回転軸270とがインサー
ト部品を介して結合されるため、ロータ274と回転軸
270とを強固に結合することができる。なお、インサ
ート部品をインサート成形するときには、インサート部
品の表面に凹凸を設けるのが望ましく、このように凹凸
を設けることによって、インサート部品とロータ274
の第1および第2のハブ部276,27との結合を強固
にすることができる。
【0079】図8および図9とともに図10を参照し
て、ヘッド部204のチャンバ212には、略矩形状の
細長いノズル開口290が開口している。ノズル開口2
90は、ロータ274の第1タービンブレード部332
における第1の翼部280の一端部(上端部)に対向
し、ロータ274の回転軸線210に対して実質上垂直
な方向に開口しており、このノズル開口290からはエ
アー流路292がグリップ本体206に向けて延びてい
る。第2の実施形態では、第1の実施形態と同様に、ヘ
ッド本体214の本体部218からは円筒状のネック部
294を介して接続部220が延びており、このネック
部294および接続部220に流路部材216を装着す
ることによって、ヘッド本体214の接続部220と流
路部材216との間にエアー流路292が形成される。
なお、エアー流路292に関する構成、換言するとヘッ
ド本体214のネック部294および接続部220なら
びに流路部材216の構成は、上記第1の実施形態と実
質上同一であるので、それらの詳細な説明は省略する。
【0080】本実施形態では、図8〜図10に示すとお
り、流路部材216に給気管304の一端部が接続され
ている。グリップ本体206には、図示していないが、
空気供給源に接続された空気送給管が内蔵されており、
この空気送給管の先端部が給気管304の他端部に接続
される。したがって、空気供給源からの圧縮空気は、空
気送給管を通してエアー流路292に送給される。
【0081】上述したエアー流路292には、その幅方
向(ロータ274の回転方向における幅方向)に間隔を
置いて2個の隔壁312,314が配設され、これら隔
壁312,314は流路部材216に一体的に形成され
ている。隔壁312,314は、第1の実施形態のもの
と実質上同様に構成され、先端に向けて幾分先細になっ
ている。このように構成されているので、エアー流路2
92の先端部は隔壁312,314によって3つの部分
に仕切られ、これら部分からの空気は、隔壁314,3
16に沿って流れ、第1のタービンブレード部332の
第1のタービン翼278に向けて噴出される。また、こ
のように仕切ることによって、給気管304からの空気
は、ノズル開口290の幅方向に片寄ることなく、実質
上均一に分散されるようになり、したがってノズル開口
290から第1のタービンブレード部332に向けて実
質上均一に空気が噴出される。なお、このような隔壁3
14,316は、ノズル開口290から空気を均一して
噴射することができるときには省略することができる。
【0082】ノズル開口290の大きさは、たとえば、
第1の実施形態と同様に、次のとおりに設定するのが好
ましい。すなわち、ノズル開口290の周方向の円弧幅
W(図9)(タービンブレード部332の円周方向に沿
った弧状の幅を円弧幅という)は、ロータ274の回転
軸線210の方向の高さH(図8)の2倍以上(W≧2
H)に設定するのが好ましく、この周方向の円弧幅Wが
上記回転軸線方向の高さHの3〜20倍(3H≦W≦2
0H)に設定するのが一層望ましく、上記高さHの7〜
15倍(7H≦W≦15H)に設定するのがさらに一層
望ましい。ノズル開口290の大きさをこのように設定
することによって、その周方向の円弧幅Wがその軸線方
向の高さHよりも大きくなり、ノズル開口290の高さ
Hを抑えながら大きな開口面積を確保することができ、
充分な量の空気をノズル開口290から噴出することが
でき、円弧幅Wと高さHとの比率を上述した通りに設定
することによって、ノズル開口290からの空気を一層
効果的に第1のタービンブレード部332に噴射するこ
とができる。上述したハンドピースを歯科用のものとし
て用いる場合には、ノズル開口290の上記円弧幅W
は、3〜6mm程度に設定され、ノズル開口290の上
記高さHは、0.3〜0.6mm程度に設定される。
【0083】ノズル開口290の周方向の円弧幅Wは、
第1のタービンブレード部332の第1のタービン翼2
78のピッチ幅P1(図7)の2倍より大きく設定する
(W>2P)のが望ましい。このように設定することに
よって、ノズル開口290から噴出される空気は、常
時、第1のタービンブレード部332の3個以上の第1
のタービン翼278に実質上作用するようになり、第1
のタービンブレード部332の回転がスムースとなると
ともに、トルクリップルを小さくすることができる。ま
た、ノズル開口290の上記高さHは、第1のタービン
ブレード部332の第1のタービン翼278の軸線方向
の幅Q(図15)の1/5〜1/3倍(1/5Q≦H≦
1/3Q)であるのが好ましい。このように設定するこ
とによって、ノズル開口290から第1のタービンブレ
ード部332に向けて噴出される空気は、第1のタービ
ンブレード部332の前記回転軸線210の方向に大き
く拡がらず、第1のタービンブレード部332の所定の
部位に向けて集中的に噴出され、噴出された空気は、そ
の第1のタービン翼278に効率良く作用する。さら
に、第1のタービンブレード部332における第1のタ
ービン翼278の第1の翼部280から第2の翼部28
1への空気の流れをスムースにするためには、第1のブ
レード部280、詳細にはその弧状作用面280aの曲
率半径R(図15)を、ノズル開口290の軸線方向の
高さHの1.5倍以上(R≧1.5H)に設定するのが
望ましい。
【0084】ヘッド部204のチャンバ212には、ノ
ズル開口290の下方に、排出開口320が開口してい
る。第2の実施形態では、排出開口320は、ロータ2
74の第2のタービンブレード部334の配設部位の下
側に配置され、上記ノズル開口290からロータ274
の第1のタービンブレード部332に向けて噴出された
空気は、その第1のタービン翼278の第1の翼部28
0および第2の翼部281に案内されて回転方向後方に
下側に導かれ、さらに後述する如くして、第2のタービ
