JPS606930Y2 - 円盤状情報記録媒体用カ−トリツジ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は円盤状情報記録媒体用カートリッジに係り、特
にカートリッジ本体に結合してこの開口部を閉塞する部
材の保合爪部を金属製板ばね部材の先端に設けた構成と
することにより、苛酷な雰囲気内においても変位してい
る係合爪部が確実に復帰しうるようにして、円盤状情報
記録媒体の再生装置よりのカートリッジ主体内への回収
Ｗ−を確実に行ないうる円盤状情報記録媒体用カートリ
ッジを提供することを目的とする。

ビデオディスクを収納したカートリッジを再生装置内に
挿入しその後引き出すことによりビデオディスクが再生
装置内に装着されて再生されるビデオディスク再生装置
がある。

本出願人は、このビデオディスク再生装置に適用しうる
ビデオディスク用カートリッジとして、先に特願昭５５
−１１２７８号１円盤状情報記録媒体用カートリッジ。

を提案した。

このカートリッジは、樹脂製のカートリッジ本体と樹脂
製の蓋とよりなり、蓋は、左右端側に弾性撓み変形しう
る腕部を設け、この腕部の先端にカートリッジ本体の凹
部に係合する保合爪部を設けた構成である。

腕部と係合爪部とは蓋本体と一体成形されており共に樹
脂製である。

なお、蓋は腕部が直線状となっている状態で係合爪部が
カートリッジ本体の凹部内に嵌合してカートリッジ本体
と結合している。

ディスク装着時及びディスク再生時には、再生装置内の
係止機構により、蓋の腕部が内側に弾性的に撓まされて
保合爪部がカートリッジ本体の凹部より抜は出た状態と
なる。

ディスク離脱時には、係合爪部が係止機構より外れて腕
部が直線状に弾性復帰して係合爪部が挿入されたカート
リッジ本体の凹部内に嵌入し、蓋がカートリッジ本体と
結合する。

こ）で、上記腕部は、長時間に亘る再生モード時に撓ん
だ状態のま）とされているものであり、しかも樹脂製で
あるため、ディスク再生動作が例えば温度５５℃、湿度
９０％という高温・高湿度雰囲気内で行なわれると、腕
部が弾性変形を起こして内方に撓んだま）とされ、係合
爪部は係止機構より外れても復帰せずカートリッジ本体
の凹部内に嵌入しなくなり、蓋がカートリッジ本体に結
合されず、ディスクのカートリッジ内への回収が出来な
くなるという重大な問題点があった。

そこで、本考案は上記問題点を解決したものであり、以
下図面と共にその一実施例について説明する。

第１図は本考案になる円盤状記録媒体用カートリッジの
一実施例の斜視図、第２図はこれを分解したときの斜視
図である。

円盤状記録媒体用カートリッジ１は、カートリッジ本体
２（以下スリーブという）と、蓋３とよりなり、内部に
円盤状記録媒体４（以下ディスクという）が収納しであ
る。

スリーブ２及び蓋３は共に樹脂成形品である。

スリーブ２は、一対の半体５を組合わせてなり、内部は
偏平なディスク収納用空間とされ、ディスク再生装置（
図示せず）への挿入方向前端が開口部６としである。

またスリーブ２の内部で開口部６の左右端近傍には、被
係合部として機能する凹部７Ａ、７Ｂが形威しである。

蓋３は本考案の要部をなすものであり、蓋本体８がスリ
ーブ２の開口部６内に嵌入し、左右の係合爪部９Ａ、９
Ｂが夫々上記凹部７Ａ、７Ｂ内に係合して、スリーブ２
に結合しである。

次に、蓋３の構成について、第３図乃至第７図を参照し
て説明する。

蓋３は、第３図Ａ、 Ｂに示す構造であり、第４図Ａ、
Ｂに示す蓋本体８に、第５図Ａ乃至りに示す係合爪組
立体１０を第６図に示すように組付けてなる。

蓋本体８は、第４図Ａ、 Ｂに示すように、係合爪部及
び腕部を有しない形状であり、左右端側に保合爪組立体
１０を取付けるための凹部１１Ａ。

１１Ｂ１及び切欠１２Ａ、１２Ｂが形威しである。

係合爪組立体１０は、第５図Ａ乃至りに示すように、金
属板製の板ばね部材１３を主体とし、この一端に保合爪
部９、他端にベース１４をインサート成形してなる構成
である。