ンブレード部334の第2のタービン翼279の第1の
翼部282および第2の翼部283に案内されて排出開
口320に向けて導かれる。排出開口320の周方向の
円弧幅は、ノズル開口290の周方向の円弧幅Wよりも
大きく設定され、その軸線方向の高さもノズル開口29
0の上記高さHよりも大きく設定され、したがってノズ
ル開口290から噴出された空気は、ロータ274に作
用した後効率良く排出開口320に導かれる。
【0085】第2の実施形態では、ヘッド本体214の
ネック部294および接続部220を貫通して排出流路
322(図10)が形成されており、排出流路322の
一端部が上記排出開口320の一側部に連通している。
排出流路322の他端部はグリップ本体206の内部に
規定された空気排出流路326に接続され、この空気排
出流路326を通して外部に排出される。
【0086】この形態では、内ハウジング部材222と
これに装着されるスリーブ状部材336によって補助エ
アー流路が規定される。図8とともに図11〜図13を
参照して、内ハウジング部材222は、他端部に設けら
れた第1環状壁部340と第1環状壁部340に続いて
その中間部に設けられた第2環状壁部342とを有し、
第1の環状壁部340と第2の環状壁部342との間
に、両者を接続する半径方向に延びる接続壁部344が
設けられている。第1環状壁部340の内側にロータ2
74の第1のタービンブレード部332が配置され、第
2の環状壁部342の内側にロータ274の第2のター
ビンブレード部334が配置され、接続壁部344の内
側に、第1のタービンブレード部332の第2の翼部2
81の端面が配置される。
【0087】この内ハウジング部材222の接続壁部3
44から第2環状壁部342に渡って流路開口346が
形成されている。流路開口346は、内ハウジング部材
222の周方向に間隔を置いて複数個設けられている。
スリーブ状部材336は、流路開口346の全体を覆う
ように内ハウジング部材222の外周面に装着される。
本実施形態では、第2環状壁部342の外周面に雄ねじ
部348が設けられ、この雄ねじ部348にスリーブ状
部材336の雌ねじ部が螺着され、スリーブ状部材33
6は、内ハウジング部材222の半径方向外側にて、上
記雄ねじ部348から第1環状壁部340の端面まで円
弧状に延びて流路開口346を覆っている。このように
構成することによって、内ハウジング部材222および
スリーブ状部材336は、第1のタービンブレード部3
32からの空気を第2のタービンブレード部334に導
く補助エアー流路を形成し、上記流路開口346の一端
部(接続壁部344に開口する部分)が第1のタービン
ブレード部332からの空気を導入する導入開口として
作用し、上記流路開口346の他端部(第2環状壁部3
42に開口する部分)が補助エアー流路を通して流れる
空気を第2のタービンブレード部334に向けて噴出す
る第2のノズル開口として機能する。
【0088】このような内ハウジング部材222および
スリーブ状部材336は、メタルインジェクションモー
ルディング、粉末焼結または合成樹脂成形によって好都
合に形成することができ、このように形成することによ
って、比較的容易に且つ安価に製作することができる。
なお、これら部材222,336は、当然に切削加工に
よって形成することもできる。また、合成樹脂成形によ
って形成する場合には、合成樹脂材料としてポリフェニ
レンサルファイド(PPS)、フッ素樹脂、ポリエーテ
ルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、液晶ポリマ、
芳香族ポリオレフィン、ポリカーボネイト、フェノール
樹脂を用いることができ、これら合成樹脂材料から形成
することによって充分な剛性と耐熱性を持たせることが
できる。なお、内ハウジング部材またはスリーブ状部材
336の一方のみを上述した如くして形成することもで
きる。
【0089】第2の実施形態では、図11および図12
に示すとおり、内ハウジング部材222の一端部には、
ノズル開口290に対応して開口350が形成され、こ
の開口350はノズル開口290よりも幾分大きく設定
されている。したがって、ノズル開口290から噴出さ
れる空気は、この開口350を通して第1のタービンブ
レード部33送給される。また、内ハウジング部材22
2の中間部には、排出開口320に対応して開口352
が形成され、この開口352は排出開口320よりも幾
分大きく設定されている。したがって、第2のタービン
ブレード部334からの空気は、この開口320を通し
て排出開口320に送給される。なお、この第2の実施
形態においても、水を噴射する水供給流路および空気を
噴射する空気供給流路並びにこれらに付随する構成につ
いては省略している。
【0090】主として図8および図9を参照して第2の
実施形態のハンドピースの作用を説明すると、次のとお
りである。空気供給源(図示せず)からの駆動用の空気
は、グリップ本体206に内蔵された空気送給管(図示
せず)および給気管304を通して流路部材216のエ
アー流路292(凹部306がエアー流路として作用す
る)に送給され、ノズル開口290からロータ274の
第1のタービンブレード部332の第1のタービン翼2
78に向けて噴出される。このとき、ノズル開口290
は回転軸線210に実質上垂直に開口しているので、ノ
ズル開口290からの空気は、上記回転軸線210に対
して実質上垂直な半径方向に噴出されて第1のタービン
ブレード部332に作用する。したがって、噴出された
空気は、第1のタービンブレード部332に効率良く作
用し、これによってロータ274の回転トルクを大きく
することができる。また、ノズル開口290から噴出さ
れる空気は隔壁312,314によって案内される故
に、ノズル開口290の周方向の円弧幅が大きいにも拘
わらずその幅方向に片寄よることなく、その幅方向に実
質上均一に噴出される。
【0091】ノズル開口290から噴出された空気は、
まず、ロータ274の第1のタービンブレード部332
の第1のタービン翼278の作用面に作用する。すなわ
ち、この空気は、第1のタービン翼278の第1の翼部
280の作用面280aに作用し、この作用面280a
に沿って矢印284(図9)で示す回転方向後方に流
れ、さらに第2の翼部281の作用面281aに沿って
第1の翼部280から離れる方向に回転方向後方に向け
て下方に流れる。このように、第1のタービンブレード
部332においては、ノズル開口290から噴出された
空気は、図15に矢印付き実線で示すとおりにスムーズ
に回転方向後方に向けて下方に流れるので、ロータ27
4の効率の良い回転駆動が可能となる。また、空気の流
れがスムースとなるので、空気の流速の低下も少なく、
空気の運動エネルギのロスを少なくして大きな回転トル
クを得ることができる。
【0092】第1のタービンブレード部332の第1の
タービン翼278に沿って流れた空気は、流路開口34
6の一端部に導かれ、これら流路開口346を通してそ
れらの他端部からロータ274の第2のタービンブレー
ド部334の第2のタービン翼279に向けて噴出され
る。第2のノズル開口として作用する流路開口346の
他端部は、回転軸線210に実質上平行な第2環状壁部
348に開口している、換言すると回転軸線210に対
して実質上垂直に開口しているので、流路開口346の
他端部からの空気は、上記回転軸線210に対して実質
上垂直な方向に第2のタービンブレード部334に作用
し、このブレード部334に効率良く作用する。また、
流路開口346も周方向に比較的広範囲に、たとえば9
0〜120度の角度範囲に設けられているので、これら
空気は第2のタービンブレード部334の複数の第2の
タービン翼279に作用し、これによって第2のタービ
ンブレード部334のトルクリップルも抑えられる。
【0093】流路開口346の他端部から噴出された空
気は、図15に示すとおり、第2のタービンブレード部
334の第2のタービン翼279における第1の翼部2
82の上端部に向けて噴出され、第1の翼部282の作
用面282aに作用する。この空気は、第2のタービン
翼279の第1の翼部282の作用面282aに作用し
た後、この作用面282aに沿って矢印284(図9)
で示す回転方向後方に流れ、さらに第2の翼部283の
作用面283aに沿って第1の翼部282から離れる方
向に回転方向後方に向けて下方に流れる。このように、
第2のタービンブレード部334においても、流路開口
346から噴出された空気は、図15に矢印付き実線で
示すとおりにスムーズに回転方向後方に向けて下方に流
れるので、噴出された空気が第2のタービンブレード部
334の回転抵抗となることが抑えられ、大きな回転ト
ルクを得ることができる。
【0094】この第2の実施形態では、第1のタービン
ブレード部332に作用した空気が連続的に第2のター
ビンブレード部334に作用するので、次のとおりの特
徴を有する。すなわち、第1のタービンブレード部33
2に向けて噴出される空気は比較的高圧力かつ高速度で
あり、それ故に、この空気は、ロータ274を高速で回
転駆動するように作用する。これに対し、第2のタービ
ンブレード部334に向けて噴出される空気は、第1の
タービンブレード部332に作用することによってその
圧力および流速が幾分低下している。それ故に、この空
気は第2のタービンブレード部334に作用するが、ロ
ータ274の回転速度を上昇させるのではなく、幾分低
下させるように作用る一方、その回転トルクを上昇する
ように作用する。したがって、ノズル開口290からの
空気を第1のタービンブレード部332および第2のタ
ービンブレード部334を通して送給することによっ
て、ロータ274の回転速度の上昇を抑えながらその回
転トルクを増大させることができる。なお、以上のこと
から容易に理解される如く、第2のタービンブレード部
334に噴出される空気流の方向を幾分変えることによ
って、ロータ274の回転数および回転トルクを調整す
ることができる。
【0095】第2のタービンブレード部334に作用し
た空気は、第2のタービン翼279に沿って排出開口3
20に導かれ、この排出開口320から排出流路322
および空気排出流路326を通って外部に排出される。
【0096】上述した第2の実施形態では、ノズル開口
290から噴出された空気は、ロータ274の第1のタ
ービンブレード部332の作用面に沿って回転方向後方
に向けて下方に導かれ、さらに第2のタービンブレード
部334の作用面に沿って回転方向後方に向けて下方に
導かれる構成であるが、これとは反対に、ノズル開口2
90から噴射された空気を回転方向後方に向けて上方に
に導かれるように構成することもできる。この場合に
は、ロータ274の第1のタービンブレード332の上
方に第2のタービンブレード部334を設ける(これに
対応して、排出開口320はノズル開口290の上方に
配置される)ようにすればよい。
【0097】この第2の実施形態においては、第1のタ
ービンブレード部332と第2のタービンブレード部3
34が中間壁部289を介して接続される構成であるの
で、ロータ274自体を小さくすることができ、このこ
とに関連してハンドピースのヘッド部4の小型化、特に
その高さを小さくすることができる。それ故に、臼歯の
切削治療、小児の治療に好都合に用いることができる。
【0098】
【発明の効果】本発明の請求項1のエアータービンハン
ドピースによれば、タービンブレード部に向けて空気を
噴射するためのノズル開口の周方向の円弧幅Wがロータ
の回転軸線方向の高さHの2倍以上に設定され、このノ
ズル開口は周方向に長い形状になっている。それ故に、
ノズル開口から噴射される空気をタービンブレード部の
タービン翼の軸線方向中央部に集中的に作用させること
ができ、またノズル開口の面積も大きいので、その送給
量も多くすることができ、したがってロータを効率良
く、高トルクで回転駆動することができる。
【0099】また本発明の請求項2のエアータービンハ
ンドピースによれば、ロータの各タービン翼は、ロータ
の回転方向に実質上円弧状に凸状に延びる第1の翼部
と、この第1の翼部から実質上連続してこれから離れる
方向に前記回転方向後方に延びる第2の翼部とを有し、
ノズル開口からの空気は、タービン翼の第1の翼部に向
けて噴射される。それ故に、ノズル開口から噴射された
空気は、第1の翼部の円弧状面に沿って回転方向後方に
流れ、さらに第1の翼部に続く第2の翼部に沿って回転