なお、板ばね部材１３は、元々は第７図に示すように、
複数の板ばね部材１３が連結部１５で連結された形状で
あり、連結部１５の孔１５ａを利用されて位置決めされ
、複数の板ばね部材１３に対して同時にインサート成形
される。

この後、連結部１５の個所で破線で示す切断線に沿って
切断して、個々の係合爪組立体１０を得る。

従って、保合爪組立体１０は簡単に且つ安価に製造出来
る。

こ）で、板ばね部材１３は従来例での腕部の代わりとし
て機能するものである。

ベース１４は、矩形状の平板部１６と板ばね部材１３を
支持する鍔部１７とよりなる。

この係合爪組立体１０は、第５図Ｂ、Ｃにおいて中心線
に関して左右対称な形状としである。

この左右対称な構造と、蓋本体８の凹部１１Ａ、１１Ｂ
を深くした構成とにより、同一の係合爪組立体１０を向
きを変えることにより左右の係止爪として使用出来る（
第６図参照）。

従って、係止爪組立体１０としては左右の係止爪組立体
を別々に用意する必要はなく、同じ部品だけを用意すれ
ばよく、それだけ安価となると共に部品管理上の面倒も
ない。

なお、ベース１４において、鍔部１７の厚さｔ□は蓋本
体８の厚さくｔｉ）と等しい寸法としである。

また蓋本体８の凹部１１Ａ、ＩＩＢの深さｄとベース１
５の平板部１６の厚さｔ２とは、ｃｉ＞ｔ２であり、平
板部１６が凹部１１内に嵌入した状態で、鍔部１７の上
下面が蓋本体８の表面と同一面となる関係に定めである
。

係合爪組立体１０は、第６図に示すように、夫々係合爪
部９の凸部が外側に向いた状態で、ベース１４の平板部
１６を凹部１１Ａ、ＩＩＢ内に嵌入させ、鍔部１７を切
欠１２Ａ、１２Ｂ内に嵌合させ、溶着又は接着して蓋本
体８に組付けられる。

この組付は状態で、平板部１６は蓋本体８の表面より落
ち込んでおり、鍔部１７の上下面が蓋本体８の表面と同
一面とされている。

また、ベース１４はその矩形状平板部１６が矩形状凹部
１１Ａ、ＩＩＢ内に嵌入し、鍔部１７が切欠１２Ａ。

１２Ｂ内に嵌合して取付けられているため、係合爪組立
体１０は、先端の係合爪部９が正確に位置決めされて、
蓋本体８に堅固に取付けられる。

また、蓋本体８は、係合爪組立体取付用の凹部１１Ａ、
ＩＩＢを同一面側に配してなる構成であり、保合爪組立
体の蓋本体８への取付は作業を蓋本体の同一面側より行
なうことが出来、−側の保合爪組立体を取付けた後他側
の保合爪組立体を取付けるに際して蓋本体を上下面反転
させる必要はなく、蓋３の組立て作業は簡単に行なわれ
る。

上記構造の蓋３において、係合爪部９は板ばね部材１３
の弾性力により第３図Ａに示す位置に保持され、その凸
部がスリーブ２内の凹部７内に係合している。

また、ディスク再生に際してカートリッジ１を再生装置
内に挿入して引き出すと、蓋３の係合爪部９は第３図Ａ
中二点鎖線で示すように再生装置内の係止部材２０によ
り係止されて内方に変位し、凸部が凹部７より脱出し、
蓋３はスリーブ２より外れて再生装置内にクランプ保持
される。

ディスク装着後ディスクが離脱されるまでの相当長時間
に亘って、蓋３は上記の状態に保たれる。

しかし、係合爪部９は金属製の板ばね部材１３の弾性撓
み変形を伴って内方に変位しているものであり、この状
態が相当長時間に亘る場合、また再生装置が前記のよう
な高温度高湿度の雰囲気内で使用される場合にも、板ば
ね部材１３は永久変形を起こすことはなく、係止部材２
０による係止を解除されると板ばね部材１３は直ちに直
線状に弾性復元し、係合爪部９が外方に変位しスリーブ
２の凹部７と係合し、蓋３はスリーブ２と確実に結合す
る。