方向に導かれ、タービン翼に沿って流れる空気の流れが
スムースとなる。したがって、タービンブレード部に向
けて噴射された空気は、タービン翼に沿ってスムースに
流れて回転抵抗としてほとんど作用せず、ロータを効率
良く回転駆動することができる。
【0100】また本発明の請求項3のエアータービンハ
ンドピースによれば、タービンブレード部のハブ部は、
ロータの半径方向内方に向けて実質上円弧状に延びる第
1の部分と、この第1の部分からロータの回転方向に延
びる第2の部分とを有するので、ノズル開口から噴射さ
れた空気のうちハブ部に作用する一部は、この第1の部
分から第2の部分に沿ってタービン翼に導かれる。そし
て、このタービン翼に作用することによって、ロータの
回転トルクに寄与し、ロータの回転トルクを上昇するこ
とができる。
【0101】また本発明の請求項4のエアータービンハ
ンドピースによれば、タービン翼の第1の翼部は、ノズ
ル開口の前記回転軸線方向の高さHの1.5倍以上の曲
率を有する円弧状に形成されているので、ノズル開口か
ら第1の翼部に向けて噴射された空気は、この第1の翼
部の円弧状面に案内されてスムースに回転方向後方に流
れる。
【0102】また本発明の請求項5のエアータービンハ
ンドピースによれば、タービン翼の第2の翼部は、ロー
タの回転軸線に実質上垂直な面に対して15〜45度の
角度でもって傾斜して回転方向後方に延びているので、
第1の翼部に沿って案内された空気は、この第2の翼部
に沿ってさらに回転方向後方に向けて下方(および/ま
たは上方)に導かれ、第1の翼部から第2の翼部に沿う
空気の流れがスムースとなり、また第1の翼部から第2
の翼部に流れる空気は、回転トルクとして寄与する。ま
た、空気の流れがスムースになることによって、その流
れの速度低下も少なく、これによってもより大きい回転
トルクを得ることができる。
【0103】また本発明の請求項6のエアータービンハ
ンドピースによれば、タービンブレード部が合成樹脂成
形、粉末焼結またはメタルインジェクションモールディ
ングによって形成されているので、タービンブレード部
を比較的容易にかつ安価に製作することができる。
【0104】また本発明の請求項7のエアータービンハ
ンドピースによれば、タービンブレード部が合成樹脂成
形によって形成され、このタービンブレード部のハブ部
に、表面に凹凸を有するインサート部品が一体的にイン
サート成形されているので、タービンブレード部をイン
サート部品を介して回転軸に強固に固定することができ
る。また、インサート部品の表面に凹凸が存在するの
で、タービンブレード部とインサート部品とを強固に結
合することができる。
【0105】また本発明の請求項8のエアータービンハ
ンドピースによれば、合成樹脂成形に用いる合成樹脂材
料として上述したもの用いるので、タービンブレード部
として充分な強度と耐熱性を有するのもが得られる。
【0106】また本発明の請求項9のエアータービンハ
ンドピースによれば、ノズル開口の周方向の円弧幅Wが
ロータの回転軸線方向の高さHの2倍以上に設定されて
いるので、ノズル開口から噴射される空気をタービン翼
の前記回転軸線方向中央部に集中的に作用させることが
できる。また、ノズル開口の面積も大きく確保でき、空
気の噴出量も多くすることができる。
【0107】また本発明の請求項10のエアータービン
ハンドピースによれば、ノズル開口の周方向の円弧幅W
は、ロータの回転軸線方向の高さHの3〜20倍である
ので、ノズル開口として、回転軸線方向の高さHを小さ
くしても充分な開口面積を確保することができ、ロータ
を効率良く、高トルクで回転駆動することができる。
【0108】また本発明の請求項11のエアータービン
ハンドピースによれば、ノズル開口の周方向の円弧幅W
は、ロータの回転軸線方向の高さHの7〜15倍である
ので、ノズル開口の高さHおよび円弧幅Wが適切な比率
となり、ロータを一層効率良く、高トルクで回転駆動す
ることができる。
【0109】また本発明の請求項12のエアータービン
ハンドピースによれば、ノズル開口の周方向の円弧幅W
は、ブレードのピッチ幅Pの2倍よりも大きいので、ノ
ズル開口から噴射される空気は、常時、タービンブレー
ド部のタービン翼の実質上3個以上に作用するようにな
り、これによってロータの回転をスムースにし、トルク
リップルを少なくすることができる。
【0110】また本発明の請求項13のエアータービン
ハンドピースによれば、ノズル開口に空気を導くエアー
流路に隔壁が設けられているので、エアー流路を流れる
空気はこの隔壁に案内されて流れ、したがって、エアー
流路を流れる空気の片寄りを防止することができる。
【0111】また本発明の請求項14のエアータービン
ハンドピースによれば、エアー流路はヘッド本体とこの
ヘッド本体に装着される流路部材との間に形成されるの
で、エアー流路を有するヘッド部を比較的簡単に且つ安
価に製作することができる。また、流路部材に隔壁が設
けられるので、この隔壁を容易に設けることができる。
【0112】また本発明の請求項15のエアータービン
ハンドピースによれば、給気管の一端部が流路部材の取
付孔に装着されるので、流路部材に関する部品の組立が
容易であるとともに、エアー流路とグリップ部内を延び
る空気送給管との接続も給気管を介して行われるように
なり、その接続作業も容易となる。
【0113】また本発明の請求項16のエアータービン
ハンドピースによれば、流路部材は、塑性加工、合成樹
脂成形または粉末焼結によって形成されるので、この流
路部材を比較的容易にかつ安価に製作することができ
る。
【0114】また本発明の請求項17のエアータービン
ハンドピースによれば、ロータは第1および第2のター
ビンブレード部を有し、ノズル開口からの空気は、第1
のタービンブレード部に向けて噴射される。そして、ノ
ズルから噴射された空気は、第1のタービンブレード部
に作用した後第2タービンブレードに導かれてこれに作
用し、しかる後排出開口を通して外部に排出される。第
1のタービンブレード部からの空気が第2のタービンブ
レード部に作用するときにはその流速が幾分低下してお
り、それ故に、この空気は第2のタービンブレードに作
用してその回転トルクを上昇させる一方、その回転数を
幾分低下させ、かくして回転数を上昇させることなく回
転トルクを大きくすることができる。また、ノズル開口
から噴出される空気は、第1のタービンブレード部にロ
ータの回転軸線に対して実質上垂直な方向に作用するの
で、第1のタービンブレード部に効率良く作用する。さ
らに、第2のタービンブレード部に導かれた空気は、第
2のタービンブレード部にロータの回転軸線に対して実
質上垂直な方向に作用するので、第2のタービンブレー
ド部に効率良く作用する。
【0115】また本発明の請求項18のエアータービン
ハンドピースによれば、ロータの第1のおよび第2のタ
ービンブレード部は、それぞれ、第1および第2のハブ
部と第1および第2のタービン翼とを有し、第1および
第2のタービン翼は、それぞれ、ロータの回転方向に円
弧状に凸状に延びる第1の翼部と第1の翼部から実質上
連続してこれから離れる方向に向けて回転方向後方に延
びる第2の翼部とを有している。それ故に、ノズル開口
から噴出された空気は、第1のタービンブレード部の第
1の翼部に案内されて回転方向後方に流れ、さらに第1
のタービン翼の第2の翼部に案内されて上記第1の翼部
から離れる方向に向けて回転方向後方に導かれ、その後
第2のタービンブレード部の第1の翼部に案内されて回
転方向後方に流れ、さらに第2のタービン翼の第2の翼
部に案内されて回転方向後方に流れ、第1および第2の
タービンブレード部を通る空気の流れがスムースとな
り、この空気の流れが回転抵抗として作用することが著
しく低減される。
【0116】また本発明の請求項19のエアータービン
ハンドピースによれば、第1のタービンブレード部の第
1のハブ部は、ロータの半径方向内方に向けて実質上円
弧状に延びる第1の部分と、この第1の部分からロータ
の回転方向に延びる第2の部分とを有するので、ノズル
開口から噴射された空気のうち第1のハブ部に作用する
一部は、この第1の部分から第2の部分に沿って第1の
タービン翼に導かれる。そして、この第1のタービン翼
に作用することによって、ロータの回転トルクに寄与
し、ロータの回転トルクを上昇させることができる。
【0117】また本発明の請求項20のエアータービン
ハンドピースによれば、第2のタービンブレード部の第
2のハブ部は、ロータの半径方向内方に向けて実質上円
弧状に延びる第1の部分と、この第1の部分からロータ
の回転方向に延びる第2の部分とを有するので、第1の
タービンブレード部から導かれた空気のうち第2のハブ
部に作用する一部は、この第1の部分から第2の部分に
沿って第2のタービン翼に導かれる。そして、この第2
のタービン翼に作用することによって、ロータの回転ト
ルクに寄与し、ロータの回転トルクを一層上昇させるこ
とができる。
【0118】また本発明の請求項21のエアータービン
ハンドピースによれば、第1のタービンブレード部の第
1のタービン翼の第1の翼部は、ノズル開口の高さHの
1.5倍以上の曲率を有する円弧状に形成されているの
で、ノズル開口から第1のタービンブレード部の第1の
翼部に向けて噴出された空気は、この第1の翼部の円弧
状面に案内されてスムースに回転方向後方に流れる。
【0119】また本発明の請求項22のエアータービン
ハンドピースによれば、ロータのの第1および第2のタ
ービンブレード部における第2の翼部は、ロータの回転
軸線に実質上垂直な面に対して15〜45度の角度でも
って傾斜して回転方向後方に延びているので、第1のタ
ービンブレード部の第1の翼部に沿って案内された空気
は、それに続く第2の翼部に沿ってさらに回転方向後方
に向けて第2のタービンブレード部に向けて導かれ、ま
た第2のタービンブレード部の第1の翼部に沿って案内
された空気は、それに続く第2の翼部に沿ってさらに回
転方向後方に向けて導かれ、第1および第2のタービン
ブレード部における第1の翼部から第2の翼部に流れる
空気の流れがスムースとなり、回転方向後方に空気を噴
出する。そして、第1および第2のタービンブレード部
における第1の翼部から第2の翼部に流れる空気は、回
転トルクとして寄与する。また、空気の流れがスムース
になることによって、その流れの速度低下も少なく、こ
れによってもより大きい回転トルクを得ることができ
る。
【0120】また本発明の請求項23のエアータービン
ハンドピースによれば、内ハウジング部材とその外周面
に装着されるスリーブ部材とによって補助エアー流路が
形成されているので、第1のタービンブレード部からの
空気は、この補助エアー流路に案内されて第2のタービ
ンブレード部に確実に導かれる。
【0121】また本発明の請求項24のエアータービン
ハンドピースによれば、内ハウジング部材に複数個の流
路開口が形成され、第1のタービンブレード部からの空
気は流路開口の一端部から導入され、これら流路開口を
通して流れる空気は、それらの他端部から第2のタービ
ンブレード部に向けて噴出され、第2のタービンブレー
ド部の所定部位に向けて確実に噴出することができる。
【0122】また本発明の請求項25のエアータービン
ハンドピースによれば、内ハウジング部材および/また
はスリーブ状部材は、メタルインジェクションモールデ
ィン、粉末焼結または合成樹脂成形によって形成される
ので、内ハウジング部材および/またはスリーブ部材を
比較的容易にかつ安価に製作することができる。
【0123】また本発明の請求項26のエアータービン
ハンドピースによれば、第1および第2のタービンブレ
ード部を有するロータを比較的容易に且つ安価に一体的
に製作することができる。
【0124】また本発明の請求項27のエアータービン
ハンドピースによれば、第1および第2のタービンブレ
ード部が合成樹脂成形によっ一体的に形成され、第1お
よび第2のタービンブレード部に渡ってインサート部材
がインサートされているので、ロータをインサート部品
を介して回転軸に強固に固定することができる。また、
インサート部品の表面に凹凸が存在するので、ロータと
インサート部品とを強固に結合することができる。
【0125】また本発明の請求項28のエアータービン
ハンドピースによれば、上述した合成樹脂材料を用いる
ので、充分な強度と耐熱性を持たせることができる。
【0126】また本発明の請求項29のエアータービン
ハンドピースによれば、請求項9の基本的構成を備えて