また、上記の板ばね部材１３は、ディスク装着のために
カートリッジ１を再生装置の奥部まで挿入した際に係止
部材２０により係止されて弾性変形する。

この弾性変形力がカートリッジ挿入操作に対して抗力と
して作用し、カートリッジ挿入操作が重く感する。

従来のカートリッジにおいては、挿入操作力を軽くする
ためには先端に保合爪部を有する腕部の厚さを薄くする
ことが必要なるが、腕部の厚さを薄くすると成形性が悪
く寸法精度が低下し、蓋のスリーブに対する結合が不安
定となる。

このため、実際上は、腕部としである程度の厚みを必要
とし、挿入操作力を軽くしようとする改善は十分には図
れなかった。

しかし、上記の実施例では、腕部を板ばね部材としてい
るため、成形上の問題及び蓋結合の不安定化の問題は無
くなり、しかも適当な厚さの板ばね部材を使用すること
により、係合爪部を第３図中二点鎖線まで変位させるた
めの荷重を支障なく ８０ｇｒ以下とし得、然してカー
トリッジ挿入操作力を小として、操作性の改善を図るこ
とができる。

なお、上記実施例では保合爪組立体１０を蓋本体８とは
別個に用意してその後保合爪組立体１０を蓋本体８に組
付けてなる構成としであるが、これに限ることはなく、
金属製板ばね部材に対し係合爪部９と蓋本体８とをイン
サート成形してなる構成、即ち、板ばね部材が蓋本体８
により直接保持される構成とすることもできる。

また、上記実施例は、係合爪組立体１０のベース１４と
蓋本体８の凹部１１とを互いに堅固に嵌合しうる形状と
し、しかも左右の係合爪組立体１０の組付けを蓋本体８
の一面側より行ない得るため、組立作業を簡単に行なう
ことが出来、板ばね部材に蓋本体を直接インサート成形
する場合（この場合には−の蓋の成形缶に板ばね部材を
二個位置決めする必要がある）に比べて製造上有利であ
る。

上述の如く、本考案になる円盤状情報記録媒体用カート
リッジは、カートリッジ本体に結合してこの開口部を閉
塞する部材中、係合爪部を先端に支持する腕部を金属板
ばね部材としてなる構成としであるため、高温度高湿度
雰囲気内で再生動作が行なわれている場合においても、
ディスクのカートリッジ内への回収に際して金属板ばね
部材は何ら永久変形することなく弾性復元し、係合爪部
がカートリッジ本体の被係合部と係合して蓋がカートリ
ッジ本体に結合して、再生動作が苛酷な環境下で行なわ
れているときでも、ディスク回収を確実に行なうことが
出来、更には係合爪部の内方への変位荷重を小とし得、
然してディスク装着操作を軽い力でスムーズに行なうこ
とが出来るという特長を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案になる円盤状記録媒体用カートリッジの
一実施例の斜視図、第２図は第１図中蓋をカートリッジ
本体より取り外し、ディスクをカートリッジ外に引き出
した状態での斜視図、第３図Ａ、Ｂは夫々蓋の正面図及
び側面図、第４図Ａ、 Ｂ・は夫々蓋本体の正面図及び
側面図、第５図Ａ乃至りは夫々係止爪組立体を示す正面
図、左側面図、右側面図、平面図、第６図は係止爪組立
体を蓋本体に組付ける状態を示す図、第７図はインサー
ト成形前の板ばね部材を示す図である。 １・・・・・・円盤状記録媒体用カートリッジ、２・・
・・・・カートリッジ本体（スリーブ）、３・・・・・
・蓋、４・・・・・・円盤状記録媒体（ディスク）、６
・・・・・・開口部、７・・・・・・凹部、訃・・・・
・蓋本体、９・・・・・・係合爪部、１０・・・・・・
係合爪組立体、１１・・・・・・凹部、１２・・・・・
・切欠、１３・・・・・・板ばね部材、１４・・・・・
・ベース、１６・・・・・・平板部、１７・・・・・・
鍔部、２０・・・・・・係止部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 円盤状情報記録媒体を収納する空間を有し一端側面を開
   口部とされ内部に被係合部を有してなるカートリッジ本
   体と、この係合爪部が該被係合部と係合して該カートリ
   ッジ本体と結合され該開口部を閉塞する部材とよりなり
   、該閉塞部材中該係合爪部を先端に支持する腕部を金属
   板ばね部材としてなる円盤状情報記録媒体用カートリッ
   ジ。