いるので、上記請求項9と実質上同一の作用を有する。
【0127】また本発明の請求項30のエアータービン
ハンドピースによれば、請求項10の基本的構成を備え
ているので、上記請求項10と実質上同一の作用を有す
る。
【0128】また本発明の請求項31のエアータービン
ハンドピースによれば、請求項11の基本的構成を備え
ているので、上記請求項11と実質上同一の作用を有す
る。
【0129】また本発明の請求項32のエアータービン
ハンドピースによれば、第1のタービンブレードに関連
して、請求項12の基本的構成を備えているので、請求
項12と実質上同一の作用を有する。
【0130】また本発明の請求項33のエアータービン
ハンドピースによれば、請求項13の基本的構成を備え
ているので、請求項13と実質上同一の作用を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従うエアータービンハンドピースの第
1の実施形態の要部を示す部分断面図である。
【図2】図1におけるII−II線による断面図であ
る。
【図3】図1におけるIII−III線による断面図で
ある。
【図4】図1のハンドピースにおけるヘッド本体および
流路部材を分解して示す斜視図である。
【図5】図1のハンドピースにおける流路部材を下方か
ら見たとこを示す斜視図である。
【図6】図1のハンドピースにおけるロータを示す斜視
図である。
【図7】図6のタービン翼を示す展開図である。
【図8】本発明に従うエアータービンハンドピースの第
2の実施形態の要部を示す部分断面図である。
【図9】図8におけるIX−IX線による断面図であ
る。
【図10】図8におけるX−X線による断面図である。
【図11】図8のハンドピースにおける内ハウジング部
材を示す正面図である。
【図12】図11の内ハウジング部材を示す平面図であ
る。
【図13】図11におけるXIII−XIII線による
断面図である。
【図14】図8のハンドピースにおけるロータを示す斜
視図である。
【図15】図14のロータを示す展開図である。
【符号の説明】
2,202 グリップ部 4,204 ヘッド部 8,208 切削工具 10,210 回転軸線 12,212 チャンバ 14,214 ヘッド本体 16,216 流路部材 22,222 内ハウジング部材 26,32 ボール軸受 70,270 回転軸 74,274 ロータ 75 タービンブレード部 76,276,277 ボス部 78 タービン翼 80,280,282 第1の翼部 82,281,283 第2の翼部 90,290 ノズル開口 92,292 エアー流路 112,114,312,314 隔壁 120,320 排出開口 122,124,322 排出流路 278 第1のタービン翼 279 第2のタービン翼 332 第1のタービンブレード部 334 第2のタービンブレード部 346 流路開口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竺原 浩文 京都府京都市伏見区東浜南町680番地 株 式会社モリタ製作所内 (72)発明者 横田 一 京都府京都市伏見区東浜南町680番地 株 式会社モリタ製作所内

Claims (33)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グリップ部と、該グリップ部の先端部に
    設けられたヘッド部を備え、該ヘッド部に形成されたチ
    ャンバ内に、タービンブレード部を有するロータが配設
    され、該ロータが回転軸と一体的に軸受手段を介して回
    転自在に支持され、該回転軸に工具が着脱自在に装着さ
    れるエアータービンハンドピースにおいて、 前記ヘッド部のチャンバには、前記ロータのタービンブ
    レード部に向けて空気を噴出するためのノズル開口と、
    噴出された空気を外部に排出するための排出開口とが開
    口しており、前記ノズル開口の周方向の円弧幅Wは、前
    記ロータの回転軸線方向の高さHの2倍以上に設定され
    ていることを特徴とするエアータービンハンドピース。
  2. 【請求項2】 グリップ部と、該グリップ部の先端部に
    設けられたヘッド部を備え、該ヘッド部に形成されたチ
    ャンバ内に、タービンブレード部を有するロータが配設
    され、該ロータが回転軸と一体的に軸受手段を介して回
    転自在に支持され、該回転軸に工具が着脱自在に装着さ
    れるエアータービンハンドピースにおいて、 前記ロータのタービンブレード部は、ハブ部とこのハブ
    部の外周面に周方向に実質上等間隔を置いて設けられた
    複数個のタービン翼を有しており、 該複数個のタービン翼は、前記ロータの回転方向に実質
    上円弧状に凸状に延びる第1の翼部と、該第1の翼部に
    実質上連続してこれから離れる方向に向けて前記ロータ
    の回転方向後方に延びる第2の翼部とを有しており、 前記チャンバには、前記タービンブレード部の前記第1
    の翼部に向けて空気を噴出するためのノズル開口と、前
    記タービンブレードに向けて噴出された空気を外部に排
    出するための排出開口とが開口しており、 前記ノズル開口から前記タービンブレード部の第1の翼
    部に噴出された空気は、前記第1の翼部に案内されて前
    記回転方向後方に流れ、さらに前記第2の翼部に案内さ
    れて前記第1の翼部から離れる方向に向けて前記回転方
    向後方に導かれ、しかる後前記排出開口を通して外部に
    排出されることを特徴とするエアータービンハンドピー
    ス。
  3. 【請求項3】 前記タービンブレード部のハブ部は、前
    記ロータの半径方向内方に向けて実質上円弧状に凹状に
    延びる外周面を有する第1の部分と、この第1の部分か
    ら前記ロータの回転軸線方向に延びる第2の部分とを有
    しており、前記ノズル開口から噴出された空気の一部
    は、前記ハブ部の第1および第2の部分に案内された後
    前記タービン翼に導かれることを特徴とする請求項2記
    載のエアータービンハンドピース。
  4. 【請求項4】 前記複数個のタービン翼の第1の翼部
    は、前記ノズル開口の前記回転軸線方向の高さHの1.
    5倍以上の曲率半径を有する円弧状に形成されているこ
    とを特徴とする請求項2または3記載のエアータービン
    ハンドピース。
  5. 【請求項5】 前記複数個のタービン翼の第2の翼部
    は、前記ロータの回転軸線に実質上垂直な面に対して1
    5〜45度の角度でもって傾斜して回転方向後方に延び
    ていることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載
    のエアータービンハンドピース。
  6. 【請求項6】 前記タービンブレード部は、合成樹脂成
    形、粉末焼結またはメタルインジェクションモールディ
    ングによって、前記ハブ部と前記複数個のタービン翼と
    が一体的に形成されていることを特徴とする請求項2〜
    5のいずれかに記載のエアータービンハンドピース。
  7. 【請求項7】 前記タービンブレード部のハブ部および
    複数個のタービン翼は合成樹脂成形によって一体的に形
    成され、前記ハブ部には円筒状のインサート部品がイン
    サートされており、前記インサート部材の外周面には、
    両者の結合を強固にするための凹凸が設けられているこ
    とを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載のエアー
    タービンハンドピース。
  8. 【請求項8】 前記合成樹脂成形に用いられる合成樹脂
    材料が、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、フッ
    素樹脂、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケ
    トン、液晶ポリマ、芳香族ポリオレフィン、ポリカーボ
    ネイトおよびフェノール樹脂のいずれかであることを特
    徴とする請求項6または7記載のエアータービンハンド
    ピース。
  9. 【請求項9】 前記チャンバに開口する前記ノズル開口
    の周方向の円弧幅Wは、前記ロータの回転軸線方向の高
    さHの2倍以上に設定されていることを特徴とする請求
    項2〜8のいずれかに記載のエアータービンハンドピー
    ス。
  10. 【請求項10】 前記ノズル開口の周方向の円弧幅W
    は、前記ロータの回転軸線方向の高さHの3〜20倍
    (3H≦W≦20H)であることを特徴とする請求項1
    または9記載のエアータービンハンドピース。
  11. 【請求項11】 前記ノズル開口の周方向の円弧幅W
    は、前記ロータのの回転軸線方向の高さHの7〜15倍
    (7H≦W≦15H)であることを特徴とする請求項1
    0記載のエアータービンハンドピース。
  12. 【請求項12】 前記タービンブレード部には、周方向
    に実質上等間隔を置いて複数個のタービン翼が設けられ
    ており、前記ノズル開口の周方向の円弧幅Wは、前記複
    数個のタービン翼のピッチ幅Pの2倍よりも大きいこと
    を特徴とする請求項1および9〜11のいずれかに記載
    のエアータービンハンドピース。
  13. 【請求項13】 前記ヘッド部には、前記ノズル開口に
    空気を導くエアー流路が設けられており、また該ノズル
    開口に向けて空気を案内する隔壁が前記エアー流路に設
    けられていることを特徴とする請求項1および9〜12
    のいずれかに記載のエアータービンハンドピース。
  14. 【請求項14】 前記ヘッド部は、相互に協働して前記
    チャンバを形成するヘッド本体および流路部材を備えて
    おり、前記流路部材を前記ヘッド本体に装着することに
    よって、前記ヘッド本体と前記流路部材との間に前記エ
    アー流路が形成され、前記隔壁は前記流路部材に設けら
    れていることを特徴とする請求項13記載のエアーター
    ビンハンドピース。
  15. 【請求項15】 前記流路部材の一端部には、前記エア
    ー流路に連通する取付孔が設けられており、空気を送給
    するための給気管の一端部が前記取付孔に接続されるこ
    とを特徴とする請求項14記載のエアータービンハンド
    ピース。
  16. 【請求項16】 前記流路部材は、塑性加工、合成樹脂
    成形または粉末焼結によって形成されることを特徴とす
    る請求項14または15記載のエアータービンハンドピ
    ース。
  17. 【請求項17】 グリップ部と、該グリップ部の先端部
    に設けられたヘッド部を備え、該ヘッド部に形成された
    チャンバ内にロータが配設され、該ロータが回転軸と一
    体的に軸受手段を介して回転自在に支持され、該回転軸
    に工具が着脱自在に装着されるエアータービンハンドピ
    ースにおいて、 前記ロータは、第1および第2ののタービンブレード部
    を有しており、 前記ヘッド部のチャンバには、前記ロータの第1のター
    ビンブレード部に向けて空気を噴出するためのノズル開
    口と、噴出された空気を外部に排出するための排出開口
    とが開口しており、 前記ノズル開口から噴射された空気は、前記ロータの回
    転軸線に対して実質上垂直な方向に前記第1のタービン
    ブレード部に作用し、しかる後前記第1のタービンブレ
    ード部から前記第2のタービンブレード部に導かれた空
    気は、前記ロータの回転軸線に対して実質上垂直な方向
    に前記第2のタービンブレード部に作用し、しかる後前
    記第2のタービンブレード部から前記排出開口を通して
    外部に排出されることを特徴とするエアータービンハン
    ドピース。
  18. 【請求項18】 前記ロータの第1のタービンブレード
    部は、第1のハブ部とこの第1のハブ部の外周面に周方
    向に間隔を置いて設けられた複数個の第1のタービン翼
    とを有し、該複数個の第1のタービン翼は、前記ロータ
    の回転方向に実質上円弧状に凸状に延びる第1の翼部
    と、該第1の翼部に実質上連続してこれから離れる方向
    に向けて前記ロータの回転方向後方に延びる第2の翼部
    とを有しており、 また、前記第2のタービンブレード部は、第2のハブ部
    とこの第2のハブ部の外周面に周方向に間隔を置いて設
    けられた複数個の第2のタービン翼とを有し、該複数個
    の第2のタービン翼は、前記ロータの回転方向に実質上
    円弧状に凸状に延びる第1の翼部と、該第1の翼部に実
    質上連続してこれから離れる方向に向けて前記ロータの
    回転方向後方に延びる第2の翼部とを有しており、 前記ノズル開口から噴出された空気は、前記第1のター
    ビンブレード部の第1のタービン翼における前記第1の
    翼部に作用し、前記第1の翼部に案内されて前記回転方
    向後方に流れ、さらに前記第1のタービン翼の第2の翼
    部に案内されて前記第1の翼部から離れる方向に向けて
    回転方向後方に導かれ、その後、前記第2のタービンブ
    レード部の第2のタービン翼における第1の翼部に作用
    し、前記第1の翼部に案内されて回転方向後方に流れ、
    さらに前記第2のタービン翼の第2の翼部に案内されて
    回転方向後方に流れ、しかる後前記排出開口を通して外
    部に排出されることを特徴とする請求項17記載のエア
    ータービンハンドピース。
  19. 【請求項19】 前記第1のタービンブレード部の第1
    のハブ部は、前記ロータの半径方向内方に向けて実質上
    円弧状に凹状に延びる外周面を有する第1の部分と、こ
    の第1の部分から前記ロータの回転軸線方向に延びる第
    2の部分とを有しており、前記ノズル開口から噴出され
    た空気の一部は、前記第1のハブ部の第1および第2の
    部分に案内された後前記第1のタービンブレード部の第
    1のタービン翼に導かれることを特徴とする請求項18
    記載のエアータービンハンドピース。
  20. 【請求項20】 前記第2のタービンブレード部の第2
    のハブ部は、前記ロータの半径方向内方に向けて実質上
    円弧状に凹状に延びる外周面を有する第1の部分と、こ
    の第1の部分から前記ロータの回転軸線方向に延びる第
    2の部分とを有しており、前記第2のタービンブレード
    部に向けて噴出された空気の一部は、前記第2のハブ部
    の第1および第2の部分に案内された後前記第2のター
    ビンブレード部の第2のタービン翼に導かれることを特
    徴とする請求項18または19記載のエアータービンハ
    ンドピース。
  21. 【請求項21】 前記ロータの第1のタービンブレード
    部における第1のタービン翼の第1の翼部は、前記ノズ
    ル開口の前記回転軸線方向の高さHの1.5倍以上の曲
    率半径を有する円弧状に形成されていることを特徴とす
    る請求項19記載のエアータービンハンドピース。
  22. 【請求項22】 前記ロータの第1および第2のタービ
    ンブレード部における第2の翼部は、前記ロータの回転
    軸線に実質上垂直な面に対して15〜45度の角度でも
    って傾斜して回転方向後方に延びていることを特徴とす
    る請求項18〜21のいずれかに記載のエアータービン
    ハンドピース。
  23. 【請求項23】 前記ヘッド部は前記チャンバを形成す
    るヘッド本体を備え、該ヘッド本体のチャンバ内に内ハ
    ウジング部材が装着され、該内ハウジング部材の外周面
    にスリーブ状部材が装着され、該スリーブ状部材と前記
    内ハウジング部材とによって、前記第1のタービンブレ
    ード部からの空気を前記第2のタービンブレード部に導
    くための補助エアー流路が形成されることを特徴とする
    請求項17〜22のいずれかに記載のエアータービンハ
    ンドピース。
  24. 【請求項24】 前記内ハウジング部材には、周方向に
    間隔を置いて複数個の流路開口が設けられ、前記スリー
    ブ状部材は、前記複数個の流路開口を覆うように前記内
    ハウジング部材に装着され、これによって前記複数個の
    流路開口が前記補助エアー流路として作用し、前記第1
    のタービンブレード部からの空気は前記複数個の流路開
    口の一端部から導入された後それらの他端部から前記第
    2のタービンブレード部に向けて噴射されることを特徴
    とする請求項23記載のエアータービンハンドピース。
  25. 【請求項25】 前記内ハウジング部材および/または
    前記スリーブ状部材は、メタルインジェクションモール
    ディング、粉末焼結または合成樹脂成形によって形成さ
    れることを特徴とする請求項23記載のエアータービン
    ハンドピース。
  26. 【請求項26】 前記ロータは、合成樹脂成形、粉末焼
    結またはメタルインジェクションモールディングによっ
    て、前記第1のタービンブレード部と前記第2のタービ
    ンブレード部とが一体的に形成されていることを特徴と
    する請求項17〜25のいずれかに記載のエアータービ
    ンハンドピース。
  27. 【請求項27】 前記ロータの第1のタービンブレード
    部と第2のタービンブレード部とは合成樹脂成形によっ
    て一体的に形成され、前記第1および第2のタービンブ
    レード部に渡って円筒状のインサート部品がインサート
    されており、前記インサート部材の外周面には、両者の
    結合を強固にするための凹凸が設けられていることを特
    徴とする請求項17〜25のいずれかに記載のエアータ
    ービンハンドピース。
  28. 【請求項28】 前記合成樹脂成形に用いられる合成樹
    脂材料が、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、フ
    ッ素樹脂、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテル
    ケトン、液晶ポリマ、芳香族ポリオレフィン、ポリカー
    ボネイトおよびフェノール樹脂のいずれかであることを
    特徴とする請求項25〜27のいずれかに記載のエアー
    タービンハンドピース。
  29. 【請求項29】 前記チャンバに開口する前記ノズル開
    口の周方向の円弧幅Wは、前記ロータの回転軸線方向の
    高さHの2倍以上に設定されていることを特徴とする請
    求項17〜28のいずれかに記載のエアータービンハン
    ドピース。
  30. 【請求項30】 前記ノズル開口の周方向の円弧幅W
    は、前記ロータの回転軸線方向の高さHの3〜20倍
    (3H≦W≦20H)であることを特徴とする請求項2
    9記載のエアータービンハンドピース。
  31. 【請求項31】 前記ノズル開口の周方向の円弧幅W
    は、前記ロータの回転軸線方向の高さHの7〜15倍
    (7H≦W≦15H)であることを特徴とする請求項2
    9記載のエアータービンハンドピース。
  32. 【請求項32】 前記ロータの第1のタービンブレード
    部における複数個の第1のタービン翼は、周方向に実質
    上等間隔を置いて設けられており、前記ノズル開口の周
    方向の円弧幅Wは、前記複数個の第1のタービン翼のピ
    ッチ幅Pの2倍よりも大きいことを特徴とする請求項2
    9〜31のいずれかに記載のエアータービンハンドピー
    ス。
  33. 【請求項33】 前記ヘッド部には、前記ノズル開口に
    空気を導くエアー流路が設けられており、また該ノズル
    開口に向けて空気を案内する隔壁が前記エアー流路に設
    けられていることを特徴とする請求項29〜32のいず
    れかに記載のエアータービンハンドピース。
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